バキ
第146話『夢舞台』

当然の如く扉絵をスルーして最初のページ
見開きの闘技場のシーンの右下にかかれたアオリ文句



『ここには漢達の全てが存在する・・・!!』


いくつか聞きたい事があるのですが、この『漢達の全て』って言葉は







横で伸びてるショウ君も含めてるんですか?


少なくとも、ショウ君自身は存在したくなかったと思いますが
『漢達の全て』なのにバキがいないってのは、まぁ別にいいです
重要度の面から言えばショウ君以下だって認識は編集者も同じでしょうし

そんな王者不在の闘技場に響く大歓声
そして、その中心で向かい合う漢が二人・・・



「続きだ」


ジャック兄さんがシコルスに言い放ちます
しかし、シコルスの耳には半ばその言葉も届いていない
多分、生まれて初めて見るであろう大観衆の方に気を取られている
死刑囚であるがゆえに誰かから祝福される事など無かっただろうシコルス
幼少時はどうか知りませんが、声援を送られるなどこれが始めての経験かもしれません

そんなシコルスを尻目にトラックから飛び降りるジャック



「降りな」


そう言われ、素直に降りるシコルス
すっかり雰囲気に飲まれちゃっている節がありますね
便所ではスプリンクラーにしがみついてまで高低差を得ようとしていたのに
やはりアレは単に何かにしがみつきたかっただけで他意は無かったのでしょうか?

そして退場していくトラック・・・





ありがとうショウ君
君の活躍は忘れない


って言うか、少し未練が残りましたね
先々週、そして先週とアレだけオイシイポジションだったのに
今週はあっさり退場してしまったため、何だか寂しいような気分すらします










バキが退場した時は
ガッツポーズまでしたのに


とにかくショウ君退場
そして、入れ替わりに徳川のじっちゃんが登場します



「シコルスキーくん
大変な人気じゃな」

「アンタが仕組んだのか」


見れば分かるってもんですが
持ち主この人ですし、何か間抜けな台詞です

初めてここに訪れた時は

「あんたが俺を連れてきた
―――――と言うより俺が誘いに乗った」


ぐらいの啖呵切ったくせに
拉致られてからやっと首謀者を知る始末
これはシコルスがどれだけヘタレたかの対比でしょうか?



「シコルくん
きみは自由だ
逃げることも 戦うことも
そして敗北を認めることも」


果たして本当に自由でしょうか?
とりあえず戦う事は出来るでしょうが
その場合、ほぼ間違いなくジャックにボコボコにされるでしょう
だからと言って逃げようとしても、相手は大勢の地下闘技場の観客達です

三度の飯より戦いを見るのが好きそうな連中です
キン肉マンで出てきた『ランバージャックデスマッチ』の如く
逃げようとしたシコルスを闘技場に推し戻すぐらいやりかねません
さすがにフーリガン相手に敗北を知ったのではシコルスも立つ瀬が無いでしょう


じゃあ結局敗北を知るしか無いじゃん


相手に多くの選択肢を残しているようで
実はほとんど選択の自由が与えられていない
詐欺師の常套手段です、皆さん気をつけましょう



「ルールは素手同志
いたってシンプルだが
それを守るも守らぬも自由」


守るも守らぬもって言うより
すでにジャックと一戦交えた後なので
武器を持っていればその時に使っていたはずです
って事は、まずジャックは武器の有無を確認するために戦ったのか?
そして相手が丸腰だとわかれば闘技場へ連れ込んでボコボコに・・・エゲツネェッ!!



「君の素性は観客へ説明してある

死刑囚と」









誰か通報しろよ


この世界の警察って、何のためにあるんですか?
神心会のバックアップ以外の役に立って欲しいものです
オリバと絡んでギャグ担当ってポジションじゃあ情けなさすぎます



「みんな君の反則に期待しているぞ{はぁと}」


確かに死刑囚って言えばなんでもアリですが
だからと言って、『死刑囚=反則』って結びつけるのも
『侍=ハラキリ』、『ブラジル=サッカー』、『オランダ妻=ダッチワイフ』
と同じぐらい乱暴な図式だと思いますが・・・あと、『青少年に有害な書物=犯罪』とか{社会風刺}


でも、電話ボックスで拉致られて
武器の一つも持つ事を許されない状態で
どうやって反則技をしかけろって言うのでしょうか?
スペックは現地調達って手段で反則{?}攻撃をしました
ドイルは元々自分の身体の中に武器を仕込んでそれを使用しました
ドリアンも胃の中に酸を隠したり、柳さんは自分の身体を武器に改造しました





じゃあシコルスは?


柳さんの毒手も
地下闘技場内ではOKっぽいですし
シコルスの使用武器なんて画鋲ぐらいのもんです
自分の服を相手に被せるってのももう既出ですしね

せいぜい、出来る事と言えば
ジャック相手に一本拳切り裂きを敢行し
読者の期待通り「切レ・・・ナイ!!?」って叫ぶか
『玄武』とか『朱雀』って書かれた壁に張り付くぐらいのものです



「出会ってしまった超雄同志
闘う場所は問題ではなかろうッッ」


確かに、闘う場所は問題では無いでしょうが
{一般人ごと}拉致ってのは問題あると思います

もしもこれと同じような台詞を
北朝鮮の金正日総書記が言おうものなら
国交回復どころかアメリカから核が飛んできそうです

しかし、久しぶりの出番で興奮してる徳川のじっちゃんは止まりません





「南極だろうが
 海底だろうが
 街中だろうが

そして地下闘技場だろうが・・・・・・じゃッ」


地下闘技場や街中ならまだしも
南極や海底はさすがに無茶だと思います
でも、この爺さんならやらせかねないから怖いです
アナコンダを人間相手にけしかけた前科があるぐらいですし



「我々は卑怯かなシコルくん」


自分達の陣地に拉致っておいて
「卑怯かな」もクソも無いと思います
もしもこれと同じ台詞を北朝鮮{以下略}

そして、大歓声の中ゆっくりと目を閉じるシコル
諦めたのか腹を括ったのかもういっそ死んだ方が楽だと思ったのか



「わかったよ
すぐに開始めてくれ」


と、汗だくの拳を握り締めながら発言



「シコルくん」


めっさ嬉しそうに言うじっちゃん
そんなにシコルスの死が嬉しいのか



「もう始まっとる」


そう言いながら背を向け
右手を挙げて去っていくじっちゃん
そして何時の間にかパンツ一丁で立ちはだかるジャック

その分厚い胸板を見て
シコルスも思わずゴク・・・・と唾を飲み込みます



「吉報だ
この試合・・・・・・・・・・・・
反則敗けがない」


だからどうしろって言うんだ
素っ裸になっても被るバケツすらありません
服を着れてるだけありがたいと思え」って事なのでしょうか?



「オオオオオオオオオオ」



断末魔の咆哮をあげるシコルス
もう完全に腹を括ったようですね
来週はどんなバトルを見せてくれるのでしょうか?

しかし、どうなんでしょうねコレ?
死刑囚と地下闘技場でバトルってのは
元々板垣先生の頭の中にコンセプトとしてあった気がします
でも、今までの流れからこの展開に持って行く事が出来ずに今に至り
で、とりあえずバキの強さ再確認のためにリサイクル復活してきたシコルスを
どうせもうゴミ以下だと思って地下闘技場戦のため再度リサイクルしてきた、と・・・


・・・彼に比べれば
最初に負けて出番が無くなったスペックなんて
遥かに幸せだったのかもしれませんね・・・

まぁ、もうどうせ二度三度死んだ身です
これ以上キャラ的に死んでもどうって事ありません
ここで最後の一花咲かすぐらいの意地を見せて欲しいです

そして、ジャックと善戦し
お互い残り体力は後僅かと言うところで・・・





















シコルスの背中に
猪狩が渾身のドロップキック



「言ったはずだろう・・・
この試合に反則敗けは無いッッッッ


さらに、もしもジャックが不利になれば
いきなり観客席から麻酔銃が打ち込まれるかもしれません





「ルールは素手同志・・・しかし
守るも守らぬも自由と言ったはずじゃ


万々が一シコルスがジャックを倒せても



「残念じゃがシコルくん・・・
まだまだ君と戦いたいという者がおっての・・・」


と、死刑囚との対抗戦に選ばれなかった格闘士達が
優勝したバキを出迎えた時のように廊下にずらっと並んでたり

敵地{アウェイ}だからって何でも好き勝手やりそうです

ボコラレ仲間の柳にも
新たなボコラレ仲間のショウ君にも去られ
シコルスキーの明日はどっちだ!!?

















・・・あと、連れ去られたショウ君どうなっちゃうんでしょうか?

証拠隠滅のため、このまま
小坊主として地下闘技場に永久就職とか
いきなりハゲたショウ君に彼女は愛情を持ち続けられるのでしょうか?
まぁ、それもこれも、ショウ君が生きて外の世界に出れたらの話ですが

・・・どんどんイメージが悪くなるなぁ、地下闘技場