バキ
第272話『覚悟』

今週は二本立てです

父親同士が偉大な者同士の対決です

好きな女が同じで目指す頂点も同じ、あらゆる意味でライバル対決です



・・・こう書くと、いかにも盛り上がりそうな試合に思えるから言葉のマジックって不思議ですね



とりあえず、今週は巻頭カラーでスタートになります
いいですね、扉絵からこのやる気が欠片も見られない魚みたいなツラ(よかねぇ)


まぁ、正直読者としての注意はそんな扉絵よりも、
隣でゲーム版餓狼伝に電撃参戦する親父の背中に釘付けでしょうが


・・・つくづくオイシイところを親父に持ってかれる星の下に生まれた男です
正直、こんな様子見せられてこのボーイが鬼父に勝てる姿なんて思い浮かばないんですけど・・・


あと、散々原作クラッシュして漫画化した上に、
どうやら哭き虫サクラまでゲームに出すつもりのようです

・・・これで久我重明まで出てきたら、ある意味すげぇ豪華なゲームになりますね


いっそ安倍晴明もついでに出せば盛り上がるんじゃないですかね?(ファミコンジャンプじゃねぇんだぞ?)


しかしまぁ、なんと言うか。ゲームが発売されて親父乱入がある前に



板垣先生の仕事場に日本刀持った夢枕先生が乱入しそうですね


修羅場中の仕事場に漫画家が二人・・・・・・勝負でしょう(なんでや)


まぁ、いつまでも現実から逃げてても仕方ないんで今週の内容
・・・三十六計逃げるを上計となすって。昔の偉い人はタメになる事言ってたんだなぁ・・・


一般人でもやってりゃここで引き返しもできるんだろうがよ ここがネタ感想書きの辛ぇところよ・・・


え〜と、前回から一週挟んでずっと締められているJr


『メキュッ』とか『ギュウウウウウウ・・・・・ッッ』とか『ググ・・・グッ・・グッ・・』とか

壮絶な擬音にまみれながら、明らかにあっち側の世界を見ている目つきになっています


その死にかけ顔の凄まじさにか本気で絞め殺そうとしてる恋人にか、
あるいはその両方か、試合を見守る梢江ちゃんも恐怖で歯の根が合わない様子です

そして、Jrのただならぬ様子に、試合終了を告げる合図をする徳川のみっちゃん

・・・梢江ちゃんではありませんが、私も読んでて寒気がしました。このまま終わっちゃうんじゃないかって


でも、逆転、逆転、また逆転が板垣戦闘の醍醐味です
ここで「勝負あ・・・」の状態で、きっとJrは覚醒してピンチをチャンスに変えるはずです!!

さぁ、やるんだJr! 逆転の拳をバキ君の顔面に叩き込め!!


で、次のページ。えぇ、確かに叩き込まれてましたとも。モハメド・アライのパンチが





パンチがヒットした時の擬音は『バカ』





なるほど。つまり、期待をすればバカを見るって事でしょうか


上手いね、板垣先生も(サンドバッグに蹴りを入れながら)



一瞬、読んでて立ちくらみがしましたが、
いつだってスタンド&ファイトが信条ですから頑張って次のページを開きます

突然乱入者にぶん殴られ吹っ飛ばされるバキ君
この緊急事態に、見ていた観客達もざわつきはじめます

そりゃそうでしょうね。だって、闘技場のチャンピオンがいきなり現れた乱入者に殴りとばされ・・・



「オイ アレって・・・」 「アライ?」 「エ? うそっ」 「マホメド・アライ!?」

「マジかよ」 「ホンモノ?」 「アライだ」 「マホメド・アライだッッ」

「マホメド・アライがここにいるッッ」





だからどうした



とりあえず、乱入者にチャンピオンが殴り倒されたのはどうでもいいようです

まぁ、乱入はチャンピオンのパパの日常茶飯事ですしね。もう慣れちゃったんでしょう


むしろ、予期せぬ大物が出る事にもいい加減慣れて欲しいんですけど


そして、いきなり殴り倒されたバキ君がゆっくりと起き上がらない

そんなバキ君に、伏目がちに詫びるアライパパ。ちょっとした萌え仕草ですが、多分これもパパの計算でしょう



「スマナイ・・・」

「伝説のパンチ・・・光栄だ」



一応、バキ君もアライパパには敬意を持っているようです
まぁ、さっきの観客の皆さんの様子見ても分かるとおり、このカリスマ性ですからね
倒すべき父親以上に悪役(ヒール)が似合うようになったバキ君としてはもうメロメロでしょう



「それに・・・
アンタが割って入らなきゃ
確実に殺していた 確実にね」



バキ君、どうやらガチでJrの事殺すつもりだったようです



・・・どこまで童貞捨てれば気が済むんだこの小僧は


バキ君の殺す発言に、梢江ちゃんも徳川のじっちゃんもすっかり引いてます

私もさっきから、ドン引きです。はじめてレイザーラモンHGをテレビで見た時ぐらい引いてます


冷めた目でJrを殺していただのなんだの語るバキ君
・・・今、目の前で夜叉猿殺されても同じ目ぇしてそうですっげぇ嫌

かつての対戦者の皆さんがバキ君を見捨てた理由が凄くよく分かります



「ソレガ理解ッタカラ乱入シタ
重大ナルール違反ダガ後悔ハシテイナイ
タトエ・・・ココデ君ニ殺サレテモ」



偉大なチャンピオンが息子を救うために、
ルールを侵す事も自分が殺される事さえも厭わない

ボロボロになった息子にさらに追い討ちをかけるような真似をしても、
それでも彼は『父親』としても偉大な男である事を誰もが認めるところでしょう

・・・息子は息子の息子を潰されて、孫ができなさそうな状態で延びてますが


どうしてこう、親父キャラばっかカッコいい展開が続いてるんでしょうか
前回、脚本が井上さんになったのかと言いましたが、監督が今川さんになったのでしょうか?


克己、今再登場しちゃ駄目よ。ろくな扱いされないから


ともかく、偉大な男相手に、尊大な王者がその息子について語ります



「殺ラレズニ殺ル
Jrは俺にそう言った
相手から命をも奪ろうというのに
自分の命は差し出していない
殺られずに生きようとしている
殺られて当然だ
跳び込んできたときのアンタのような
ホンモノの覚悟を持たなきゃな」



カタカナでのJrの台詞の再現。多分、口調をそのまま真似たんでしょう

で、アライパパを『アンタ』呼ばわりで初対面でタメ語


・・・・・・あの子も、昔は素直な子だったんだがな、母さん(誰だよ)


え〜と、とりあえずJrの言動を全否定するバキ君
つまり、「貴方・・・覚悟して来てる人ですね?」って感じで覚悟を持てと

殺られずに殺るなんて、打たれずに打つなんて嘘っぱちだと

チャンピオン漫画キャラなら満天の星を目指せと


(多分、最近の読者は知らないと思うから注釈
満天の星。昔、チャンピオンで連載してたボクシング漫画
NGワードがはじめの一歩と説明すれば勘のいい人は察してくれると思いますが(黙れ)
「ボクサーは殴りあいから逃げちゃいけない」と超理論をぶちかましたので有名。いや、面白かったですよこの漫画?)


先週のパパの焦り顔は、
「あっ、こいつまだわかってやがらねぇ」って意味での驚愕の表情だったんでしょうか


つまり、Jrと父親とのいまだ埋められなかった差は、
父親は「打たれる覚悟を持ちつつ打たれずに打った」のであり、
単に技術面でしかそれを捉えられてなかったJrの精神的未熟が敗因だったと・・・・・・



あんだけ成長物語やってまだ足りなかったのかテメェ


そりゃアライパパも驚愕の表情になりますよ

こ、ここまで長々と成長物語に付き合わせといて、結局、「覚悟が足りない」で一蹴・・・?



教えて相沢君・・・あの子、なんのために生まれてきたの・・・?(泣きながら)


思わず、「バキにJrなんてキャラいないわ」とツンデレるところでしたが、
いやほんと、こいつ出すことで『バキ』って物語に何の因果があったんですかね?

ライバルキャラにしてもバキ君の眼中に無かったし
今まで意味ありげに散々引っ張っておいて、何の影響も与えずに散っていく・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・あれ? 僕、そういう海王知ってるんだけど?


慢心して一瞬でやられちゃうとこまでそっくりな人
まぁ、海王の大半がそういう存在だったと言うのはともかく


確かにこのやられぶり。Jrも範海王とならいい友達になれそうです

確かに完成しましたね。ネタキャラとして


・・・・・・教えて相沢君・・・(以下略)


ともかく、バキVSJrはこれで幕のようです

散々前フっといて、SEXより短い時間で終わりましたが


・・・ここで「擬態だよ・・・」とか言って起き上がらないかなぁ、と言う私の期待もむなしく、

バキ君が勇次郎の方を向き、そして言います



「親父・・・俺と闘ってくれ」


いきなりの勇次郎へのラブコール
この発言に会場のみんなも驚愕の表情です


私も驚愕しました。思わず、「あんたじゃ無理だ。オリバが代わる」と肩を叩きたくなるぐらいに


もう誰もJrの事なんか覚えてない・・・つーか、記憶から消したい・・・状況の中、バキ君は爆弾発言を続けます



「その試合を最後の防衛線とし――――――
俺という物語の締め括りとしたい」




もうね、このバキ君の発言にはほんと驚きですよ! ええっ、ほんとかバキ君!!







この期に及んでチャンピオン気取りか


防衛戦ってなんだ防衛戦って
今のお前になんか守るもんがあるんですか?(ヒデェ言い草)

ある意味、ヘッドロックする直前の猪狩さんぐらい全てを失っていると思うのですが


ともかく、ついに勇次郎との決戦の時期がやってきました!!

最後のページ、見開きで宿命の二人の間に闘気の嵐が吹き荒れる!!



・・・・・・あれ? なんだろう? この、超盛り上がってるはずの事態なのに、



さっきから脱力感しか沸いてこないのは


まぁ、好意的に解釈すれば今回のJrのエピソードは、
勇次郎への「殺される覚悟を持って殺す」って意思表示だと思うんですが
な〜んか死亡フラグ立てただけでバキ君の勝率があがった気が微塵もしないんですけど・・・


ひょっとして、この防衛戦を最後に物語を締め括るってのは、



勇次郎が新チャンプになって新しい物語が始まるって布石でしょうか?



いや、別にもうそれでオッケーって気もするんですけど(寝床にぶっ倒れながら)