バキ
第137話『アンタの勝ちだ』
え、『アンタじゃ無理だ』じゃなくて?
相変わらず、バキの勝利が確定しているようなタイトルですね
ドキドキワクワクがちっとも無いので、もう少しひねって欲しかったです
さて、先週は板垣先生ご多忙の様子で
ただバキが死刑囚二人ボコってでかい口叩くだけでした
今週は、もう少し魅せる闘いをしてもらいたいと思いながらページをめくります
「足腰立たなくなるまでブッ叩くッッ」
バキ君、相変わらずのビッグマウスです
負け犬ムードのシコルと柳の目にはもはや光がありません
このあんまりと言えばあんまりの状況に、異を唱える者が一人居た
「・・・・・・い・・・・・・
言い過ぎ・・・・・・・・・・・・」
なんと、バキの最愛の人、松本梢江だ
恋人のあまりのビッグマウスに呆れたのだろうか
「チョット・・・
言い過ぎてない・・・・・・・・・・・・・・・?」
と、恋人に疑問を投げかける
個人的にはチョットどころじゃ無いんですが
さすがに恋人がジャイアン化するのは嫌なのでしょうか?
だが、バキは何も答えない
やがて、柳がゆっくりと立ち上がりながら口を開く
「強いね・・・・・・・・・
人は必ずしもヒビの稽古だけで強くなるものでもない
たった一つの勝利・・・・・・・・・たった一つの敗北・・・・・・・・・
そして
たった一つの出会いが
人を格段に強くしてしまうこともある」
確かに、最強トーナメント編の頃に勇次郎も言っていました
「たかだか一時間余りで
蚊トンボを獅子に変化{かえ}る
勝利とはそういうものだ」
そして、昴昇は紅葉が逆立ちしても勝てない力を手に入れました
まぁ、昴昇の場合
その後達人に敗北したために
噛ませ犬街道まっしぐらに戻りましたが
その達人もジャックに敗北して
柳の噛ませ犬状態になってしまい
ジャックも刃牙に負けた事で勇次郎の噛ませ犬に
刃牙もまた柳に敗北した事でSEXマシーンになってしまいました
・・・基本的にバキ世界においては
敗北は噛ませ犬かそれ以下への変貌の布石のようなものでしか無い気がします
まぁ、敗北して噛ませ犬になるのと
4回もSEXシーンやらされて強くなるのとでは
うんこ味のカレーかカレー味のうんこ選ばせられるようなものですが
ともあれ
たった一度{?}のSEXで
強くなってしまったバキに対し
柳さんは、「しかしどうだろう」と投げかけます
「君は初恋の果て女を知り
大変な神通力を手に入れたように感じているようだが
そんな・・・・・・人生で誰もが
体験するような出来事だけで
今までの自分より何倍も強くなるなんてことが・・・・・・・・・・・・」
まぁ、当然の疑問です
SEXだけでここまで強くなれるんだったら
地下闘技場はAV男優の見本市と化すでしょう
でも口ではこんなことを言いつつ
柳さんは心の中で「何故だ・・・・・・」
「なぜ効かない・・・・・・・・・・・・!?」と疑問を浮かべます
次の瞬間、バキの張り手が柳さんに飛ぶ!
しかし、柳さんは「この男にだけ何故・・・・・・・・・・・・ッッ」
と考えながら、見事に空掌でそれを迎撃、そのまま接着してしまう
この時、やたらと唇が歪んでいる柳さんの顔が微妙に笑いを誘います
ピタ・・・ッ
とくっついた掌に
学習能力の無いバキは
「離れない!?」と驚きます
そして、その一瞬の隙をついて
柳さんがバキをぶん投げる!!!
ただ、この時
「毒が効かないッッ」
と、心の中で負け犬の遠吠えをしてるので
せっかくの見せ場も半減しちゃっています、さらに
ページの右上から突っ込んでくるシコルスキー、似ている・・・
勇次郎に突っ込んだ時の
本部の顔にそっくりだッッッッ
噛ませ犬匂いがプンプンして
次のページの展開が読めて怖いのですが・・・
案の定、バオッと振り上げられたシコルの掌打は
バキが柳の足を手で払った事により、柳に誤爆!!
噛ませ犬の攻撃は噛ませ犬には効くのか
それとも噛ませ犬最後の意地がその攻撃にこめられていたのか
柳さんの顔は激しく揺れ、そのまま白目をむいて沈んでしまいました
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ」
と、誤爆に驚いたのか
「ごめんよぅ」と心の中で呟いているのか
シコルは柳さんに気をとられ、バキから目をそらしてしまいました
これを見過ごすバキ君ではありません
そのままシュッとシャープにシコルの顔を蹴りつけます
白目をむいてガクッと崩れ落ちるシコル
二人の死刑囚がダウンするなか、バキ君は見開きで
「ッシャアアッ」
と勝どきをあげます
その圧倒的な恋人の姿を見て
思わず梢江ちゃんが声を洩らします
「つ・・・
つよ・・・」
梢江ちゃんも驚きの強さ
たしかに、目の前のバキの姿は
SEXの時、焦ってパンツを引き破ったり
射精と同時に涙を流したのと同一人物とは思えません
そして次の瞬間
梢江の肩に何者かの手がおかれます
そう、かつて梢江に敗北を教えられてしまった
マスク・ザ・薫
相変わらず、『キャラメルリンゴ』よりも忍者っぽい姿です
「は・・・花山さんッッ
こないだはゴメンナサイ」
とりあえず、蹴って石投げて暴言吐いた非礼を詫びる梢江
しかし、花山さんは別段気にした様子も見せず、自分の話をする
「イヤになるぜ
守る女ができたってだけで
あんなに変わっちまう」
ええ・・・私も含め、読者の大部分がかなりイヤです
で、当の『あんなに』変わったバキ君は、ダウンした死刑囚に背を向けて
「あれ・・・? 花山さん」と間抜けこの上無い面で声をかける
「あの漢は―――――
そこいらを散歩するだけで
強くなる理由を見つけてくるんだろうぜ」
って事は何ですか?
例えば今日の私の散歩コースは
夕方近くに起きて、コンビニに雑誌の立ち読みに行って
チャンピオン買って帰ってきただけなんですが、バキの場合だと
それだけでポンポン強くなってしまうと言う事なんでしょうか?
これからは、バキ君は、松本家の地下でトレーニングする変わりに
毎日ブラブラと強くなる理由を探すために散歩するようになる、と・・・
そんなパワーアップは嫌です
まぁ、パワーアップの原因は愛ですから
強くなる理由は全部梢江がらみって気もします
最愛に比べりゃ
最強なんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・
花山さんが梢江の背をたたきながら言います
「アンタの勝ちだ」
さすが地上最凶
戦わずして勝ってしまいました
『最愛』の強さに
あの花山も脱帽す!!
の煽りで次回へ・・・
しかし、このSEXパワーアップ
本当にそれまでのライバルたちの立場ありませんね
百回の闘いよりも、一回のSEXが重要だったとは・・・
このアンタの勝ちだ、という言葉には
自分との闘いではありえなかった超パワーアップを
梢江が成し遂げたという意味で、敗北を認めたという事でしょうか?
少なくとも読者にとっては
一晩中バキの家で杯を酌み交わした花山さんの方が
三日三晩ヤりまくって部屋をティッシュ塗れにした梢江ちゃんよりも
何十倍も価値のあるシーンを見せてくれたと認識しているんですがねぇ・・・
やはり、バキは
友情より欲情を選ぶようです
絶対に友達にいてほしく無いタイプですね
闘いの絆よりも、彼女としっぽりする方がいいらしいです
ともあれ、今回で決着ついたんですが・・・
毒手は何故効かなかったんですか?
ここまで引っ張っておいて
柳さん自らに「なぜ効かない」と言わせておいて
このままうやむやにするのは無しですよ、板垣先生?
『愛があるから』って理由も勘弁して欲しいです、心から
バキが「男の仕事は痩せ我慢だ」って言っても白々しいだけですし
久しぶりに、来週がちょっとだけ楽しみです
いきなり全く別の展開が始まる可能性も捨てきれませんが
まぁ、それはそれでここ数週間の展開よりも楽しめそうなんで構わないんですが・・・
柳さんが可哀想すぎるので
一言ぐらいは説明が欲しいものです
来週で少しは報われると良いのですが・・・