バキ
第219話『護身』
私はとんでもない思い違いをしていたようです
今まで、寂海王はヒゲでセックスアピールする責めキャラなダンディだと思っていましたが、とんでも無い間違いでした
寂は責めキャラではなかったのです。護身{ウケ}キャラだったのです
専門用語で言うと、誘い受けと言う一見責めキャラっぽい受けキャラです
簡単に説明するなら、「阿部さん」って言えばお分かりでしょうか?{分かりたくも無い}
ともかく今日のタイトルは護身。果たして、どんな護身{ウケ}技が飛び出すのでしょうか?
「(あざやかに―――倒してのける)」
先週、「たかが」扱いされてブチギレる烈海王
この大人げなさこそある意味海王の証明みたいなものですが、
とにかくまるでタクタロフを相手にした時みたいに格下相手に全力を尽くしてます
しかし、タクタロフとの違いは、戦力的には劣っていても、
寂の人間力{猪狩がよく使うやつ。板垣漫画では卑怯者の代名詞}は烈以上です
怒涛の連撃を食らいながら、何やら心中でつぶやいています
「(余裕綽々で屠り去る)」
まぁ、だからと言ってその間実に2秒!とかやられても困るのですが
そしてなんとか顔はガードする乙女魂の持ち主の寂に、烈の後ろ蹴りが炸裂します
「(そんなふうに―――――
やれるものなら 俺だってそうしたかったさ)」
このタイミングで烈海王相手にそんな事されたら、
編集が許しても読者が決して許さないと思います。押忍
寂の妄想はともかく、現実世界では吹き飛ばされ壁にぶつかった所に烈の追撃が襲いかかります
「(やれるものならね)」
妄想にオチをつけるような感じで蹴りを食らい、スッ転ばされる寂海王
しかし、烈はそんな事で攻撃をやめはしません。倒れた寂にさらに追撃の蹴りを見舞います
「(相手は天才 烈 海王!!!)」
まぁ、天才と変態は紙一重って気もしますけど
ともかく、壁に再度ぶつかって前のめりになる寂に飛び蹴りをかます烈
寂は壁にもたれて崩れ落ちそうになりますが、その目は未だ死んではおりません
「(かなわぬッッ
かなわぬなら 護る!!!)」
起死回生のアッパーを繰り出すも受け止められ、
続けて拳打を放つもカウンターを食らって吹っ飛ばされる寂
もはや為す術無しとしか思えないこの状況。次に寂海王が取る一手とは!!?
「(自己を―――――護りきる)」
そう決意し、鼻血を噴出しながら烈に脊を向ける寂
しかし、凶器と呼べるような鋭いヒジがその無防備な背中を打ち据える!
「試合になってない・・・・・・」
観客達も引く一方的な展開
駄目ですよ、もっと喜んであげないと
ボコボコにされているヒールも立つ瀬が無いと言うものです
地下闘技場の観客なんて、タクタロフが転蓮華食らっただけで大喜びだったのに
そして次の瞬間、なんと寂は烈に後ろを向けてしゃがみこんでしまいました
「護身とは――――――倒されぬこと!」
じゃあ何で烈と戦いに来たんだよアンタ
勝つのが目的なのか、護身の凄さで烈を誘惑したいのか
後者ならどう考えても烈を怒らせるだけで烈は護身を学ぼうとは思わないと思いますが
しかし護身といえば、ある意味完成形を渋川先生が見せちゃってますからね
勝てない敵の下へは辿り着けない。それが護身の究極系なら、寂は何のためにいるのでしょうか?
まぁ、渋川先生のはあくまで己のみの強さを求める護身でしたから、
寂のは、術としての護身を世に知らしめるための技術の使い手として護身を使うって事でしょうか?
その程度だったら世の中の役には立っても烈には勝てないと思いますが
ともかく、いきなりの亀防御に流石の烈も「な・・・・・・」と引いちゃってます
「なんだァ?」 「おいおい」 「試合・・・放棄か・・・?」
観客達もこの寂の姿にあっけに取られています
しかし、そんな中でバキだけは違います。相変わらず意味深な一言を呟きます
「スゲェや あのオッちゃん
一筋縄じゃねェ・・・・・・」
何と言うか、主人公なら主人公でまともな解説すればいいのに
むしろ本部さんの存在が凄く懐かしいです。本部さんならこんな意味不明な単語並べるだけの解説なんてしないのに・・・
そして次の瞬間、寂の口からとんでもない一言が!!
「オヤ・・・?
攻撃がこねェな
試合放棄かな?」
寂の超トンデモ発言に、流石の烈も呆然としています
何と言うかまぁ、したたかさのレベルがマジで最凶死刑囚を超えてます
もしガイアに地下闘技場でボコられてても、10秒の間に同じ事言ってガイアを挑発しそうです
とにかく、寂のワケの分からない言動に時が止まる烈海王
しかし次の瞬間、さらに意味不明な寂の奇行が烈を襲う!!
「やったアアアアア」
嬉しそうに両手を突き上げて闘技場を走り出す寂海王
これには流石の観客達も「はァ?!」と驚くばかりです
「勝ったぞォッ」
なんつーかもう、小学生かアンタは
嬉しそうに無邪気に闘技場を走り回ってガッツポーズをするヒゲ男
ドリアン辺りといいホモ達友達になれそうな感じです
しかしこんな事で勝ちを主張されてはかないません
蛮勇、烈海王が目を血走らせて突進していきます
今にも寂を組み伏せて、尻の穴にぶち込んでしまおうと言う勢いです
しかし、そこは誘い受けの天才、寂海王
なんと、突進してくる烈の勢いを利用して後頭部で頭突きを敢行!!
ハゲ頭でのヘッドバッドにさすがの烈もしかめっ面になって次号へ引き
流石超人間力の持ち主、寂海王
きっとこいつが日本で教育してる人物って『今日から俺は!』の三橋みたいな奴でしょう
もしかしたら『エリートヤンキー三郎』の河合も寂の教え子かもしれません
と言うか、真っ当な読者にこの攻撃は受けがいいのでしょうか?
私なんかは、こうやって相手の心理の隙をついた戦法は非常に好みですが、
ネットではあまり見かけませんが、バキ読者の多くは、あの主人公に人気投票で票をいれるピュアな読者です
きっとバキの試合で「その間 実に2秒!」とか言われても、
「やっぱりバキさんは凄いっス! 風天組は最強ス!!」とか叫んでしまう頭の弱いピュアーな小中学生なんでしょう
そんなプリティーでピュアピュアな読者の皆さんです
寂のこの振る舞いは、タダの卑怯者にしか映らないでしょう
きっと寂が最後に放ったこのヘッドバッドが、ヒゲの仇をハゲで討ったと言う、
ユーモア溢れるジョークだったと言う事に気付きもしないのでしょう{気付く以前にそんな意図は絶対無い}
もしもう一度人気投票があったら、
梢江ちゃんやサムワンなどの超人気者達どころか、
下手をすれば末堂とマブダチになってしまうかもしれません
なんか色々失うものの多そうな試合ですが、
寂には頑張って、勝利も海皇の名も人気すら失う事になっても、
烈だけは手に入って終わると言う、ボーイズラブ漫画によくありそうな展開に持ち込んで欲しいものです
まぁ、本当にボーイズラブ漫画にありそうな展開だったらその場合、
克己に寂が後ろから刺されてENDって感じで無理矢理悲劇にもってかれそうですけど