〜樫の木おじさんの引越し〜
「樫の木さん、これで大体片付きましたよ」
「あぁ、そうか。ありがとな桜邪」
「後は樫の木さんの身の回りのものだけですね」
「うむ。でもこうやって片付けてると、迷うものが多いな」
「そんなものですよね」
「たとえば・・・つ『新しい相方』 これなんかどうなのかな?」
「要りません」
「要らないか」
「樫の木さんは、これからもう日記相方ではなく、新コンテンツの看板になられるわけですから」
「そうか、看板か・・・なら要らないな。俺が主役だもんな。万一俺より人気出たら後で殺さなきゃいけなくなるからな。じゃあ、これは要るだろ。つ『新しいアイコン』」
「新しいものは必要ありません。すでに新しいアイコンがあると言うか・・・そもそもアイコンは存在する必要がありませんから」
「いや、アイコンは要るだろ。そうしないと誰がいるのか分からなくなるし、誰の台詞かもわからなくなる」
「いえ、樫の木さんが看板ですから。キモは樫の木さんのトークなんですよ。だから、アイコンは一つだけあれば充分なんです」
「一つだけかよ。せめてバリエーションぐらいよこせよ。いくら俺の一人語りとは言え、表情に変化が無いと分かり難いだろ?」
「要りません。分かりやすさが命ですからその心配はありません。そもそも分かり難かったら大変な事になるコンテンツなんですよ」
「なんだよ。お前は無駄にバリエーションあるから一つぐらい俺に献上してもいいだろ。むしろお前の顔なんか見たくないって読者も多そうだからいっそ全部よこせ」
「戦って取ってみなさい(by修羅の門) ・・・とにかくそう言うワケにはいかないんですよ。すでにアイコンが一つあって、その一種類だけで決定なんですから。少なくとも、このサイトではそういう決まりなんです」
「う〜ん、でもすぐ新しいアイコンで読者がなじめるかどうかは不安があるだろ。せめてどんなアイコンかぐらい教えてくれよ」
「そうですね・・・・・・強いて言うなら、【アイ】がテーマでしょうか」
「テーマは【愛】か・・・それなら確かにお前には似つかわしくなくて俺に相応しいものだな」
「うふふ、ぶっとばしますよ?」
「そうか、俺のトークがキモか・・・なら、これはもってかないとな。つ『ネタ帳』」
「それも要らないです」
「なんで? こういうのって、笑いを取らなくちゃまずいんじゃないか?」
「笑いを取るのではなくて・・・樫の木さんが間違えてしまった人達を導いてあげるとか、そんな感じの内容ですから。笑いとかがあってはいけないのです」
「なるほど、教祖誕生か。それは実に素晴らしいな! 実に俺好みだ! お前等みたいな低俗な連中に合わせてボケなくていいのは実に素晴らしい! こんなネタ帳など、芋を焼くたきつけにしてしまおう」
「いいんですか? それ、せっかく考えたネタ帳なんでしょ?」
「あぁ、別にいいんだ。どうせ大吉からパチったもんだし。どうせあいつなんていつもネタ考えてんだから、ネタ帳の一冊や二冊でケチな事は言わないだろう」
「同情の余地が一切ないって気が楽でいいですね♪ ・・・一応、ネタ帳は回収させていただきますが」
「そう言えば、お前から貰ったこれ。これは要るのか? つ『耳あて(イヤーウォーマー)』」
「えぇまぁ・・・要らないんですけど、コントの雰囲気を出そうかと思いまして」
「要らないもん持たせてんじゃねぇよ。大体、女からの贈り物はなんか髪の毛とか入ってそうで怖い」
「つくづく失礼極まりないですね貴方。人がわざわざ手伝いにきてあげていると言うのに」
「か、感謝なんかしてないんだから! あんたが私のために犬のようになんでもするって言ったからこれも当然の事なんだからねっ!!」(CV釘宮)
「・・・え〜と、台本では『桜邪、樫の木おじさんに対して憐憫の情を向ける』とかあるんですけどごめんなさい。貴方が出て行く事について、お腹の底から「ザマミロ&スカッとサワヤカ」の笑いが出てしょうがありません」
「人がやった直後にツンデレキャラ被せるのはネタの印象が薄くなるからヤメロよ。まぁ、俺と離れるのが寂しいってのは分かるがな。え〜と、そんなどうでもいい話はともかく他に持っていくものは・・・と・・・」
「貴方のウザったさはもう暴力ですよ」
「ああ、そうだ。俺が看板になるって事はこれは要るだろ。何人の迷える民草が俺に救われたのかと言う指針にもなるしな つ『アクセスカウンター』」
「それも要りません。というか、数字関係はこの際関係ないんです。そのコンテンツに関係ある数字は、たった一種類だけですから」
「なんだよ一種類って。データだって0と1の二進数なんだぞ? それ、俺の知ってる数字か?」
「もちろん。多分、ネットをやってる人たちはみんなその数字を見た事があるのでは、と言っても過言ではないぐらいです」
「・・・さっきから、テリーマンの靴紐が切れるぐらい嫌な予感が止まらないんだが。その数字について、もっと詳しい情報は開示できるか?」
「・・・そうですね。強いて言うならその数字は、三桁で最も小さい素数と、一桁で1以外で最も小さい素数ではない数字の乗数ですね」
「(0,1秒)・・・おい、その数字、俺どっかで見た事あるんだが」
「・・・あるでしょうねぇ」(目をそらす)
「って事はアレか。そこは掲示板とかチャットとか、そう言うコミュニケーションは必要ないわけだな!」
「そうですね。樫の木さんの役目は、一方的にメッセージを伝えるだけですから」
「・・・なぁ桜邪よ。俺の行くコンテンツって・・・どこだ・・・? いや、なんとなく想像はできるようになったんだが・・・そこがどこなのかは正直まったく分からない。ひと思いに言ってくれ。俺はそんな焦らしプレイに付き合えるほどMじゃないんだ・・・」
「そうですね、私もそうやって相手を弄んで喜ぶほど悪趣味でもないのでお教えしますと・・・
樫の木さんの行き先は、こちらになります」
「行ってみたけどそこにはなんにも無かったぜ
ってーかなんだそのURL名! 『さよなら樫の木おじさん』ってドラえもんか俺は!! 大体そこで俺は何すりゃいいんだよ」
「ですから、樫の木さんは万一そのURL名を入力してしまった閲覧者の皆さんに対し、定型文通りの旨を伝えていただく事になります」
「いねぇよそんな奴」
「でも・・・もう決まった事ですから・・・」
「・・・・・・・・・・・俺は、いつ帰れると思う?」
「・・・・・・・・・『いつか』って日はいつなんでしょうね・・・?」
「頑張れぇ〜負け〜んな〜ちぃ〜からの〜かぎ〜り生〜きて〜やれ〜」
「樫の木さんが! 大吉さんが「笑う犬っぽいネタがやりたいなぁ」とか言ってる時に! 「じゃあ、『てるとたいぞう』みたいな感じで『かしとだいきち』なんかやったらどうだ? お前も数年前までHG(ハードゲイ)キャラで売ってたワケだし」とか余計な事言うから!!」
「やはり『カシとダイキチ〜梅屋敷の人々〜』にするべきだったのか〜〜!!!」
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