バキ
第196話『ダイアモンド』

どうして楊はわざわざ自分から死地に向かうんだろう?


「抵抗すると無駄死にするだけだってなんで分からないんだ!!」とカミーユっぽく叫びたくなりましたが

留年率が30%超えたテストの前日にこんなの書いてる私も同類っぽいので置いておく事にします


結局、不器用にしか生きられないんだよ。男って奴は・・・{お前のはタダの馬鹿だ}


ともかく今週の内容です。くそぅ、試験前だってのに何で今日もこんなにツッコミ甲斐のある展開なんだ


爆竹が鳴り、龍が舞う擂台
まさにお祭騒ぎと言った感じの盛り上がりです

でもまぁ、この後の展開を思えば、まるで楊海王の死出の迎えのようです


そしてここで響くアナウンサーの電撃発表



「たった今
主催者中国武術省より
皆さまへの発表がありましたッッッ
先ほど敗れたドリアン選手の付き人
ビスケット・オリバ氏が試合結果を不服として
楊 海王選手との対戦を熱望しておりますッッ」


不服を言い出したのは楊海王の方だと思いますが


やはり、勝った方がゴネたってのが対面的に悪いのでしょうか?

それにしても偉くあっさり承知しちゃいましたね武術省
この試合前にしては偉く盛り上がってる余興といい、ひょっとして

ついに自棄を起こしちゃったんでしょうか?


もう老酒でもあおりながら試合見てそうです



「この希望を
楊選手は快諾しましたッッ」


それはいいんですが、通路に座り込んでブツブツ言ってるドリアンは何事ですか?


烈はまだオリバの参加に驚いてるバキに着きっきりですし
もう園田さん辺りに引き渡してあげた方がドリアン的に良さそうです



「ここに金剛拳楊海王対
怪力無双!? ビスケット・オリバ
特別試合が実現の運びとなったのです」


わざわざ「!?」をつけるって事は
未だにアナウンサーはオリバの実力を疑問視しているのでしょうか?
まぁ、さっきみたいに無理矢理盛り上げた試合の後では疑心暗鬼にもなろうってものですが


さっきも勇次郎の実力を疑ってみたり、郭海皇の実力を疑ってみたり
このアナウンサーの死体が出てきたら、容疑者を絞り込むのが大変そうです



「おンもしれェ〜〜〜エラいぞ付き人ッッ」


観客達が盛り上がりながらオリバを称えています
面白がるって事は、海王側の勝利を確信しての発言でしょうか?

いい加減、法則性に気付きそうなものですが、ある意味仕方無い事なのかもしれません



「オリバさん・・・・・・・・・だったな・・・・・・・・・先に叩いてくれんか」


楊の自殺宣言並の台詞に、何も言い返さず黙るオリバ

観客は盛り上がってますが、読者は絶句ものです

ある意味勇気ありますけどね、まさか



噛ませ犬どころか、試し割りの素材になりたいなんて


楊海王、『犬』どころか、石や空き瓶と同じランクに自ら格を下げています

しかしそれ程までの覚悟なら、今週で退場する事も認めないワケには参りませんね

さぁ、思う存分散ってくれ楊! オリバの見せ場は二回戦まで待つ事にするから!!{非道い}



自称腕力世界一との触れ込みだが

正直に言わせてもらおう
わたしと君とでは戦力に差がありすぎる」


わざわざ『自称』に力を入れる楊海王
まぁ、正直っちゃあ正直な言動だとは思いますが

サムワンが似たような事思ってタマピン瞬殺されてましたよね


獅子は兎を狩るときにも全力を尽くすと言うのに
いくらムカついたからって、相手を馬鹿にしてはいけません

海王ならば、手裏剣投げまくって黙らせるぐらいの蛮勇を見せねば


そしてさらに楊さんは自分の服を破り去り
まるで金属のような光沢を持つ肉体を披露します



「我が金剛拳
その実体は五体の金剛化を旨とするッ
木剣に始まる受打訓練は―――
やがては鎖での殴打へと変化し
大型車両による腹部通過を経て―――
ついには旧式のカノン砲による砲弾炸裂の実体験に至る」


なるほど、あのビールっ腹みたいだと思った出っ張った腹部は
カノン砲による砲弾炸裂にも耐えうる筋肉の塊だったと言うワケですか


私はカノンって聞いてもまず「うぐぅ」とか「だおー」とか思い浮かべるタチですが

それでも楊の肉体がどれ程凄いかは分かりました。まぁ、オリバさんの試し割りになる伏線ですけど



「そして最終訓練は
台風来襲の夜半に行われる
落差30mの滝壷にて
夜明けまでの滝浴びをもって終了とす!!!」


カノン砲は瞬発的な防御力のため
そしてコレは慢性的な防御力のための訓練って事なのでしょうか?


とにかく、「絶対的な防御力があれば単純な一撃で事足りる」といったタイプの格闘技なようです

まぁ、単純っつっても病気のドリアン一人仕留めきれないシロモノですが
相手の攻撃を全て跳ね返す事で敵の精神を削るのが狙いなのかもしれませんし

この申し出も、オリバの自慢である筋力による攻撃を全て跳ね返す事によって
オリバの戦意を喪失させて勝利を得ようと言った考えから出た申し出かもしれません

『敵に自らの攻撃が無駄だと悟らせて勝つ』
中国拳法の性質を考えれば、コレはその理想系かもしれません


まぁ、傍から見たらやってる事はただの自殺行為なワケですが



「遠慮はいらぬ
存分に叩き尽くし給えッッッ」


そう言って股を開いて立ち尽くす楊

駄目だ! 今すぐ股を閉じるんだ!! 金的が来るぞ!!!


そして「筋肉は金剛の硬さでも、ここは純金並の柔らかさだったな」と金玉をもぎ取られ


キャンディーだと言ってドリアンに与えられてしまうぞ!!?{ありえない}


それとも、今までの大擂台賽の試合データから
金的による決着があると予想し、あえて金的を誘う事で


「とっくの昔に玉無しじゃよ」って展開に持ち込むつもりなのでしょうか?


もしかしたら、ここでは高度な駆け引きが行われてるのかもしれません



「なんだか すっかり気を使わせちまったね・・・
まあ・・・わたしのパンチなど通用するハズもないのだが
せっかくのチャンスだ お言葉に甘えさせてもらう」


イヤミなぐらい謙虚な言動とともに拳を振りかぶるオリバ
まぁ、気を使ったってよりは楊が勝手に死の十三階段を駆け上がったのですが


そしてそのまま拳を叩き込・・・まずに、身構える楊の頭の上にス・・・・・と乗せるオリバ

楊が「・・・・・・・・・・・・・・・・・・???」と困惑していると



「バカだぜアンタ・・・」


楊が「!」と異変に気付いた時には時既に遅し

次のページではまるで車に轢かれた蛙のようにペシャンコに潰される楊!


ある意味オブジェと言えそうな格好で意識を失います

あまりの出来事に声を失う観客達。それに対し、勇次郎は愉快そうに笑います



「笑いが止まらねェ
金剛が―――ヘシ曲がってやがる」

オリバの超パワーを示す試し割りになり、楊海王退場です


と言うか、今回のでオリバが楊を殺しちゃってたらどうなるんでしょうね?
試合での事ですから、基本的には罪には問われない行為だとは思いますが


場合によっては、自殺幇助って事になりそうです


いやぁ、自殺でしょ。アレは。どう見ても


あと、今回のオリバの行動ですが
単に腕力を示しての勝利のように見えますが
もしかしたら、オリバ一流の計算が働いての作戦かもしれません


実際、楊の肉体はカノン砲をも跳ね返す防御力ですし
さしものオリバも一撃で屠るのは難しかったかもしれません

しかし、衝撃に強い筋肉とはいえ
頭から負荷がかかって潰されるのには慣れてはいないでしょう
滝壷での訓練も、一撃一撃は落下物による『打撃』に耐える修行なワケですし

金剛が硬いと言っても、それはあくまでモース硬度による話
ダイヤも焼けば灰になりますし、ハンマーで叩けば砕け散ります


一瞬の計算と、常識を超える超筋力

その二つに裏打ちされた、オリバらしい勝利に見えない事もありません


で、来週はどうなるのか楽しみな事この上ない状況なのですが、休載


・・・テストが来週の木曜日で終わるから通常どおりに書けたんだけどなぁ


やはり、餓狼伝BOYとの兼ね合いを考えての休載でしょうか?
そんなもんよく編集部が許したなとか思わないでもないですが、大人の事情でしょうか?


ともかくさ来週がどのような展開になるのか楽しみです

だって次以降は海王同士の潰しあいですし

そうなると、勝ち上がれそうな純粋な中国人海王は烈ぐらいですからね


範はまだ範馬の混血児疑惑が拭いきれてませんし
他の中国人海王は勝ちあがれても乱入者に潰されそうですし


もしかしたら100年後の擂台賽では『外国人お断り』の但し書きがつくかもしれません


中国武術省のお偉いさん方、今回の件で心労溜めて寿命が縮まない事を祈ります