バキ
第215話『信じていた』
自分のモノを握らせて押し倒す。これが寂海王のスタイルだッッッッ
しかし、烈もそんじょそこらの受けキャラとは違います
ただこのまま転がされるだけでは単なる男に都合のいい男止まり
なんと、腕をとられて投げられようとしている中、
後ろ足でブレーキをかけ、腹筋の力で逆に寂を背負ってしまいます!
・・・・・・初っ端から、何の話してるのか自分でも判らなくなってきたなぁ
ともかく、寂はなんとか捕られてない方の腕を頭の下に強いて受身を取ります
しかし、投げの威力のあまり、寂の身体は跳ねて弾んで転がっていってしまいます
「見事なり烈 海王ッッ」
アナウンサーの言葉で熱狂する観客達
やっぱり、今までの試合で海王達が負けまくってた事でフラストレーション溜まってたんでしょうか?
なんかもう、このまま負けたら生きて日本に帰してもらえなさそうな勢いです
「卑怯なり日本ッッッ
なんという卑怯さでしょう
握手という友好の儀式を不意打ちの道具として使う
許されざる行為ですッ
さァこの稀代の卑劣漢を
どう迎える烈 海王 どう戦う烈海王」
何で日本自体が卑怯者扱いされてるかは分かりませんが、
ともかく不意打ちを二度も繰り返した寂海王が徹底的に避難されます
しかしまぁ、まったく大人気ない人達ですね擂台賽の観客達は
これが地下闘技場の観客だったら、喜びこそすれ不意打ちに文句言う人なんて一人もいませんよ{それもそれでどうかと}
すっかりヒール扱いされた寂海王
果たしてこの状況にどう対処すると言うのでしょうか?
「!!! ・・・・・・・・・ッッッ」
アナウンサーも思わずビックリ
なんと寂海王、にっこり笑って三度握手を求めました
これは驚きの行為です。果たして許されるのでしょうか?
同じギャグを使っていいのは三度までだといわれてるのに{ギャグじゃねぇよ}
「もはや言葉もありません
2度に渡る握手に隠されただまし打ち
よもや3度目の試みがあろうとはッッ」
しかし当の寂海王、アナウンサーのそんな非難も聞こえないかのようににこやかな顔で言います
「烈さん 握れるかね」
ここまで来るともう、プロレスラーの「打ってこいやぁ!」みたいなもんです
とりあえず、信頼を試してるんでしょうが、逆に食らってるので実質はそんな感じっぽいです
それとも、寂は攻めと見せかけて実は逆に攻めてもらいたがっているんでしょうか!!?
つまり、烈がこの試合で新しい自分{攻めキャラ}に目覚めるッッ!!?{目覚めさせんな}
「食らわせろ烈ッッ」
「不意打ちかませェェッッ」
流石に観客の罵声が飛んでますが、不意打ちかましちゃ駄目でしょ
凄い嫌われっぷりです寂海王。そりゃバキも「僕も同じでしたから」って言うはずです{言ってねぇよ}
「握る勇気はあるかね」
「悪意に満ちた右手ですッッ
悪意に満ちた笑顔です
だまされるな烈 海王」
アナウンサーは止めますが、挑発された烈が引く事などありえません
誘われたら乗って、ガンガンに攻められる事こそ受けキャラの極意ッ! それこそが烈海王なのだ!!{違う}
「オオオオオ〜〜〜ッと
握ってしまったぞ烈 海王
応じてしまったぞ烈 海王
不意打ちなにものぞ
やれるものならやるがいい烈士 烈 海王」
あんまり人のフルネーム連呼するのはどうかと思いますが、
ともかく試合中に三度も握手している両海王。ある意味寝技の応酬よりエロティックです
しかし、次の瞬間いきなり寂の身体が僅かに宙に浮きます
驚く観客達。寂。そして、フリーな左手で突きを連打する烈海王!!
「いッ 怒りの鉄拳だ〜〜〜〜〜」
思わず浮いちゃうほどの連撃を食らい、血反吐を吐く寂海王
しかし、それでも互いに握った手を離しません。貴方達、握りすぎです
「し・・・・・・信じていた・・・・・・・・・」
いきなりぼそぼそと呟く寂海王
次の瞬間、一気に腕を極めて烈を顔から落とす!!
「必ず握ってくれると」
初めて完全にヒットした寂の攻撃
これは前回みたいに「食らいそうになったけど返した」とかはできません
まぁ、これが車田正美先生なら「フッ、海王に一度見た技は通用せんのだ」とか言って
食らって吹っ飛んだはずなのに何故かノーダメージとかごり押しが出てくるところですが
ともかく寂の逆襲が始まりました
まずは相手に攻めさせておいて、逆転する
間違い無くプロの技です{何のプロです}
まぁ、烈もこのままむざむざ逆転されないでしょうし、
仮にも天才、烈海王です。そう簡単に日本人にやられるようでは海王の名折れです
相手がいきなりリアルシャドーとかやり出さない限り醜態は晒さないでしょう
来週からは、お互いにどんどん組み付いていくような暑苦しい試合になりそうです
もしかしたら、この試合こそ後にバキファンのみんなから
「この試合こそ、烈SAGAだったんだ」と呼ばれるようになるかもしれませんね{なってたまるか}