山鳩とオナガの営巣

 我家の小さな庭に樹齢40年の豊後梅の木があります。豊後梅はアンズ系で花もきれいで、実は熟すと黄色くなり、ジャムにすると酸味もあり、アンズ以上です。

             
オナガ  昨年この木の中ほど、地上3mの所にオナガが巣をつくり、卵を産み雛が二羽かえりました。一羽はまだよく飛べないうちに巣立ち、玄関脇の鉢植にバタバタしているところを見つけ、巣のある木に戻してやりました。巣まで戻って体力をつけて、二日後無事に巣立ってゆきました。

 今年はその巣に山鳩がちゃっかり入り営巣しました。山鳩はおとなしく、時々は「デデポポー デデポポー」と鳴きますが、抱卵中は静かで、尻尾が巣から出ているのでいることが判ります。六月の下旬、豊後梅が熟し黄色い実が落ち始めました。梅の実を木に登って採りたかったのですが、山鳩を驚かせてはかわいそうなので、脚立で下のほうだけ採りました。

 毎日観察していましたが、親鳥は頻繁にえさを運んでいる様子もなく、雛の鳴き声も聞こえません。木の下から見ているので、雛が顔を出さないと、いるかどうか判りません。親鳥は交代で巣に居るので、卵か雛がいるはずです。七月上旬やっと巣のなかに動く気配がして、雛が顔を見せてくれました。 オナガ

 そのすぐ後の夜、短時間でしたが雨戸をたたきつけるような雨が降り心配しましたが、無事二羽の雛が誕生しました。それから二三日すると、雛は巣から出て木に止まり、徐々に餌台まで降りてきました。体は親鳥と同じくらいまで大きくなりましたが、顔は幼く動きはまだぎこちなく、頼りなさそうでしたが、二羽とも無事に巣立ってゆきました。親鳥と一緒のことはありませんが、それぞれ豊後梅にとまり、また庭に下りて餌を啄ばんでいます。親鳥は首の縞模様がはっきりしているので幼鳥と区別がつきますが、一月もしたら成長して親子の区別がつかなくなることでしょう。

オナガ  山鳩が抱卵中、しきりとオナガが「ギューイ ギューイ」と鳴くので、巣を盗られて怒っているのかと思っていました。たびたび鳴くので豊後梅を下から見上げた所、びっくり!山鳩の巣から2mほどの所にもうひとつの巣があり、オナガが営巣していました。親鳥がけたたましく鳴くので、木の下に行くと雛の鳴き声がしました。

 見にくい所にあるため、まだ姿は確認できません。数日中には雛が顔を見せてくれることと、楽しみにしています。


2011−7−20

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