バキ
第237話『中国拳法』

内容がほとんど理解できてない講義の試験前になると、

勇次郎と戦う相手の気持ちがよく分かります


あぁ・・・こっちも教授に、「調子こいてんじゃねぇぞ小僧ッッッッ」って叫べたらどんなに楽か・・・(即留年決定コース)


私の試験はともかく、さらに絶望的な状況に追い込まれました郭海皇
単位を落とすどころか、このまま命まで落とすんじゃねぇかって勢いです


血塗れになりながらも、涼しい顔で海皇を見つめる勇次郎
それに対し、海皇は虚ろな瞳で横を向いてしまっています

その奇妙な光景に、バキ君が「いったい・・・」と一人ごちた次の瞬間!



「オエアアアアア」


郭海皇が、夜叉猿に進化(退化?)しました

言語を忘れて相手へ特攻するシコルスモードです
老人介護の必要性を訴えかける社会的に意義のある一コマでしょう


そのまま凄い勢いで勇次郎に連撃を叩き込む海皇
しかし、撃っている方が苦しそうなのに対し、勇次郎は薄く笑みすら浮かべています

この奇妙な光景に、思わずバキ君も「どういう闘いだ・・・!!?」と突っ込みます

まぁ、二秒で終わらせる試合よりはよっぽど分かりやすい展開だと思いますけど


とにかく、郭がひたすら勇次郎に拳打を浴びせます
その型は特殊そのもので、通常の中国拳法の動きには見えません

と言うか、バキが「どういう〜」と言った次のコマの郭の構えを見て、

思わずゲッツ(ダンディ坂野)かと思ってしまいました



「もはや・・・・・・・・・
拳法に見えぬほどのオリジナル」



海皇の独特の打撃法に、烈もただ驚くばかりです
と言うかむしろ私は、海皇の顔芸に驚くばかりなんですが



「これが・・・拳法・・・?」

「郭 海皇がやっているのだ
中国拳法以外の何ものでもない」



唖然とするバキ、烈が言い放ちます
と言うか、海皇がやったら何やっても拳法って、

つまり玉ピンも中国拳法の一種として認識されるのでしょうか?


どうせ無抵抗なんだから、今のうちに一回ぐらい弾いておくのも手だと思いますが

ともかく、一方的に勇次郎を攻撃する郭。その姿に、観客達にも動揺が走ります



「無抵抗・・・」「これは・・・」「闘いなのか・・・」


為すがままにされ続ける勇次郎
しかし、ついにその両手をポケットから引き抜きます



「あ・・・・・・ッ
手がポケットから・・・ッッ」



そして、口内に溜まった血を吐き出してから
ボケ老人に諭すように海皇に語りかけます



「ジジィ・・・もう十分だろう・・・」


海皇はそれを聞いているのか聞いていないのか分からない表情ですが、
勇次郎の次の一手に、観客達がどよめき始めます



「(出た・・・・・・)」

「あれ・・・?」「おい・・・」「背中が・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・
これは・・・まるで・・・・・・ッッ 泣き顔のような・・・ッッ」



勇次郎の背中に宿る鬼が哭く
それはまるでバーンシーの如く対戦相手の死を告げています

その事実を知っているバキは思わず目を閉じます


いや、閉じちゃ駄目だろ。最後まで見ろよ。主人公なんだから

いつか倒すべき相手の力から目を背けるって、
少年漫画の主人公の行動としてちょっと不味いと思うんですけど
まぁ、今までが不味い事だらけだったからこの程度はもうどうでもいいのかもしれませんけど


そしてバキが目を閉じた次の瞬間、
鬼の筋力を最大限に使って、郭の両耳を打ちます
下手をすればそのまま頭を叩き潰せそうなパワーによる耳打ち
郭の両耳から血が噴出し、観衆に著しい動揺が広がります


さらに、トドメとばかりに勇次郎は全力で拳を打ち出す!
これを食らえば郭海皇の頭が吹き飛ぶのではないかとすら思える拳
しかし、何故か勇次郎は拳を止め、大きく目を見開いて郭に向かって叫びます



「バッ・・・バカかてめェェッ」


トドメを刺す寸前のこの不可解な行動
あの勇次郎に、バキとの血縁を感じさせてしまう表情を取らせるなど、

一体郭海皇は何をやったのでしょうか?



予想1。食らう前にすでに死んでいた


勇次郎に勝利を与えないために、
自ら老衰による死を選んで散った郭海皇

極上の料理を完食できず、口惜しがる勇次郎
その様子を今際の際に夢想し、満足そうな表情で逝く郭海皇・・・


見てください この嬉しそうな死に顔・・・

あなたは こんな顔で 死ねますか? 〜地獄擂台賽、完〜


それで板垣先生が「死刑囚編は無かった事にして下さい」
と言い出せば完璧なのですが(完璧な画太郎漫画になるだけだ)


まぁ、それだと読者が納得しないでしょう
まだくしゃみで勇次郎が爆発した方が納得できます。いや、無理だけど



予想2。さっきの耳打ちで顔の皮が剥がれた郭海皇

その正体は、第一試合で勇次郎に顔の皮を剥がれた劉海王だった!


中国拳法家にとって、人体改造など3000年前に通過した境地
海皇は、劉を自分のクローンにする事で勇次郎の戦力を測っていたのだ!!

まぁ、これで他に海皇12人衆とか連れてくれば、車田パターンの完成です

「海皇に同じ技は通用しない」とか言って鬼パンチを理由なくかわす事もできます
ただ、あの漫画もトドメはいつもペガサス流星拳なので信憑性は限りなく薄いです




予想3。自らズボンを脱いだ



ちなみにこれ、私の鉄板予想です(マテ)


敵の攻撃の最中にいきなりズボンを脱ぐ
普通の武術のセオリーには存在しないはずの行動です
しかし、広く深い武術の歴史には、その行動を許容する格闘技が存在します





そう、セクシーコマンドーです


勇次郎程の男に隙を作ってしまうような技、
セクシーコマンドー以外には考えられない気がします
そして中国拳法家がセクシーコマンドーを使う事の是非については、


きっと烈先生が「郭 海皇がやっているのだ
中国拳法以外の何ものでもない」と、説き伏せてくれるでしょう

セクシーコマンドーも、海皇が使えば中国拳法の一流派なのです
きっと郭海皇も、毎日のわき毛の処理に余念が無いのだと思われます

守りの消力、攻めの消力に続いて相手を脱力させる消力

そう考えれば、ここで海皇がセクシーコマンドーを使う事も実に自然な展開と言えるでしょう


まぁ、この予想の唯一の問題点は、
そろそろセクシーコマンドーを知らない読者が出てくるって点ですかね(そんな些細な問題じゃねぇ)



とにかく先の一手がまったく読めません
どうすればあれほどの驚きを勇次郎に与えられるのか?

一つだけ確実な事は、私の予想が当たって無いって事ですね(当たり前だ)