バキ
第180話「惨劇」

今回は表紙から内容までオール勇次郎


今週から読み始めた人がまた主人公を勘違いしそうです
まぁ、ある意味ではこの人が主人公と言っても過言では無いのですけどね

ひょっとしたらこの大擂台賽の間は
飢狼伝の泣き虫サクラ編のようになるかもしれません


それはともかく前回瓦割りをした勇次郎
その初体験について赤裸々に体験談を語ります



「瓦割り
くだらぬショーだ
なァ劉 海王
アンタどう思う
こんなことでなにがワカる」


不遜な態度で劉海王に瓦割りの意味を問う勇次郎
人を散々壊してきた男にとって、瓦など破壊する価値すら無いのでしょうか?
まぁ、試合前に瓦割りをしたおかげでミスターサタンはアホの世界チャンピオンだって事が分かったのですが


「板・・・・・・瓦・・・・・・
ブロック・・・・・・煉瓦・・・・・・
自然石・・・・・・壜・・・・・・
氷・・・・・・紙・・・・・・果物・・・・・・
もの言わぬ決して反撃せぬ物体を相手に
思う存分殴り叩き蹴り・・・・・・壊す
無抵抗をいいことに」


さりげなくヤシの実かじってた自分の息子まで否定してます
とりあえず勇次郎としては闘争の果てに相手を壊す事を求めているのであり
それがどんなに微力な抵抗でも無ければ闘争ではなく、彼が求めるものでは無いようです

まぁ、アニメのオリジナルの話でも
ニコニコ顔で勇次郎を迎えてた大統領に対し
「まるで冷めた料理だ」と吐き捨てて帰ってましたしね
とりあえず熊みたいに死んだフリしてるのが一番有効でしょう

しかし、戦いの場においてはそうも言ってられません
『闘争』を望む勇次郎に応えるかのように劉も戦いの用意をします



「拳技とは
弱者の為にこそ存在するものなれば
かつては破壊不可能だった物体を
ある日突然打ち壊せる
何者も傷付けることなく得られる上達の実感
進化の途上という条件付きならばあながち無意味とも思えぬが」


そう言って筋肉の塊のような上半身を露にする劉
今にも勇次郎に対抗して即興で打岩を作り出しそうな勢いです


「で?」


勇次郎の目の色が変わり、虐殺のSWITCHが入る
まぁ、この人の目標は地球上で最大の暴力なワケですし
超実践主義で年がら年中戦場とかで人間ぶっ壊してる人ですから

そもそも『何者も傷付けることなく』って部分からして
上等な料理にぶちまけられている蜂蜜のようなものなのでしょう

どちらかと言えば劉の方が正論なのでしょうが
勇次郎の理論は『地上最強の生物』が持つ超理論です
力無き者が言えば滑稽ですが、彼が言えば納得するしかありません



「教えてやるよ
丹念に積み上げた上達の実感だった百年余りが
取るにも足らぬ錯覚の歴史だったことを!!!」


己より巨大な老人に向かい合い
迸る殺気で周囲の空気を歪める勇次郎

そして機先を制するかのように劉が仕掛ける!
目を見開き、一瞬の呼吸とともに勇次郎に突きを打とうとする!


しかし、その手は「ざく」という音とともに止まってしまいます
そして次の瞬間観客が目にしたのは、劉の耳元に突き刺さる勇次郎の抜き手!


自分達の信じる闘神に打ち込まれる一撃必殺
その姿に観客の誰一人として声をあげる事もできません


「動くな
えれェことになるぜ」


すっかり勝利を確信したのか
左手をポケットに突っ込んでいる勇次郎
劉も冷や汗を流しながら身を丸めてしまっています


しかし、ここでギブアップするようでは海王は名乗れません
突き刺さっている勇次郎の手をガッと掴み、反撃に転じようとしますが・・・



「あ〜〜・・・・・これだ」


その瞬間、勇次郎の合気に似た投げが敢行される!
劉の巨体が宙を舞い、「ピッ」という小さな音と「ドカッ」という大きな音を立て
受身も取れずに劉は顔面から地面に叩きつけられてしまい、身動き一つしなくなります


そのあまりの惨劇に「・・・・深・・・・・」となる観客達
自分達の力の象徴である存在『劉海王』が日本人風情に壊されてしまう
これほど信じがたい状況など無いでしょう。何が起こったのかもよく理解できていないのかもしれません


ちなみに、さっきの勇次郎の「これだ」って台詞ですが
これは瓦割りをやった後なので、劉に反撃されそうになりその手応えを感じ
「やはりこれがなくっちゃな」って意味で「これだ」って言ったのではないのでしょうか?

極限まで闘いを求める存在
『闘神』の名は勇次郎にこそ相応しいのかもしれません


そしてその勇次郎は静まり返る客の方を向いて言います



「100年も使ったんだ
とっかえてやんな」


そう言って投げた何かを
お偉いさんらしき老人がキャッチしてみてみると・・・


なんと、それは劉の生皮ではありませんか!!


まさに惨劇と呼べる試合でした
つーか試合とも言えないシロモノでした
開始の合図もなしに劉が仕掛けて返り討ちですからね
何か物足りないと思ったら、小坊主の「始めッッ」が無かったんですね


とりあえず、勇次郎の圧倒的強さの生贄としては面白いですが
ここんとこまともな戦いが無くて正直不満なので、劉には頑張って欲しいです
いや、せめて数ヶ月以内に熱い勝負があればこのままでも別に構わないんですけどね


これだと読者としても欲求不満が残る上に
「結果は見えているではないか」とか言ってた劉がただのボケ老人ですからね
まぁ、勇次郎と当たった時点で確かに結果は見えていましたが。過程が見えませんでした

せめてもうちょっと気張って過程を見せて欲しいですね
確かにあれほどのダメージを追ってしまえばもう無理な気もしますが
相手は中国四千年ですからね。どんな変態技が飛び出してくるか分かりません

むしろ古い皮をはがされた事でツヤツヤのタマゴ肌がその下に現れた可能性もあります


さらに言うなら、勇次郎がおかしな手ごたえを感じて
うつ伏せに倒れたまま地に伏していた劉海王を引っくり返すと



観客「ちっ、違うぞ! アレは劉海王じゃない!




あれはサムワン海王だ!!」


と、失神しているサムワンの顔が現れ
控え室に続く道から本物の劉海王が登場し


劉「催眠術で洗脳しても噛ませ犬は噛ませ犬か・・・
やはりワシが直々にお主の相手をするしかないようだな」


加藤「あのジジイもドリアンみたいに催眠術が使えるのかよッ!」


本部「中国拳法における実戦での洗脳術は
かつて第二次世界大戦中に周恩来が完成させている・・・
海王ほどの実力者ならばあの短時間でそれを行えても不思議では無い!」


みたいな感じで本番開始って感じでしょうか?
ちなみに加藤達はサムワンの代わりのリザーバーの付き添いで来ました


しかしまぁ、今週は合併号で次回は休載
読者に対する蛇の生殺しは完全復活された板垣先生ですが
二回戦{もしくは一回戦の続き}以降はこの前評判を越える戦いができるのでしょうか?

まぁ、大人しく三週間待つ事にします


それはともかく、今週の目次コメント


「『SAGA』サガ・・・。
『バキ』セックス編のタイトル、やっぱり失敗?」


アレはタイトルがどうこうって次元でも無い気がしますが


むしろ

「S・A・G・A サガ〜
S・A・G・A サガ〜



板垣〜のSAGA〜公表〜するな〜」


って感じなんですけどね

これで前回のタイトルが失敗だったから
次回はもっとマシなのにしようって続編作られても困ります


とにかく、板垣先生にはまず次回以降の展開を頑張って欲しいです
このペースで行くとどうしても決勝戦でバキが勇次郎に殺されてしまうので
まぁ、その場合勇次郎が「もう飽きたから帰るぜ」ってキングボンビーみたいに去る事で回避できますが

一応、見せ場が欲しいのでちょっと苦戦しながらも勝利する勇次郎の姿をみたいです



とりあえず来週も再来週もお休みと言う事で
書いててしっくり来たバキSAGあの歌でも作ってみようかと思います
まぁ、企画倒れするかもしれませんがさすがに二週も空くのはどうかと思いますからね


とにかく、三週間後を楽しみにしたいと思います