バキ
第223話『蹴る』

顔面に斗貴子さん(by武装錬金)のような傷をつけられる範海王

ひょっとして、切り裂かれたリンゴの祟りでしょうか?


土足で食べ物を蹴ったりするからそうなるんです
これでもし、食べずにいたらもったいないお化けもセットで出てきた事でしょう

とにかく、顔に傷が付いた事で克己と差別化をはかった範海王
ちなみにJrが冷静なのは、キレると烈先生そっくりになってしまうから自粛してるからだとか{違う}



「切ったッ
一パツで切り裂いたぞッッ」



アライの『蜂の一刺し』にどよめく観客達
しかし、切り裂いた本人も、切り裂かれた当人もいまだ冷静さを保っています



「一見たおやかに
一見優雅に見えようとも
中身はリッパな拳技というワケだ
しかし 闘争という高密度な状況下で
手技のみに限定した技術体系はいかにも不自然・・・」



長々と解説と言うか、説明を続ける範海王
そんな、血がダラダラ流れてる状態で強がられても・・・

油断しまくって不意を突かれちゃうとことかも克己そっくりです
ひょっとして、範馬一族と思わせといて、実は克己の生き別れの兄と言う展開でしょうか?{ありえない}


しかし、油断しているとはいえ、一応はここまで残っている海王の一人
彼我の戦力を冷静に分析し、有効と思われる手段を即座に打って出ます



「たとえば 蹴り技ッ」


そう言って上段蹴りと下段蹴りを連続して放つ範海王
上段は余裕ぶってかわしたJrも、下段は少し慌てたようによけます

何気に、金的を打とうとして下段で牽制されたとかって細かいやり取りがあったのでしょうか?


ちょっとビックリしてるJrに、範が得意そうに言います



「当たらぬまでも―――
射程距離の差は明白
蹴り続ける限りは君の手技は届かない」



そういってさらに回し蹴りを仕掛ける範



「脚力と腕力との差は今さら説明の必要もない
ワカるかな 不完全なんだよ 君は」



まぁ、そんなもん元々試合中にわざわざ説明する必要が無い事なんですが

なんで自分から板垣漫画における一発逆転のパターンの構図をこつこつ積み重ねますか貴方


そして、場外ではバキと寂先生により解説劇場が始まります
まぁ、バキ君は一人にしとくとろくな事言わないので、相方がいた方がいいと思います

つーか、一人で勝手に分かったようにしてるわ驚かないわ試合に興味示さないわ

どちらかと言うと、一番不完全なのはバキ君の解説ぶりだと思います



「バキさん
彼の説を支持するかね」

「ボクシングには蹴り技がない・・・・・・・・・・・・・・・
そんなふうに考えていた時期が 俺にもありました」

「ほう では蹴り技があると・・・・・・」

「ええ ボクシングには蹴り技が存在します」



え〜と、この話口どっかで聞いた事あるような・・・
ああ、たまに出てくる解説の歯科医師とか猟師の人とかと同じ思わせぶりな口ぶりなんだ


さすが主人公。一発キャラが使う先を期待させるいやらしい語り口までパクっています


でもどうせだったら本部さんの解説術もパクれよ


まぁ、脇で解説をしてる最中も、範がJrに次々と蹴り技を見舞います
それを軽々とかわしていたJrですが、突如として放たれた足払いを食らい、全体を沈み込ませてしまいます


ボクサーを倒すなら足を狙え。キートンさんもやっていたボクサーの基本攻略法です

この、素人ボクサー丸出しの姿に、範も殺気をみなぎらせて襲い掛かります



「この・・・ッッ
スポーツマンが・・・・・・ッッ」



拳の傷の借りは拳で返すと言わんばかりに殴りかかる範
しかし、Jrは落ち着いた様子でその拳を見ると、一気に両足で大地を踏みしめます
寂が「あ・・・・・・ッ」と驚いた次の瞬間、身体ごと打ち込むようなアッパーが範に炸裂します!


さらに駄目押しのような左フックを食らい、地に膝をつけてしまう範海王


「(そっかァ〜〜〜・・・・・・
ボクシングって・・・・・・
大地を蹴る 格闘技なんだ・・・・・・・・・・・・)」



その様子を見て、寂先生も納得した様子

そうですよ寂先生! ボクシングの蹴り技とは、大地を蹴って利用する事なんですよ!!





あんたが一回戦で戦った三合拳と一緒なんだよ


一応、勧誘した相手も同じ戦法取ったので覚えておいてあげましょう
それとも、烈にほれ込みすぎてもう陳の事なんて忘れてしまったのでしょうか?


と言うか、むしろ大地を蹴らない格闘技の方が珍しいと思いますけど

特に、中国拳法は八極拳の『震脚』のように、むしろ下半身を重視する本家では無いのですか?


色々疑問は残りますが、とりあえずフットワークに特化した下半身って解釈でいいんでしょうか?
まぁ、これで一矢報いたと言うか、さっきから範の攻撃はクリーンヒットしてないのである意味一方的に試合が進みます


流石にこれで終わる事は無いと思いますが、
最後のコマで崩れ落ちている時の範海王の目が


烈の突きを食らった時の克己とそっくりなので少し不安です


まぁ、普通の漫画ならばここで2勝2敗になって大将戦にもつれ込むのがスタンダードですが、
この漫画の作者は不自然主義の道をひた走る板垣先生です。普通の展開で進むとは限りません


これで範が負けて1勝3敗になったとしても、

どこぞのお爺ちゃんが「大将戦は一気に三人分の勝利が与えられる」とか言い出しかねません


まぁ、流石にそれは無茶苦茶すぎるので、
お爺ちゃんがまた暴走しないように、範に勝ってもらいたい気はします{笑}