バキ
第164話『神の真意』
今週の扉絵はセクシーすぎるにも程がある
こう言われてバキを連想する人は少数派でしょう
かと言って梢江ちゃんを連想する人はさらに少数派でしょう
今週の扉絵は素肌シャツの勇次郎。炎多留も真っ青なセクシーっぷりです
パパさん、扉絵からもバキ君の存在理由奪っちゃいました
さぁ、先週から始まった久々の期待が持てるバトル
まさかここまで引っ張っておいて単なる噛ませ犬では無いでしょう
勝つ事は100%無いとしても、思わず手に汗を握ってしまうような激闘が期待できるはずです
そして本編
「蝶のように舞い
{フロート ライク ア バタフライ}」
相手ボクサーのパンチをまるで蝶が舞うように軽やかなステップかわすマホメッド
「蜂のように刺す!
{スティング ライク ア ビー}」
そしてページをまたいで、蜂と言うよりも槍のように鋭いストレートをぶちかます
この一連の動きはまさに『蝶のように舞い
蜂のように刺す』としか形容できない動きです
かなりレビュアー殺しな感じですが、それでもやはり華麗で美しいファイティングスタイルです
「1814年イギリスの地で近代ボクシングが産声を上げ現在に至るまで
無防備を戦術として取り入れたのはわたしが最初だった」
『蝶のように舞う』からこそ可能な戦法
パーリングやブロッキングなどの『防御』を使わずに
スウェーやステップだけで『回避』してしまう芸術的な戦法
ボクシングのチャンピオンとしての自負に裏打ちされた戦術です
「ガードを上げない――――――
いかなる怪物と向き合ってもだ
当時の対戦者とわたしの間には―――――
それほどの開きがあった」
「わかってもらえただろうか
わたしがガードを上げる
その意味の大きさが
路上に姿を現したその男に
それほどの脅威を感じたのだ」
なんかこういう言い方をすると
マホメッドがそれまでの対戦者を嘗めてたような感じがするのですが
でもまぁ、実際問題嘗めてたんでしょうね。「こんなの格闘技じゃねぇ」って感じで
そう考えると、「ヘビー級ボクシングのチャンピオンこそが世界最強」とか言ってたアイアンマイケルが凄く可哀想に思えてきます
先に仕掛けたのはガードを固めたマホメッドだった
電光石火の左ストレートが勇次郎の顔面めがけて放たれる
どうでもいいですけど
プロボクサーがまだ「逢いたかったぜ」しか言ってない人間に殴りかかっていいものなんでしょうか?
ある意味深夜である事が幸いしました
もしこんな様子を誰かに見られていたとしたら
例え相手がスパーリングパートナーを消した男でも
問答無用でライセンスを剥奪されていたかもしれません
だって、マホメッドがファンにいきなり殴りかかったようにしか見えませんし
しかし、相手はファンでも無ければ並の男ではない
マホメッドが「当たった!」と確信したのもつかの間
その拳は空を切り、男はまったくの無傷のままだと言う事に気づく
「プロボクサーのわたしがよもや見誤るハズもなく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ボクシングとは明らかに体系の異なる体術」
「想像できるだろうか
わたしが生涯を賭けた技術力
触れもしない」
汗だくになりながら突きのラッシュを勇次郎に放つマホメッド
しかしその神の拳は、勇次郎の体にかする事すらも無かったのです
しかも勇次郎はノーガードのまま、汗ひとつかかずに神の拳を見据えています
まるで1P目の挑戦者とチャンピオンが入れ替わってしまったかのように錯覚させられます
「なにが欲しい・・・
君の要求はなんだ・・・?」
状況が不利と見たか、構えを解いて息を切らせながら交渉に持ち込もうとするマホメッド
戦闘中にサッと思考を切り替えて対応しているあたり、猪狩の人間力に迫るものを感じます
とりあえず殴りかかってから要求を聞こうとする辺り、喧嘩の場数もかなりこなしていそうです
マホメッドの問いにニィ・・・・・と笑う勇次郎
これでまた「俺の子を産め」とかって言い出したら
バキVSマホメッドJrは兄弟対決再びなのですが{ありえません}
「見せてくれ
アンタの本当の得意技は
ボクシングじゃねぇ」
読者すら予想だにしなかった勇次郎の問いに驚くマホメッド
「さらに言うなら
アンタが目指したものは世界へヴィ級チャンピオンじゃねェッッ」
なんと、最強のボクサーモハメッド・アリをモデルにしたキャラクターは
実はボクシングスタイルの使い手ではなくへヴィ級チャンピオンにもなりたくなかった
久しぶりにいい意味で板垣イズムが炸裂しました
ちなみに、悪い意味だと戦いとSEXがそっくりになります
「なぜ・・・・・・そう思うのだ」
嬉しそうに目を細める勇次郎
「リング上でのアンタの動きを見りゃ一目瞭然」
「あれはボクシングというより
もっと全局面的なあらゆる攻撃を想定した――――
いわゆる格闘技!」
「世界中の・・・・・・・・・・・・
名だたるトレーナー達が想像すらしていなかった
わたしの夢・・・・・・・・・・・・・・・それを・・・・・・
ボクサーですらない路上で出逢った
一東洋人に見透かされていたとは・・・・・・」
勇次郎の言葉を聞き
どんどん汗が引いていくマホメッド
ついに本気を出そうと言うのでしょうか?
つーか、さらっと二人で「ボクシングなんか格闘技じゃねぇよ」って言ってます
サリバンとアイアンマイケルも草葉の陰で悲しんでる事でしょう{マイケルはまだ死んでません}
ステップを踏み始めるマホメッド
互いの闘気がぶつかりあって空間が歪む
そして、勇次郎はゆっくりとファイティングポーズをとりながら言う
「どうやら・・・・・・・・・・・・
ここからが本番だな」
前哨戦では判定で勇次郎が優勢でしたが、あんなものは参考になりません
マホメッドはリングの上のボクサーから、路上のファイターにスタイルを変えたのです
ゴングの鳴らないラウンド1が今、始まろうとしています
とりあえず、主人公は生死の境を彷徨ったまま話が続くのでOKです
扉絵で『バキ君の闘病日記』とか連載してもそれはそれで面白いのですが
今週の扉絵があまりにもセクシーだったので、当分はこのままでいって欲しいです
まぁ、その場合、主人公の存在意義がヤバイぐらい希薄になりますが、どうでもいいでしょう
とりあえず、来週は『バキ』は今から楽しみです
あと、来週こそは主人公ネタで落とさないようにします