バキ
第231話『海皇の拳』
勇次郎VS郭海皇の試合もヒートアップ
久し振りにかなり見ごたえのある試合で私も大満足です
ところで・・・扉絵で死んだ魚のような目をしてるコレはなんですか?
なんかもう、どんどん主人公としての再起が危ぶまれてきてるんですけど
バキ君、試合は二秒で終わらすわ勇次郎相手だと小物になるわで中国来てからろくな事が無いようです
まぁ、小物は放っておいて大物対決の様子を見守りましょう
「信じるもよし 信じぬもよし」
勇次郎に対し、自分の拳を受けていたら死んでいたと言い
なおも悠然と勇次郎に向かう郭。勇次郎はまだ余裕の表情を崩しませんが・・・
「あの人は 絶対にハッタリを言わないッッ」
「とは言ってみたものの
しょせんはジジィのパンチ力
たかが知れとる 受けてみ・・・」
先週と同じ台詞を言ったりなんか色々と必死な烈先生に対し、
あくまでゆるい態度で笑いながら勇次郎にゆっくりとした拳を打とうとする海皇
と言うか、烈先生も擂台賽前に勇次郎が来ても「中国拳法の圧勝かと」とか
ハッタリめいた事言ってましたが、多分あれは本気だったので始末に終えません
勇次郎も最初はボケ老人の戯言と思ったのか、
「フン・・・」と鼻で笑って受けようとしてましたが、次の瞬間何かを感じ取ったように凄い勢いで腰を引きます
「(親父が・・・ッッ 逃げた・・・!!?)
さ・・・避けた・・・・・・!?」
心の中では『逃げ』扱いしつつも、口では「避けた」と比較的名誉が護られる言い方を選びました
つーか逃げたって。普通に避けただけじゃないですか
別にオリバじゃないんですから真っ向から食らわなきゃならないって事もなし
大体、柳さんと戦った時に梢江ちゃん抱いて逃げたバキ君に比べれば百倍マシだと思うんですが
息子が汗だくで焦ってますが、当の本人も流石に少しは驚いているようで、珍しく冷や汗をかいています
「オヤ・・・
この老いぼれのパンチを・・・
逃げおったか」
ハッタリは言わないけど挑発して駆け引きはするようです
それとも、ただからかっているだけなのか凄く嬉しそうですお爺ちゃん
事態をあまり理解してないバキ君は声にならない声をあげながら
「(何が起こってるんだ・・・!?)」
と驚く事しきり。そしてバキ君がただ驚いてる間に、
「はてさて・・・」とさらに間合いを詰めます。そして飛びのく勇次郎
「オヤジ・・・・・・・・・」
勇次郎があまりうろたえない分、バキ君のビビりが緊張感を演出していい感じです
ヘタレた主人公とハサミも使いようと言ったところでしょうか。ようやく驚き役としての才能を開花させています
と、バキ君が驚いてるうちに壁際まで追い詰められる勇次郎
海皇も「これはこれは・・・」とあざけるような口調を勇次郎に浴びせかけます
「なにを逃げてんだ・・・日本人・・・
しかも追い詰められた・・・」
「(あの・・・・・・範馬勇次郎が壁際に・・・ッッ)」
何も知らない故に動揺する観客
勇次郎の力を知るが故に動揺する烈。そして・・・
「バカヤロウ なにビビってんだよ」
と、唾を吐きながら言うバキ・・・ってだからそれ主人公のリアクションじゃねぇよ
どこまで小物道を突っ走る気ですかこの子
こういうのは、何も知らない観客が飛ばす野次と相場が決まってます
もしこれが『北斗の拳』だったら、次のページで秘孔突かれて吹っ飛ばされてるところです
つーか何この「見てるこっちが恥ずかしいよ」みたいな態度
春成相手のたった一回の勝利がバキ君を獅子に変えてしまったのでしょうか?
まぁ、外野はともかく試合場ではさらに郭が勇次郎を挑発してます
「生物界最強とまで・・・・・・
讃えられている人とは思えぬ臆病さ・・・
強き人よ・・・・・・・・なにを恐れる・・・・・・
なにをそんなに・・・・・・」
挑発するかのような言葉を並べながら勇次郎にゆっくり近づき、そして・・・
勇次郎に避けられた拳が擂台の壁を破壊します
予想外の事態に観客も驚いています
そりゃそうでしょう。100を超えた老人の打撃ではありません
むしろ、クレーン車の鉄球がめり込んだが如き威力です
でも、ちょっと考えると、これでサムワンも名誉回復できそうですね
もし郭海皇の攻撃がこれほどのものであると知らしめる事ができたならば、
サムワンは「俺の玉はアレを食らっても無事だったんだぜ!」と、
夜の香港を大手を振って歩けることでしょう(最低)
「〜〜〜〜〜〜〜ッッ
バケモノかよ・・・」
雑魚キャラ街道一直線のバキ君。負け犬の目をしています
多分、郭VSバキとかだったら、消力を破る事もできず
髪を抜く事もできず最初の一発を食らってひき肉にされていたでしょう
むしろ、これが勝ち抜き戦か何かだったらいい感じで噛ませ犬になっていたと思います
「バレちゃった・・・・・・(はぁと)」
「このタヌキが・・・・・・・・・だろうと思ったぜ」
最後まで隠そうとしてたお茶目なお爺ちゃんに、勇次郎も笑顔で返します
やはり、獣の闘争本能がこの必殺の一撃をなんとなく察していたのでしょう
阿呆面で眺めっぱなしの主人公が滑稽通り越してもう哀れになってきます
しかし、そんな状況でも解説役の烈先生は頑張って解説します
と言うか、烈先生にとってこの海皇の試合は見るだけで経験値高そうです
どういう攻防が成されているかを推理し、言葉にして解説する事で技の仕組みが掴めるでしょうし
「見取り稽古」と考えても、この試合を見る事はかなり有意義な事だと言えるでしょう
だからバキ君も頑張ってこの試合で色々学ばないと勇次郎と差が開く一方だと思います
要するに、唾吐いてる暇があったら勇次郎が何で避けたかを考えてろって事ですね♪
「消力だッッ
(己の体重をも消し去る程の――――
脱力を生み出す消力
その究極のリラックスから繰り出される打拳)
守りの消力転じて・・・・・・・・・攻めの消力!!!」
なるほど。つまり完全な脱力の状態からパンチを放ち、
それが壁を壊す程の破壊力を生んだって事なんですね
物理法則はどうなっているんですか?
どういう理屈の技を使ったら拳銃から大砲の弾が出るのかと
むしろ、板垣先生にこれ以上この技の論理を説明する気があるのかと
どうやったらこの体重でこの速度でこの筋力でこんだけの破壊の力を生み出せるんでしょうか
流石に『気』とかそういう次元の話じゃないと、いくらなんでもこれは無茶だと思うんですが・・・
もしかしたら、海皇だけに海皇拳で自分の力を倍にしてるんでしょうか?
なら次あたり、20倍海皇拳かめはめ波が勇次郎を襲うかもしれません(ありえない)
とりあえず、今後のためを思うなら、バキ君は来週はもう少し小物臭を抑えるべきだと思います