−東洋医学、気になる話−
鍼、灸、気功、漢方、砭石(へんせき)−それぞれの発祥の地―
鍼、灸、気功、
漢方薬の発祥の地が中国であるということは、すでに多くの方がご存知です。
しかし、ひと言で中国と言っても国土面積は日本のおよそ27倍あり、地域によって気候や生活様式、食生活は大きく違います。
鍼、灸、気功、
漢方薬は、紀元前から中国各地でその地域に特有の病を癒す目的のためにそれぞれ発達してきました。
その頃書かれた東洋医学の元となる医学書「黄帝内経」を紐解いてみます。
鍼・・・高温多湿の南方地域
この地域では、果物、酸味の強いものを多食しました。
湿度が多く、酸味の強いものを多食するこの地域での生活は、筋をマヒさせ、引きつる病気を生み出しました。
これらの症状を治療するには、「鍼」が最適でした。
そのため、南方では鍼治療が発達しました。
灸・・・寒冷な高原地帯
この地域では、人々は遊牧生活をして暮らしていました。
乳製品が主食で、厳しい寒さの中での生活は内臓を大変冷やしました。
内臓の冷えからの病を治療するために、「灸」が生まれました。
灸は、北の高原地帯で発達したのです。
気功・・・温暖な中央平地
この地域では、肉体労働をすることが少なく、周辺の地域からもたらされる美味しい物を食べることができました。
からだを動かさず、高カロリーの食物を摂取する生活は、からだをなえさせ、冷え・のぼせや手足に力の無くなる病を生みました。
この治療には、自らからだを鍛錬し節制する「導引―気功」が適していました。
気功法は、中央の地域で生まれました。
漢方薬・・・砂漠・丘陵のある西方地域
この地域では、風吹きすさぶ厳しい環境の中で、狩をして生活していました。
獣肉を常食としていたので、脂肪の摂取が多く、肥っていました。
肉食はからだの内なる病を引き起こしました。
そのため、草、木の根や茎、葉を煎じて服用する漢方薬が生まれました。
漢方薬は、西方で発達しました。
砭石(メスの一種)・・・海岸に近い東方地域
この地域では、海辺に暮らし、魚や塩辛い食べ物を好みました。
塩分の摂取が多いと、血が粘り、皮膚があれ、顔色が黒ずみ、腫れ物ができやすくなります。
腫れ物は「砭石(へんせき)―メス」で切開し治療しました。
砭石(へんせき)(切開術)は東方で発達しました
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