本投稿では、下記の順序で意見を述べる。 【1】農薬オキサゾスルフィル 【2】農薬プロヒドロジャスモン 【3】農薬フロメトキン 【1】農薬オキサゾスルフィル  本意見はオキサゾスルフィルに関するものである。 【意見1-1】畜産品の残留基準を見直すべきである。  [理由]1、水稲にしか適用がなく、家畜等の餌での残留は、仮定による推定濃度で、実測データがない。MDB又はSTMR dietary burdenと家畜残留試験結果から、畜産物中の推定残留濃度を算出した。 【意見1-2】魚介類での基準を0.05ppmとすることに反対である。一律基準基準とすべきである。   [理由]本剤は、水稲の育苗箱にしか適用されない。水中に流出すると仮定されているが、水系汚染の実測濃度が示されていない。魚介類での実測データも不明である。 【2】農薬プロヒドロジャスモン 本意見は、プロヒドロジャスモンに関するものである。 【意見2-1】トマトの残留基準が他の作物にくらべて、高すぎる。もっと低値にすべきである。   [理由]1、ミニトマト残留試験6事例で、最大残留値が0.018-0.113ppmである。   2、TMDIへのトマトの寄与率が91%と高すぎる。   3、暴露量の評価では、残留量が0.058ppmとされている。   4、ほかに11種の作物の残留基準があるが、0.01-0.03ppmである。   5.ラット2 世代繁殖試験において、出産生存児数減少が認められており、出来るだけ摂取を減らすためにも、低値の基準にすべきである。 【3】農薬フロメトキン 本意見はフロメトキンに関するものである。 【意見3-1】下記の食品の残留基準wo2ppm以上に設定することは反対である。代謝物M1を含めもっと低値にすべきである。 (1)カリフラワー 6ppm   [理由]カリフラワーの残留データは不明で、ブロッコリーが参照されている。 (2)ブロッコリー 6ppm   [理由]残留試験4事例で、最大残留値2.91ppm(代謝物M1含有)であるが、うち3件は0.276-0.78ppmと低値である。残留実態を調査し、もっと低値にすべきである。。 (3)にら 6ppm   [理由]残留試験3事例で、最大残留値2.53ppm(代謝物M1含有)である。 (4)わけぎ 2ppm   [理由]残留試験2事例で、最大残留値0.88ppm(代謝物M1含有)である。 (5)トマト 2ppm   [理由]1、残留試験2事例で、最大残留値0.39ppm(代謝物M1含有)である。   2、ミニトマトの残留試験4事例で、最大残留値1.12ppm(代謝物M1含有)である。 (6)その他のハーブ 2ppm   [理由]アサツキの残留試験2事例で、最大残留値0.96ppm(代謝物M1含有)である。 【意見3-2】下記の作物の残留基準については、2017年のパブコメで、TMDI/ADI比が、幼小児区分で、79.1%と高く、ESTIのARfD比も高い食品があることを指摘し、提案値が高すぎるとしたが、そのまま据え置かれた。再考を求める。 (1)だいこん類(ラディッシュを含む。)の葉 5ppm (2)はくさい 2ppm (3)ピーマン 2ppm (4)ほうれんそう 2ppm (5)いちご 2ppm (6)茶 5ppm (7)その他のスパイス 3ppm 【意見3-3】全体的に残留基準が高すぎる。残留実態を調べ、もっと低値にすべきである。   [理由]1、下表に示すように、TMDIの対ADI比は、国民全体区分で70.8%、幼小児で125.6%、妊婦で64.2%、高齢者で84.9%と高く、安全の目安である80%を越えるケースもある。そのため、28作物すべてで、残留基準より低い暴露量を仮定して、EDIを算出して、安全だとみせかけている。  たとえば、ハクサイ残留基準2ppm→暴露量0.33ppm。トマト2ppm→0.61ppmなど。  また、TMDIへの寄与率で高い作物は、トマトが一般区分で33%、ハクサイ11%、茶11%である。、   国民全体    幼小児    妊婦     高齢者 推定摂取量 TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI 単位:μg/人/day) 312.2 75.5 165.8 44.3 300.7 78.2 381.2 89.0 ADI比(%)      70.8 17.1 125.6 33.5 64.2 16.7 84.9 19.8   2、ESTI/ARfDが高い作物は、一般区分でダイコンの葉:90%、ハクサイ:60、      ブロッコリー:50、幼小児で、ブロッコリー100%、ハクサイ/トマト/イチゴ:70である。   3.ラットの発がん性試験で、雌で卵巣腫瘍及び雄で小腸腺癌の発生頻度増加が 認められたが、非遺伝毒性メカニズムとされている。また、ラットの繁殖試験で、小型卵胞数減少、着床数及び産児数の減少等が認められている。このような農薬はその摂取をできるだけ減らして、国民の安全・安心につなげるべきである。   4、暴露量を現行基準よりも低くく見積るのであれば、残留実態を考慮し、基準を低値にすればよい。