刃牙道
第134話「時代の『宝』」

武蔵と本部の試闘が終わりました

なんかもう本部を持ち上げつつ武蔵を持ち上げつつ他のメンツも持ち上げつつと

飲み会でイジられてる接待がよくわかってない新入社員みたいな感じになってるんですが


とにかくスッキリ決着がつかないままとりあえず本部さんは入院しました

そんな本部さんの前にお見舞いにあらわれるのは一応メインタイトルにもなってる主人公のバキ君


満身創痍でありながらもベッドに堂々と横たわる本部さんの前に立ちます

本部さんもなんか風格があるというか、今にも「しゃぶれよ」「跨れよ」とでも言いそうな雄度です



「本部さん
容赦してください・・・
「守護りたい」 本部さんは俺たちにそう言った
その言葉に対して俺たちは――俺は・・・」

「もういいバキさん
間違っちゃいない
本部以蔵にはムリ! 正常な判断だ
徒手(素手)の俺と怪物のアンタらでは
さすがに分がワルい
10回戦って10回勝てる中年男――
そんな本部が自分らを守護る・・・・・?
そりゃ怒るわな」
 



遠まわしに「武器持ってたら勝てるんだけどね!」みたいに

自分をアゲアピールしながら謙遜を始める本部さん。おっさん大人の会話ですね


返す返すもここら辺の「武器があれば本部は強かった!」論は

悪い意味で今まで刃牙世界で描いてきた物語のアンチテーゼというか

最近よくある「正統派戦士は最弱系主人公が策を弄すれば簡単に倒せる」展開みたいな


悪い意味でテンプレなろう系小説のお手本みたいな流れだったので

もうちょっとこう、本部さんの強さに説得力与えられる展開はなかったんかなぁと思います


ちなみにここら辺、「最近の刃牙道の何が悪いか」を

小説投稿系サイトでよくある素人創作の悪い例を引き合いに出して書いてたら

なんか自分の中の暗黒面が垂れ流された結果50行ぐらいに及んでたので、バッサリ削りました


ただ、個人的に今んとこ刃牙道には創作での不味いやり方のほぼ全てが詰まってると思うので

いったん本部さんやら勇次郎やらの「魅力的なキャラ」要素を全部差っ引いたうえで

刃牙道の展開をプロット状にして顧みると、創作者志望の人にはわかりやすく「やっちゃダメな事」が理解できると思います


フォローしとくと、それでも毎週それなりに面白く読めるんだから板垣先生の画力とキャラクター制作能力は凄いんですよ

プロット化するとまずく見える展開内容も、ある意味毎週描きたいものを描く独自のスタイルによるものですしね


さて、2行ほど褒めたからもういいよなと思って閑話休題


バキ君が本部さんに「見くびっててごめんなさい」と頭を下げます

そしたら本部さんがバキ君のことをこう言います



「刃牙さん 地上最強のガキ
アンタは「宝」だ この時代の象徴だ
「強さ」という概念はアンタが受け継いでいる」
 



こうやってお互いを褒め合い始めるという

飲み屋ですればいいような掛け合いが始まりました

登場人物が登場人物を褒める展開はもうちょっと気持ちがいいものなはずなのに

互いが互いに謙遜と持ち上げを繰り返して言い合うもんだから、読んでてひたすらぬるぬると微妙な空気を感じます



「オーガ・・・「地上最強の生物」 神だ
この世界の「秩序」だ 神は手離せねぇ

渋川剛気先生 その技術はもはや「国宝」の域
「無形文化財」は守護るものだ

愚地独歩
近代空手の「父」だ
「武神」独歩を失ったなら 空手道は「太陽」を失う
そんなこたァ許されねぇ」
 



ぶっちゃけここら辺、大きなお世話だとは思うわけですが

そりゃ普通の技術だったらそりゃ武術家が守らないといけないものですが

相手も武術家というか、身を守るための技術を身に着けた人達なんですから

それを上から目線で「守らないといけない」なんて言い出しても嫌味にしかならないというか


ここら辺のへりくだってるんだか見下してるんだか分からない物言いが気持ち悪いですね(ストレート)



「花山薫だけが持つ 天井知らずな矜持
大化け愚地克己 空手界における堂々たる第2の太陽だ
ピクルはあれだ 言わずと知れた人類の財産 そして仲間だ」
 



段々雑になってきてませんか本部さん? 

なんか神だ国宝だと褒め続けてきたのが、段々と「いいとこ探し」みたいになってきました

そんなハウス名作劇場のポリアンナみたいな様相を呈してきた本部さん



「「ガイア」の地球に優しい戦闘術
「道」に外れても「空手道」はブレない加藤清澄
鎬紅葉の「解剖学戦闘術」
実弟昂昇の「斬撃流」
中国武術の権化 郭海皇の長寿」
 



それはただの個性ですよ本部さん 



つーか地球に優しい戦闘術て!

あの人、木の蔓を引きちぎったり砂や水をまき散らしたり

わりと地球に優しくはないですよ。武蔵相手には銃やらナイフやら使ってましたし


なんか褒めるとこのない無害な男を「優しい」と評価してるだけの気がします

あと鎬兄弟はまだオリジナリティがあるから守護らないとってのはわかりますが

加藤は完全にただの一言キャラ紹介になってませんか?


じゃあ末堂はなんになるんだって話ですよ

もういっそ全人類を守護らないとって言った方が早いレベルです



そして「〇〇の××」、「△△の□□」とキャラ紹介を続けます



ちゃんと花田の事も言ったんでしょうか? 



ちょっとー! あんたの弟子でしょ!? もう出番が完全に消えてるけど!

一応は免許皆伝与えた弟子なんだからキャラ紹介ページにぐらいは載せてあげてくださいよ!

(キャラ紹介ページじゃねぇよ)


まぁ、遠回しに「あいつはもう宝じゃない」とか言ってるんでしょう

もしくは体術は教えたけど武器術は教えてないとか不肖の弟子扱いして切り捨てるつもりとか

ジャックがベトナム戦争末期に生まれて今がオバマ政権の年齢の矛盾ぐらい無かった事にするつもりですよこの人



で、とりあえず褒めちぎった本部さん

最後にこう付け足します



「それぞれがそれぞれに 繋がりを持つ
武蔵はどうだ・・・・・?」
 



武蔵には繋がりがない孤独だと本部さんは言います

言葉が喋れるだけピクルよりはマシなんじゃないかと思わないでもないですが



いやだって、過去からきたのはピクルと一緒だし

勝ったら斬り殺すとかはピクルなんて食べちゃってるし

ピクルが仲間なら武蔵も仲間でいいじゃんと思わなくもないですが

なんか本部さん的には武蔵には繋がりがないそうです


まぁ、それ言ったらジャックだって範馬一族で孤立してるようなもんですが



さっきのだって、範馬親子は宝だ神だと褒め称えておいて

ジャックはスルーしてるのはイジメとして訴えたら裁判で勝てるレベルだと思いました

最近健康志向なのか、ドーピングせずに本部と戦ったりしたから負けたんですよ多分あの人


それとも、ジャックはもう繋がりのない人間だと認識してるからこそさっきの説明で省いたんでしょうか?

誰かジャックの孤独を救ってくれる人は現れるんでしょうか?(話が違ってきてる)



そして、最後にドクター紅葉がやってきて

武蔵がテレビに出てると伝えて今週は終わりました


これで来週武蔵が「本部以蔵は強かった!」とかテレビで褒め始めたら

「登場人物が相手を凄いと褒めるだけの展開」がいかに悪いかについて

最近のなろう系創作を引き合いに出して100行ぐらい語り続けるのですが


いっそもうここで武蔵が「私はクローン技術で生まれた犠牲者です」とか暴露して

徳川のじっちゃんによる犠牲者を生み出さないようにした方が世のためにはなるんじゃないかと思いますが

とにかくなんかそろそろ本部さんはいったん置いといて動きのある展開を望みます


最近いきなり感想再開しといてなんですけど、

ずっと本部さんが登場人物達を噛ませにしながら謙遜しまくるだけの内容なので

感想が書き難くて仕方ないんですよね


もうちょっとこう、バキ君の金玉がいきなり爆散するような感想書きやすい展開になるといいですね