バキ
第143話『闘争領域』
今回の題名カッコイイですね
『闘争領域』、実に素晴らしい表現です
シコルスが最も得意とする狭く限定された場所での戦い
それをたった四つの漢字で表現し、今回の展開を期待させてくれます
・・・その反面、そんな素晴らしいタイトルが書いてある隣で
もう忘れたい過去となった我らが主人公グラビアアイドルバキ君は
第138話『逃亡』において
見事な闘争ならぬ逃走を見せましたが
ジャック兄さんならばさぞや素晴らしい闘争を見せてくださるでしょう
奇しくも弟が一度戦った相手との勝負ですが、シコルスもあの頃とは違うはず
自分の得手を存分に生かしきり、敗北を予想されていながらも好ファイトを見せてくれるでしょう
だって、対バキ戦の頃は酷かったですからねぇ
フリチンのままバケツを被せられたり
そのままボコボコにされて片玉潰されたり
横から乱入してきたオリバの噛ませ犬にされたり
廃人同然になって復帰してみれば相手に逃げられたり
板垣先生に嫌われてんじゃねぇか?って思うほどの冷遇っぷりです
多分、シコルスが最も輝いていたのは
猪狩に小便ひっかけたあたりだと思いますが
今回のバトルでその頃を越える事はできるでしょうか?
シコルスは前回からずっとスプリンクラーにしがみついています
それと距離を取るジャックとの様子を横から見ているコマ割りは
まさに編集者がつけたアオリの『立体殺法』という言葉がぴったりです
小指、薬指、中指を手に平に食い込ませながら
人差し指と親指でスプリンクラーを握りしめるシコルスキー
この力ならば、このまま短編小説一冊と言わずに
京極夏彦の『魍魎の匣』や『絡新婦の理』を読み終えられそうです
そんなシコルスにジャックが声をかけながら近付きます
「たいそうな指の力だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな状態でいつまで―――――」
言い終わるのを待たずにシコルスの蹴りが唸る!!
しかし、やはり状態が不安定なのかジャックの反応が早すぎるのか
シコルスの蹴りはジャックの頬を傷つけるだけに終わってしまう
うっすらと血の滲んだ頬を指先でなぞり、そしてジャックは言う
「よし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワカった
そのままでいい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
フリチンのままでいいんだよおめェは
相手を得意な土俵に登らせ
それを真っ向から叩き潰そうとする
何て男前なのでしょうか、ジャック兄さん
返す返すも弟とはエラい違いですね
シコルスさんもあの頃よりも遥かに男前が増してみえます
伊達に服を着ているワケでは無いと言うのが分かります
ユラ・・・と近付くジャックをもう一度蹴り上げる!
しかし、聖闘士格闘士に一度見せた技は通用しない
そのまま一気に引っ張ってシコルスは地面に引き倒そうとする
しかし、シコルスは動かない!
ジャック兄さんの怪力で引っ張られているのに
親指と人差し指の力だけで耐えているではないか!!
驚愕するジャックに対し、シコルスの表情もかなり必死だ、まるで
此処以外に俺が活躍できる場所は無いんだ!!
とでも訴えたいような必死さだ
さらにジャックの顔面を蹴る! 蹴る! 蹴る!!!
反動で、二人の怪力を受けたスプリンクラーが悲鳴をあげる
次の瞬間、ジャックが力一杯シコルスを引き寄せ
見開きでストレートをボディに叩き込む!
そのあまりの衝撃にスプリンクラーも破壊され
シコルスはもんどりうって便所の床を転がっていく
壊れたスプリンクラーから大量に水が吐き出され
シコルスもまたジャックの一撃で逆流した胃の内容物を吐き出す
慌てて便所を飛び出すシコル、その行き先には・・・
「イヤ〜〜ケイタイの電池切れちゃってさァ・・・
けど君の声は聞きたいワケじゃん?」
『ウソばっかり・・・・・・・・・{ハァト}』
新手のバカップルか!!
バキ世界において、バカップルである事は罪です
そんな罪に対しての天罰なのか、電話中にシコルス乱入
バカップル男・個体名『ショウちゃん』と共にジャックを待ち受けます
無言で電話ボックスの中に入るずぶ濡れのジャック
見上げるようにジャックと対峙する同じくずぶ濡れのシコルス
電話の向こうの彼女に状況が説明できず、冷や汗で濡れるショウちゃん
『前代未聞の格闘領域!!
次号どうなるッッ!?』
おお! ここでタイトルを持ってくるか!!
手に汗握る展開で次号に引き、素晴らしいです
この編集さんはアオリ文というものはよく分かっています
もし、このアオリ文を書いたのがジョジョの担当編集者だったら
密室で濡れ濡れッ!
とかになりそうでした
うわっ、エイケンっぽい!!
とにかく、次号はどうなるのでしょうか?
ショウちゃんは生き残る事ができるのでしょうか?
ひょっとして、『戦わなければ生き残れない!』と言う事で
なんか愛を知ってそうなショウちゃんも格闘士同士の戦いに参加か!!?
そう考えると、今回の登場も、ひょっとして
バキ&梢江との
バカップル対決の伏線
かもしれません
愛を知った事で死刑囚達を凌駕したバキには
もはや格闘士としての敵は存在しないも同然です
いきなり勇次郎やオリバと闘う展開と言うのも無粋です
ならば、ここでこのショウちゃん達と『強さ』ではなく
『愛』を競うような勝負を繰り広げるのかもしれません
うわ、見たくねぇ
そんなもんシスプリと同時にレビューしたくありません
やはり『バキ』の対決と言えば、熱いバトルと相場が決まっています
今週のシスプリも相変わらず凄い内容だったので
次回も熱いバトルで私の精神の安定に貢献して欲しいです