「ハロー!タミヤ、さよならエアロマスター

もしくは「2001年 初のスケールもの完成」

タミヤ 1/72 Fw190A-4 製作雑記-1

<はじめに>
2001年の秋に発売された
タミヤ1/72 フォッケウルフFw190A-3(改造A-4)の製作雑記です。2001年になってから、スケール・エアクラフト・モデル完成機ゼロなので、「フォッケ命」&「72はお遊び派」の私には、ばっちりのリハビリ素材です。素直にA-3にしたかったのですが、一番おいしい塗りのJG2「イーグルヘッドと鶏エンブレムが一粒で二度おいしい(片側づつマーキングが違う)」ジーグフリード・シュネル機は、既に同じタミヤの48でやってしまったので、結局、A-4、ll/JG1のテクニカル・オフィサー、ハンス・モール機にしました。これは奇しくも、この程社長がリタイアしたエアロマスター・デカールの72-001番なのでした(一番最初ではないですけど、72での一番目)。多少ともまともなことは完成してから書きますので、とりあえずの完成報告です。なお、多分関係者以外、日本で最も早い完成品は「フォッケ馬鹿一代」のどんじさんです。作品はこちら

<塗装決定編>
48メイン派としては、おいしい塗りは48にとっておくので、72では少し人とは違っていて、しかも別にメジャーじゃなくても良いアイテムを選ぶことになります。最初から、いにしえの塗マ本、モデルアート別冊「ドイツ空軍機の塗装とマーキング」(野原茂著)のカラー・プロファイルに載っていて、ずっとやりたかったハンス・モール機にしよう、と思っていましたが、航フで為則さんがタミヤ48発売時に、かもめマークをやっていたことも思いだし、詳しい方がたにすこし聞いてみました。なお、ここらへん、オスプレイのFw190 Aces of the Western Front がお手元にあれば分かりやすいです。早く邦訳出ないかな! 大日本絵画さん。

Q:裏掲示板での質問(笑) 投稿者:がらんどう  投稿日: 9月21日(金)01時55分39秒
フォッケですが、トイフェルさんがゲート大尉機で悩んでおられるなら、私も悩み。
資料無視してハンス・モールのA-4(-5じゃなく)にしようと思っていたのですが(クーカバラに写真があるそうですが、何と私は、持ってない)、塗りの少ないA-3は48では作ること無いと思うので、やっぱりここはタミヤ72はA-3(または-2)にしたいと思い直し、同じくJG1のマックス・ブッフホルツの「ブルム+かもめマーク」を検討しています。カモメはイーグルカルのA-5、ディートリッヒ・ヴィコップの黒1カモメ付きを流用すれば良さそう(その前にイーグルカルのこのシートを買わねばならないが)。しかし、ブッフホルツ機の機番が分かりません。ル・フォッケ、赤本、オスプレイ、航フ別冊190と262では映っていないのです。確か航フ・フラフィーで為さんがこの機体をこさえてましたが、一体何番にしたのか後ご存知の方いらっしゃいませんか? それにヴィコップの黒1も-4の可能性は?ついでに聞いちゃうと、TOの<○ A-5もハンス・モールかキルヒマイヤーか、不明なり。さらについでに、エーラーズないしブーラトとそっくりで万国旗のついてるロージッヒカイト機って何の本に写真が載ってるんでしょうか?ロージッヒカイトって、日本でメッサーを運転したあの人ですよね?JG1本なら皆でてるんでしょうか?

A:トイフェル氏より、9月23日(日)に「メーヴェ(かもめの独語)」について回答をいただきました。ブフホルツロージッヒカイトも完全に全姿の判る写真は見た記憶がないそうです。特に、あんなでっかいメーヴェの写真がないなんて不思議だとのこと。水色本には黒5、W.Nr.2125とあり、航空ファンは95年2月に載っているそうです。ただし、メーヴェは胴体左右に描かれるので注意。
 ロージッヒカイトの機体も国旗のアップとカウリングがカバーで覆われてる写真しか思い出せないのです、ほかにもあったら情報を求むそうです。彼の機体は日の丸の描かれたドイツ機として貴重とのこと

RES:同日、航フを段ボール箱の底からサルベージしました。為さんも5番の字体は推定ですね。スピナをドリルにかまして面相で描くのは、48メッサー「ローバー」機でやって見たことがあって(最初はスパイラルじゃないと勘違いしていた)、懲りてます。やっぱ無考証でモールの-4にしようっと(軟弱……笑)。日本全国イーグルヘッドの13やハーンじゃねえ。ほんに良い塗りが少ないー3!

<塗装決定>

どうです、そそるマーキングでしょう?タッツェル・ヴルム(欧州の伝説上の生き物。土に住む土精のようなものらしい。つちのこみたいなもんか?とにかく蛇や毛虫では無いらしい)に、狩人(多分)のパーソナル・マーク、戦技将校の<○マーク、紋章風と幾何学図形が両方入っていて、いかにもドイツらしいマーキングじゃありませんか? え?そう思うのはお前だけだって? すいません。

A2:ここでふたたびトイフェル氏よりモールのA-4情報。この機体も、スピナ前半に極細スパイラルで機銃カバー側面に小突起があるように見えますとのこと。

RES:ありがとうございます 投稿者:がらんどう  投稿日: 9月23日(日)13時13分35秒
トイフェルさん、どうもアドバイスありがとうございます。もう尾翼アンテナ突起をエッチングでこさえてしまいました。そこで、小突起はウェーブのH-EYE3ミニを貼りました。極細スパイラルはデカールで挑戦してみます。

スパイラル 投稿者:どんじゃーまん  投稿日: 9月24日(月)11時17分06秒
あの極細をデカールで!!!カッティングエッジCD72050(スパイラル特集)によさげなのがありますね。少々浮いたままでもかまわずカタチを整えて、モデラーズの超強力デカールフィットを垂らして一晩我慢する、というのが私の常套手段です。(マイクロ印刷のもの限定) 

JG1本 投稿者:がらんどう  投稿日: 9月25日(火)22時52分06秒
蛇フォッケデカール買いに行ったついでに、クラシック・パブリケーションの新JG1本を見ました。日本円で5千円強のペーパーバック。思わず安いじゃんと思ってしまうのは、水色本が1冊1万うん千円3分冊ゆえの錯覚でしょう(笑)。多分新鮮味のあるものは少ない(のでしょう、買わないから分からない)。モールは載っていないので、逆に在庫の赤いJG1本を立ち読みして、モールのフォッケ190A-4の姿を網膜に焼き付けてきました(笑)。想像以上に密なスパイラル! 下地がほとんど無い。もしかしたら、スパイラルデカールは先端のみで、後はただ細切りした白線を貼った方が良いのかも?
 カウリング下は下面色76のようですね。しかも彼、この機体に乗っていないらしい、搭乗したのは2番じゃと書いてあった。タッツェル・ヴルムはだろうか、だろうか? 72イーグルカルのメーヴェは売り切れでした。48しかなかった。
トイフェルさん、どんじさん、ありがとうございました。金曜に思い立ち、火曜には決められるのもウェブ上での強い味方がいてこそですね(^_^)

<製作編>
9月21日(金)の夜から製作開始、翌22日(土)夜までには、士の字まで来ました。このA-4ですが、幸い排気スリットがA−3と同じなので、修正は尾翼のアンテナ線用でっぱりだけなので、いたって簡単です。後は何も考えなくていいです。タミヤの誇るCAD設計に身をまかせれば、するすると出来上がっていきます。ストレスなく士の字までこれたので気楽〜! こういうの楽しいですねえ。ウィークデーの夜、1色づつ塗装していきました。この水、木夜を加えて、計10時間弱で上塗り塗装まで来ました。下塗りには、グンゼのサフ1000にグロスブラックを混ぜて塗り、さらにパネルライン沿いにグロスブラックを吹いて下地としてみました。ただし効果のほどは?? 画像じゃ全然分かりませんね。

9月30日(日)塗装、デカール貼りが大体終わりました。塗装終了時点では、「おお、なかなか、こりゃ画像なら48といっても通じるわい。」と一人悦に入っていたのです。がしかし、デカールを貼り終わってみたら、カットした縁が浮くは、気泡が盛り上がるは、で、急速に完成イメージからレベルダウン。塗料にクリアいれたつもりでも、結構鮫肌になっていたんですなあ。ゆっくり製作するときは、研ぎ出すけど、吹きっぱなしではいかんかったのか? 近頃はデカールは難しいです。「さらばAMD」のお題だったはずなのに、後味悪いな。しかも初期ロットなんで、マイクロの印刷でしょうから、質の問題じゃなく、腕の問題。あと、バランスタブを赤く塗るのを忘れていた。後から塗るの面倒だなあ。ウェザリング〜小物取り付け(製作、塗装は終わっています)までいくのはまだ先ですね。よせばいいのに排気管入れたりして、、、。でもタミヤさん、独レベル真似てスリットだけ開けているんだもん!


<キットの印象>

どんじさんも述べていましたが、このキット48の単なるスケールダウンではないようです。48より細い感じ。一番太めがドイツレベルで、やせの長谷川との中間くらいかなあ。もしかすると長谷川とほぼ同じ位の太さ感かもしれません。垂直尾翼付け根などは、48の雰囲気を残して力強いです。逆に悪しき遺伝子もまた48からまんま引きずっていて、カウリング上部の機銃弾道溝は広いと思うし、ペラの付け根はなぜか一段細いまま(実機は逆にペラを埋め込んである訳で、太くなっています。今回、私は釣りの板鉛をペロっと巻いて済ませました)、脚も少し短足気味、ただし48のF−8では二目と見られないほど醜かった主脚カバーは(大げさですけど、フォッケの大きな特徴を掴みきれないってのは、この飛行機に対し、48の設計スタッフがピントのあった仕事をしなかった証拠です!)、かなりまとも。1/48のA-3でも、下部カバーの無いので、やすって使えないことは無かったですから、小さい72では余り気にならなくなったのでしょう。前後を少しやすればオッケーです。パーツ割は、トライマスターが発明し、長谷川が継承、タミヤも48で取り入れてきた伝統の方式なので、はっきりいってどのメーカーでも同じ。長谷川72とどこが違うか、並べてみないと分かりません。しかしながら、精度はさすがです。小さい分、いかにプラが柔らかくてもあまり変形しないので、ピタピタ合います。表面は、ハッチの蝶番など立体モールドで、ドイツレベルを十分意識しているよう(あるいは、単に自社48の影響か?)。 結論から言えば、ナナニイでは最高の出来でしょう。長谷川のもいいできですが、数年、後からでた分、タミヤの勝ち。ただし、ただしですよ、いかにキャノピーがレンズでイモであろうと、私は、あのミニ・グラマーのドイツ・レベルのキットが一番好き!お色気たっぷりなんです。タミヤのは眼鏡をかけたクール・ビューティと言ったところかな?


モールのフォッケ、難関のスピナー細細スパイラルは、デカール二種でまあそれなりに解決(でも隙間が均等じゃないけど、、、)。AMD72-001の東部戦線用を先端に、途中からはメッサーJG77の細いスパイラルを継ぎ足ししました。あと先端はもしかしたらヘル・グリュンだったかも?もう気にしませんけど、70で全部塗ってしまった。もっといえば、真横から見ると実機では白帯が6本くらいありますが、これでは5本です。いいんです、そんなん気にしていたらいつまで経っても出来上がりません(笑)。下に少し写っているのは、今回唯一金属で置き換えた機関砲、ピトー管、下部アンテナです。MGFFの先のラッパ型はすこしだけドレメルにくわえてやすっただけ。クリップは、お店で使うPOPを挟むもの。これだとキットの箱にずらずら挟んでおけるので便利です。伊東屋とか東急ハンズで売っています。私はクライアントに見本で持っていったものをがめてきました(^_^)

タブの赤は結局追加して塗りました(泣)。透過色であある赤は、下地に白を吹かなくては発色しないので、二度手間になって面倒っす。白は隠蔽力の高いSDEカラーの艶消し白を使いました。なぜか同じSDEでもグロスの白は、薄く溶くとプラ地をはじくので使いにくいです。クリップにはセロテープで右、左とかメモっておきます。でないと、鶏頭の私は、先に塗った部品が何だか忘れてしまうのです。

これはテキトーオッサンへの私信です。前にナナニイのタイヤハブの塗り分けは?とお聞きになっていたのですが、48でも72でも(1)のエッチング定規でセロテープを丸くカット(コンパスみたいな針でやりました)し、(2)のように切り出し。(3)のようにハブに貼ってマスキングします。先にハブの色を塗っておいて、タイヤの超艶消し灰色を後で吹く訳です。エデュアルドのエキスプレス・マスクのタイヤ・ハブ用が出たときは「なんだ、全世界のモデラーも同じことで苦労してきたんじゃん!」と思いました。