■ビキサフェンの残留基準設定について 受付番号:495200266000000005/495200266000000006 受付年月日:2020/11/25 ★提出意見 ビキサフェンの残留基準についての【意見】である 【意見1】下記の農作物の残留基準を2ppm以上にすることに反対である。もっと低値にすべきである (1)その他の穀類 3ppm  [理由]1、アメリカでのソルガムの残留試験9事例で、最大残留値1.780ppm(代謝物M21を合算すると1.877ppm)である。   2、現行基準0.5ppmを緩和し、国際基準0.4ppmより高いアメリカの3.0ppmを採用している。 (2)だいこん類(ラディッシュを含む。)の葉 3ppm  [理由]1、アメリカでのラディッシュの残留試験6事例で、最大残留値1.260ppm(代謝物M21を合算すると1.537ppm)である。   2、アメリカの残留基準3ppmを援用している。 【意見2】下記の畜産類の残留基準を2ppm以上にすることに反対である。もっと低値にすべきである  なお、畜産物においては、残留値や基準は、親化合物と代謝物M21の合計値である。 (1)牛及び豚及びその他の陸棲せい哺乳類に属する動物8の筋肉 各2ppm   [理由] 1、乳牛による飼養試験で、当該農薬を4/12/20ppmに相当する量をカプセルで28日間強制経口投与した場合の筋肉での最大残留量0.065-0.997ppmである。    2、牛についてのMDB 又は STMR dietary burden と家畜残留試験結果からの最大推定残留濃度は、筋肉0.71ppmである。    3、現行基準0.2ppmが緩和され、各哺乳類の脂肪2ppmが参照にされている。 (2)牛及び豚及びその他の陸棲せい哺乳類に属する動物の脂肪 各2ppm   [理由]1、乳牛による飼養試験で、当該農薬を4/12/20ppmに相当する量をカプセルで28日間強制経口投与した場合の脂肪での最大残留量0.121-1.922ppmである。   2、牛についてのMDB 又は STMR dietary burden と家畜残留試験結果からの最大推定残留濃度は、脂肪で1.36ppmである。   3、牛、その他の陸棲せい哺乳類 の現行基準0.4ppmが緩和されている (3)牛及び豚及びその他の陸棲せい哺乳類に属する動物の肝臓 各4ppm   [理由]1.乳牛による飼養試験で、当該農薬を4/12/20ppmに相当する量をカプセルで28日間強制経口投与した場合の肝臓での最大残留量0.685-5.370ppmである。    2、牛についてのMDB 又は STMR dietary burden と家畜残留試験結果からの最大推定残留濃度は、肝臓で3.93ppmである。    3.たかすぎる現行基準2ppmがさらに緩和され、国際基準4ppmが採用されている。 (4)牛及び豚及びその他の陸棲せい哺乳類に属する動物の腎臓 各4ppm   [理由]1、 乳牛による飼養試験で、当該農薬を4/12/20ppmに相当する量をカプセルで28日間強制経口投与した場合の腎臓での最大残留量0.152-1.306ppmである。    2、牛についてのMDB 又は STMR dietary burden と家畜残留試験結果からの最大推定残留濃度は、腎臓で0.94ppmである。    3.現行基準0.3ppmが緩和され、国際基準4ppmが採用されている。 (5)牛及び豚及びその他の陸棲せい哺乳類に属する動物の食用部分 各4ppm   [理由] 国際基準4ppmが採用されている。 【意見3】全体的に残留基準が高く残留実態を調べて、もっと低値にすべきである。   [理由]1、ウサギの発生毒性試験において、著しい母体毒性の認められる用量の胎仔で右鎖骨下動脈食道背方走行増加及び仙椎前椎骨数の増加が認められたが、母体毒性が認められない用量では異常は認められなかった。また、ラットにおいては、最高用量においても骨格・内臓異常は認められなかった。催奇形性はないと判断された。しかし、このような農薬成分の摂取は出来るだけ、減らすべきで、 そのため、残留基準を低値にすべきである。    2、推定摂取量TMDIと対ADI比は、下表のようで、幼小児区分では、64.7%と高い。そのため、暴露量を残留基準より低値に見積り、EDIが算出され、対ADI比を低くみせかけている。  TMDIへの寄与率の高い食品は、肉類、乳類、小麦である。  暴露量を残留基準より低値にした食品は26種、高値にした食品は7種ある。  ちなみに、小麦:残留基準0.4ppm→暴露量0.08ppm、ダイコン類の葉:3ppm→1.013ppm、にんじん:0.3ppm→0.065ppm   ばれいしょ、かんしょ、やまいも:各0.01ppm→0.021ppm、    国民全体   幼小児   妊婦     高齢者  推定摂取量 計 TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI 単位:μg/人/day) 246.2 57.4 202.9 51.7 301.3 75.4 205.6 49.6 ADI比(%)   23.5 5.5 64.7 16.5 27.1 6.8 19.3 4.7   3、短期摂取量ESTIの算出においても、暴露量が残留基準より低値の食品は国民全体区分で17種、高値の食品は7種である。   ESTI/ARfD比は、国民全体区分でだいこんの葉6%が一番高いが、これは、残留基準3ppmより低い暴露量1.537ppmとしたからである。