へっぽこゲームレビュー記

アクトレイザー その1
 







「……起きて……起きて下さい」





「……むぅ、なんだ。もう長い寝てた気がするな」





「あ、お目覚めになりました。神様?





「……………………俺は王様じゃなかったっけ?」





「夢の続きじゃありませんから安心して下さい。むしろ、地獄のような現実と地続きです。寝る前の事覚えてます?」





「え〜と、ドラ●もん一派にギガゾンビの罪を着せられて、タイムパトロールに捕まった。夢だけど、夢じゃなかった



大吉「ところがどっこい・・・夢じゃありません・・・!!」





「ってーか、その話やったの何年前だよ。俺のアイコンがつく前じゃねぇか。いい加減時効だろ。罪状的にも企画的にも」



大吉「樫の木おじさん……人の心の法廷に、時効なんてものはないんだよ……





「いい台詞なんだが、どや顔して言うなよ。まぁ、お前の表情わからないから別にいいけど」



大吉「さらっと私のアイコンがない事を罵倒してくれてありがとう。お前だって表情固定っていうか表情以前の模様だろそれ





「話戻しますとですね。ようやく判決が出まして。ちょっと、世界を滅ぼしかけた埋め合わせに世界を救う事になったんですよ♪」





「冤罪じゃねぇか! 映画版じゃ一分の隙もなく悪人だったくせに、ゲームじゃ娘ができたからって実はいい人設定か! 裁判のやり直しを要求する!! 」





「貴方が寝てる間に、逆転裁判編をやってこれでも減刑したんですよ。それとも、もう一度やります? アラストル検事との決闘裁判





「控訴したら魔王が飛び出しそうだからいい。で、何すりゃいいんだよ」





「そーそー、おかげでギガゾンビさんもテラさんと幸せに暮らせるんです。そのためなら悪魔に支配された世界で、悪魔を倒しつつ人類社会を復興させるなんて軽いものですよ」





「……なんか、とてもとても逃げたくなる単語が聞こえてきたんだが」





「逃げます? 魔物で溢れた大地を。私から





「お前、目つきが大魔王だぞ。逃がす気ねーじゃん」



大吉「まぁ、前振りが長くなったけど要するに『アクトレイザー』の世界の話なんだよ。ゲームクリアすれば、帰れるから頑張って」





「まぁ、神様というのは気に入った。要するにあれだろ、人間を支配して悪魔を打倒すればいいんだろ? 正義の反対はまた別の立場の正義みたいな感じで



大吉「それはそれ言った奴が正義だった試しがない台詞だな」





「ちゃんと、貴方が悪の大魔王にならないように監視役として天使の私がつきますんで。よろしく」





「おい、だから目が作画・平松伸二になってるぞ。何の天使だよ」



大吉「とりあえず、今は世界が魔物に支配されてるから。一番魔物の弱そうな地域を開放して、人が住めるようにしないといかん」





誰が?



大吉「神様が





「……神様って、尊敬されるだけされて人間見捨ててればいい職業じゃねーの?」





「それは神話の時代を過ぎてからの話ですから。神様が天地創造しないことには人の世が始まらないでしょうが」



大吉「とりあえず、設定的には神様は一度サタンに負けて力を失ってるから。最初は魔法も使えずに剣を振るうだけの脳筋神として頑張れ」





「おい、なんで神様なのにそんなロックマンより弱い状態でスタートしないといけねぇんだよ。というか、負けたって何? 前に神様いたの?」





「いましたが、1面の最初でゲームオーバーになって再封印されてしまったので……」





「またBADENDからスタートすんのかよこの企画。畜生! やりゃあいいんだろやりゃあよ!!」



大吉「1面のボスって、セントールとか言うのだっけ。ケンタウロスみたいなの。最初は苦戦したなぁ」





「ですね。まぁ、私もそれなりにプレイした口ですから色々わかりますよ♪」



大吉「へー、どの程度できるの?」





ごりおし禁止でやってスペシャルモードまでクリアしました



大吉「このゲームってごり押しするのが基本スタイルじゃないの?





「パターン分かればわりと楽ですよ? それに、どうせだったら製作者の想定した仕様に正面から全力でぶつかりたいじゃないですか」



大吉「私はまったりやりこむ派だから理解できん考えだなぁ」





「……なぁ、ボス倒したんだけど」





「あ、お疲れ様です。では、次はこのゲームのキモと言うべき街作りモードですね♪」





「よし、じゃあやるか。ってオイ


俺の活躍をもっとアピールしろよ! 何百回もコンティニューしてようやくクリアしたのに!!」



大吉「なんで1面でそこまでドツボにハマれるんだよ」





「特にボス戦の盛り上がりは凄まじかったんだぞ!!? 体力残り1ドットからの逆転劇! 矢継ぎ早に繰り出される攻撃をかわしては斬りかわしては斬り! そしてお互い最後の一撃を繰り出して、ギリギリ先に届いた俺の剣先、強敵(トモ)への別れ!!」





ジャンプで連載してるんじゃないですから、序盤でそう盛り上がられても……後でまた頑張って下さいよ」



大吉「そーそー、それにクリエイションモードでは神様はシムシティやるだけだから楽だよ?」





「……楽ならいいか。で、何やればいいんだ?」





「とりあえず、人間が二人誕生しましたから。後は産めよ増やせよで人口が増えていきます」



大吉「問題は、まだ魔物の残党がいるから。魔物の巣は人間にしか封印できないから、彼らを導く必要がある。生き残って巣から出てきた魔物は天使である桜邪が弓矢で倒すから、あんたは奇跡を起こしてればいい」





「奇跡って疲れるの?」



大吉「疲れはしないけど、天使が魔物を倒したり、人口が増えて神への祈りが強くなった時に貰えるソウルポイントが必要になる。あぁ、ちなみに人口増えるとどんどん神様強くなるからね。強くなると、アクションパートで有利だよ」





「ふ〜ん。要するに、面倒事は天使に押しつけて俺は派手な奇跡起こして尊敬されてればOK?



大吉「大体間違ってないから困る。奇跡でちゃんと、人が住みやすいように障害物を雷で焼いたり雨振らせたりする必要があるけどね」





「ところでさ。天使が魔物と戦うんだろ? 負けたりしないの? 俺でさえさっきの戦闘で100回以上ゲームオーバーになりかけたんだけど」



大吉「う〜ん。って言うかさ……」





「ところで樫の木さん。魔物が人間を襲わないように足止めをせよとの事ですが――別に倒してしまっても構わんのでしょう?



大吉「このゲーム、天使は絶対倒されないんだよね。不死身のまま魔物の残党を蹂躙する天界兵器、それが『天使』だ」





お前がサタンと戦えよもう





「では、私は魔物の残党をバリバリ狩ってきますから。そっちもちゃんと神様の仕事しておいてくださいね〜」





「……ふむ、とりあえず習うより慣れろでやってみるか」



大吉「頑張ってくれ。私は神殿で、神への供物がないか確認してくる。あ、それと二人だけのうちに1つアドバイスしておこう」





「アドバイス?」



大吉「人間には文化レベルってのがあって、魔物の巣を封印する事でそれがあがるんだけどさ。文化レベルの低い住居があると、人口が伸び悩むのよ」





「なるほど、文化レベルが上がった後は奇跡を使ってボロ屋を焼き払えばいいんだな」



大吉「うん、そういうろくでもない事だけは理解早いねあんた。まぁ、程々に使って人口増やすの頑張ってね。それじゃ」




〜数時間後〜





「……と、言われてもなぁ。一定期間ごとに人口は増えるが、俺にやれる事も特にないし。むしろ、序盤だけあってソウルポイントが貯められずイライラするなぁ」



村人『うわー』





「あー、また浚われそうになってる。天使呼ぶか……待てよ?」





「魔物は、家を焼いたり人をさらうわけで。それを倒して、ソウルポイントを貯めて奇跡で文化レベル低い住居を焼く。そのローテーションだからめんどいのであって、中間プロセスを省くとどうだ?」





「つまり、魔物に住居を焼かせ、質の低い人間を間引きさせる! 俺はその間楽をして、優秀な人間と住居のみを支援して信仰を得る!! すると、優良種ばかり残って人口がどんどん増える!!」





「さっそく、この青写真を魔物サイドにも提示して協力を仰がねば!! 俺にも魔物にも人間にもメリットのあるこの恒久的平和実現のためのシステム!! おお、この美しい理想郷を、なんと表現すればいいのだろう!!?」








人はそれを地獄と呼ぶのです!

(天使の弓を乱射)





なんでじゃあああああ!!?


お、俺は大吉の言うとおりにやっただけなのに……」

(穴だらけになる神様)



大吉「……いや、正直引くわー。区画整理のアドバイスはしたけど、誰もディストピア作れなんて言ってねぇよ





「貴方、神様でしょうが! 神様が率先して魔物と手を組んでどうするんですか!!? 他人から良く思われるような行動ばかりしろとは言いませんが、限度ってものがあるでしょうに!!!」



大吉「なんていうかさ、あんた見てると『あぁ、自分はまだまだあそこまでのクズではないんだな』って思えてなんか安心できるわ





「う、うぅ……俺は良かれと思って理想郷をつくろうとしただけなのに…なんでここまでボロクソに言われねばならんのだ……そりゃ、ちょっとは『まずいかなー』と思わなくもなかったが……」



『ピロリロリン♪』



大吉「ん? 何の音?」





「あぁ、人口が増えて信仰の力がたまったからレベルが上がったんですよ。なんだかんだで、放っておけば成長していくゲームですし」





お……お前達……


俺は、あんな酷い事をしようとしたのに、それでも俺を信じてくれるのか……?」



樫の木おじさんの脳内村人『かみさまー、がんばってー』



樫の木おじさんの脳内村人『かみさまー、しんじてますー』





「こんなバカな俺を、まだ神様と呼んで慕ってくれるか……!!」





大吉「……なんかブツブツ言いながら固まったんだけど」





「……あんまり叱り過ぎたから、変なスイッチ入ったんでしょうね。この人、基本的に喉元過ぎれば熱さを忘れるくせに瞬間的なストレスにとても弱いですから」





「桜邪……お前、ライオンさんは好きか……?」





「好きですけど、それが何か?」





「そうか……桜邪……俺の一番好きな動物は……カバさんだ


知っているか!? カバさんの牙には、小鳥が止まるんだぜ!!?



大吉「まぁ、ぶっちゃけアフリカではライオン以上に人殺すし、野生動物の話するといつもカバ最強論者が沸くけどな」





「俺は優しい神様を目指す! 人が魔物に怯えることがなく、漫画家が編集と喧嘩して裁判を起こすようなことのない世界を作るんだ!!」



大吉「よくわからんが、後者みたいな世界が行き過ぎると、面白い漫画が作れなくなるんじゃないかな。バクマンを見るに





「まぁ、やる気を出したならいい事ですよ。……次回の冒頭まで続けば御の字ですけど」



大吉「まぁ、とりあえずしばらく街づくり頑張ってろ」





ラブ&ピース&マネー&コネクション!!



大吉「おい、早速戻りつつあるぞ