バキ
第184話『勇気』

これで海王側の三連敗が決定した大擂台賽


ゲストが三名なので、これでもう後が無い海王勢
二回戦のバキが勝てば、もう決勝にゲストが残るのは確定になります

中国拳法勢も必死になるでしょう
まぁ、ある意味梢江ちゃんも必死なのですが・・・

それは置いておいて、今週の内容に触れましょう

前回、烈に対戦相手について聞かされるバキ
対戦相手、李海王は中国全土最強の毒手の使い手との事です



「対戦者李 海王
毒手においては
全中国でも最高の使い手だ」


毒手に侵されたバキがさらに毒手の脅威にさらされる
絶望とはまさにこう言う事を言うのかという程の最悪の組み合わせ

その言葉にピタッとウォームアップの手を止めるバキ

しかし、それは絶望した故の事ではない
烈に向かって薄ら笑いを浮かべた顔を向けると
「ヘェ~~~~・・・・・・・・・・・・・」とやる気なさげに返答します

この絶望の状況においてなおこの自然体
対戦相手が中国全土で最強の毒手だと言う悲報ですら
バキにとっては13ヘェぐらいのトリビア{無駄情報}でしかない様子

そしてそのままウォームアップを続けるバキ
そんなバキに対し、烈海王がさらに言葉を続けます



「どこかで当たってくれればと思ってはいたが
本当に運がいい」


いや、なんでですか?


そもそもバキ君が試合させられる意味も無茶ですし
楽勝だとか言ってた割には勇次郎に劉がボコられましたし


中国拳法の理屈は難しすぎる―――――ッッ


それとも、もしかしたら

これで範馬の血族に復讐できるから運がいいって意味ですか烈先生?


そんな不条理っぷりに、バキ君も呆れ気味
ウォームアップを続けながら烈に対して返答します



「どこを・・・・・・・・・
どう見るとそういう結論になるのかね
海王の称号だけでも十分過ぎる脅威だというのに・・・
その上更に毒手・・・」


絶望的な状況を自ら言葉にするバキ
しかし、その顔は死の寸前においてなお爽やかですらあり
その筋肉はその表情と裏腹にいい感じで緊張している状態です

ただ、梢江ちゃんだけがその状況に表情を暗くしています
やはり、恋人の事を信頼しつつも、不安で胸が張り裂けそうなのでしょう

そんなバキに烈が一言だけ返します



「範馬刃牙の目覚めに賭ける」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


烈先生の無茶な一言に、バキも黙ってしまう
やっぱり、最大トーナメントで覚醒バキにやられたのを根に持ってるのか?

ここまで来ると精神論も清々しいと言うか
さすが中国拳法の蛮勇の使徒は言う事が違います
そして、そんな烈先生の背後からボソ・・・と何者かの声が聞こえる


そして烈先生が振り向いてみると・・・


・・・・・・・・・え~と、お手持ちのチャンピオンでご確認ください

私がこの左下のコマを見て真っ先に思った単語







呪怨


そりゃサムライミも賞賛するわって蔭の気に満ちた面です
なんかボソボソボソボソ言ってるのが最高の恐怖を演出してます

で、次のページ
「え?」と驚いてる烈先生に梢江ちゃんが一喝!



「ちょうしこいてんじゃねェよッッッ」





バキより先に梢江ちゃんが目覚めました


多分バキもクールを装いながらも
烈先生が好き勝手に色々言ってるのを聞きながら








やめろ烈――――
やめろッ マジでッ
知らねェぞどうなっても
ヤバイんだってッッ
こいつが出ちまう!!



とか思いながら怯えてた事でしょう
このままじゃ烈先生に虎王をかけかねません


ちょ、ちょっと梢江ちゃん!
貴女一応メインヒロインなんだから!!

と、読者が焦るのも束の間



「目覚めに賭ける・・・ッて・・・・・・・・・・・・・・・」



そして烈先生の顔面に正拳がHIT!
あの海王によける暇すら与えない神速の一撃!!
恐らく、見えないように神様人形も握りこんでいるに違いありません



「させるかそんなことッッッ」


恋人の身を案じて案じて案じぬいて・・・
止められない事を承知で、それでもなお信じて
不安に自らの身を焦がし、恋人の傍に寄り添い続け
そしてその必死な思いが臨界点を越えたその瞬間・・・

海王相手に叫びながら殴るわ蹴るわで暴れる暴れる



まぁ、朱沢ママにも通じる『強さ』ですが
そのうち同じように勇次郎にも殴りかかりそうです

ある意味これが板垣先生の描く女性の『魅力』ですけど

これがまかり通るんなら、萌え云々で打ち切られた『えん×むす』の立場は?



「おまえらの
好きになんかさせるかッ」


中国拳法界の至宝に向かって暴行を加え続ける梢江ちゃん

あのバランスのいい烈選手がッッ・・・・・・・・・・・烈女からの攻撃には反撃できねェ

それを見かねて、バキ君が梢江ちゃんの手を掴んで攻撃を止めさせます

この時の梢江ちゃんの表情が本当に『必死』の一言



「もういい
もう・・・・・・じゅうぶんだ

勇気を・・・・・・もらった!!!

負けるかよ・・・・・・・・・・・・」


力強く抱きしめ、優しく微笑むバキ
最愛の人の腕に抱かれ、止めどなく涙を流すバキ

いやぁ、なんかいい感じに主人公してますね


そしてついに、主人公が擂台に立つ!!!



「弱冠17才ッッッ
日本の格技王者が
ここ擂台へ降り立ちましたッッッ
迎え撃つはッッ 李海王ッッ
我が中国が誇る薬硬拳の使い手でありますッッ」


しばらく見ないうちに両手がサツマイモ色に変色している李海王
腕を切り落としたくなるほどの激痛に耐えねばならぬ毒手を両手とは・・・

マスター国松が見たら柳に唾を吐き掛けそうな逸材ですね


そして試合開始の開始の銅鑼が鳴らされる!
そしてそれと同時にバキのハイキックが李を強襲する!!


「いきなりつっかけ・・・・・・・・・
アアアアアアアアアッッアアアアアアア」


言葉も追いつかないほどのスピード
気付いた時には李の顔がバキの蹴りで歪みます

三度目の悲劇を予感し、どよめく観客
しかし、当のバキは対して驚いたような表情です
そう、あの一瞬の攻防の間に蹴りに毒手が触れていた!!



「クリーンヒット~~~~~~~~~~~~~ッッ」


勢いよく倒れる李海王
観客達も気が気ではないでしょう
しかし、その様子を見ていた範海王は不敵に微笑むと



「フン・・・命中・・・・・・・・・・・・」


と、克巳っぽい面{嫌味っぽい面}で呟きます


そしてその通り、バキの足がさつまいも色に膨れ上がる!
柳の毒手と違い、触れただけでこれほどの即効性の毒効を見せるとは!!

これはかなり久々に面白そうな戦いが拝めそうですね
この前の飢狼伝の神山さんばりの燃えを期待できるかもしれません


で、肝心の烈さんですが
この後、どうなるんでしょうか?
いや、範海王に噛まされるってのが有力ですが

それでも、一回戦ぐらいは勝ちあがれる可能性は高いです
そりゃもう、サムワン海王辺りを「貴様は海王を嘗めたッッ」って勢いでボコすとか


で、サムワンと対戦する直前
先ほどの烈と勝負を中断されて納得行かなかった梢江ちゃんが乱入






その場でサムワンを倒して梢海王を襲名して烈の前に立つ、とか


意表をついて決勝戦が範馬刃牙VS梢海王ってのもアリかも?{ねぇよ}