6.今日の生活訓

 最後に、現在どのような生活信条でもって日々を送っているかについて、付け加えさせていただきます。

(1)生活訓・その1―――「一生懸命遊び、一生懸命介護する」
  これをお読みになって多くの方は、遊びは後で、介護が先ではないかとお考えでしょう。敢えて遊びを先にもってきたのには訳があります。
  まず、始めにお断りしておきますが、遊び遊びと言っていますが、私のいう遊びとは、バクチや女遊びといったことではなく、たかだか先輩や友人との食事や一杯会といったところです。
  では、その理由は・・?これこそ、心の平穏を得られている結果だと思いますが、ともかく介護介護で一日が明け暮れるというのでは、介護という長丁場をやり抜くことは難しいのではないのでしょうか。そのためには、自分のやりたいことを実現すると同時に介護にも精を出すという姿勢が一番良いのではないかと考えています。
  つまり、まず自分に主体があって、自己実現をはかりながら、それを力にして介護に全力投球するということだと思います。もし、介護を先にもってくると、介護の余力で遊ぶというニュアンスが強くなる気がするのです。私の信条はそうではありません。

(2)生活訓・その2―――「今日一日を精一杯生きる。明日のことは考えない」
  これは私の精神的な弱さをさらけ出している面があります。残念ながら、現在までアルツハイマー病の発病メカニズムは解明されていません。これが克服されるのは2010年とかもっと先だとか言われています。つまり将来に決して良いシナリオを書ける病気ではないのです。従いまして、それにも拘わらず将来のことを考えるということは、大変勇気が要ることで、私は悪いことを考えるのが怖いのです。
  そこで、いきおい先のことは考えないで、今日1日を我々2人が幸せであれば、それがベストではないかと考える訳です。
  しかし、この考えには問題があります。仮に私がいずれかの時期に一人ぼっちになった時、一体どのような生活設計をもっているかについては全く考えていないのです(考えたくないとも言えます)。これは、いずれ問題になるのだろうな、と思っています。
  とはいえ1日を楽しく幸せに過ごせることは何ものにも替え難いものがあります。楽しく”快護”するということが、現在の医学では解決できない病気に、治療効果を発揮するように思うのですが、如何でしょうか。
おつき合いいただき、本当に有難うございました。
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