I 高校生のディベート活動

■大会
現在、高校生が対象の関東での公式な行事は、年に3回ある大会に限られています。
春季・秋季関東大会が、3月と11月にそれぞれ東京で開催され、
そして全国高校生ディベート選手権(通称:ディベート甲子園・※1)が8月に催されます。
ここからは、そのディベート甲子園に沿って、ディベート高校生の日常を紹介します。
←ディベート甲子園の決勝会場・ビッグサイト


■ディベート高校生の日常
ディベート甲子園には予選が存在し、ここで、200ほどの参加校が32に絞られます。
関東地区の場合6月ごろに予選があるのですが、その頃はまだまだ余裕があり、
一般人と大した差はありません。この頃に遊んでおかないと後悔します。
夏に入ってからが、本番です。
図書館に通い詰め、徹夜で原稿を作り、毎日他の学校と練習試合をし、
休日には大学生の家に泊まらせてもらい、遊びがてらディベートの技術を磨きます。
もしあなたが夏場、「死刑やりたい!」(※2)とか叫んでいる人を見かけたら、
優しい目で見守ってあげてください。


■大会の様子
・1日目
初日は昼に2試合を行います。
試合後、夕方には立食形式のレセプション・パーティーが行われ、
全国のディベーターと談笑しながらディナー(無料)をとります。
その後はほぼ全員が幕張プリンスホテルに宿泊します。(※3)
初夜は、翌日の試合でビッグサイトに行けるかどうかがかかっているため、
夜遅くまで、チームによっては徹夜で原稿や反論対策を作ることになります。
・2日目
修羅場です。
朝行われる最初の試合と初日の2試合との結果が総合されて、
32チームのうち16校が決勝トーナメントへ進出します。
ここから先は一敗もできません。負けると順位が確定してしまいます。(※4)
そして夜は、決勝を逃した高校生たちで、恒例の花火大会@幕張の海が行われます。
今年は泳ぐ(着衣泳……)人が続出しました。
・3日目
決勝の日。ビッグサイトの国際会議場(※5)で全国のトップが決定されます。
全校に参加賞が渡され、そして賞状授与式が行われます。
←学芸の賞状(2000年度)
・4日目?
大会が終わっても、休養のためにもう1日を東京で過ごす人も多く、
軽い打ち上げのようなものが行われます。(5日目があることも……。)


■合宿
東海地区では毎年行われている合宿。
関東でも2001年の3月に行う予定を立てています。


※1「ディベート甲子園」
北は北海道、南は沖縄まで、多くの学校が参加。
2000年度、学芸はベスト8止まりだった……。
参加校一覧はこちら

※2「死刑やりたい!」
『日本政府は死刑制度を廃止すべきである。是か非か。』という論題のこと。
メジャーで扱いやすく、資料が多く、奥も深いので、この論題を愛好する人は多い。
つまり今やっている論題で、不調だったり煮詰まったりしたときに出てくる愚痴。

※3「幕張プリンスホテル」
運営側(NADE)が読売新聞社と交渉して、うまくいけば、タダ同然で4人が二泊できる。
うまくいかないと、自費で泊まるはめになる。今年はうまくいかなかったようだ。
金のなかった学芸チームは、4人でシングルの部屋に雑魚寝した。

※4「順位が確定」
順位確定後の行動パターンは4通り。
1:他の学校のを観戦、トーナメントの行方を見届ける。(推奨)
2:ホテルに戻ってお昼寝。(暇)
3:スタッフとして動員される。(無償労働……いや、弁当をもらえる)
4:恋人と夜の闇に消える。(荷物くらい運んでよ。残された人が大変だから>Mくん)

※5「ビッグサイトの国際会議場」
でかい。とにかくでかい。しかもハイテク。肯定側は赤、否定側は青を基調に、
照明によってコーディネートされた壇上で論戦が繰り広げられる。
しかも発言者背後の巨大スクリーンに、発言された内容(全ステージ)が
分かりやすく整理されてリアルタイムで表示される。
しかし発言者にとっては、照明がまぶしすぎて前を向きづらいのが玉にキズ。



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