バキ
第195話『これも武術』

主人公がヒロインに対し、本能で的確に急所(性感帯)を責め上げ
それが格闘技における相手への攻撃の裏返しだと言う事に気付く





これも武術・・・なのか?{多分違う}



まぁ、そんな世迷言はともかく、久しぶりのバキです

今週は年をまたいで敗北しっぱなしのドリアンの姿から始まります
なんだか除夜の鐘みたいで、ある意味縁起物と言えるのかもしれません



あまりにも早すぎる「勝負ありッッ」宣言に
観客達も「え?」「もう?」「決着?」と戸惑っています

無理もありません。今までの試合も平均時間短かったですが

今回は敗者の見せ場どころか、勝者にも見せ場らしきものがありませんでしたからね


何と言うか、本当にこんな華の無い海王を二回戦にあげちゃっていいんでしょうか?



「恐るべしは大擂台賽ッッ
一方的なッッ
たった一パツの反撃も許さぬ一方的なッッ
海王同士とは思えぬほど一方的なッッ
一方的な展開となりましたッ」


そう、あまりにも一方的過ぎる試合だったため
アナウンサーも少しでも盛り上げようと必死です

無理矢理気味にテンション高い実況が哀れを誘います


そして、そんな実況に興味を示さず
倒れたドリアンの傍に歩み寄って様子を見
そして、近くに落ちているキャンディーを拾うオリバ



「本来なら―――
本来ならばこのドリアン海王
とても大擂台賽へ上がるコンディションには思えません」


アナウンサーが必死で盛り上げようとしている最中
そのドリアンを無理矢理擂台賽に上げちゃった本人であるオリバさんは


地面に落ちて砂だらけになったキャンディーを拾って食ってました


駄目ですよオリバさん。その土には
劉海王が流した血だとか、サムワン海王の冷や汗とか
梢江ちゃんの涙とかバキ君の尿とか染み込んでる可能性ありますよ?


と、思ったら一通りもごもごした後、「Peッ」と吐き出すオリバさん
どうやら、ついた砂とかを取ってただけの様子。でもその砂も早く吐かないと

下手すると毒が回ったり噛ませ犬が感染ったり、裏返ったりしちゃいますよ?


そしてオリバさんの口から取り出されたキャンディーは
オリバさんの手によってドリアンの口の中にねじ込まれます

すると、倒れていたドリアンが立ち上がったではありませんか!


これぞまさに愛の技! 梢江ちゃんが涙をバキ君を裏返らせたのに対し

オリバは自分の唾液でドリアンを裏返らせたわけですな


やはり愛の力は偉大なようです{マテ}


ちなみに、アナウンサーはその間も一生懸命実況実況



「しかしッ これが大擂台ッッ これが武術です」


これが武術って言われても、武術ってのは矛を止めるための術って書いて武術なんであって

精神に異常をきたしちゃった老人をボコるためのもんじゃないと思うんですけど


そしてハイテンションアナウンサーも、ここにきてようやくドリアンの目覚めに気付きます



「おおッ 立ち上がりましたッ
あれほどのダメージを受けながら
自らの脚で退場します
これもまたッッ
これはこれで立派な武術家の姿と言えましょう」


そうして、見ていて辛くなる程の必死な盛り上げのおかげか
観客達も万雷の拍手で退場して行くドリアンとオリバを送ります

これはこれで立派なアナウンサーの仕事と言えましょう


でもあのアナウンサー、最後に少し本音が出たようですね


「これはこれで」とかって言うなよ{笑}


そして廊下に引っ込んだオリバ達の前に
なんと、先ほどドリアンを破った楊海王が立ちはだかります

別々の出口から出たはずですし、きっと急いで先回りしたのでしょうね



「納得できん」


ドリアンとオリバに向かって言い放つ楊海王



「この白人には海王を名乗る資格はないッッ」


まぁ、確かに褒められた闘いぶりでは無かったですしね。そりゃ楊海王も憤慨するってものです

でもそれを言ったらサムワン海おうわヤメロ貴様ら何をする



「・・・・・・で
どうするつもりかね・・・・・・・・・・・・・・・・・・楊くん」

「もう一度立ち合え」


やっと口を開いたと思ったら中々無茶を言います楊海王
と言うか、ここで仕切り直しをしたら今度こそ敗北は確実です

口を開けばろくな事が無いってのは噛ませ犬海王の共通項なんでしょうか?



「おいおい楊くん
ムチャは言うものじゃない」

「認めんッッ
あれが実力とは絶対に認めん」


おお、楊海王も中々の海王{ワガママ}っぷりですな

でも、廃人を擂台賽に連れてくる方がよっぽどムチャだと思うのですが


そして、楊のムチャ案に対し、オリバが一つの妥協案を打ち出します



「わたしが開いてじゃだめかね楊くん」

「キサマが・・・・・・?」

「君が推理したとおり
ドリアンは病気なんだよ」


おお、ついにオリバ自ら参戦表明しましたな
やはり、ドリアンはこのための撒き餌として連れてきたのでしょう

そしてまんまと乗せられ気味の楊海王
オリバの超筋肉を見て嘲るように言います



「フンッ バカ力が自慢か」

「そう・・・バカ力だけが自慢だ」


全身からにじみ出るようなオーラとともに言葉を発するオリバ

そして、次の瞬間楊の手首を掴むと、渾身の力で握り締めます!!



「!!!
(拳が・・・・・・ッッ
開けられない・・・・・・・・・
折・・・・・・・・・ッ)」


ただ握りしめると言うだけの行動で
拳を開けるどころかへし折られてしまうバカ力

そのパワーに気圧され、たまらずオリバさんの顔面に蹴りを入れる楊



「どうかね 眼鏡にかなったかな」


手こそ離したものの、まるでダメージを感じさせないオリバ

その奥深さを感じ取ったのか、楊海王は手首をさすりながら叫びます



「すぐに擂台へ戻れッッ」


そんな、わざわざ自分自身に死刑宣告しなくてもいいのに


そんな楊の退場宣言に、オリバはニヤリと笑いながら答えます



「Certainly sir 謝謝 楊 海王」


してやったりと言う感じですな
英語と中国語の二ヶ国語で答えています

これで来週の楊の公開処刑が確定いたしました


しかし中国武術省も大変ですな

外国人勢が三連勝するわ
試合場で恋人の涙を飲む奴がいるわ
前回優勝者は公然とタマピンで決着つけるわ


そして今回は勝者の希望で再試合、しかも参加者の付き添いとです


もう武術省の爺さんも「適当にやってくれ」と言った感じかもしれません


下手すりゃ、最終的には徳川のじっちゃんに擂台賽を乗っ取られかねません



まぁ、それはそれでアリかもしれませんが、とにかく中国武術省の皆さんには頑張って欲しいですね


もう擂台賽が終わる頃には急性の胃炎で入院するはめになってるかもしれませんが