残留基準パブコメ20/06/15〜07/14 募集


テブコナゾール
受付番号 202007100001004098/1004101
提出日時 2020年07月10日10時13分/10時25分
提出意見 ■テブコナゾール の残留基準についての【意見】である。
 文字数制限のため2分割して投稿する。
その1

【意見1】下記の食品の残留基準を2ppm以上にすることに反対である。もっと、低値にすべきである。

(1)未成熟えんどう 3ppm
 [理由]現行基準0.5ppmを残留データ不明の国際基準3ppmに緩和している。

(2)未成熟いんげん 3ppm
 [理由]現行基準0.5ppmを残留データ不明の国際基準3ppmに緩和している。

(3)えだまめ 3ppm
 [理由]現行基準0.5ppmを残留データ不明の国際基準3ppmに緩和している。

(4)その他の野菜  10ppm
 [理由]1、かきの葉の残留試験2事例で、散布21日後の最大残留値4.78ppmである。
   2、現行基準0.5ppmを国際基準3ppmより、さらに緩和している。

(5)みかん(外果皮を含む。) 3ppm
 [理由]温州みかんの残留試験2事例で、果実の最大残留値1.48ppm、果肉で0.04ppm、果皮で7.84ppmである。
   2、みかん果肉の現行基準0.5ppmが緩和されている。

(6)もも(果皮及び種子を含む。) 2ppm
 [理由]1、残留試験2事例で、果実の最大残留値0.96ppmで。果肉で0.11ppm、果皮で5.96ppmある。
   2、果肉の現行基準1ppmを国際基準2ppmに緩和している。

(7)すもも(プルーンを含む。) 2ppm
 [理由]1、残留試験2事例で、最大残留値0.76ppmである。
   2、現行基準3ppmを緩和したが、国際基準1ppmよい高い。

(8)おうとう(チェリーを含む。) 7ppm
 [理由]1、残留試験6事例で、散布1日後の最大残留値3.19ppmである。
   2、現行基準5ppmでも、国際基準4ppmよりも高いが、さらに緩和されている。

(9)バナナ 2ppm
 [理由]バナナの残留データは明らかでなく、現行基準0.2ppmを国際基準1.5ppmよりもさらに緩和している。

(10)茶 80ppm
 [理由]1、残留試験5事例で、荒茶の最大残留値37.8ppmであり、浸出液では4事例で最大残留値は8ppmである。
   2、現行基準50ppmでも高すぎるが、さらに緩和している

(11)すもも(乾燥させたもの) 3ppm
 [理由] すももの残留試験での最大残留値は0.76ppmで、理由不明なFAO/WHOによる乾燥係数 3.5をそのまま乗じても2.66ppmである。


【意見2】下記の食品については、2008〜16年に実施されたパブコメで、残留基準がたかすぎるとして、残留実態を調べ、もっと低値化するよう求めてきたが、基準値は据え置かれたままである。低値にするよう再考をもとめる。

(1)小麦 2ppm
(2)大麦 3ppm
(3)その他の穀類 2ppm
(4)キャベツ 2ppm
(5)レタス(サラダ菜及びちしゃを含む。) 5ppm
(6)にら 10ppm
(7)わけぎ 2ppm
(8)その他のゆり科野菜 10ppm
(9)その他のなす科野菜 5ppm
(10)なつみかんの果実全体 5ppm
(11)レモン 5ppm
(12)オレンジ(ネーブルオレンジを含む。) 5ppm
(13)グレープフルーツ 5ppm
(14)ライム 5ppm
(15)その他のかんきつ類果実 5ppm
(16)日本なし 5ppm
(17)西洋なし 5ppm
(18)ネクタリン 5ppm
(19)あんず(アプリコットを含む。) 2ppm
(20)うめ 3ppm
(21)その他のベリー類果実 2ppm
(22)ぶどう 10ppm
(23)パパイヤ 2ppm
(24)その他の果実 2ppm
(25)綿実 2ppm
(26)ホップ 40ppm
(27)その他のスパイス 15ppm
(28)その他のハーブ 2ppm

その2の【意見3】につづく

その2 受付番号 202007100001004098  からのつづき

【意見3】全体的に残留基準が高すぎる。残留調査に基づき、もっと低値にすべきである。
  [理由]1、ラットの発がん性試験で、甲状腺 C 細胞の増殖性病変(過形成及び腫瘍)が、マウスで肝細胞腫瘍が認められているが、非遺伝毒性メカニズムは認められないことから発生機序は遺伝毒性メカニズムとみなされている。このような農薬は出来るだけ摂取を下げるべきであり、そのために、残留基準を低値にすることが、消費者の安心・安全に繋がる。

   2、摂取推定量TMDIの対ADI比は、下表に示したように76.9-154.%で、安全の目安の80%に近いか、これを超えている。特に、幼小児区分の TMDIは736.9μg/人/日で対 ADI 比は154.0%と危険であり、食品別の寄与率が高い小麦、ぶどう、茶、オレンジ、みかん、きゃべつ、その他の野菜 は要注意である。

  区分    国民全体   幼小児   妊婦   高齢者
摂取推定量   TMDI   EDI  TMDI EDI  TMDI EDI TMDI   EDI
(μg/人/day)1447.4 300.4 736.9 188.0 1304.8 297.6 1750.6 341.1
対ADI比%  90.6 18.8 154.0 39.3 76.9 17.5 107.6 21.0

   3.対ADI比を低くみせかけるため、コメ、そばほか、いくつかの食品を除き、多くの作物や畜産品の暴露量が残留基準の3分の1以下でEDIが求められている。
 たとえば、国民全体区分でTMDIへの寄与率が43%とたかいレタスでは、残留基準15ppmより低い暴露量3.408ppmでEDIが算出されている。

   4、短期摂取量ESTIの算出においても、国民全体区分では37食品が、幼小児区分では25食品の暴露量が残留基準より低値になっている。
 たとえば、小麦;残留基準2ppm→暴露量0.4ppm、レタス類:5ppm→0.32ppm、
   日本なし:5ppm→0.273ppm、茶:80ppm→5.6ppm、

   5、ESTIの対ARfD比は、一般区分では、なつみかん/オレンジ/ぽんかん/西洋なしで20%、グレープフルーツで30%、おうとうで40%であり。幼小児区分では、キャベツ20%、れんこん/みかん/もも30%、オレンジで40%、ぶどうで100%と高かった。
これらは、すべて暴露量=残留基準としたケースであるが、前述のように暴露量が低値化されたレタス、日本なし、茶では、同比は10%を超えず、安全性がみせかけであることがわかる。

   6、暴露量を残留基準以下にして、摂取量を算出するくらいなら、残留実態に見合う低い残留基準を設定した方が、消費者の安全・安心につながる。

以上