バキ
第166話『鬼の敬意』

扉絵の男が何か恨みがましい目で睨んでいるような気がするのですが気にしない方向で


勇次郎とマホメッドの戦闘期待してたら
何故かファンとの語らいになってしまった先週
今週もマホメッド相手にオーガ理論が炸裂するのでしょうか?



「世界へヴィ級チャンピオンマホメド・アライ
アンタを尊敬している」


両手でしっかりとマホメッドの拳を握る勇次郎
今まで見た事も無いような殊勝な態度を取っています
まぁ、そのためにスパーリングパートナー4人消してるんですけど

暴漢だと思っていた相手の態度が急変し
少しうろたえているマホメッド。真剣な目でそれを見つめる勇次郎



「明らかに・・・・・・・・・・・・
君より弱い俺をか・・・・・・?」


先ほどの攻防ですでに悟っていたのでしょう
自分と相手の間には圧倒的な戦力差の開きがある事を
そのマホメッドに対し、勇次郎は正直に答えを返します



「明らかに俺より弱いアンタをだ・・・・・・・・・・・・・・・」

この答えにはさすがのマホメッドも
やれやれといった感じで首を振るしかありません

ふと思ったんですけど
握手からのこの一連の展開を










板垣先生のサイン会で再現したら面白いかもしれません


板垣先生のノリが良かったら
「明らかに・・・」云々言ってくれるかもしれません
勇次郎の言葉まで再現したらぶん殴られるかもしれませんが



「貧しき黒人のために戦った
傷つくベトコンのため国家と戦った
あらゆる弱者を代表して戦った

アンタは力なき者の希望だ」


勝利を貫くために死刑囚にトドメを刺した
傷つくボディガードに後ろから手刀打ち下ろして投げた
ただ山奥でひっそりと暮らしていただけの猿を二匹も虐殺した







アンタは力ある者の恐怖だ


そんな勇次郎の口から
こんなジョンレノンみたいな言葉が出るとは思いませんでしたが
まぁ、この頃の勇次郎はまだまだ若かったと言う事なのでしょうか?
もしかしたら力なき者{或いは自分に牙を剥かぬ者}には優しいのかもしれません
もしそうだったら、鉄拳に『こんな勇次郎は嫌だ』とかネタにされそうな感じですけど

ともかく、勇次郎なりのリスペクトの気持ちがマホメッドに語られます



「悪い気はしない
悪い気はしないが・・・・・・・・・・・・・・・

落胆しているよ
君のあまりの強さに
そして俺の弱さに
負けず嫌いなのでな」


私もバキがヤングチャンピオンでSEXしてから落胆しているのですが
それはともかく、自分より強い男に尊敬されると言うのも複雑な思いなのでしょう
例えるなら、高木ブーがえなりかずきに尊敬されるようなものなのでしょうか?

そして何故か二人で歩き始める勇次郎とマホメッド
とりあえずマホメッドさん、会話はいいから消えたパートナー達の心配してあげましょうよ



「闘争は いつだって絶望的だった
拳の周囲が40cmもある刑務所上がりのチャンピオン
彼は史上最強と言われていた
「後退のネジを外した男」と言われるほどの
ラッシングパワーを持った若き金メダリスト
2Rでアゴを叩き割られながら最終Rまで闘ったこともあった
象も倒すと言われるパンチを持つ
若く強大なチャンピオン
彼も史上最強と言われていた」


勇次郎の口から様々なチャンプの逸話が語られます
こうまで詳しいところを見ると、意外に勇次郎はボクシングマニアなのかもしれません



「人種差別
そして―――――国家
一つとして安易な敵はいない
戦う技術が偉大なのではない ハートだッ
例え国家が相手でも屈しない
アンタの心根こそが偉大なんだ!」


国家相手に屈せずに闘い続けるって言うと何だかサヨクみたいですが
国家相手に拳のみを信じて戦い抜こうとする雄度と言ったところでしょうか?

そんな勇次郎に対し、マホメッドも一つの問いを投げかけます



「君の―――――――――夢は・・・?」

「力だ」

「・・・・・・・・・・・・・・・
どのくらいの・・・・・・・・・・・・?」

「地球というこの惑星の中で――――――――
最も強力なもの」

「それは権力ということか」

「そうではない
財力や権力―――――
そんな複雑なものではなく
ごく単純な肉体的腕力!
大国の武力などめじゃない!!!
己の五体のみを条件とした
絶対的闘争力」


ここはいつも通りの勇次郎節が炸裂します
まぁ、息子さんはそんな親父さんより少し強いぐらいが夢らしいですが
比べちゃうと主人公の台詞の底の浅さが浮き彫りになるのでそっとしておきましょう



「そんなことを―――――
そんなことを実際に考える男を目の前にしていることに
強いショックを受けている」


まぁ、もし相手が並みの男ならば
ショックついでに精神病院に放り込んでるところですが
相手がその考えを実践しうる男だと言う事をマホメッドは知っています
そして突然勇次郎の方を振り向くと、何故か必死な表情で勇次郎に向かって叫びます



「わたしの息子に会ってくれ!!!」


これが「両親に会ってくれ」だったらプロポーズで「ウホッ! いい男・・・」で「やらないか」なのですが{最低}

ここでようやく現代に繋がりそうです
これはつまり、自分の未完成の武術を継ぐ者
真の『アライ流拳法』を使う者に会ってくれと言う事でしょうか?
もちろんこの頃はまだマホメッドJrも子供でしょうから、未来の話でしょう
もしかしたら、マホメッドJrは勇次郎と闘うために日本に来たのかもしれません

さぁ、この話が現代にどう繋がるのか? と期待していると・・・



「バキ・・・・・・?」

「世話んなるよ安藤さん」


何故か舞台はバカップルIN飛騨の山奥
繋げる場所を間違えたとしか思えないような壮大な肩透かし
勇次郎とマホメッドの因縁の間にヴェルサスみたいに割り込んできました
例えるなら、のび太にどこでもドアで風呂場に乱入されたしずかちゃんみたいな気分です

バキハウスをティッシュ塗れにして
花山さんとの語り合いの思い出を台無しにした次は
飛騨の山奥でアオカンして夜叉猿との絆をズタズタにするつもりでしょうか?
そう言えば梢江ちゃんも柳との戦いの時に死刑囚との戦いに参戦希望してましたから
梢江ちゃんを鍛えるために、梢江ちゃんと夜叉猿を戦わせるつもりなのかもしれません

で、雌の夜叉猿をぶちのめして
「あたしがこの山で最強の雌だァッッ」って叫ぶとか・・・まぁ、そんな事考えてると
梢江ちゃんが本格的に花山さんに喧嘩吹っかけるシーンまで想像できちゃうので止めますが

とにかく、来週はまたバキの闘病生活シリーズらしいです
そんなの尾田先生みたいに扉絵漫画でやってくれればいいのですが
まぁ、文字通り痩せても枯れても一応は主人公なので大目に見ておきましょう

とりあえず、バキの身体よりも心配なのは











バカップルに居座られて安藤さんの精神が持つかどうかって事でしょう


下手するとストレスで夜叉猿の住処に逃げ込むかもしれません
独り者の安藤さんには別の意味で刺激が強すぎると思われますから