バキ
第265話『人体』

板垣世界では基本的に人体の水分は過剰摂取&過剰排出されます

やっぱり戦う男は汁気がたっぷりだって事なんでしょうか
道場の中が汗まみれになったり観客が汁まみれになったり液体系イベントには事欠きません

ちなみに、萌え方面で同じように汁っ気たっぷりにしようと挑戦して、
同じようにギャグのような液体描写満載になった漫画としてエイケンと言うのがありましたが、

記憶に留めてもトラウマにしかならない事例のため、
新規の読者でこの漫画を聞いた事が無いって人は忘れて下さい
思い出してしまった人は、ムラサキカガミの単語を忘れる要領で忘れて下さい


ともかく、そんな汁系格闘漫画の代表格であるバキ
今回は、特訓中のJrが全身から汁を迸らせる描写で始まります

バキとの対決に備え、ひたすらサンドバッグをたたき続けるJr
その汗の量は、床をプールにし、ギブスからも大量の汗が溢れて吹き出るほどです

きっとパンツとかは濡れ濡れグチョグチョでさぞ凄い事になってるのでしょう
そういうフェチの人にはたまりません。梢江ちゃんを落とすフェロモンの貯蔵は充分のようです



「(いったい・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何時間ああして・・・・・・)」



満身創痍でハードトレーニングを続けるJrを気遣うデイヴ
つーか、見続けるって事は、何時間もそうやってただ見てたんですか貴方

暇なんですかチャンプ。いや、一流のトレーニングを見るのも参考になるかも知れませんが、
あんまりぼ〜っと見てるだけだと、最近出なくなった加藤さんとか花田さんとかと同じポジションに立たされますよ

ちなみに、擂台賽の決勝ではバキ君がそのポジションに立ってたワケですが

・・・チャンピオンとしての自覚はともかく、むしろバキ君の方がまともに試合できるかどうか、満身創痍のJr以上に不安です


そして、デイヴが星さんちの長女さんのようにJrを見つめていると、
横からいきなり帽子とサングラスをつけた謎の黒人男性から声をかけられます



「いつから・・・ああしているのかね?」


いきなり不審者に声をかけられ、
ブルドッグのようなしかめっ面になるデイヴ



「誰だてめェ
ここは立入り禁止だぜ
サングラス外せッ」



その言葉に、一コマもかけずに素顔をさらす不審者。と言うか、アライパパ

いきなりのパパ出現に驚愕し、虎岩先生みたいなへつらいの笑みを浮かべるデイヴ



「・・・・・・・・・お・・・・・・
俺がマチガっていた
アンタには必要だよなサングラス
アメリカ大統領より有名人と言われるアンタが・・・
素顔で出歩けるハズがねェ」



すっかり負け犬キャラとして定着した感がありますデイヴ
モデルがヴァンダレイ・シウバだと言う話ですが、絶対王者がこの扱いと言うのも酷いものです

まぁ、ヒクソンも初登場ですでに敗北を経験済みでしたし、
ガーレンなんて本人が見たら板垣先生を投げ殺しに来るんじゃないかって扱いでしたから

ある意味「現実世界で強い人」への板垣漫画的通過儀礼みたいなもんなのかもしれません



「いいのかな・・・・・・・・・?
ここにいて」



微妙に意地悪っぽく言うアライパパ
相変わらず肌以上の黒さが内側からにじみ出ています
素顔を見せた時とか、「余の顔を見忘れたか」とか言う時の暴れん坊将軍と同じ気持ちだったんでしょうね


むしろサングラスと帽子は変装用と言うよりも、
こうやって並ファイターへの嫌がらせ用につけているのかも知れません



「アンタは全てのファイターにとって神だ
むしろ俺がこの空間にいていいのか尋きたいくらいだよ」

「くつろいでくれたまえ絶対王者よ」

「・・・・・・・・・・・・こ・・・・・・
光栄です・・・・・・チャンプ・・・」



アライパパの神の目線からの物言いにすっかり萎縮してしまうデイヴ
と言うかほんと、なんのためにいるのかと。むしろこっちが尋きたいぐらいですが

ともかく、絶対王者に軽く嫌がらせをしながら神は息子の傍に近づきます



「闇雲に・・・
無目的に・・・光明もなく・・・・・・
ただそうして・・・バッグを打つ気分はどうかね・・・・・・・・・?」



遠まわしに、無駄な努力をしてる気分はどうかみたいな事を言うアライパパ
多分激励に来たんでしょうが、まず嫌がらせから入るのがやはりアライスタイルなのでしょうか

しかしその言葉にトレーニングを中断し振り向くJrの顔に迷いはありません



「一切の戦略が立たずとも・・・・・・まずは叩け」

「はは・・・わたしが君に言った言葉だったな」



あくまで父親の教え・言葉を疑わずに愚直に努力するJr
父親も、ある意味それを見越しての嫌味なのでしょうか。根っからのサドっぽいですこのおっさん


そしてトレーニングを再開するJrに、
父親はその背中を見つめたまま声をかけます

ちなみに、デイヴは相変わらず背景と同化して見てるだけです



「半日以上もそうしているらしいな
科学的ではない
だがそれでいい 近代医学がどうあろうとも
負傷した部分に負担を与え肉体を対応させてしまう
古流武術にはいくつもの実証例がある
人体にはそれほどの力がある」



ボクシングの場合、むしろその西洋的・科学的である事に最も拘り続けてきた格闘技でしょう
階級別に細かくわけ、グローブをつけ、いかに人体への損傷を少なくしてハードに殴りあうかを追及したスポーツ

ベストコンディションまで回復させず、こんな満身創痍の状態で戦う事は愚の骨頂以外の何者にもとられないでしょう


しかし、アライ流はそこからさらに一歩踏み込み、
東洋の古流武術の考え方も取り入れて進化させようと言うのでしょうか
アライパパ的の言い回しからは、そう言ったあらゆる拳技の流れを取り入れようとする貪欲さが見てとれます


あと、もう一つ読み取れる事は、
デイヴにJrの練習量を聞いておきながら、
自分はしっかり把握した上でここにやってきたと言う事は
やっぱりデイヴに声かけたのは嫌がらせ要素を含んでたって事でしょう



「バキ・ハンマがお前の挑戦を受諾した」


そしてここに来た本題であろう言葉を口にするアライパパ
長きに渡り望んでいた日が近づく。その事実に、Jrの拳にも力が入ります
それは比喩ではなく、現実にサンドバッグに打ちこまれる拳に重みが増していきます



「ただし 条件はベストコンディション
最高の状態で試合場に立て
ならば相手をしてやろう バキ・ハンマの言葉だ」



これはまさに王者から挑戦者に向けた挑戦状
王者である自分とやるからには、言い訳のできないぐらいの最高の自分で挑め
まさに、地下闘技場で長年王者の地位を守り続けてきた者に相応しい風格を伴った発言です


まぁ、最近のバキ君の行動を考えると、正直何様だこいつとか思わなくも無いですが


と言うかまぁ、今までのパパさんの行動・言動考えるに、
なんか誇張表現と言うか、息子にやる気出させるための捏造とか含んでそうですけど


ともかく、父親の言葉の一言一言を聞くたびにどんどん力強さを増していくJrの拳


デイヴも「(音が・・・)」とその変貌ぶりに無言で驚愕しています
絶対王者が単なる驚き役のためだけにここにいると言うのもある意味贅沢な話です

モハメド・アリリスペクトのキャラともなれば、噛ませ犬だけでなく
驚き役にも気を使うって事でしょうか。と言うか、加藤達はもうリストラ決定なんでしょうか?


まぁ、驚き役の世代交代はともかく、
今までは痛みをこらえて打つのが精一杯だったJrが
父親の一言で次々とサンドバッグにいいパンチを打ち込むようになっていきます

その威力たるや、サンドバッグを揺らすだけでなく己のギブスを徐々に破壊していくほど


そして今までのリアル路線が嘘のようなファンタジーぶりで両手足のギブスを自ら粉砕して復活するJr


まぁ、相手は14リットルの砂糖水であっと言う間に太ったり
涙で裏返ったりSEXでパワーアップするような理不尽の権化の怪物です
これぐらいの超回復ができないようでは、とてもじゃないけど相手はできないでしょう


要するに、いついかなる時でも戦闘を求められるのが格闘家なんだから
いついかなる時でもベストコンディションでいられるように人体を魔改造しろと

ある意味それがJr編の裏テーマみたいなもんだって事でしょうか?(絶対違う)


ともあれ、これで久しぶりにベストコンディション同士
鬼の子と神の子のガチ対決が見られる方向に話が進んでいるようで嬉しい限りです

まぁ、まだ王者側に不安が残ると言う理不尽な状況ですが、これは期待できる展開でしょう


そして、Jrの急激な完全復活に呆然としているデイヴに、偉大なる男は振り向いて声をかけます


「スゴいね 人体(はぁと)」


そして最近の板垣先生のお気に入りっぽいアライスマイルを浮かべるパパ

まぁ、確かにスゴいと言うかある意味爆発オチでも次回では復活しているギャグ漫画のようと言うか、


ともかく人体の持つ無限の可能性を発揮するJr
いざと言う時の人間の回復力と言うものはかくも凄まじいのでしょうか

私も、数時間前まで関西旅行に行ってきて、
明日はまた伊豆へサークルの合宿旅行に行くのですが、

現在切実にJr並の回復力が欲しかったりします


・・・帰ってすぐに寝れば明日はベストコンディションだったんでしょうが・・・
一般人やってりゃ逃げる事もできたんだろうが、ここが管理人の辛ぇところよ(何がだ)


あと最後に、どうでもいい話ですが、
そう言えば脅威の回復力と言う意味ではもう一人実例いましたね


パンチドランカーだったはずなのに策略練りまくりの黒いおっさんとか


・・・むしろ今までプルプルしてたのが、全て演技だったようにも思えてきたなぁ