バキ
192話『武とはッッ!?』
外部参加陣三連勝に加え、国手の手によるフリチン決着
なんという擂台賽だ
まず確実にテレビ放映はできないでしょう
この後の展開によっては、歴史の影に埋められかねません
そうなった時の郭に群がってる記者達の安否が気遣われます
ともかく、記者達の取材を受ける郭海皇
記者達が遠巻きになっているのは、恐れ多い相手だと言う事と
サムワンみたいに自分までフリチンにさせられてはかなわないからでしょう
「レンガ?
割れるもんかねそんなもの
ふつうじゃよ」
そう言って記者の一人にデコピンしようとする郭
記者が「ひ・・・」と怯えていますが、それも無理なき事
あの試合を見せられれば、男なら誰だって怯えてしまいます
下手をすれば、自分もパンツを脱がされて玉ピンを食らいかねません
そして記者さんがデコピンを食らいますが
予想とは違ってまったく痛くは無かったようで逆に驚いてます
「ね」
「力はいらぬ」
チャーミングな郭の物言いに、感嘆の声を漏らす記者陣
そして郭は「おーい」とのんびりした様子で小僧を呼び
そのまま車椅子に座ります。長い間は立っていられない程体力が無いのでしょう
きっと、今では女を抱く程の力すら残っていないのでしょう
だから今が盛りのサムワンのコブラに嫉妬して攻撃したのでしょうか?{最低}
「力は・・・・・・
いらない・・・・・・と」
呆気に取られた様子でオウム返しに言う記者に対し
「そ」と言いながら説明を続ける郭。案外、リップサービスがいいです
「女ッ子供ッ年寄り・・・などの体力に恵まれぬ者
その者達にこそ術が必要なんじゃ
弱者に使えぬ武術など
いったいなんの意味があるというのかね」
そう言ってサングラスを取る海王
とてもプリチーな澄んだ目をしています
でも、その目がさっきまで映していたのは
サムワンの尻と玉とコブラ
案外クセモノかもしれませんこの爺さん
あと、独歩も天内戦で郭と似たような事言ってましたけど
独歩は土管粉砕してましたからね。郭の方がよりこれを体現してるようです
「必要なとき
必要な術を
必要な速度で発揮する
己の感情を制御し そのタイミングを知る
完全なタイミングを手中にしているなら・・・・・・
もはやそこには速度さえもいらぬ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なるほど。つまり長い年月をかけてそのタイミングを知ったと
そして、それを知るために修行をし、得たものこそが『人の人たる強さ』だと
サムワンに玉ピンしたのも必要だったからだと
サムワンとしては自殺物の屈辱だったと思いますけど
タイミングは知っても人の情けは知っていないのかもしれません
そして、玉ピンの犠牲者であるサムワン海王
股間を抑え、小僧に肩を借りながら苦しそうに歩いてます
近くの蘇師匠も何て声をかけたらいいか判らない様子
まぁ、それはそうでしょう。もしここで
『サムワン、試合には負けたが、大きさでは勝ってたぞ!』
などと言った日には、史上最低レベルの師弟対決が勃発します
「くッ あのジジィ・・・ッッ
・・・ッッ まさかあんなことを・・・」
そしてパンツを脱がされた時の事を思い出し、顔をしかめるサムワン
やり場の無い悔しさから、近くにあった柱に思いっきりハイキックをかまします
擂台賽の会場を支える柱が砕ける程の威力
蹴った足の方が痛そうな勢いでしたが、平気な様子
玉の痛みと相殺されたのでしょうか? 良い事です{そうか?}
柱を蹴ってる時、後ろで師匠の蘇が
「物に当たってんじゃねーよ」と言いたげな表情してますが
まぁ、無理からぬ事でしょう。他に勝てそう八つ当たりできそうな相手がいないんですから
やり場の無い怒りに震えるサムワンに、背後から声がかけられます
「明日から・・・・・・
どの面さげて香港を歩いたらいいんだ・・・
・・・・・・てところか」
サムワンが振り向くと、そこには範馬勇次郎!!
いきなりの挑発。イジメる気満々です
勇次郎も酷いですが、板垣先生も酷い
どこまでサムワンを、ムエタイをイジメれば気が済むのか
きっとバキを読んでる少年読者の『将来なりたく無い職業第一位』はムエタイ選手で決まりでしょう
「キサマ・・・」
あっさり挑発に乗ってキレ気味のサムワン
落ち着けサムワン! 死亡フラグがもうビンビンだぞ!!?
「しかし・・・
よくもまァ・・・
日本人ならその場でハラキリだぜ」
「・・・・・・・・・おい・・・・・・」
「よせ・・・・・・」
勇次郎の挑発に、反応しまくりのサムワン
多分、後ろで蘇師父が止めているのも聞こえてません
と言うか、ハラキリ云々って言いに来たって事は
勇次郎は、わざわざ介錯をしに来てあげたのでしょうか?
ありがた迷惑意外と優しいんですね。まぁ、サムワンにとっちゃ泣きっ面に蜂でしょうけど
「おなじ敗けるにしても
敗けかたってものがよォ・・・
国民性の違いというか・・・・・・
俺ならとてもとても・・・・・・」
まぁ、勇次郎は敗けた事は無いでしょうが
駅弁スタイルで人前に出た事はあるだろあんた
どっちかと言えば敗ける事の方が恥かしそうな人ですが
まぁ、相手がサムワンなので、一番挑発しやすい言葉を選んでいるのでしょう。タチ悪ッッッッ!!
そしてその言葉に完全にキレたサムワン
「サムワンよせェェッッ」
師匠の制止の叫びも聞かず、勇次郎の即頭部へハイキック一閃!
はい、これも読者は誰も決まるとは思っていません
予定調和のように次ページでぶん投げられてるサムワン君
後頭部から思い切り地面に叩き付けられ、意識が跳んでます
そんなサムワンに声をかける勇次郎。もちろん、もう聞こえてはないでしょうが
「未熟ではある・・・・・・
しかし 貴様はまちがってはいない」
そして、何度も「サムワンッッ」と弟子に声をかける蘇達に背を向け歩き去る勇次郎
間違ってないならここまでしなくてもいいのに・・・
それとも、間違ってないのに敗けたから制裁してるんでしょうか?
日に二度の敗北
しかも海皇と勇次郎による二週連続敗北
ムエタイ絶対不勝神話ここに極まれり
つくづく可哀想な男です、サムワン海王
救われないにも程があります。仮に救われたとすれば
玉ピンが癖になった
とか、新しい世界に目覚められたならまだ救いがあるんですけどね{それだと別の意味で救われません}
ともかくサムワン海王、お疲れ様でした
次は是非、バキが終わった後外伝で
最弱の海王として最弱の死刑囚シコルスキーとタイマンはってください
まぁ、多分3:7でシコルスキーでしょうけど{爆}