バキ
第185話『短期決戦ッッ!?』

今週の題名は『短期決戦ッッ!?』との事
なるほど、確かに今のバキ君では長くは戦えないでしょうし
一撃必殺の毒手を相手に戦いが長期化する方が現実味が薄いでしょう
この戦いの実情を見れば、何よりも相応しい題名と言えます。そして、それと同時に





長期決戦を待ち望んでいた読者には毒よりも不吉な題名です


まぁ、結局大事なのは戦いの密度の濃さなので別に問題は無いんですけどね
板垣が判定に逃げる姿を一ヶ月以上見せられた最近の『はじめの一歩』よりマシですし

でもあっちは宮田VS一歩って切り札出してきましたからね
篠田さんの「ガッツでガッツンガッツンいけ」辺りまでは面白かったですし


まぁ、それはともかく今週の内容
前回、バキに蹴りとばされダウンした李海王
しかし、バキもその代償として足に毒を受けてしまいます
両者のダメージ具合で言えば明らかにバキの方が重いと言えるでしょう



「食らったッ
早くも・・・ッッ」


焦るバキと対照的に
ゆっくりと立ち上がる李海王
そしてその様子を青ざめた表情で目覚める梢江ちゃん



「み・・・・・・
見届ける・・・ッッ
しか・・・・・・ない・・・・・・・・・・・・!!?」

半疑問系なのは乱入も視野に入れてるからでしょうか?
そうすると、烈が梢江の隣に立っているのはいざと言う時に力づくで止めるためでしょうか?

かといって李海王も油断はできません
下手をすれば見開きで後ろから鎖骨に手刀を食らいます
タイムリミットは梢江ちゃんがキレるまで。なるほど、確かに短期決戦です


そしておもむろに毒を食らった方の足を持ち上げ、傷口にかぶりつくバキ



「吸ってる・・・・・・・・・?」


バキの応急処置に驚く梢江ちゃんと観客達
かつて鎬紅葉は試合中に自分の視神経の手術をしましたが
バキも非常識度では負けていません。一口でも飲んだら勝負アリですし


そして吸った毒血を地面に吐き出すバキ
もしかしたらこれを飲んで体内で血清を作るのかと思いましたが
さすがにいくら範馬の血統でもそこまでムチャクチャなまねはできないようです



「なんだい・・・・・・・・・・・・
待っててくれたのかい
やさしいんだな」


絶望的状況でも憎まれ口は忘れないバキ
しかし、そんなバキを見て李海王は確信します



「マチガイない
すでに侵されている」


まぁ、確かにバキは松本梢江にすでに犯されているわけですが

そんなキズモノになっているバキに李は手を差し伸べます



「? 握手・・・?」


バキが李の行動に疑念を抱くと
李は握手のように差し出した手を無言で上へ上げます
その様子を見てバキは李の言わんとしている事を完全に理解したらしく



「ナルホドね・・・・・・・・・・・・・・・
ヘッ これかい・・・・・・・・・・・・」


と言いながら李の左手の甲に自分の左手の甲を合わせるようにかざします



「対手だ・・・・・・・・・!
伝説の試合法・・・・・・・・・」

「対手・・・・・・
短期決戦か・・・・・・・・・・・・・・・」


お互い、手を出せばすぐに届く位置からの決闘
まさに短期決戦を目的とした最上の決戦方法です

そして次の瞬間、毒手でバキの手首を掴む!

予想外の行動にバキが驚いていると
今度は足刀がバキのすねをめがけて飛んできます
間一髪でその攻撃をかわすも、今度は上段目掛けて蹴りが飛びます


なんかさっきからトリッキーな攻撃が続きますが
毒に侵されてるバキ相手に逃げて消耗させる作戦に出ずに
フェアに接近戦を挑んだと思えば、この不意を打つような攻撃の数々

フェアなんだかどうだかイマイチ分からない男です、李海王


ともかく、李がバキに向かって蹴りをはなつと
今度はバキが李の手首をつかみ返して、合気を敢行します!
突然の投げに驚き、そのまま回転しながら宙を舞う李海王



「合気ッッ ここにきて・・・・・・・・・ッッ」


バキの投げに驚く烈海王
「ここにきて」ってのはこんな状態でも戦いの幅が広がってるって意味でしょうか?



「柔ッッ!!?」


回転しながら驚いている李に対し
バキの拳が輝きながらその顔面を射抜く!

吹っ飛ぶ李海王。しかし、絶妙のバランス感覚でそのまま半回転すると

無傷の姿で闘技場に雄々しく立ちます
その毒の掌からは煙のようなものがプスプスと出ています
バキの渾身の一撃は、この掌に全て吸収されてしまったようです



「勉強になった・・・・・・・・・」


冷静に言い放つ李
観客もこの防御には驚きます



「受けたッ
当たってないッッ」


そして李はバキに対し淡々と語ります



「日本の伝統武術柔・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一度体験しておきたかった」


余裕綽々といった感じの李海王
それに対し、バキはもう息を切らしてしまっている

その様子を通路から見ている範海王
そしてその背後からぬ・・・と勇次郎が現れる



「こいつぁ早くキマるぜ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


そのまま二人で並ぶ勇次郎と範
お互い、何か因縁のようなものを感じさせられます



「続きだ」


そう言っててを再び翳す李
なんだかバキをいたぶろうとしているようにも見えます
やっぱり、海王を嘗めた部外者達への見せしめを考えているのでしょうか?


涼やかだが殺気を孕んだ視線に見つめられ、震えるバキの手
ついに耐え切れなくなったのか、そのまま不意を打つように殴りかかるバキ
しかし、その拳が届くどころか、バキは李の拳撃の集中砲火を浴びてしまいます


久しぶりに大ピンチに陥った主人公の姿を最後に次号へ続きます


それはともかく、今週でふと気がついたのは
範海王の名前が妙にクローズアップされてた事でしょうか?
読者に名前を印象付けたいのか、少々演出過剰な部分が見られます

もしかしたら、これは板垣先生の罠かもしれません
勇次郎に話かけさせたり、範海王と範馬の一族を関連付けておいて
実はまったく関係無かったとかってオチを用意しているのかもしれません


例えば、一回戦、二回戦の試合でそれっぽく演出しておいて

準決勝辺りでサムワン・・・いや、サム範馬海王に倒されるとか


裏の裏をかいてやはり範馬の血族だけれども
ジャックやバキとはまた違った複雑な事情があるのかもしれません
そうなると、やはり異母兄弟{?}の李海王の存在は後々キーになるかもしれません

意外性溢れる衝撃の事実が彼の口から語られるとか
もしかしたら、この試合、試合自体の決着は早くつくけれども
試合の最中に自分と範馬一族との関係をいきなり話し出したりして





それが単行本一巻分の量にも及ぶとか


題名は『シークレットウォーインチャイナ』とかそんな感じでしょうか?


それなら短期決着の公約も守りますし
長引く試合が見たいって読者のニーズにも応えられます{そうか?


まぁ、これで「短期決戦だ!」とか言って
来週バキが毒のダメージで爆死してしまうってのも
画太郎ぽくってある意味では面白いかもしれません{んなわけあるか}