はじめに
寒さ対策の基本
寒さ対策アンダーウエアー編
寒さ対策の応用
寒さ対策小物編
寒さ対策特別編
寒さ対策教えて編
おまけ
『パラグライダーって冬も飛ぶの?』 パラをやってない人から冬場によく受ける質問の一つですが、飛びます。続いて受ける質問が『寒くないの?』と必ず聞かれますが、めちゃめちゃ寒いです。なんでわざわざ寒い思いしてまでと思われるかもしれませんが、楽しいんです。個人的には、のんびり飛ぶなら秋。アグレッシブに飛ぶなら冬。という感じです。ただ、いくら楽しいといってもあまり寒いと楽しさも半減してしまうので、これから紹介するアイテムが役に立つわけです。
寒さ対策の基本・其の一
寒さ対策の基本は、まず○首とつく所を固めるところから入ります。具体的には、首・手首・足首です。ここから風が入ってくると非常に寒い。ということで、まず最初はゴムなどで萎まる物がよいでしょう。
寒さ対策の基本・其の二
次に辛くなるのが「手」、まずは冬用グローブと呼ばれる厚手の手袋に交換するのがよいでしょう。またパラは見た目以上にスピードが出ているので、ウインドストッパーなる風を通しにくいタイプがお勧めです。
寒さ対策の基本・其の三
この時期まで普段着で頑張ってきたあなた!、よく頑張りました。エリアの人たちが着ているフライトスーツは決して上級者の人専用ではありません。寒いと思うくらい体を動かさない時間が増えたあなたにも、フライトスーツが必需品になったのです。市販のものであれこれ試すよりは間違いがない買い物です、ちょっと値段は張りますが冬用のフライトスーツをお勧めします。 ちなみに私がフライトスーツを買ったのは冬場に長いフライトをした直後でした。買ったのは、裏地がすべてフリース地の冬用です。(感激の暖かさだった)
ここまでが基本です。以前の装備に比べれば南国気分でしょう(^^ しかし高高度を飛ぶ、あるいはフライト時間が長くなることによって、まだまだ寒くなります。さらなる防寒対策をする前に、少し素材のお勉強をしてみましょう。
下着も手袋・靴下等もいろいろな素材がありますが、基本は綿、ウール、化学繊維などになります。まず綿とウールの比較ですが、日常生活では違いを感じにくいと思いますがパラでは大きな違いを実感できます。標高が100m高くなると気温は0.6度低下する。また風速が1m増すと体感温度は1度低下するとも言われているようですが、パラは両方兼ね備えています。パラの寒さ対策で厄介なことの一つは、グライダーを背負って運動し汗をかく行為とハーネスに座ってあまり体を動かさない飛ぶという行為があることです。初期の寒さ対策では、発汗した後に体を冷やさないことが重要です。エリアにいる自分を思い出してください。まずクライダーを背負ってT/Oにたどり着くまでに汗をかきます。そしてT/Oで待っている時、あるいはフライトの最中風にさらされるわけです。水分を含んだ素材を身に着けているだけで、どんどん体温が奪われ寒くなります。テイクオフする時やフライト中に発熱する程の運動をすることはまずありませんから、体は冷える一方です。話を戻すと綿とウールでは汗をかいた後の、素材に残る水分量が大きく異なります。つまり、綿は汗(水分)が残りますが、ウールだと衣服にたまる水分量が少なくなるわけです。化学繊維はウールよりもさらに素材に残る水分量が少なくてすみます。ということで、次にアンダーウエアーの紹介です。
寒さ対策アンダーウエアー編・其の一
上記で説明したとおり、お勧めは化学繊維物です。メジャーな製品としてはモンベル・ウイックロン、ゼロポイント・ジオライン、パタゴニア・キャプリーン、KOA・ハイグレーターなどがあります。ちなみに私が買った中ではKOA、ゼロポイント、ポーラマックス(・エバニュー)、ブレスサーモ(・ミズノ)などがあります。個人的な好みの話ではゼロポイントとブレスサーモがお気に入りです。どこのメーカーも同じ商品で、だいたい三種類くらいバリエーションを揃えています。下着とシャツ・パンツは同じコーナーにあると思います。
寒さ対策アンダーウエアー編・其の二
体に直接身に着けるという事で、手袋と靴下も紹介しておきます。素材としては上記のような、”水分をほとんど含まない速乾性・透湿性に優れ、他に暖かくなるような機能を備えたもの”が、やはりお勧めです。ただし、ここでいう手袋は通常する冬用手袋の下のお話です。インナー手袋のポイントとしては三つ、1.水分残存率が少ない。2.薄手である。3.手首のところの長さが長いことです。さて手のひらは意外と汗をかきますので1.は必須項目です。2.はブレークコードの操作時を考え、私は薄めにしています。3.は基本の其の一で述べたことの補強として、通常の長さの手袋よりも長いタイプをすることです。(〜\1.500-くらいでBREATH THERMOの手首のところが長いタイプ・おそらく旧モデルだと思います。もし、売ってたら是非教えてください!)ただし機能製品のこのタイプは品揃えが少ないので、薄手のもので手首のところに折り返しがついている物を応用してもよいでしょう。また靴下も同様ですが、体の末端の部分は締め付けが強いとかえって逆効果になることもあるのでサイズ等も要チェックです。
寒さ対策アンダーウエアー編・其の三
上記の製品を手に入れるには登山用品店に行くとよいでしょう。ちなみに私は横浜・鶴見にある石井スポーツが一番のお気に入りです。よく分からんという方は、ブレスサーモ(・ミズノ)であれば近くのスポーツ用品店で取り扱いをしていると思いますので探してみてください。
ここまで対策してもまだ寒い、そんなあなたは周りの人から「寒がり」なんて呼ばれてませんか?ちなみに私は呼ばれています。でも寒いものは寒い!仕方がないですよね。ということで応用編ですが、その前に一つ確認です。皆さん寒いときは重ね着をしますよね?それっぽく言うと「レイヤリング」といいます。ちなみに上記で紹介したアンダーウエアーは「ベース」になります。その上に保温性・透湿性の高いフリースなどの「中間着」、さらにその上に「シェル」と呼ばれるジャケットなどの上着を着るわけです。一般的には上記のセットで問題ないのですが、パラとなるとちょっと工夫が必要となります。なぜか?通常はシェルに防風性のある素材を使うことで中間着の暖かい層を確保するのですが、パラは常に大気速度で風を受け続ける為冷たい風が内部まで入り込んでしまいます。私自身いろいろと試しましたが、一枚のシェルで風を防ぐのには限界があるようです。
寒さ対策の応用・其の一
「二枚目の防風性に優れたものを着る」 これは効果大です。パラでシェルとなるのは通常フライトスーツですよね。フライト時の操作性を考えても上半身にさらに着込むのは難があるので、私は防風性・透湿性に優れたゴアウインドストッパーのインナーシャツ&パンツを着ています。薄手なので体の動きを邪魔することはないし、これを着込むことによって厚手のフリース等を一枚省けるので着膨れすることもなくなります。
寒さ対策の応用・其の二
「フリースも中手以上の軽量タイプ」 さて、中間着のメインの役割である保温層のお話です。フリース自体保温性に優れた素材なのですが、その中でも様々な種類に分類されます。着目すべきは密度や厚みなどによって異なる保温性能や重さが違いです。私は中手の保温性能の高いタイプを着用しています。
寒さ対策の応用・其の三
「ネックウオーマー」 基本で紹介した首周りの対策です。日常生活ならマフラーをするところですが、飛んでいて落とさない点で便利です。物としてはフリースなんかで出来ていて、かぶるタイプとマジックテープで止めるようなタイプがあります。使い勝手を考えたら、分割方式のほうが便利かも。。。
以上が私の冬場の標準装備です。復習すると汗を吸って、早く乾いて、風を通さない。これが基本です。あとは自分がどれくらい動きやすいかと寒がりかを天秤にかけて微調整してみるのが良いでしょう!