バキ
第234話『弱者』

扉絵には満足そうな表情のバキ君。タイトルは『弱者』


そうかぁ・・・弱者かぁ・・・(納得したような目で)


まぁ、(精神的)弱者は放っておいて強者対決です
消力は使わずに力みで対抗すると宣言した勇次郎が、海皇相手に演説をかまします



「脱力だの・・・消力だの・・・
そんなものはオマエたちで共有したらいい」

「オマエたち・・・・・・・・・・・・とは・・・・・・」

「俺を除く総て」

「おぬし以外の総てが・・・
総ての人類が・・・・・・・・・」

「弱者同士で工夫したらいい・・・・・・・・・
極意だの・・・・・・・・・・・・奥義だの秘伝だの秘技だの
ウエイトだのスタミナだの・・・・・・・・・・・・・・・・・・と
それらの創意工夫は 闘争という物質にある不純物だ」


まさに勇次郎イズムです。己を頂点とし、回り全てを挑戦者とする姿勢
いかなる奥義も秘伝も、はてはウエイトもスタミナも、自分には一切関係が無い
弱者がそれを使って挑んでくるならば、真っ向から力みで押し潰そうと言う王者の風格です

まるで己が闘争そのものであるとでも言いたげな、勇次郎だからできる発言です。でも麻酔銃だけは勘弁な!


まぁ、そういう意味では弱者なりに徳川のお爺ちゃんも精一杯工夫したみたいです

・・・思えば、あのアイディアは元々バキ君の発案だったんでしたっけ?


ひょっとしたら、バキ君は将来的にこういう工夫の積み重ねで勇次郎を倒そうとするのかもしれません


いや、ぶっちゃけてバキ君が総理大臣になって核保有しても負けそうな勢いですけど



「そしてこういう会話も・・・・・・・・・」


そしていきなり会話を打ち切って郭にアッパーを放つ勇次郎
いつもいつも試合中に色々話しかけるのは自分からのくせに

この理不尽さこそが範馬です

あと、この横になったページの一番の不純物は、


猫背みたいな姿勢で呆然としているバキ君だと思います


・・・なんか、国会中継で眠ってる議員見たような気分です

ともかく、大地を削るように放たれた力みの一撃により、郭の身体が宙を舞います


どよめく観客。しかし、そこでただやられるままで海皇が終わるはずがなく、
軽やかなステップで消力を使って着地。そこへ間髪いれずに叩き込まれる勇次郎の一撃!

戦いのセオリーから逸脱した二連撃に吹き飛ばされる海皇の姿に、観客達も恐怖を覚えます



「海皇が・・・ッッ 殺されるッッ」


悲痛な表情を浮かべる観客達
ウルトラマンがゼットンに倒された時の子供達のような顔です
絶対の信頼を寄せていた正義の味方(?)が暴力に蹂躙されていく姿


しかし、そんな中で勇次郎以外に唯一笑顔を浮かべている者が一人います



「これが・・・勇・・・」



何喜んでんですかこのヘタレは



・・・なんだか私、バキ君の心が折れた音が聞こえそうです

思わず、「やっぱり梢江ちゃんとイチャついてる奴は駄目だな」と、
まだ見てもいないゴジラファイナルウォーズをネタにしてしまうところでした


・・・あと、どれだけ工夫したらこの坊やは勇次郎に勝てるんでしょうか?

せめて、元気玉ぐらいは使えないと勝負にもならなさそうな気がするんですけど


とにかく、そのヘタレの勇次郎賛歌をさえぎるように、
海皇の『攻めの消力』により蹴りが勇次郎を直撃する!

踏ん張りつつも地面を抉りながら吹っ飛んでいく勇次郎



「力みが・・・足りねェか・・・・・・・・・・・・」


仕留めきれず反撃されたのは「力みが足りなかったから」
あくまで押して押して押しまくる猪突猛進勇次郎戦法です

まさに何者をも貫き通す矛の如き迫力

しかし、その矛を止めると書いて「武」
郭もまた、猛然と迫り来る勇次郎を真っ向から笑顔で迎え撃ちます



「(来なさい・・・・・・技術こそが!!
闘争の構成物質そのもの!!!)」



左頬に一撃を食らい、グルグル回りながら逆にその反動を利用しての一蹴!

剛を柔でいなす武術の真骨頂です。・・・しかしまぁ、このグルグル回るって言うと、
毎回のようにオフ会とかチャットで「スクールランブルのOP聞くと、バキを思い出すんですよ

って言う事を某氏に度々言われていたせいで、
何故かこのシーンでスクールランブルを思い出してしまいました


燃えと萌えは表裏一体。意外なところで繋がっているものなんですね!(普通は繋がらんわ)


とにかく海皇の逆襲を食らう勇次郎
しかし、即座に拳を固めると、海皇の着地の刹那に顔面めがけて放ちます!



「(その他一切―――――
その他一切が――――――
不 純 物)」



戦闘中に考え事していたのが仇となったのか、直撃を食らって壁に叩きつけられる海皇

消力で受けたとしても、これではダメージ必至でしょう
奇しくも、試合場と言うこの場が海皇にとっての仇となってしまいそうです


いよいよ佳境に至ったこの試合、両者ともまだ奥の手がありそうですし、
次の一手をどう打つか、ますます目が離せない試合展開になってまいりました

・・・まぁ、そろそろあのヘタレに関しては、誌面に載せないでやるのが優しさかもしれませんが