バキ
第227話『理合』

散々欲したはずの力を自ら捨て去ったと語る郭海皇
その辛さがいかほどのものか、凡人には想像するには余りあります

まぁ・・・例えるなら、オタクがオタグッズを全て捨てて一般社会に復帰する感じでしょうか?


なるほど、それは辛すぎる(勝手に理解したつもりになるな



「中国史上・・・・・・・・最も力を欲したわたしが
一度手にした力・・・その力を捨て去る・・・・・・
あの無念さに比べたら 肉親との死別すらが 取るに足らない」



服をファサ・・・と投げ捨て、痩せ型ながらも締まった肉体を披露する郭
それでもメガネを取らないのは、やはり身代わり玉ピンの術のために必要なのでしょうか?


そして郭の回想シーン、なんか妙にマッチョなおっさんが出てきます



「100年前―――――
わたしの身体は鋼に覆われていた
考えつく限りの筋力鍛錬によりわたしの小さな骨格は――――
高密度の筋肉を搭載するに至る
単純な腕力なら―――恐らくは亜細亜一」



100年前は今の姿からは想像もできないマッチョだったようです
どれぐらいマッチョかと言うと、前ページの老人ボディの時はかろうじて視認できていた


乳首が完全に陥没して見えなくなっている程です


しかし中国一とも世界一とも言わずに亜細亜一とは、
謙虚なんだか大見得きってるんだか微妙に分からない具合です

それとも、中国で一番ならとりあえずアジアでは一番だろうって事でしょうか?



「その剛力を誇示したく―――
馬鹿もやった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



剛力を誇示するために牛をぶん投げる若い日の郭
まぁ、若いっつっても46歳で海皇になってるからそれなりに年食ってますが
とにかく筋肉自慢で、筋肉を自慢せずにはいられない寺門ジモンのような人だったのでしょう

もしくは、他人と話す時みたいになかやまきんに君みたいに筋肉で喋ってたとか


きっとボディビルダーのように筋肉を大事にしてたんでしょう
いや、中国拳法家で筋肉を大事にするってかなり異質な方だと思うんですけど

骨格的に言えば白人や黒人のヘビー級には筋量でも勝てない可能性がありますし

だからさっきも控え目にアジア一とか言ってたのでしょうか?
今の外国人嫌いは、世界には自分よりもマッチョな連中が多かったからだったりして



「拳の理合など嘘っぱちとせせら笑った
嘘っぱちを―――証明し続けた」



まぁ、その証明の集大成が前回の大擂台賽だったんでしょうね
理合の塊であるはずの中国拳法家の頂点に、筋肉だけで君臨してしまったと


なんだ、大擂台賽で問題が起こるのっていつもの事なんですね


きっと前回も武術省の面々も効き腕を斬られてしまったのでしょう
もしくは、先々代海皇が死んでしまったから海皇空位で競い合ってたとか
ひょっとしたら、前回は今回よりさらに質の低い海王ばかりだったのかもしれません

大擂台賽が近づくと、弱い海王ばかりになるジンクスがあるとか

きっと毎回のように「海王の質も・・・落ちたものだ」とかって言われるのが恒例なんでしょう


ともかく、筋肉一つを友に闘いぬいた郭にも転機が訪れるようです



「ある日・・・・・・本物に出遭った
齢60を越える老体――――――
およそ腕力と呼ぶにはあまりに儚い腕力・・・・・・
打たれ―――蹴られ―――叩きつけられた
理合に敗れた」



本当の実力者は表の大会に出て来ない

なんか、一昔前のジャンプの連載みたいなパターンです


きっとこの爺さんは裏海皇とかで、「海王12人集を倒したぐらいでいい気になるなよ・・・」って感じで現れたのでしょう


ともかく、若い頃の郭はサムワンとほとんど同じパターンで敗北したようです

ひょっとしたら、倒れているコマでは下半身が見えてないのは、
実は玉ピンされちゃって下半身全裸でぶっ倒れてしまっているとか


それならサムワンも、郭の魂を受け継ぐ者として、100年後には
史上初のムエタイ海皇として君臨できるかもしれません(ぶっちゃけありえない)



「その日を境に――――――
鍛錬器具の一切を捨てた」



お気に入りの玩具を捨てる子供のように泣きじゃくる郭海皇
理合に敗れたのだから、証明されてしまったのだからあえて力を捨てる
強くなるために、自分が今まで信じていた物を捨てるのは、いかほどの覚悟だった事でしょう


オタクに例えると、鉄道オタクになるために美少女フィギィアを全て捨てるとか(どういう例えだ)


いえ、むしろブラボー×カズキからブラボー総受けを知って、
今までの同人誌を全て捨てるって感じか(だからオタ趣味に例えるな)



「それは同時に肉との訣別を意味する
理合を手に入れる鍛錬
それは筋力鍛錬の速度に比べ
あまりにも永く
日々普通?に戻ってゆく己の肉体に
わたしは―――歯噛みした」



筋力鍛錬の場合、目に見えて効果があるのが嬉しいですからね
三ヶ月程真面目にやっていれば、筋量が増えるのも自分でも分かりますし

しかし肉と引き換えに理合を手に入れる鍛錬ではそうはいきません
自分の訓練が本当に身を結んでいるのか、達成するまでは分かりませんからね


まぁ、理合って言葉がどういう意味なのか、
私にもはっきりとは分からないのですが、例えればこういう事でしょう










萌えって何ですか? 、と



この例え、本当に分かる人には分かるけど、
分からない人にはどういう事かさっぱりだったと思います


まぁ、説明されてもピンと来ないかも知れませんが・・・
とりあえず、ある程度染まったオタクだったら必ず一度は通る道だと思います
中には、呼吸をするのと同じぐらい自然に萌えを理解している猛者もいる事にはいますが


萌え絵とか描く人だと、必ず一度は通る道なようです


え〜っと、何の話でしたっけ? 梢江ちゃんは萌えないって話でしたか

ともかく、郭海皇は強くなるために力すら捨てて稽古に励みました
一度は海皇の名すら得た男が、0からより辛い1からの再出発を決意して

自らの剛を打ち破った理合を体得するために永い年月を費やしました



「日々がいかに幸福でも―――
いかに苛酷でも―――
人はその環境にやがては対応し
遂には馴れる」



まぁ、人間は順応する生き物ですからね
どんな劣悪な環境でもささやかな幸せを見出すものです
これは例えば(いい加減話の本筋から離れすぎるので省略します)


でもまぁ、あんまり苛酷だと馴れるどころか恐怖が増すって事もありますけどね
10秒置きに攻撃食らって敗北宣言したどこぞの最凶死刑囚の例もありますし


まぁ、アレは環境ってよりおかれた状況が絶望的すぎたからですけどね
ともかく、若かりし頃の郭は、ちょっと柳さんみたいな顔になりながら修行を続けました。そして・・・



「永き時は過ぎ・・・・・・
わたしの骨格から肉が減り続け―――
齢90を越え―――骨に皮膚がタレ下がり
食事―――椀と箸に重量を感じた頃
わたしの手に 理が握られていた」



ヨボヨボの老人になり、ようやく理を手に入れて巨漢を投げ飛ばす郭老子
己が力に費やしてきた人生と同じ程の時間を費やしてようやく理合完成と言うところでしょうか

ともかく、長々と語られたおじいちゃんの昔話も終わり、ようやく本編です

まぁ、ちょっと待たされましたがこれぐらいならいい感じの焦らしになって良かったのではないでしょうか


これで、郭老子の昔話が単行本一巻分に及び、
『シークレットウォーインチャイナ』とかやられたら暴動物でしたが


お爺ちゃんの昔話を聞き、勇次郎は歯をむき出しにして笑います



「なるほど・・・・・・・・・
ならばこの闘いは・・・・・・
剛に・・・・・・理合が挑む闘いというワケだ」



今までの敬老精神もどこへやら、
郭の車椅子を軽々と持ち上げると、なんと勇次郎
中国拳法そのものに向かって、「挑戦者はお前だ」発言です
やはり、今までの態度は全てこうやって虚仮にする布石だったのでしょうか


まぁ、そこは伊達に年食ってない郭海皇



「その逆じゃよ勇次郎」


と、やはり挑むのはお前だと切り返します

ここは、かつての自分のように理合で剛を打ち破ってやろうと言う思いがあるのでしょう


まぁ、勇次郎も勇次郎である程度の理合はあると思いますが
なんせ、ただの筋肉バカだったら、オリバと被っちゃいますからね

むしろ、人智を凌駕する鬼の格闘術と中国拳法の理合の闘いです


来週は休載ですが、さ来週の激突が今から楽しみです


まぁ、これで勇次郎が車椅子落っことして郭がショック死したなんて結果だったら、

全国のバキファンがその日を境にバキの関連商品の一切を捨てるでしょうが(笑)


是非とも、バキ君と梢江ちゃんのSEX以上に濃密な闘いを繰り広げて欲しいものです