〜相方紹介〜
(樫の木おじさん)……相方その1。樫の木の化け物。殺しても殺しても死なない植物妖怪。懲らしめても懲らしめても懲りない極悪妖怪。とある教育番組のマスコットキャラをやっていたという過去はこのサイトの未来のために抹消した方がいい。ってか、こいつの言動が色々アレなせいで怒られた事も一度や二度じゃない。あれ、なんでこいつクビにならないんだろ?
(桜邪)……相方その2。容姿そこそこ、体型スレンダー、家事全般得意、相手に尽くす性格とそれなりにスペックは高いが、ここでは誰もこいつに女性としての権利・意義を認めていないので事実上の死に設定。まぁ、セクハラは日常的に受けてるんでチャラだと思う。今日も必殺のラジオペンチを手に、自らの尊厳を守るため過剰なツッコミを以って戦い続けるロンリーソルジャー
「(電話中)まぁ、こんなもんは適当に痩せる食材・器具って銘打てば真偽はともかく売れるんだよ。そうそう、もっともらしい事言ってりゃいいの。心配すんなって、こっちで上手くやっとくから。あぁ・・・そうだよ。で、取り分は前にも言ったが俺が7でそっちが3で・・・え? おい、今更ゴネてもそっちが損するだけだぜ? 業者はテメェんとこだけじゃねぇんだぞ。なんだったら、こっちでお前んとこのネガティブキャンペーンはってやっても・・・あぁ、分かりゃいいんだよ分かりゃ。ま、俺も鬼じゃねぇしな。今のは聞かなかった事にして大人の対応を・・・」
「・・・・・・樫の木さん、本番始まりますんで。電話切って下さい」
「・・・あ? (電話中)あぁ、もう時間だから。ちゃんといつもの口座に振り込んでおけよ。じゃあな。プチッ」
「・・・・・・もう始めてもよろしいですか、大吉さんのダイエット体験記」
「それなんだけどな、実は俺が発見した画期的なダイエット食材とダイエット法がある」
「せめて黒い部分を隠す努力の跡ぐらい見せなさい!!」
〜しばらくお待ち下さい〜
「すいません、反省しました。反省したので、黄色い熊の形に彫刻するのは許して下さい」
「貴方のような存在が2007年を表す一文字を決定したという事をよく自覚しなさい穀潰し」
「まぁ、私は無事に企画さえ始められればなんでもいいんだけどね」
「おや、恩赦とは珍しいですね。そんなにこの企画が楽しみですか」
「そりゃそうだろうさ。ダイエットでコケたらやらないはずの企画だし。そもそも2年前からやってたくせに「失敗したら色々アレだから」と冬コミ2007まで黙ってたこいつの心が痩せ細りすぎている。大体、85キロってなんだよ。中途半端にまだデブじゃねぇか」
「うるせぇやい。再生早々心無い発言を吐くな。せめてもう一行ぐらいは反省してボコボコモードのまま喋れ」
「しかも、冬コミ後の更新で減量成功を報告したくせに、もったいぶってるうちにダイエットネタ記録したデータが全部消えて復旧させてるうちに二ヶ月半も遅れて・・・これは天罰ですね。神様はチキンが嫌いです」
「それは思い出すだけでヘコむんで、いい加減忘れてくれないかな? いいからダイエット日記だよダイエット日記! 過去の出来事を色々振り返ってネタにするんだよ! このネタをちゃんとやり遂げるのが、ダイエットを決意した2年前からの私の願いなんだよ!!」
「大吉・・・」
「・・・なんだよ、いきなり「殺し屋1」の垣原組長みたいな優しい顔になって」
「お前の願いは、それか?」
「・・・・・・そうだよ。確かに、まだダイエットは継続中だし、継続日記じゃなくて振り返ってのネタ日記って微妙な形式だけど。それでもせっかくのイベントだから無事にやり通したいんだよ。お前らも相方なら協力してくれよ? いつもみたいに茶々入れたり妨害せずに」
「分かってます。大吉さんのその志、管理人としては立派なものです。私達は、貴方の願いを叶えましょう・・・」
「・・・わかってくれてるんならいいよ。じゃあ、ダイエット日記のはじまりはじまり〜☆」
「願い、聞き届けたり」
「なぁ、なんでいきなり私の手に黒い藁人形が握られてるの? あと、赤い糸が解けてるんだけど。それ鬱ENDフラグが成立してない?」
「喜びなさい大吉さん。貴方の願いは、ようやく叶います」
「なんで言峰神父みてぇなツラになってんだよ。目の前の不幸が愛しくてたまらないみてぇな目ぇしやがって」
「とりあえず、ダイエット日記始めるんでしょ? なら、第一回目は掴みとしてダイエットを決意した時の様子を振り返らないと」
「そうだね」
「そうそう、だから「はじめて大吉がダイエットを決意した日」・・・じゃねぇな。「もう何度目か分からないけどリバウンドと減量を繰り返した挙句にようやく馬鹿が自分の境遇を理解して人並みの努力を決意をするに至った日」に飛んで現場を目撃する必要があるわけだ」
「ないよ」
「では、さっそく過去に行きましょうか♪」
「だな、願いを叶えたんだ。これで過去へ通じる扉が開く」
「ならせめて呪文で行けよ! グルグルパピンチョとか唱えろよ!! もう仮面ライダーはキバになってるんだよ!! え? 電王は二作目映画化決定? そんなの関係ね痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!! へそに両の親指を突っ込むな! 人間の身体は素手で縦に開けるようにはなっていない! 違う! ラジオペンチを使えばいいってものじゃない!! お前はラジオペンチの力を過信しすぎている! その力は人類にはまだ早い!! 止めろ! フォーグラーを止めろ――!! 酒飲みながらニヤニヤ見てんじゃねぇクソ樫の木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
〜2006年8月〜
「・・・凄い断末魔だったなぁ。ってか、鯵の開きみたいになってたけど大丈夫なのかアレは?」
「問題ありません。人の記憶さえあれば何度でも元に戻ります」
「戻ればいいってものでもないと思うが」
「まぁ、ドラゴンボールで悟空さんも同じような事言ってましたよ。それよりホラ、あそこに過去の私達がいます」
「夏コミも終わった事だし、ダイエットをしようと思うんだ」
「頑張れ。明日から」
「違う」
「じゃあ明後日からですか。当日まで覚えてられるといいですね」
「一昨日きやがれ」
「・・・来てやってもいいが、方法的には凄く痛いぞ? 開くから」
「? 言ってる意味がよく分からん」
「ダイエットって言われても・・・大吉さん、これでそれ言うの何度目ですか?」
「言うたびに痩せてきたろ?」
「痩せるたびにリバウンドしてきたろ?」
「まぁ、今回は本気中の本気だよ。社会人になった事だしね。生活習慣を一新するのだ」
「・・・狼少年は、「子供の嘘に振り回されるだけで狼への備えをしない村人の愚かさ」と「子供は嘘をつくものだから一々目くじら立ててもしょうがないという教育学的見地からの寓話」という意味が篭った物語だ」
「何が言いたい」
「薀蓄を披露して人気を取りつつお前を罵倒したい」
「桜邪! 君の意見を聞きたい!!」
「・・・では、逆に一つだけ聞かせて下さい。大吉さんは、どのようなダイエットをされるおつもりで?」
「うん、まぁ私も社会人になった事だしね。せっかくだからスポーツジムにでも通おうかと思うね。先輩も通ってるらしいし〜。それで〜、ダイエットサプリとか飲んで〜、痩せる食材とか食べて〜。梁山泊一の頭脳派、この大吉が楽してズルしていただきかしら〜?」
「(性根が)腐ってやがる・・・! (社会に)出すのが早すぎたんだ・・・!!(例のCVで)」
「失礼な事言うな! こっちは痩せるための努力をしようとしてるんだろうが!!」
「大吉さん」
「なんだよ」
「大吉さんのここについてるこれはなんですか?」
「脂肪だね。ラジオペンチで摘むのヤメロ」
「それは、別の言い方がありますよね」
「贅肉とも言うね。ラジオペンチに力込めるのヤメロ」
「そう! 贅肉! つまり贅の限りを尽くしてついた肉です!!」
「ギヒィィィィィィッッッ!! 千切れる! 千切れてしまう!!」
「この肉を取るためには、そんな方法では無理です!!」
「ラジオペンチでも無理です!! たぁぁぁすけぇぇぇてぇぇぇぇ」
〜小休止〜
「あのままちぎれば手っ取り早かったのに」
「・・・すみません。私が悪かったです。だから何が悪かったのか教えて下さい」
「いいですか、大吉さんが今までそうやって節操なくガッツいた結果がそのお腹の贅肉です。言わば、甘ったれた根性のツケです」
「おらそこ。ちゃんと正座して聞け。姿勢がズレたぞ。人として軸がブレてるぞ」
「・・・なんでダイエットするって言っただけでこんな目にあってるんだろう・・・?」
「別にジム通いが悪いとは言ってません。ただ、大吉さんみたいな甘ったれた根性の持ち主は、そうやってジムのお金を払ったり何かを買ったりしたら、それだけで満足してしまうのです。ただお金を出しただけなのに・・・いえ、出したからこそ「お金を払ったから」という驕りを生み、ダイエットの成果を生んでいるような錯覚を生むのです」
「はっはっは、そんな馬鹿な」
「買っただけで使ってない参考書が一冊も本棚に無かったらそのまま笑い飛ばしていいぞ。人間は目の前の事にしか集中できず、すぐに目的と方法を取り違えるからな。「○○するために××する」だと往々にして後者が主目的に摩り替わりやすい」
「じゃあどうすればいいんですか? あと、タバコの灰を私の手のひらに落とすのはやめて下さい樫の木おじさん。私はとても熱いです」
「元を取るために頑張れる人ならジム通いもいいですけど、大吉さんみたいな受身の人は自分自身を追い込む事でプラスにするべきです」
「ほほぅ、追い込めばいいのか? 世の中には二次元キャラとラブラブするような対談形式もあるというのに、相方からこんな陰湿なイジメを受けてる私にさらに何かを失えと? ハハハハハ! いいよ、もう殺せばいいじゃない! 俺の命に何か価値でもあるってならさぁ!!?」
「桜邪・・・心という器は、ひとたび、ひとたびひびが入れば二度とは、二度とは」
「つぎでも当てときなさい。それで『ソバガキ』とでも銘打っておきなさい。あと、貴方も横からチャチャ入れないで下さい! 今はダイエットの話をしているんです! 大吉さんイジメなら後でやりなさい後で!!」
「うん、もうやめて。俺の精神点はとっくにゼロだ」
「まぁ、要するに足し算ではなく引き算のダイエットをすればいいんですよ」
「ダイエットの語源はそもそも「生活様式」だからな。お前がしているデブ型のライフスタイルを変更すべきだ」
「・・・具体的にどうしろってんだよ」
「間食や大食いをやめて食費を削りなさい。近距離交通費を削って歩くようにしなさい。そうやって、無駄に使うお金を削る事でダイエットと同時に節約もする事で一石二鳥の効果を生むのです!」
「さっきとは逆にな、人間は一つの目的だけに集中し続けるのは難しいんだよ。痩せるためだけにする努力はどこかでボロが出る。その「方法」を取り続けるための「目的」を考えるのは大事だぞ。何より、得した気分になれる」
「むぅ、確かに本買ったり漫画買ったり小説買ったりするから金はあるにこした事ないな。それは上手くいきそうだ」
「・・・それはいいんですが、社会人一年目でお金の使い道が一本化されてる状況に不安を禁じえません」
「キレるのはいいが決して哀れむな。それだけは許さん」
「あのな、痩せたいんだったら心に余裕を持て。イッパイイッパイになるとすぐ辛くなるぞ。工夫して、楽しんで痩せるためのアイディア出すようにしろ。お前の得意技だろ、自己欺瞞。あと、目先の苦労から目をそらすのとかも」
「ためになるお説教に見えて、最後でただの悪口になるのははあんたの悪いところだと思う」
「言ってる事は間違ってないんですけどねぇ・・・とにかく、生活様式を痩せ型に変えていきましょうと、そういう事ですよ」
「ちなみに、『いつまでもデブと思うなよ』とか、そう言うのは一切読んでないんでヨロシク」
「・・・誰に対する断りだよ」
「この業界はオリジナリティの所在には五月蝿いんだよ。どんな物語でも「この物語はフィクションです」と断る必要がある。それがたとえ、現実にいたら路地裏に連れ込んでフルボッコにして財布巻き上げたくなるようなヘタレが美人で性格の良いなんてUMAを4〜5匹も引き連れるような空虚な妄想であってもだ」
「・・・・・・それはフィクションじゃないと信じたい。人が夢見たことなんだから! それが人に叶えられないはず無いんだよ!!」
「・・・・・・そろそろ、「だから痩せる事もできるはず」とかそう言う話に戻してこっちに帰還しませんか?」
「女に何がわかる! 俺達は今、漢の夢の話をしているんだ! 引っ込んでろ!!」
「・・・ダイエットの相談に乗ってあげてる人に随分な物言いですね」
「・・・・・・おいおい、桜邪よ。そんなに謙虚にならんでもいいんだぞ?」
「・・・・・・はい?」
「いくら大吉に引っ込んでろと言われたからってそんなに力いっぱい胸を引っ込めんでも・・・ああ、元からだっけか! こいつはうっかりs」
ゴリゴリゴリゴリゴリ
「――大吉さん?」(血染めのラジオペンチを握り締めながら)
「はっ、なんでございましょうか?」(最敬礼)
「貴方は、痩せるために努力します。復唱をどうぞ」
「はっ、私めは誠心誠意痩せるための努力をします」
「嘘吐きはラジオペンチで、抜きますよ?」
「はっ、嘘吐きはラジオペンチで舌を・・・・・・あれ? 部位の指定は?」
「――さぁ? どこでしょう?」
「獲物がラジオペンチだけに一番可能性があるのは歯だけど・・・下手をすれば魂とかいう抽象的なのだってありうる。あいつはラジオペンチをなんか我愛羅の砂みたいな万能ツールと勘違いしてる節があるからな。そのうちラジオペンチがあれば四次元ポケットも要らないとか言い出しかねん。あのラジオペンチを使ってできない事なんて、あるのだろうか・・・?」
「そこはホラ、不健全なオタクらしくラジオペンチで下を抜いて貰えるとか前向きに考えてみるとかどうだ?」
「ああそうか。こいつ殺すのだけは無理なんだ・・・・・・って、いくらなんでもそれはないよ」
「むぅ、流石に工具じゃ無理か? お前のいる業界ではむしろご褒美だと思ったが」
「いや、ご褒美は合ってるけど、相手による。正直、アレが相手じゃネコ耳メガネメイド服でも硬度を保てない」
「・・・・・・さっきから人を置いといて何の話をしているんですか?」
「お前が不甲斐ないからたった一人の男も奮い立たせられないって話だよ!」
「・・・外野から応援はできますけど、頑張って立ち上がれるかどうかは本人次第だと思いますよ?」
「応援なんかで勃つか! 馬鹿かお前は!!?」
「応援しちゃダメなんですか?」
「口の使い方が違うね。ちゃんと舐めないと」
「嘗めるのは相手に失礼なのでは?」
「ただ上げ下げするだけならな。ちゃんと緩急をつける必要がある。たまに(玉を)揉んだりすると効果も上がるな」
「なるほど・・・相手の状態によって嘗めるような態度で自尊心を煽ったり、厳しく躾けて立場を判らせたりとちゃんと緩急をつける必要がありますか。それに(肩や腰を)揉むのはスキンシップにも繋がりますしマッサージとしてもいいですね。樫の木さんのお説教にしては珍しくためになるお話です」
「ふふん、どうやらお前も分かってきたようだな。そうだ、お前の言った通りM調教の態度にも色々ある。よし、お前はなんか実技が下手そうだから今度教えてやろう」
「是非ともお願いしますね♪」
「・・・・・・うん、無視される辛さはよくわかった。ダイエットも頑張るから・・・だから・・・せめて日記の時ぐらいこっちを見て下さい・・・会社でもいつも昼ごはんは一人で食べてるんですよ僕・・・」
〜現代〜
「そんなこんなでいい加減めんどくさくなってきたから大吉さんがダイエットを真面目にやる決意をしたんでしたっけ・・・懐かしい話です」
「勘違いはあったかもしれんが、俺にしては珍しく良かれと思ってした事だったのに」
「そーですねー。あの後、東南アジアのいかがわしい組織に200万で売られて色々と危ないところだったんですよねー」
「勿体無い・・・仕込みの完璧さでは定評のある連中だったから、一月もすればどこに出しても恥ずかしくない肉奴隷になれたはずなのに・・・ただでさえお前は貧相なんだから、せめて技ぐらいは一流の・・・すいません。自分では悪くないと思うけど俺が全面的に悪いと言わないと殴られそうなのでごーめーんーなーさーいー。ラジオペンチこっちに向けんな」
「あんまりふざけてると、大吉さんみたいな目に合わせますよ!!?」
「ってかさぁ・・・・・・なんで開きのままなのあいつ?
記憶による時間の修復とかってのはどうなったワケ? 目だけこっち睨んでてマジキモいんですけどー?」
「・・・誰も、覚えてなかったんでしょうね・・・気持ちは大変よくわかりますけど」
「・・・どうすんだよ、これ?」
「確かなのは一つ。私は今日一人・・・時間から零してしまったんです・・・守れなかった・・・」
「いい笑顔だな」
「樫の木さんこそ♪」
「まぁ、ダイエット日記は続けるんだし、治しておくか」
「・・・・・・・・・・・・・ダイエット日記?」
「俺も自信が無いからそこは無視しよう。流石に俺も作者死亡で締めくくられる回顧録は聞いた事が無い。友達の友達から聞いたような都市伝説ならともかく」
「ま、いいでしょ。どうせ次回か次々回にはまた死にます。とりあえず次回は『食生活その1』ってテーマらしいですよ」
「またどうせ脱線八割なんだろうが・・・まぁ、ダイエット指南本とかどこもそうだしな。作者の人生論とか入らないだけまだマシだと思おう」
「じゃ、こっちは縫って戻しておきますね〜♪ ・・・最初頑張ってもらうために、石でも詰めておきましょうかね?」
「ある意味、正しい赤頭巾の狼であるそいつには似合いの報いでいいかもしれんな」
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