バキ
第257話『こっちの世界』
渋川先生に徹底的にボコられたJr
決着をつけたはずの相手にリベンジされる屈辱、
プライドの高いJrにとってさぞかし精神的に応える出来事だったでしょう
そしてそんな屈辱的な出来事の後、三度ファミレスで梢江ちゃんと会うJr
読者的にはこっちの方が屈辱な気がする
どうやら、また梢江ちゃんから元気をもらおうというつもりのようです
つーか、ファミレス以外に合う場所ないんですか
100歩譲っても、そのファミレスじゃなきゃいけないワケでもあるんですか?
なんだか、デートモドキを見ているってよりも、
池袋でカレー食って映画見て虎の穴で買い物して終わる当サイトのオフ会見てる気分です
まぁ、カップルで公園巡りばっかしてるよりはまだマシなのかも知れませんが
・・・なんか、これに比べれば恋愛ゲームの方がまだリアルな恋愛模様描いてるんじゃないかって気がしてきました
ともかく、まずは梢江ちゃんがJrのボコボコの顔を見てヒくとこから始まります
「・・・・・・・・・うわァ・・・」
まぁ、本編始まって真っ先に見るのが梢江ちゃんの顔って時点ですでに「うわァ」ですが(酷すぎる)
達人に丹念に摩り下ろされ、ズタズタになった顔とへし折られた指
梢江ちゃんがヒくぐらいの酷い怪我ですが、それでも服には気を使う紳士ぶりを見せています
「・・・・・・・・・
ゴメンナサイ・・・・・・・・・
モウ少シオシャレヲシタカッタノダケレド・・・」
そう言えば、この前の『王様の仕立屋』で、
ハゲちゃった人用の着こなしとかやっていましたが、
顔面がボコボコに腫れあがってもエレガンテを演出できる着こなしってあるんでしょうか?(ねぇよ)
「渋川さんと・・・・・・・・・
喧嘩したのね・・・」
Jrの怪我の重さにはもう興味も示さず核心をついてくる梢江ちゃん
やはり自分をほっぽって喧嘩しに行った事に微妙に腹を立てているのでしょうか?
下手をすれば、このままテーブルを蹴り上げて、遅れているロシアの喧嘩を仕掛けるのかもしれません
「ケンカデハナイ・・・」
Jrにとっては、やはりアレは決闘であったと言う認識が強いのでしょう
まぁ、一々言葉にこだわる辺りがまだ若いというかスポーツマンが抜けきっていない部分なのでしょうが
・・・と言うか渋川先生。やっぱりこう言うデートを見越して、
わざわざ丹念に顔を潰して好感度を落とす作戦に出てたのでしょうか
もしかしたら、背後で「アイツの顔をボコボコにしてくれ」と、
実はJrに嫉妬してたバキ君に裏金積まれたのかも知れません(最悪)
もし、今後の展開でJrが覆面つけた暴漢に襲われたらその正体は・・・(黙れ)
そして、喧嘩ではない事を主張するJrに、ポツリと梢江ちゃんがはきかけます
「バカヤロウ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・エ?」
突然の梢江ちゃんの発言に、面食らうJr
そんなJrなんてどうでもよさそうに、そっぽを向きながら続ける梢江ちゃん
「死ぬまでやればいい」
梢江ちゃんからの、突然のバキSAGA以降のバカップルへの反応並の冷たい態度に停止するJr
そんなJrをまっすぐに見据えながら、梢江ちゃんが辛辣な意見を浴びせます
「強いのは俺
イイヤ俺が強い
イイヤ俺ッ イイヤ俺ッ
強いんだ星人」
強さを追い求める男達を厳しく評する梢江ちゃん
馬鹿みたいに自分の方が強いと我を通そうとして殴り合って・・・
そう言う男達の姿を真っ向から否定する言葉です。つーか、作品全否定です
グラップラーの頃は「盤面この一手」とか反論あったはずですが、
最近ではこの梢江ちゃん理論に誰も反論できなくなってしまっています
まぁ、下手に反論しちまったらボコられるので誰も何もいえない恐怖政治状態なのかもしれませんが
つーか、ここまで作品の今までのテーマを否定する発言連発して、
登場人物からもうほとんど反論されなくなったってのが、梢江ちゃん不人気に拍車かける原因だと思うんですが
あと、「強いんだ星人」ってなんですか。小学生の悪口ですか
まぁ、もしかしたら「強いんだ星」は実在して、
範馬一族はその星の出身なのかも知れませんが
きっと、そのうち怒りとともに「スーパー強いんだ星人」とかになるんでしょう
勇次郎あたり、すでに「スーパー強いんだ星人3」モードで闘ってるのかも知れません
とりあえず言いたい事言った後、コーヒーをすする梢江ちゃん
直接攻撃の他に、言葉の暴力も覚えちゃった様子です
そんな手がつけられなくなりつつある梢江ちゃんの言葉に、Jrはとても悲しそうな顔をします
「傷ツイテイタンダネ・・・・・・・・・・・・僕ノタメニ・・・・・・・・・」
全力勘違い。ある意味凄いカウンターです
この負けず嫌いって言うか勘違いっぷりがJrの精神タフネスを支えるのでしょう
ぶっちゃけ梢江ちゃんは単に、Jrのこの様子にバキ君の姿を重ねただけだと思うんですけど
このJrの天然ボケアタックに、梢江ちゃんも
「え・・・ッ
イヤイヤイヤイヤ」
と、思いがけず出川リアクションで応対です
表情まで出川哲郎を彷彿とさせるところがある意味プロですね
ほら、Jr! 窓の外なんか見てないでこっち見て! つーか現実見て!!
しかし、Jrの前に現れた現実は、窓の外でこっち見てる独歩でした
「愚地センセイ・・・・・・・・・・・・」
二人が面食らっていると、独歩が手招きします
「・・・・・・・・・呼んでる・・・強いんだ星人」
すっかりあだ名として定着してしまいました
なんか、イジメっぽい勢いです
思わずJrも「ゴメンナサイ・・・・・・・・」と謝ります
とりあえず、梢江ちゃんも諦めたようにため息一つついて「ううん」と切り替えします
まぁ、呼び出されておいて途中で抜けられたらそりゃ不機嫌でしょうが・・・
なんつーか、あてつけっぽいと言うか狭量な印象を感じるのは私の穿ちすぎでしょうか?
それどころか、邪魔なJrを排除するため、呼び出された時に
梢江ちゃんが渋川先生や独歩に連絡を取ったんじゃないかと考えるのも私の穿ちすぎでしょうか?(そうだよ)
ともかく、独歩と連れ立って歩いていくJr
そのうち、独歩が決闘するのに相応しそうな場所を見つけます
「おッ お〜〜・・・おあつらえの空き地だ
人が通るのは5分に1〜2回・・・・・・・・・・・・
3分以内に終わらせりゃいいワケだ」
まるで「3分以内に倒す」と予告するかのような言動をしながら上着や帽子、メガネを地面に置いて行きます
そしてJrは相変わらずいぶかしがりながら尋ねます
「アナタハ数日前・・・・・・
僕ニ殺シ合イヲ挑ンダ
ソシテ敗レテイル
アレハ決着デハナカッタノカ」
つまり、殺し合いで負けたなら流石に決着だろって事らしいです
とりあえず、相変わらずJrの決着の条件が相変わらず完全な格付けに対し
独歩は平然とJrの意見を肯定しつつ言い放ちます
「オウよ あの勝負はもちろん坊やの勝ちさ
だけどどうでェ・・・現実にこうして俺らは坊やとやりたがっちまってる
ならばどーする 眼の前に立っちまった以上――――――
叩きのめすのがこっちの世界だろ」
あっさり負けたので欲求不満なのでしょうか
それとも、ダメージなしなので速攻リベンジいけると踏んだのでしょうか
何がなんでも再戦する気満々の独歩に対し、Jrは渋ります
「シカシ―――ワタシハ今ベストデハナイ」
折れた指を見せながら言うJr
決着とは、お互いがベストの状況で競い合ってこそつくものだという考えからの台詞でしょうか
「おめェさんまさか・・・
怪我人を相手に卑怯だなんて言うんじゃねェだろな
人間生きてりゃ飯も食えば酒も飲むんだ ケガもするし病気もするだろうよ
ベストコンディションなんて望むべくもねェ・・・・・・・・・それがこっちの世界だぜ」
そう言う意味では、相手の意識を刈り取るだけで、
トドメも刺さず負傷もさせず心も折らずに終えるJrの戦い方は甘いと言う事でしょうか
・・・まぁ、かなり負け惜しみ臭い言い分ですが、それはまぁ強いんだ星人の言い分って事で
怪我人云々だったら遊園地での車椅子加藤の方が大怪我してましたし、
人差し指が折れたぐらいで闘えないとか言ってるJrは独歩から見たら大甘なんでしょう
リングの上でならJrの勝ちは揺ぎ無いのでしょうが、真剣勝負でそんな甘えは一切許されないのです
と言うかまぁ、独歩も勇次郎相手に酒飲んでたせいで秒殺されたって過去がありますからね
常に武に身を置くものとして、どんな場合でも闘えるコンディションに保つようにしておかないといけないと言う事でしょう
そして、「坊や」といいながらピンポイントに折れた指を蹴る独歩
多分、神心会の少年部の子達に見せたら泣くと思いますこの光景
いや、武術家の態度としては正しいと思うのですが・・・
まぁ、独歩としては一度Jrと戦って負けて、
雪辱戦と言うよりは「面白かったからまたやろう」ぐらいのノリで
ダメージがほとんど残ってないから速攻戦おうと出向いてきたような感じだろうと推測されますが
読者としてはむしろ、天内戦で見せたような、
ボロボロの状態でも勝ちを諦めないような独歩の姿が見たいのであって、
落ち目を徹底的に叩くバイニンみたいな独歩の姿を見せられても釈然としないと思うのですが
「アイイッ」
「坊やとはもう2度とやりたくねェ
俺らにそう言わせてみな」
とりあえず、Jrのヌルさを見抜いてのリベンジのようです
意識は刈り取れても、トドメを刺したり心を折ったりできるような相手では無いと
それを見越して、Jrの心を折るための闘いをするために出向いてきたように思えます
・・・なんか最近、勝ち負けの概念が曖昧になってきて
イマイチすっきりしない勝負が続いてるのが不満っちゃあ不満なのですが
名を捨てて実を取る闘いもこれはこれで面白いのですが・・・つくづく『少年漫画』じゃないですな(笑)
試合形式と言うか正々堂々の闘いと言うか、
そう言う子供向け王道の闘いの方が好きな読者には受けん展開でしょう
ただ、流石にフラストレーションたまるので、こう言う賛否別れる『格闘論』を延々と続ける内容よりも、
単純に強い奴二人出して、延々殴りあわせて「どっちが勝つの?」と真剣に思わせる展開も懐かしくもあります
まぁ、だからと言って、Jrとバキが梢江ちゃんを取り合って「どっちが勝つの?」
みたいなラブコメ展開に流れたら、水の入ったヤカン片手に板垣先生探して町を徘徊するのですが
・・・しかし今回。半分以上が梢江ちゃんイジって終わりって、バキの感想としてどうなんだろう?(A:最悪)