6月23日
「ねぇ、樫の木さん。ちょっとよく分からないんで聞きたい事があるんですけど・・・」
「一回500円な。愚か者に賢者が知恵を提供してやる際の正当な対価だ」
「貴方に無駄金払ってまで知りたい事じゃありません!
ただなんとなく、聞いてみたいってだけです!!」
「なんだよ。俺も暇じゃねぇんだぞ。ゴロゴロ寝転がるんで忙しいんだよ」
「(・・・ここで短気起こすといつまでも話が進みません・・・BE COOL・・・BE COOLです・・・)
まぁ、ゴロゴロ寝転がっててもいいんでちょっと聞くだけ聞いて下さいよ」
「あ~、分かった分かった・・・で、なんだよ?」
「いえ、ふと思ったんですけど・・・萌えってなんですかね?」
「・・・・・・何故その質問を俺にする」
「そりゃまぁ、私よりは樫の木さんの方が、
あの木の下でシャドーボクシングしてる人の気持ちが分かるかと思いまして」
萌えるって・・・なんですか・・・萌えるって・・・どういう気持ちなんですか・・・
とりあえず、この舞い散る葉っぱを10枚掴めたら答えが見えてくるような気がする!!
「・・・俺にだって・・・わからない事ぐらい・・・ある・・・
つーか、知りてぇならあいつに直で聞いて来いよ。アレに近づける勇気があるなら」
「・・・何があの人をあそこまで駆り立てるんでしょうか」
それは、人が萌えなくして生きられないからだ!!
「・・・ほら、下手に噂しちまったからよって来ちゃったじゃねぇか」
「タチの悪い悪霊みたいな人ですね・・・」
とにかくまぁ、萌えとはなんなのか・・・
それに取り繕ったような形を与え、説明する事はできる
しかし、無難な言葉にしたところで、その本質を語りきったと言えるのか?
否! 俺達が追い求めている萌えと言うものは、
そんな簡単に答えが出せるほど安っぽいもんじゃない!!
一生かけてもその答えに辿り着けないかも知れないけど!
それでもその答えを探すために人は生きてるんじゃないかなぁ!!?
「・・・ほら、聞きたい事聞けたぞ。満足したか?」
「・・・人は、まったく理解の及ばぬ『異質』に出逢うと恐怖を感じる・・・それだけは、分かりました」
つーワケで、私は今日も萌えを追い求めてるわけなんですが・・・
とりあえず「この世に萌えのない作品など無いのだよ関口君」と言う哲学の下、
新たな萌えを模索するのに余念が無いのでちょっと知恵を貸しておくれ
「その協力を俺に求めたければまず肘の高さまで金を積め。話はそれからだ」
「そんなに萌えが欲しいなら、サイトの趣旨変えして
松本梢江さんファンサイトにでもしたらどうですかぁ?(投げやりっぽく)」
まぁ、流石にそれは上級者すぎるので・・・
まずはこれから始めようと思うのだが。ほい、これ資料ね
「・・・どうしても俺の拒否権を認めるつもりは無いようだな
くそっ、野良犬にレイプされたもんだと思って諦めてやるよ・・・で、これはなんだよ・・・『シグルイ』?」
うん、そう。チャンピオンREDでやってる血と狂気がこれでもかって塗り込められた武士道漫画
「・・・なんで聞きたくも無い事をわざわざ聞かなきゃならないのか分からないんですが・・・
これのどこに、貴方が求めるような萌えがあるって言うんですか?
女性キャラは出てますけど、そもそも貴方は10歳以上の女の子に欲情できない性的マイノリティでしょ?」
なんか誤解があるようだが・・・それは私の一つの側面であって全てではない
確かにまぁ、ここで簡単に三重様萌え~、と叫んでもいいのだが、それでは私の魂は震えぬ!!
「何様だお前。で、それならこの血と狂気の結晶のどこに萌えを見出すつもりなんだよ?」
そう、一見、確かにこの漫画に萌えは無いように見える・・・
しかし、偉大なる先人達の叡智は! 私に新たな萌えの地平を見せてくれる!!
私が考える『シグルイ』萌え化のキーワード、それは・・・
TS(性別反転)!!!
それが全てを黄金に変えるミダス王の御技なり!!
「ミダス王ってのは有名な逸話が二つあってな
一つが今言った「触れたものを全て黄金に変えられるようになった話」で、
もう一つが「王様の耳はロバの耳」だ。まぁ、有名さで言ったら後者の方だろうな」
「わ~、とってもためになるおはなしですね~」
ちょっと君達、何故私から凄いスピードで離れながら会話してるの?
「えぇい、よるなハードゲイ!
貴様、よりにもよってそこまで堕ちやがったか!!」
失敬な! TSとホモとは次元が違うわ!!
ここでとっくりとTSの素晴らしさを説いてやっても良いのだが・・・
まぁ、そこまで基礎に戻ると見てる人も退屈だろうからな
ハナから全員がTSの素晴らしさを知っているものとして話を続ける!!
「・・・今日は(も?)ついてこれない読者を大勢出しそうですね・・・」
まぁ、途中反転は敷居が高いので、
今回は最初から女性キャラだったと言う仮定で話を進める!
タイトルも『シグルイ』ではなく「しぐるい」って感じでハートフルデイズっぽくする!!
ではまず、ここは御大を立てるという意味で虎眼先生から萌え化してみよう
「・・・この、脳がやられちゃった爺か?
出鼻挫くようで悪いが、これに萌えたらそれこそ脳の病気だよ」
いや、フォースの導きさえあればそんな事は容易い
虎眼先生はいわば、妖怪爺
執念と妄念に染め上げられたまさに人外の存在
ならば、それを萌え化するに相応しいキーワードは・・・
人外ロリ!!
「・・・・・・狂ってる」
武士道とは死狂いと見つけたり
むしろこれこそが自然な帰結だ!
人外ロリなら年齢がどんなに高かろうと関係ない
しかも、剣鬼モードロリと普段のおツム弱いモードロリの一粒で二度オイシイ!
きっと、「たねぇ~☆ たねぇ~☆」とか言って普段は甘えてくるけど、
覚醒モードになると「やってくれたのう」とかお年寄りモードで話しかけてくるんだよ!
もう、人外ロリにしろとしか思えないキャラ造詣だね!!
「お前、ちょっと原作者に土下座して詫びて来い」
まぁ、虎眼先生と言う名前だから、ネコ耳である事も外せないね
「なんでですか」
馬鹿、指が6本あるなんて、下手すりゃ差別表現だよ
そんなの、アニメ化した際にピッコロさんの指みたいに修正されちゃうよ
だから、ここは虎眼先生にはネコ耳が生えていると解釈するのが正しい
それにホラ、なんか魚バリバリ食ってたし。アレもきっと、ネコ耳化の伏線だね
「お前のその理論でいくと、豊臣秀吉もネコ耳だったことになるが?」
う~ん、それは不味いねぇ・・・まぁ、獣耳って事で、そっちは猿耳にしといて
「漫画の設定だけならまだしも、正史歪めようとするのは流石にどうかと思うんですけど」
あの時耳を伏せろと申したは宗矩の指図。謀ったのう、謀ってくれたのう・・・
・・・虎眼流の奥義の要諦は耳の使い方にあるんじゃろうか?
「どんな奥義だ」
・・・きっとピコピコ動かしたりして相手を萌え転がしたりするんだろうなぁ
あと、どうでもいいけど虎眼先生のあの台詞に関しても、萌えキャラ化する事で意味が通るようになる
「あの台詞?」
『狂ほしく 血のごとき 月はのぼれり 秘めおきし魔剣 いずこぞや』
「まぁ、言い回しはアレだが・・・意味が通じないって事は無いと思うぞ」
いや、これはもっと深い意味があるのだ
「深い意味?」
まず、「狂ほしく 血のごとき 月はのぼれり」と言う言葉
「狂おしい」「血のような」「月がのぼる」・・・これは読んで字の如くの意味、つまり・・・
虎眼先生の月のもの(生理)が終わった事を指す
「・・・一応忠告しておく。命が惜しいならそこで止まれ」
(無視)そして「狂ほしく」はさらに虎眼先生の性欲が狂おしいレベルにまで高まっている事にもかかっている!!
そして「秘めおきし魔剣 いずこぞや」とは、
ぶっちゃけ安全日に入った虎眼先生が男の股間の剣がどこにあるのか求めているt
「虎眼流奥義・・・星流れ」
「うむ、俺が「生理後の安全日なんて迷信だよ馬鹿」と、
ツッコミを入れるより早く首を落としてしまうとは・・・恐るべき小太刀の速度よ」
「・・・えぇ。私の家には『セクハラ野郎、伊達にして帰すべし』って掟がありますから・・・
でも、どうしますこの首なし死体。とりあえず竹光でもくわえさせてからどこぞに飾っておきますか?」
「まぁ、確かにこのままじゃ困るから戻すか・・・まぁ、米粒で繋いどけばくっつくだろ」
~30分後~
・・・なんか、ちょっと記憶が飛んだような気がするけど、
とにかく虎眼先生については決まった。次、伊良子。これの萌えキャラ化も簡単だね
「(・・・まぁ、隻腕の剣士の刃が骨を断つことが出来るんでしょうから、
米粒で人の首がくっついても納得しておくのが余裕を持った大人の態度と言うものでしょうね・・・)
・・・まぁ、それはともかく。それは私にはどんな難解な公式よりも複雑に思えるんですが、どう変えるおつもりで?」
まぁ、とにかく一見遊んでる風の今風の女の子
指で搦めて目で堕とす、言うなれば魔性の女と言えよう
ロリ虎眼先生の愛人をたぶらかしたり息子をたぶらかしたりで大忙しだ
「なんかイマイチオタク受けしそうに無いな。そう言うのはリアルっぽくて」
まぁ、一人ぐらいそう言うリアルなのがいてもにぎやかしとしてちょうどいいのだよ
当然処女だしね
「・・・俺の耳が寝ぼけてんのか? それともお前の脳がイカレちまったのか?」
いや、私もお前も正常だ。そして伊良子たんは処女だ。俺を信じろ
「・・・お前、コウノトリが赤ん坊運んでくるとかいまだに信じてるんじゃあるまいな」
だから、指で搦めて目で落とすから膜は大丈夫だって理屈なんだよ
「・・・女知らねぇ奴の妄想って恐ろしいね。現実ってもんに対して目が開いてやがらねぇ」
見えぬゆえそうせねばならなかった
盲目の妄想とはそうしたもの・・・
それに伊良子たんはね、本当はお母さん思いのいい娘なんだよ!
目的のために悪い娘ぶってるけど、本当は心の優しい子なんだよ!!
「・・・そのお母さんの首をへし折ってるシーンが原作にありますが?」
時として深すぎる愛情は凶暴な狂気へと変わるものだ。これぞまさに死狂いの境地也
「お前、とりあえず死狂いって言っとけばなんでも許されるとか思ってんじゃねぇだろうな」
本当は優しい子なのに酷いことしてばかり・・・
そういった下地が、やがて大輪のツンデレの花を咲かせるんだよ。分かる?
「貴方の理論で行けば切り裂きジャックだってツンデレになってしまいますが?」
まぁ、攻略難易度はかなり高いだろうね
下手をすれば無明逆流れで真っ二つにされてBADENDです
あっ、ちなみに仕置きイベントの後は目をやられてメガネっ娘になるから
鬼畜ルートなら、仕置きイベントで「あ~かいはなさ~いた」と処女散華展開になってもいいが・・・
まぁ、ハートフルデイズを目指すためにはあくまで純愛ルートをひたはしるべし
「お前が純愛とか言い出すのは一種冒涜的ですらある」
そして次に藤木だね。これは重要だよ。なんてったって伊良子たんと百合キャラの双璧を為すわけだし
「・・・主人公云々って考えは無いわけですね」
とにかく、藤木たんはとにかく主人のために忠義を尽くす子なのですよ
虎眼先生のためなら焼けた火箸を掴んで灰をかき混ぜる事だって厭わない
まさに死狂いの境地と言える程に己を律し、忠義を尽くす属性はすなわち――
冥府魔道(メイド)なり
無表情なメイドさん・・・それが藤木の真の姿よ。今宵はめでたき日にござる・・・
「一番おめでたいのはお前の頭だ」
だって、何もかも投げ出して尽くしてくれるメイドさんキャラだよ?
伊良子たん(ツンデレキャラ)とプチ百合展開とか見せてくれちゃったりするんだよ?
焼けた火箸掴んで、「ご主人様、あ~んして下さい」とか無表情のまま言ってくれるかも知れないんですよ!!?
「・・・私ならご免被りたいですけどね。そんな肉が焦げる臭いのする食事イベント」
何を言っている。すでにこれは血と狂気の臭いのする萌え漫画
今更その程度のアロマが混じったところで、どうって事あるまい?
「俺もやだよ。そんなバッドトリップしそうな臭いのする萌え漫画」
フッ、これは子供には分からぬ大人の味よ・・・
ともかく、そんな感じでシグルイを萌え化するワケだよ!!
もしこんな萌える虎眼道場だったら、私は速攻入門するね
むしろ虎眼(タイガー)道場って呼んで、虎眼先生はブルマ穿いてるね
「またやってもいないゲームをネタにしますか・・・しかもどちらに対しても等しく侮蔑的です」
とりあえずメインキャラはこんなもんだね
まぁ、サブキャラはおいおい煮詰めていくかのぅ
舟木姉妹とかはフタゴイっぽく3Pシュートの夢も見れるけど
牛股とかは、お姉さんキャラっぽいけど特徴としていいの無いからにゃ~
「牛股・・・あぁ、この口を裂かれちまった奴ね・・・・・・・・・
(・・・裂かれたのが下の口とかって言ってもいいが、そしたらまたコイツ
殺し屋1みてぇに泣きながら俺に殴りかかってきちまうだろうし、黙っとくか)」
あとは、OPテーマを堀江由衣にでも「むーざんむざん♪」と歌わせればいいだろう
「・・・だからそう言うファンの人を敵に回すような発言は控えた方がよろしいかと」
構わぬ! もしも刺客が襲ってきたとしても、
逆に返り討ちにして奥義流れ星の骨子を掴んでやる
「・・・お前、無惨ってーか無慙だよな
ちなみに、無慙ってのは仏教用語で『恥知らず』って意味だ」
とりあえずまぁ、これで『しぐるい』が完成する
これが萌え漫画界に新たな1ページが加わるのだよ!!
あぁ、これで君達にも「萌え」とは何なのかってのが伝われば幸いだね
どうしてもこの私を褒め称えたかったら、「お美事!」「お美事にございまする!」と叫びながら土下座でもしなさい
「・・・まぁ、そんな妄言はともかくですよ。一つ問題ありませんか?」
何が? 私としてはアーカードっぽく「何も、問題はない」とか言っちゃいたい気分なんですけど
「え~とですね、設定としてはまぁ大吉さんの脳内では
多次元直方体みたいな勢いで繋がっちゃったことは分かるんですけど・・・
そのお話、誰が絵を書くんですか?」
! ! ?
「・・・あの~、なんでそんな腹部を七町念仏で切り裂かれたような表情で固まってるんですか?」
「どうやら、想像した一瞬で現実に耐え切れず自我の崩壊を選択したようだな」
「そんな・・・さっきまであんなに嬉しそうに語っていたのに・・・」
「お前に想像できるか
今後の永い人生どれほどの萌え展開があろうと
わずか数妄想で帳消しにしてしまうほどの激萎え!!」
「・・・女子供の護身技として対オタク用にピッタリかも知れませんね、それ」
「嘘でもいいから作画:赤松健とかで妄想していれば助かったものを・・・未熟者めが」
「心という器は ひとたび ひとたびひびが入れば二度とは 二度とは」
「大吉害日記・・・まこと広うなり申した」
ま、まだ死んでな・・・
ゴシャ!!
「いけないいけない・・・私とした事が、頭部に石を落としておくのを忘れるところでした」
「はっはっは、これで生き証人もいなくなったな」
「・・・しかし。これだけ長くなったのに、
ネタが理解できそうな対象が糸のように細いってのはどういう事でしょうか・・・?」
「・・・もし生き損なったら、そこんとこしっかり教育してやる必要があるなコイツ」