2月14日+9日
「さ〜て、今日も嬉し恥ずかしバレンタイン☆
大吉さんにチョコをあげたいけど、
中々渡せなくて困ってる女の子(理想:13歳)はいねぇが〜?」
「まだ魂がヴェトナムから帰ってこれねぇでいるのか未帰還兵」
「はっはっは、お前はバレンタインデーにバキ感想書いてたら一日が過ぎ去った事実を受け止められるのか?
ありえないね
人類はそんなに達観していない。だからこそ、いもしない神に救いを求め続けるのさ。もっとも、私が救いを求めるのは神なんて不確かなものじゃなく外見小学生のお姉ちゃん(ブラコン)だがね」
「神様の存在を証明する手段はありませんけど、それは家族構成見れば一瞬で証明できるでしょうに」
「むしろ神話の時代に生まれてれば良かったのになお前。そろそろゼウスが哀れんで星座にしてくれる頃合だ」
「蟹座ですら挽回のチャンスがあったと言うのに!! 私の人生は岡田版星屋Gが存在しないデスマスクなんじゃよー!!?」
「・・・岡田版がお望みなら、ちょっと今からクルダの傭兵に相応しい最期をご用意しましょうか?」
「よし、俺は鉄製の定規を用意する」
「本 気 勘 弁」
「・・・・・・謝るから許して欲しいそうですよ?」
「よく通じるなアレで。ってか、どちらにせよもう駄目なんじゃねあいつ?」
「まぁ、ある種の武技言語ですよ。大吉さんもSANチェック失敗覚悟の強力な自己暗示でギリギリ己の精神を保っているのです。まだあと1〜2日ぐらいは持ちますよ」
「チョコが・・・チョコ分が足りない・・・糖質云々じゃなくて、魂を潤わす意味でのチョコが・・・つーか会社で同僚が配ってるの貰ったけど、それはそれで義理にも満たないおやつチョコなんぞネタにもならないからつまんねーと思いながら食った
もうちょっと空気を読んでさ、無粋はよして欲しいよね」
「お前・・・ほんと、終わってるよな」
「・・・そういえばこの人、小学生時代のトラウマ以来バレンタインに何かしら期待した事なんて産まれてから今まで一秒たりともないロンリー・ソルジャーでしたっけ・・・」
「だからヤメロ
夢想転生みたいな目つきで俺を見るな
いいんだよ。大人になるって事は子供の頃の情熱を一つずつ失う事なんだから」
「お前は失っちゃいけないものまで失い続けている気がする」
「・・・大吉さん、漫画やアニメの世界と違って現実世界では、愛そうとしない人は決して愛されないんですよ?」
「あっ、馬鹿! いきなりそんなタブー中のタブーに触れるような真似したら・・・・・・!」
(麦チョコを一粒食べる)「イヴたんチョコありがとう」
(麦チョコを一粒食べる)「ひとはたんチョコありがとう」
(麦チョコを一粒食べる)「閻魔あいたんチョコありがとう」
(麦チョコを一粒食べる)「初音たんチョコありがとう」
(麦チョコを一粒食べる)「イリヤたんチョコ・・・」
「・・・・・・いや、これが私の所為だって言われても正直対応に困るんですけど」
「言わんこっちゃねぇ。すっかりあっち側の住人になっちまった。この日記が某特撮のエピソードみたいに心ある配慮で欠番になっちまったらお前のせいだぞ?」
「(・・・この状況で大吉さんについて一切心配しようとしないあたり、この人も筋金入ってますよね・・・)・・・どうしましょうか?」
「よし、じゃあちゆデーでもやるか
ほら、2月14日って言ったらちゆデーじゃない?
バレンタインに一人でめそめそしてるのは不毛だってーんだろ?
なら建設的な事してやるよ! バベルの塔でもおったててやるよ! 伝説作ってやるよ!
閲覧者が最期に見た日記が、手抜きの大吉マスター21だったら申し訳ないだろ!!!??」
「むしろ人生の最期をこんなもん読んで過ごす羽目になった人間の無念と言うものは、いかなる文豪であろうとも表現不可能だと思うぞ。這い寄る混沌の形状みたいに」
「あ〜、どうせバキ感想ならさ〜。感想書いてたらなんかパソコンからチョコレート漬けの原人とか出てこないかな〜」
「そのネタ、もう先週使ったような・・・」
「いいじゃん。美少女ネタは何度使い姦しても困らない。いいよね、ジェラ紀美少女のショコラたん」
「チョコラータ?」
「ショコラ」
「セッコさん?」
「ショコラだっつってるだろ
何が悲しゅうてそんな猟奇殺人コンビ召還せにゃならんのだ!?
畜生! たまに幸せな甘々妄想にでも浸ろうかと思う矢先にバキネタだのジョジョネタだのシグルイネタだの浮かんできやがる!
おのれ板垣・荒木・山口ぃ!!」
「なんて不条理で理不尽なキレ方なんでしょう・・・いつもはその御三方を崇拝すらしているくせに。ある意味裏返っちゃってますね」
「・・・どうすりゃ止まる?」
「・・・・・・仕方ありませんねぇ。大吉さん大吉さ〜ん」
「なんじゃあ!!?」
「――バキ外伝『疵面』打ち切り決定」(ボソリと)
―――ドシャ
「あっ、絶対に起き上がれない倒れ方した」
(へたれ込みながら)「・・・・・・あいたたた・・・こっちにもそれなりにダメージあるんですよね、これ」
「そんなに無念なのか? よくある事じゃん、打ち切りなんて」
「それもそうなんですけど・・・皇国の守護者よりマシとはいえ、期待してた漫画がこういう理不尽な打ち切られ方するとちょっとスネを焼けた鉄棒で思い切り殴られたような衝撃が走るんですよ。ほら、その証拠に大吉さんなんてもう目の焦点が合ってません」
「大吉殺すにゃ刃物は要らぬ。漫画の一つも切ればいい、か・・・」
「チョコレート・・・・・・パパがね・・・・・・・・・2つしかくれないの・・・・・・チョコレート・・・・・・ボクは・・・たくさん欲しいのに・・・・・・」
「またドリアンネタかよ」
「まぁ、こういう時の基本ですしねー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・疲れた」
「そりゃまぁ、今回も冒頭から燃え尽きる寸前の蝋燭みたいな勢いで突っ走ってたからなぁ」
「もういいや。さっさか今日は終わらそう。ってわけで、ほれ」
「・・・・・・なんですかその手は?」
「グダグダ言わんではよチョコよこせと言うとるんじゃビッチ」
「どこの世界にチョコをねだる相手をビッチ呼ばわりする人がありますかぁ!!」
「仕方あるまい。ここの世界にそういうビッチが存在してしまうんだ」
「いや、あげますよ。あげますけどね。お二人とも、後で説教ですんで体育館裏まで来てください」
「どこだよ体育館。で、これ何チョコ? またカカオ120%チョコとか南瓜のチョコ包みとかじゃなかろうな?」
「これはフツーのチョコですよ。義理用に配ってるのがまだいくつか余ってるんです。さっ、お一つどうぞ。特製だから疲れが取れますよ〜♪」
「ケチケチすんな。もっとよこせ」
「・・・・・・別に2つ以上食べても大丈夫だと思いますが・・・念のため聞きますけど、大吉さん心臓に疾患とかありませんよね?」
「フツーっつったよなお前? 何入れやがった!!?」
「ですから、フツーにカカオ豆から色々精製しただけですよ? あと、体力つくようにまぁ・・・・・・色々と」
「色々の中身が知りたいんだよ俺は」
「身体に悪いものは入ってませんよ?」
「風邪薬にも致死量ってあるんだよ? 知ってた?」
「まぁ、チョコの起源なんて元々薬ですし大丈夫ですよ。食べ過ぎは毒ですけど、少量ならエネルギーの塊ですから」
「薬って・・・いきなり嫌な言い方になったな。ワシ、バレンタインのチョコって女の子が好きな相手に恋心を込めて渡すもんだと思ってたよ」
「込める心があったら、しかるべき相手に渡しますよ」
「いないの? お前「が」好きなのはともかくとして、お前「を」好きな相手とかは? 義理配るぐらいには知り合いいるんだろ?」
「・・・・・・?
・・・・・・あっははははははは! 面白い事言いますねぇ、大吉さん。まぁ、確かにそんな都合のいい人がフィクションの世界以外でいれば私の人生ももっと華やかなんでしょうけどね♪」
「・・・素で爆笑してやがるよこの女」
「それに関してはまぁ、俺も教育が行き届きすぎたと思わなくもない。あいつの知り合いってのも歪んでるのばっかだしな。それでも卑屈にならず真っ直ぐに後ろを向く辺り、実にこいつらしいとも思うが」
「(哀れすぎるのでそっとしといてやろう・・・)しかしまぁ、ほんとこういうの得意だよなお前」
「何か不愉快なオーラを感じましたが、それはそれとしてありがとうございます♪ じゃ、サービスにコーラもつけますね〜♪」
「コカ? それともペプシ?」
「桜邪コーラです♪」
「何者だお前は」
「フッ・・・某国家錬金術師の一人、甘味の錬金術師とは私の事ですよ」
「まぁ、騙されたと思って飲んでみろ。甘くて美味いぞ。歯が溶けるけど」
「死ぬわぁ!!?」
「死にはしませんよ。そっちは樫の木さん用に調合した奴ですし・・・ちょっと、歯の神経がむき出しになって顎を引きちぎりたくなるぐらいの激痛に襲われるだけですよ」
「・・・・・・とりあえず、呆れるのと同じぐらい同情はしとく。つーか今度は何やらかしたあんた」
「・・・要らんから、俺の代わりにこれ飲んでくれ」(涙目)
「・・・ほんと、お前こういう事(拷問)得意だよな」
「そりゃ、こういう事(お薬の調合)は得意ですよ
だってほら、私はそもそも回復キャラですし」
「どのツラ下げてそんな寝言吐いてんだテメェ」
「この顔に何かご不満でも!!?」
「樫の木おじさん! ここに虚言癖を持った電波女が! 嘘吐きは地獄でえんま様に舌を抜かれるという! だがもし地獄で閻魔あいたんに下を抜かれるなら、私の口はこの先一生真実など語らぬだろう!!」
「だからそのテンション少し下げろ。・・・ってかさ、お前ひょっとして気付いてなかった?」
「? 何が?」
「お前、一般人じゃん」
「そうだよ。お前ら変態とか妖怪とかと一緒にするな」
「一般人が、桜邪のツッコミ喰らって生きてられるわけねーじゃん」
「・・・・・・え? ひょっとして私、円盤皇女わるきゅーれの和人君状態だったの?」
「恐ろしいぐらい敵の増えそうなたとえですが・・・大変なんですよ? いつもいつも直す・・・いえ、治すの」
「・・・・・・なんか、仮面のおっさんみたいなキャラが、実は中身美幼女でしたって言われたぐらい納得いかないんだけど。るろ剣の頃の和月先生なら首筋に逆刃刀の峰を押し付けられても描かないだろうよ」
「素直に普通の刀の刃押し付けろよ」
「そこにツッコまれても困るんだが」
「まぁ、認めたくない気持ちは分かるが受け入れろ。人生とはえてしてそういう理不尽なものなのだ。たとえば、どんな聖人でも毎日何かの命を奪って食さねば生きられぬように」
「・・・私が回復キャラなのってそこまで罪深いものなんですか?」
「だって回復ってさぁ・・・もうちょっと癒しとかさ。女の子っぽいイメージない?」
「そうだなぁ・・・そうそう、女の子っぽいイメージでいえば。あいつセラピストの資格とかもってるぞ?」
「それは女の子っぽいな。乙女の御業だ」
「だから精神的・肉体的に対象を致死レベルまで達させる事無く拷問術を施せるプロフェッショナルとして各国諜報機関から熱心な勧誘を受けている」
「乙女の一部位が男子と化してるじぇねぇか」
「口の聞き方にはよく気をつけるようにしろよ。仙道からブードゥーの秘術まで。回復(?)に関する術式はあらかた学んでるからな」
「その(?)はなんだ」
「脳が死んでても体を動かす方法を俺は回復とは呼ばんからだ」
「・・・・・・いっそ殺すのが慈悲じゃないかそれは?」
「まぁ、私も見殺しよりは人殺しの方がいいんで」
「加害者が吐いていい台詞じゃないよねそれ?」
「優秀な拷問吏に必要な条件ってお前分かるか? どれだけ苦痛を与えられるかとか、効率良く人間を壊せるかなんて、些細な問題だ
絶対に対象を殺さない拷問吏
これ以上優秀な拷問吏など存在しない」
「おかしい。拷問吏の部分を医者にさえ変えればゴッドハンド輝になるのに、それはおかしい」
「破壊と再生は表裏一体。どちらかを極めるのではなく、どちらも極めようとしなければ「先」へは進めません」
「どうした大吉。顔がチョコレート色になってるぞ?」
「・・・・・・酷く気分が悪くなったから、もう帰るよ。畜生、本格的癒し系の女の子キャラの相方でも作ろうかなぁ・・・! ナース服でさ、13歳でさ・・・!」
「・・・・・・(この人、13歳にどういうこだわりがあるんでしょう?)」
「あ、待て待て大吉。俺も渡しときたいものがある」
「なんだよ・・・・・・・って、ほんとになんだ」
「だから、渡したいものが」
「その姿はなんだと言っている」
(無視して)「はい、ちょこれぇと☆」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・桜邪、処置しろ。こいつ、立ったまま死んでやがる」
「・・・気持ちは分かりますけどね。残念ですが、ただの心臓麻痺によるショック死なら、百万回やっても一度の失敗もありえませんから・・・」
〜蘇生作業中〜
「大吉が恐がるので姿を戻してみた。不可解だ。お前、萌えキャラ好きだろ?」
「酷い侮辱だ。ってーか、何企んでやがる貴様」
「何を言うか。バレンタインに日ごろの感謝を込めてチョコを贈るのは当然だろ? そしてホワイトデーに大きな見返りを得る。それ以外に何がある?」
「決して誉められたものではないが、お前よりもよっぽど女らしく生きている件についてはどう思う?」
「・・・どうもこうも」
「バブルの頃は良かったな〜。こうやってさぁ、適当に男騙してりゃいっそ馬鹿馬鹿しくなるぐらい楽に生きられてさぁ・・・またこねぇかなぁ、バブル」
「・・・そこでキバに討伐されてりゃ楽だったのに。つーかあんた一体なんなんだ!!?」
「キングオブキングス」
「・・・・・・・・・・・・・・・」(この世の全てに疲れた男の表情)
「・・・はい、特製のアロマキャンドルを差し上げます。炊いて眠るといい夢見れますよ」
「結論から言えば・・・・・・多分、ボクがチョコレートなんか求めたのが悪かったんだ・・・」(トボトボと帰還)
「あいつは何が言いたかったんだ?」
「人は、何かとても不幸な事があるとその理由を探さずにはいられない悲しい生き物なんですよ・・・・・・」
「とりあえずさ、ホワイトデーのお返しって、三分複利でいいんだっけ?」
「三日も経てば蔵が建ちますね、それは」
「むぅ、蔵が建つのか・・・わらしべ長者もビックリの回収率だな」
「それはそれとしまして・・・樫の木さん、そろそろ特製コーラ『融骨』の一気飲みの準備はOKですか? なんでしたら、炭酸抜いて飲むぐらいの自由は認めますよ?」
「・・・・・・・・・・・・・い」
「はい? なんか仰いました?」
「・・・・・・・・・・・・ごめんなさい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ま、いいでしょ。次やったら、殺しますからね?」
「・・・うお? 珍しいな。一言で赦免されるとは」
「許す気が失せるので、その「言ってみたらなんとかなってビックリ」みたいな表情やめてもらえます? ・・・・・・まぁ、大吉さんの流儀で言うなら今日もめでたい日ですからね? チョコより甘いご褒美って事で♪」
「ご褒美ならもっといいもんよこせよ。そういやぁ、チョコも俺貰ってねぇし。よこせ」
「・・・・・・作って渡したの、「没」とか言って食べなかったのは誰ですか?」
「はっ! あんな量産物になど食指は動かぬわ! 俺に貢ぐものなら、たった一つのオリジナルに精一杯の真心を込めて作ってもらおうか! もしくは100年後のお菓子みたいな超高くて超うまいの」
「・・・二度三度文句言われるの面倒なんで、3日かけて作ってみましたよ。はい、樫の木さん好みに無駄な装飾たくさんつけた特製チョコケーキ」
「おお、よくできてるな。よしよし」(一気に口の中へ放り込む)
「それは上に乗せてるトッピングにも色々仕事がしてあって・・・・・・・・」(硬直)
「バリバリモグモグ・・・・・・ゴクン。うん、不味い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ころしたい」
「こういう作り手の心が篭ったものはな、無造作に無作法に食い散らかしてやるのが一番堪能できる方法なんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こわしたい」
「ふん、贅沢ってものが理解できん凡夫はこれだから・・・ああはいはいごめんなさい。謝るからラジオペンチをおおきく振りかぶるのはやめてねー」
「言質とったからって調子に乗ってますね貴方・・・」
「いやぁ、お前が義理堅い奴で助かるよ。よもや褒美と言っておいて違えるほど恥知らずでもあるまい?」
「・・・どっと疲れました。帰って食事にしましょう。何か食べたいのあります?」
「甘くて苦いもの以外ならなんでもいいや」
「では、本日のメニューは四川風にしましょうか。この前、キョンシーの作り方と一緒に覚えたマーボー豆腐でも作りますよ」
「そういやそうだなぁ。うん、この前それで中国行ったばかりだから中華以外で」
「マーボー豆腐とニラレバ炒めに中華風スープ、デザートは干し棗。ご飯のお代わりは自由。それが嫌なら食べないで結構です」
「・・・・・・お前のワガママに付き合ってやれる俺の度量の大きさには、たまに我が事ながら呆れ返ってしまう」
「はいはい、樫の木さんの寛容さには感謝のあまり思わず毒入り餃子もセットで作っちゃいそうですよ。いいから、帰りましょう?」
「うむ」
|