バキ
第187話『転じる!』

板垣先生は梢江ちゃんに萌えを求めていません

いや、そんなのエイケンが萌え以外求めていないのと同じぐらい当たり前なのですが


萌えとか、そう言う女性としての神秘的な部分を描かず
『女性』ってものを{板垣先生の視点で}等身大に描いてるような気がします
だから梢江ちゃんが泣くシーンでは大抵、現実の泣き顔と同じく鼻水も一緒に出ています。つまり





涙と一緒に鼻水がバキ君に滴ってる可能性もあるワケで


まぁ、どっちにしろそれに込められてるのは『愛』なわけですし
最大トーナメントでは梢江ちゃんがバキの尿を飲んでいたので今更なのですが
でも、バキSAGAの掲載誌がYCではなくペンギンクラブ辺りだったら食糞まであったかも?


そんな確実に読者を引かせるトークはともかく今週の内容



「変わっても
変わっても
どんなに変わっても
あなたは決して変わらない・・・ッッ」


戦いの聖水ならぬ愛の聖水がバキの顔面に降り注ぎ
乾いた大地を潤すようにバキの顔の表皮に染み渡っていく

一途な祈りか、愛の妄念か、とにかくその穢れ無き{?}涙が奇跡を起こす!



「・・・・・・・・・ッッ」


ある意味絶対に起き上がれそうに無い倒れ方をしたバキが、ゆっくりと上半身を起こしました

まるで寝起きのような呆けた顔ですが、不思議と今までのような死相を見て取れません

そして自らの顔を伝わる涙を下で舐め取るとそのまま『ゴクリ』と飲んでしまいました

まぁ、ここで飲まないと「飲んでないじゃんッッ」って怒鳴られる危険性があるのである意味正解でしょう


そして梢江ちゃんの方を振り向くと
ニコ・・・ととても穏やかに微笑みかけます
しかし、梢江ちゃんはそれに笑み返す事ができません
今まで散々無視されてた李海王が仕掛けようとしていたからです
かろうじて「バキ」とは読み取れる叫びで危機が迫っている事を告げようとします


しかし今のバキは何かが違います
李の下段蹴りを宙で一回転しながらかわします
下手をすれば頭を蹴られかねない気もしますが、余裕の回避です


あまりの見事さに観客達も「オ〜〜・・・」とうなります



「キミは・・・・・・」


バキの突然の復調に驚愕する李海王



「あいつ・・・・・・」


なんかよく分からない貌してる勇次郎の後ろで驚く範海王

さすが兄弟だけあって驚き方も似てるようです



「裏返ったァッッ」


いきなり意味不明な絶叫をあげる烈
流石の梢江ちゃんも驚いて恋人から目をそらします
おそらく、この時の烈の声も裏返っていたものだと推測されます



「ウラ・・・・・・ガエ・・・ル・・・・・・・・・?」


意味不明の単語の意味を問いただそうとする梢江ちゃん

でも、伝わってるって事は、烈先生は日本語で叫んだんでしょうね

驚いて大声出した割には冷静ですね

それとも、神心会生活が長くて日本語で話す癖がついたんでしょうか?



「コズエさん
バキは蘇るぞッッッ
よくやったッッ
よくやったぞコズエさんッッ」


驚く梢江ちゃんに説明もせず
さらに意味不明な言動を繰り返す烈海王
呆けている梢江ちゃんに畳み掛けるような勢いです


もしかしたら、とりあえず梢江ちゃんを褒めちぎり



自分が特に役に立ってないって事を勢いで誤魔化そうとしているのでしょうか?


まぁ、それがバレたらまたボコボコにされかねないので当然の防衛手段でしょう



「おまえの弟が・・・・・・治しちまった」


事態がまだ飲み込めていない様子の範に勇次郎が説明する



「1540年{天文九年}
明{中国}から日本へ伝来せし邪拳毒手

全七巻に渡るその内容は徹頭徹尾
劇薬の製法お呼び毒手の鍛錬法
時の武将今川義元の命により
忍に限り修得を認可する

当時 皆伝を得た忍の毒手により
対抗勢力であった北条氏康側の犠牲者は
実に九十名以上に上ると言われる
以来 近代に至るまでの四世紀
歴史の裏舞台で連綿とと伝え受け継がれる毒手」


脇に『民明書房刊』とかつきそうなトリビアです

マスター国松か柳が説明役としていきなり出てきそうでしたが
ページの都合か勇次郎の威光か、鬼の知識量で解説をはじめてしまいました
『カオシックルーン』の死竜王並に柳の存在意義ごと食らってしまったのでしょうか?


しかしまぁ、今川義元の忍者も一応有名ですが
武田でも上杉でも伊賀でも甲賀でもないっていうあたりで
微妙にフィクションと言うか、史実じゃないって部分を演出してる感じです


まぁ、確かにこれが本当に史実だとしたら、あの桶狭間の戦いで





陸奥辰巳と毒手忍者の対決が実現してたはずですしね{それも史実じゃねぇよ}


ともかく、勇次郎の本部さんのお株を奪う解説っぷりは止まりません


しかし、海王達が驚き、勇次郎が解説するとは・・・なんて贅沢なんだ大擂台際ッッッッ!!


出て来れない加藤や本部の哀れっぷりが引き立ちます{マテ}



「メデタシとしめたいところだが
中国ってやつのセンスはそんな生易しいものじゃない

七巻に及ぶ毒手の一部始終―――のハズが
その実 あと五巻が存在していた!
先の七巻を陰手ッ 後の五巻を陽手ッ
陰陽相まって全十二巻を以て完全とする!!!」


そんな勇次郎の最強解説に便乗し
烈海王も梢江に蛮勇解説を行っています

テンション芸で意表をついておいて
もっともな説明でかく乱する・・・見事な誤魔化し術です{違}



「陽手もつまるところ毒手には違いないが
ごく限られた条件でのみ――――解毒に転じる!」


条件って何だ。劇薬、『範馬の血』か? 超劇薬『梢江の涙』か?

範馬の血に柳の陰毒に李の陽毒に梢江の涙・・・
なんか、バキの体内が魔女の大釜みたいな感じになってます

まぁ、そこを気にしてても話が進まないので
とにかく「李の毒手の作用でバキが治った」と思いましょう
なんせ太き肉の漫画ですからね。そこに理屈を求めるのは不粋なだけです



「そしてついに――――そしてとうとう

刃牙驚天動地の反撃が開始る!!!」


先週までとは打って変わり
生命の輝きに満ち溢れた輝きが見えます
まるで、バキに向かって天から光が差し込んでいるようです

当人も



「なんだか・・・軽いやァ」


と、復調を実感してるようです

ある意味マックシングしたような感じで
鬼の筋肉と超計量級のスピードを見せるのでしょうか?


ともかく、いよいよの主人公復活で次回へ引き
来週、どのような活躍を見せてくれるのか楽しみでなりません


まぁ、これで





「逃げよ{はぁと}」とか言って梢江を抱き抱えてその場から走り去ったら


全国のファンがブチギレて暴動を起こすでしょう{ありえない}


せめて李海王にまだ見せ場がある事を祈りましょう
負けそうになったら、とりあえず範の涙で裏返ってみるとか