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 雑記録

シンガポール・セントーサ島 シロソ砦-1

・仙台

 2005年夏にシンガポールへ行って参りました。シンガポール市部の対岸にあるセントーサ島というリゾート・アイランドにFort Siloso(シロソ砦)という、第二次大戦までマレーシアを植民地としていたイギリス軍の要塞があり、現在砦をそのまま博物館にしております。観光コースや地元のこどもの社会科見学コースにも組み入れられています。
ただし1942年に旧日本陸軍がイギリス軍を破り進駐し、日本敗戦まで英軍人を捕虜としていたため、その視点からの展示は日本人としては少々つらいものがあります。ま、とじはいっても地元からすれば、どちらも侵略者であり侵略者同士の抗争を敗者の視点から展示している訳ですが。シンガポールへの欧米観光客は割りに北欧やドイツ系が多いようで、イギリス人やアメリカ人は余りいないようで、旧宗主国サイドからの捕虜の待遇云々で非難めいた視線はさほど気にならないかもしれません。ただ、マレーシアの現地人に対し、進駐した日本側は、華僑を特に差別、もともとの現地人であるマレー系住民を優遇したという話を聞いていますので、戦争の体験者では現在のシンガポールの大多数を占める華僑からは厳しく見られるかもしません。

 さてしかし、我らWW2ヒコーキモデラーは、まず第一に飛行機が好きであり、ヒストリアン的興味はだいたいその次ぎになります。もちろん人間を殺す戦争の道具のメカや背景が好きであることと、戦争そのもの是非は常に念頭にあるのが、ミリタリー・モデルを作る際のマナー?であるべきですが、しかしモデラーはナショナリスティックな心情をふつう強く持たないものであり(少なくとも私はそう思っていますし、廻りにもそういう人は居ない)、かくいう私もそこらへんの歴史的背景は基本的にうっちゃって(^_^;)、飛行機や大砲をメインに見ておりました。

 なお、家族旅行で行ったのですが、当然かみさんと愚息はこういう世界には全く興味が無く、「頼むから俺に1時間だけ時間をくれ!」と懇願して、ツアー最終日に駆け足で廻って来ました。宿泊していたセントーサ島のホテルのすぐそばでしたので、愚息はその間プール三昧。誤算だったのは、良くある日本のおざなりな展示ではなく、セントーサ島の突端をしめる要塞全体が博物館になっており、歩きで廻ることも不可能ではないですが、域内に無料バスも走っているという広さだったこと、暑い季節、走って廻って大汗をかく羽目になりました。


 パンフレットの表紙。1880年にイギリスが作った砦ですので真ん中の大砲はその当時のもの。とはいえ、目玉はやはり英軍降伏。右は降伏時の司令官パーシバルで、右は山下泰文なんでしょうか?すいません、浅学にて明かではありません。

入り口。蔦に覆われてなかなかに風情があります。中央奥は域内無料バスの停留所。

パンフレット中面。中央写真はパーシバルが1942年に降伏した時のスナップ。右は地元レジスタンスのLim Bo Seng。右下はギフトショップ。プラモは残念ながら有りませんでした。

パンフレット中面の地図と見所。蝋人形により、降伏調印場面、捕虜となった英軍兵士のハンモックベッド、トイレ、書斎などと、異様に薄暗く息の詰まるような部屋での写真パネル、屋外には19世紀から第二次大戦までの大砲と、九九艦爆のものとされるエンジンの残骸などが展示されています。それらは資料集のページをどうぞ。パンフの上3枚の写真はクリックすると拡大されます。

砦のジオラマ。セントーサ島の西端全体が砦という広さのため、1時間ではとうてい全部は廻れませんでした。

・仙

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