バキ
第260話『ファイト』
今週の扉絵の煽り台詞は、Jrの心境を代弁するかのように、
「負けてない!!」
の台詞です。そして、その台詞の隣でサンドバッグを叩いてる
ここ数ヶ月ぐらい負けてもいないけど勝ってもいない我らが主人公の姿が
つーか、主人公の心境を代弁した煽り文ならむしろ「出てこない!!」みたいなね
バキ君が勝負パンツ(嫌な言い方するな)はきながら稽古をする姿
むしろ、バキ君がこんな戦いっぽい動作をするシーンなんか滅多に見れませんよ
そう考えると、この扉絵はとてもレアですね
『範馬バキの戦いが見られるのは扉絵でだけ!』みたいな
躍動する筋肉の美しさを扉絵にて存分にアピールです
そして、本編ではヒロインの梢江ちゃんがアグレッシブに登場しまくります
・・・なんか登場する立ち位置を間違えてりゃいたしませんかねお二人さん?(ある意味今更)
ともかく本編。またファミレススタートです。オーガストです
あんまり同じパターンを繰り返されてもマンネリになってしまいそうなので、
そろそろカップルに刺激が必要なように、この始まりにも新しいスパイスが欲しくなります
二人で出会ってたら、背後に突然ウェイトレス姿の範馬親子が立っている、とか(刺激的過ぎるわ)
「ヤァ」
両手両足がボロボロになりながらもファミレスには現れる
何故ファミレスへ行くのか? そこに梢江ちゃんがいるからだ
いつだって恋のスタンド&ファイト
よくこんな状況でここまで歩いてこれたものです
まぁ、もっと気になるのは、この状態でどうやって着替えたのかって事ですが
きっと物凄い時間をかけてお洒落したんでしょう
身支度にはたっぷり時間をかける。ある意味デートの基本です(何がだ)
「あなた・・・・・・・・・」
「マァマァマァ・・・」
Jrのボロボロっぷりに呆れる梢江ちゃんを制して無理矢理話につなげようとするJr
しかし、目の前にこんなイジりやすいネタがあるのにイジらないのは逆に失礼と言うもの(なんだその芸人の常識)
早速Jrの怪我に対しツッコミを入れます
「会うたびにケガが増えて・・・・・・・・・」
「ハハ・・・ソウ・・・大切ナノハソコデス」
余裕たっぷりの態度で梢江ちゃんのツッコミを受け流し、ウェイトレスに飲み物を注文します
まぁ、ウェイトレスさんも心得たもので、
この全身ボロボロの病院直行コース外人を華麗にスルー
むしろ、さらに危険な梢江ちゃんとも目を合わせずにやりすごそうとする危機回避ぶり
オーガストで働いてるウェイトレスは伊達ではないと言う事でしょうか?(何がだ)
そして、間を置いてからJrに聞き返す梢江ちゃん
「なにが・・・大切なのかな」
「会ウタビニケガガ増エテル
ドウイウ事ダロウ ボク等ハ何度モ会ッテイルトイウトコトサ」
Jrちゃん・・・無理矢理すぎるわ、それ・・・
それ言ったら、さっきのウェイトレスさんも下手すりゃJrの怪我の増加に気付いてます
これがバキでなく武装錬金だったら店員一同が土下座して入店拒否されているところです
むしろ「梢江ちゃんに会うたびに誰かにボコられる」とか、
そっちの方のジンクスにもそろそろ気がついてもいいのではないでしょうか?
大体、それを言ったら最近の私は、
試験の日程こなすたびに精神が最近のJr並にボロボロですよ
チャットでも「疲れてる」ってのが一発で看破されたぐらいのボロボロっぷりですよ!
もう虚ろな目で「僕ハ(単位を)落トシテナイ(・・・と思う。多分)」とか言うしかできないんですよ!!(勉強しろよ)
何度もノートの受け取りとかで、
普段は滅多に会わないサークルの知り合いとかに会って、
「またノートかよ。自分で取れよ」とか言われて、
「大切なのはそこです」とか「会うたびにノートをもらう。どういう事だろう?」とか切り替えしたら、
ノートもらうかわりにアライばりの神速パンチもらいますよ?
まぁ、私も「他人からもらったノートをまた他人と交換する」って自転車操業で頑張ってますが
うん、なんか梢江ちゃんでなくても「カッコわる」とか言いたくなる振る舞いですね(典型的駄目学生)
まぁ、私の試験事情はともかく、この超Jr理論を聞いた梢江ちゃんのリアクションは?
「そうね
友達だから 会うこともあるでしょうね」
「いつまでもいいお友達でいましょうね」!!
最早現実世界でも滅多にお目にかかれないこの大技
まさか『実戦』の場で使える猛者がいようとは・・・梢江ちゃん、恐ろしい子・・・!
きっとこの後、「家まで送るよ」とか「途中まで一緒に帰ろう」とか言っても
「友達に見られて噂されると恥ずかしいし・・・」と伝説のカウンターで切り返すつもりでしょう
この梢江ちゃんのATフィールド並の絶対防御に対し、Jrはさらにどう攻める!!?
「2人ノ関係ヲドウ呼ブカ ソレハ重要ナコトデハナイ
少シズツデハアルケレド ボク等ハオ互イヲ理解シ始メテイル」
いや、そこは結構重要だと思うよ?
恋人ならともかく、友達に無理矢理手ぇ出そうとしたら犯罪になるのよ?
もっと言うと、同じフレンドと言っても、たとえば
ガールフレンドとセックスフレンドじゃ範海王と範馬海皇(勇次郎)ぐらい違うのよ?
もう、「友達から始まる恋もある」って言うか、」
「偏差値40から始める大学受験」のノリで食い下がって行きますJr
傍から見ても100%不可能な相手に挑み続ける。まさに恋のドラゴン桜です
・・・まぁ、そこまでして目指す価値が本当に梢江ちゃんにあるのかどうかが疑問ですが
「例エバ・・・君ハレモンティーガ好キ ボクハホットコーヒー」
「そんなこと・・・・・・・・・」
「シカモ2人ノ間ニハ ルールマデデキツツアル」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「君ノ席ハ出入リ口側僕ハ奥側」
友達を強調する梢江ちゃんにあまりにも細かすぎるジャブで攻めるJr
・・・私がいつも乃木さん達とオフ会する時も似たようなルールが存在してるんですが・・・
それとも、Jr的にはこれもオフ会と呼ぶのかデートと呼ぶのかは重要な事ではないのでしょうか?
いや、オフ会では毎回三度以上は「いいのかい? 俺はノンケでも食っちまうタイプなんだぜ?」
って台詞が飛び出すようなオフ会ではあるんですが。主に乃木さんの口から
「愚地館長とはどうなったの」
閑話休題(色んな意味で)
Jrのあまりにも細かすぎるジャブにウザったくなったのか、
一番触れて欲しくないであろう部分に容赦なくカウンターを打ち込みます
この時の梢江ちゃんの顔も、まるでこころなしか男を突き放す悪女のようにすら見えます
むしろ「喧嘩で相手の弱点を攻めるのは常識じゃねェか」って勢いです
今までは花山さんや烈先生に殴る蹴るの肉体的暴行をくわえてきただけですが、
ついにはグラップラーの精神的外傷を抉って攻撃してくる手段まで覚えてしまったようです
松本梢江、Jrがボコられている間に老獪さを身につけ恐ろしい勢いで成長しているようです(何がだ)
「お砂糖はナシ
ミルクは一つだったわね
カップ 持てる?」
Jrが何も言えずに黙ってしまった瞬間、
わざわざJrの言う「お互いを理解している」様子を見せ、
打ちのめされている感じのJrに優しい言葉をかけてさらに心を折ろうとする
これこそまさに前回の最後で独歩が使っていた気位の高い相手の心の折り方です
落ち目のバイニンは徹底的に叩けと言いますが、傍目から見てるとまさにそんな感じの追い討ちです
「ドッポ・オロチトハ・・・・・・」
そして、コーヒー一杯飲む間のJrの独白が続きます
あえてどういう負け方をしたのかを聞く事で、惨めさを思い出させようとする
何と言うか、女王様が奴隷を精神的に屈服させて調教する手口のようにも思えてきます
「ひどい負けかた・・・・・・」
まぁ、両手両足潰されて放置されるなんて、
バキ世界の中でもかなり上位に入る屈辱的は敗北ですからね
ちなみに二位がバケツ被せられて金的→地下闘技場に拉致られて集団リンチで、
堂々の第一位は我らがサムワン海王が魅せてくれた玉ピン→勇次郎にボコボコのコンボです
そして、梢江ちゃんの同情たっぷりな言い方に流石にプライドが刺激されたのか
「僕ハ負ケテナイ」
と、ボソッと反論します
いけませんJr。そこで反論はいけません
その道は、「私とこの範氏の試合はどうなるのです」とか言い出した人がたどったのと同じ道よ?
Jrの反論に驚いたような無表情のような微妙な表情になる梢江ちゃん
流石に恐怖から目を合わせられなくなったのか、帽子を深く被ってガードするJr
すると梢江ちゃん、飲みかけのレモンティーをグイ・・・・と一気に飲み干します
「ア・・・熱イヨ・・・ッッ」
目の前で柴千春の根性焼きを見せられた観客のように慌てるJr
しかし、梢江ちゃんはまだ高温だったであろうレモンティーを一息に飲み干し、
そのまま乱暴気味にカップを皿の上に置き、そっぽを向くようにしてJrに言い放ちます
「カッコわる」
ある意味、「早い」「下手」と並んで女性に言われて傷つく台詞です
と言うか、流石に的確に「それを言っちゃお終いだよ」な言葉を端的に選び取ってきました
心は折れないとかスタンド&ファイトとか、
当事者からしてみればまだ戦いの延長線上ですが、
周りから見ればボコボコにされて立てなくなった時点で勝負ありですからね
それで「負けてない」と延々口にしてれば、カッコ悪いと言われても仕方ないと言えば仕方ありません
それを女の口から。しかもよりによって梢江ちゃんの口から言われれば色んな意味で屈辱きわまりありません
そんなデートと呼ぶにはあまりにもうちのめされた出会いの夜、
Jrは豪華なホテルのベッドでたった一人仰向けになって寝転がっています
きっとこの構図は、バキ君達が今頃バキハウスで二人でヤりまくってる真っ最中だって事の対比なんでしょう(絶対違う)
そしてJrが思い出すの今日の梢江ちゃんに言われた台詞
「なんだか・・・
『なんだか男っぽくない』
男ッポクナイ」
ここで梢江ちゃんの顔見て、
「なんだかヒロインっぽくない」とかツッコミ返すのはNGです
蹴られるならまだしも、下手をすれば
痛風の痛みが紛れてしまうような目に合わされます
達人や独歩にいくら言われてもこたえなかった様子のJrですが、
戦いに関してはほぼ無縁の第三者からのこの台詞は流石に堪えたようです
単純に、男は女の前でカッコつけたくなるもの
ならばこそ、格闘者としても、男としても、この言葉は激しくJrの胸に刺さったでしょう
時として、責任のある者同士でかわされる言葉よりも、無責任な人間からの言葉が大きく心に響く事もあるものです
そんな傷心なJrを、突如深夜の訪問者が尋ねます
ボロボロの状態であっても、わざわざドアの前まで歩いていくJr
「お休み中 誠に恐れ入ります
地下2階孔雀の間でぜひM・アライJr様をと・・・・・・・・・」
柔和な笑顔のホテルマンに呼び出されるJr
と言うか、Jrまで含めてフルネームなんですかね?
ともかく、呼び出したり呼び出されたりすればとりあえず出向くのがJrスタイル
「だいじょうぶでございますか」
ホテルマンに心配されながらも自分の足で歩くJr
とりあえず、Jrはよく分からずについていってるみたいですが、
読者的には、「さぁ、次は誰にボコられるのかな」とか考える時間です
「イッタイ誰ガ・・・」
「それが・・・御先方から名前は伏せろと・・・ハイ」
なんか組織的な匂いがします。また神心会関係者でしょうか
これで独歩がまた来て「またやりたくなっちまったから来たぜ」とか言い出したら、
それはそれでかなり陰湿なイジメ以外の何者でもないような気もしてきますが
「(孔雀ノ間トハパーティ会場デハナカッタカ・・・・・・・・・?)
コノ身体デ・・・・・・パーティデモナイダロウ」
まぁ、パーティって言うか・・・Jrボコられ祭りの真っ最中って言うか・・・
いまいち危機管理能力の働いてないJrが、明らかな死地へ飛び込んで行きます
「御先方はお一人お待ちでして・・・・・・・・・ハイ」
「・・・・・・・・・・・・・・・1人・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
たった一人でパーティールームを貸切にして名前を伏せてJrを待つ男・・・
オレオレ詐欺以上に怪しさが大爆発してます。どう考えてもまともな相手じゃありません
渋川先生だったら下手すりゃ扉が見えるんじゃないかってぐらいの危機感です
しかし、生贄の子羊・・・もとい、戦士であるJrはどんな死地でも後ろを見せる事はありません
「こちらでございます」
ホテルマン達に案内されるまま、孔雀の間に入るJr
さぁ、この中にいるはずの次の対戦相手は誰なんでしょうか?
まぁ、ぶっちゃけもう相手が加藤とか末堂とか梢江ちゃんでも驚きません
そしてJrの目の前に現れたその人物は・・・
「父さん・・・」
なんと、そこには家で静養しているはずの実父マホメド・アライの姿が!
一人と言う事は、そばにインタビュアーの人が控えてたりはしないんでしょう
もしかしたら、アライさんが出かけていてもまだあの屋敷に居座って帰りを待っているのかも知れません
あるいは、また変な質問しちゃって今度こそ本当にボコられて今頃病院にいるとか
「どーしてここに・・・ッッ」
ガウン一枚にバンテージ撒いてリングシューズを履いた父親がパーティー会場にいる
恋人とセックスしようと決意して、振り向いたら父親がいたって状況に次ぐぐらいショッキングな状況です
今まで散々グラップラーの・・・いえ、板垣ワールドの不条理にさらされてきたJrもこれにはビックリです
読者的にも、勇次郎まではあってもまさかアライ本人は無いだろうと思ってたのでこれには物凄くビックリな展開です
「ファイト」
端的にここにいる用件を息子に伝える父親
かつては伝説のヘビー級ボクサー世界王者であり、
いまだに15秒だけのシンデレラ1分間だけの世界チャンピオン
その男がファイトをすると言うのです
息子でなくてもこれにはビックリな発言です
「ファイトって・・・
父さんが・・・・・・? 誰と?」
呆気に取られてしまっているJr
そんな息子に、父親ははっきりと対戦相手を告げます
「おまえとだよJr.
ノーグラブだ」
なんと、アライ来日の目的はわざわざ息子とファイトする事だったようです
・・・どこぞから、息子がデートとボコられてるのを延々と繰り返してるって聞きつけて制裁に来たんでしょうか?
もしくは、勇次郎並の親馬鹿ぶりを発揮するために、
Jrに稽古をつけてやってさらに梢江ちゃんを落とす秘策を授けてくれるとか
もしかしたらこれから、バキVSJrの代わりに
勇次郎とアライが息子の世話を焼きあう親馬鹿合戦が勃発するのかもしれません(せんわ)
・・・あと、そろそろ擂台賽終わった後の出演回数だったら、
ひょっとしてもうバキ君ってアライパパより少なくなってるんじゃないですかね・・・?
とりあえず、色んな意味で展開が読めなくなってきましたが・・・
まぁ、来週も主人公は出てこないんだろうって事はなんとなく分かりそうです