受付番号 | 202006100000992227/0000992228/0000992231 |
提出日時 | 2020年06月10日13時34分/13時36分/13時47分 |
提出意見 |
■カルバリルの残留基準に関する意見である。 文字数制限のため、3分割して投稿する。 その1 【意見1】大麦ら農作物82種、畜産品6種、魚介の残留基準を削除しすることに賛成である。 [理由]1、国内外で、適用のない作物等に残留基準は不要である。 2、有機リン剤と同様アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害するカーバメート系で、劇物指定のある殺虫剤である。このような神経毒性のある農薬は、できるだけその摂取を減らすべきで、基準を低値すれば、国民の安心・安全につながる。 3、ラットの発がん性試験で、膀胱、肝臓、甲状腺及び腎臓、マウスでは、肝臓、腎臓及び血管(主に肝臓及び脾臓)に腫瘍の増加又は増加傾向が認められたが、非遺伝毒性メカニズムとされている。このような農薬の摂取を出来るだけ減らすべきで、基準を低値すれば、国民の安心・安全につながる。 【意見2】下記の食品の残留基準に反対である。残留実態を調べ、もっと低値にすべきである。 (1)米(玄米をいう。)1ppm [理由]1、玄米の残留データが不明なまま、精米の国際基準1ppmが採用されている。 2、国民全体区分のTMDIへの寄与率が約16%で、食品中で二番目に高い。 (2)小麦 2ppm [理由]1、残留データが不明な国際基準2ppmが採用されている。 2、小麦粉の国際基準0.2ppmより高い。 3、国民全体区分のTMDIへの寄与率が約12%で、食品中で三番目に高い (3)パセリ 22ppm [理由]1、パセリの残留データが不明で、アメリカのほうれんそう(最大残留値18.9ppm)が参照されている。同国の残留試験6事例で、最大残留基準はバラツキが大きく、0.88ppmの事例もある。試験をやり直す必要がある。 2、日本のほうれんそうの残留基準は現行1.0ppmから、一律基準に強化されている。 3、パセリの現行基準は10ppmと高く、さらに緩和してアメリカの基準22ppmを採用している。ほうれんそうとパセリを同一区分とするのはおかしい。 (4)その他のなす科野菜 5ppm [理由]1、現行基準10ppmが強化され、残留データが不明な国際基準5ppmが採用されたが、まだ、高すぎる。 (5)しろうり 3ppm [理由]1、しろうりの残留データはなく、アメリカのカンタロープ(最大残留値1.19ppm)、きゅうり(0.17ppm)、サマースカッシュ(0.18pppm)が参照されており、現行基準3ppmとかわりないが、高すぎる。 2、日本のきゅうりの残留基準は現行3ppmから、一律基準に強化されている。 (6)まくわうり (果皮を含む。) 3ppm [理由]まくわうりの残留データはなく、アメリカのカンタロープ(最大残留値1.19ppm)、きゅうり(0.17ppm)、サマースカッシュ(0.18pppm)が参照されており、現行基準3ppmとかわりないが、高すぎる。 2、日本のきゅうりの残留基準は現行3ppmから、一律基準に強化されている。 (7)その他のうり科野菜(とうがんを除く。)3ppm [理由]1、具体的な作物の残留データはなく、アメリカのカンタロープ(最大残留値1.19ppm)、きゅうり(0.17ppm)、サマースカッシュ(0.18pppm)が参照されており、現行基準3ppmとかわりないが、高すぎる。 2、日本のきゅうりの残留基準は現行3ppmから、一律基準に強化されている。 (8)みかん(外果皮を含む。)15ppm [理由]1、温州みかんの残留試験4事例で、最大残留値5.57ppmであり、果肉で0.20ppm、果皮で34.2ppmである。 2、果肉の基準1.0ppmがなくなり、果実の国際基準15ppmが採用されている。 (9)なつみかんの果実全体 5ppm [理由]1、残留試験4事例で、最大残留値1.75ppmであり、果肉で0.094ppm、果皮で6.07ppmである。 2、果実の現行基準7ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。 (10)レモン 15ppm [理由]1、レモンの残留データが不明な国際基準15ppmを採用している。 2、現行基準7ppmでも高いのに、さらに緩和している。 その2 【意見2】の(11)につづく その2、受付番号 202006100000992227 からのつづき 【意見2】の (11)オレンジ(ネーブルオレンジを含む。) 5ppm [理由]1、オレンジの残留データは不明で、なつみかん(最大残留値1.75ppm)が参照されている。 2、現行基準7ppmを5ppmに強化したが、まだ、高すぎる。 (12)グレープフルーツ 5ppm [理由]1、グレープフルーツの残留データは不明で、なつみかん(最大残留値1.75ppm)が参照されている。 2、現行基準7ppmを5ppmに強化したが、まだ、高すぎる。 (13)ライム 15ppm [理由]1、ライムの残留データが不明な国際基準15ppmを採用している。 2、現行基準7ppmでも高いのに、さらに緩和している。 (14) その他のかんきつ類果実(ぽんかんを除く。) 15ppm [理由]1、具体的なかんきつ類の残留データが不明な国際基準15ppmを採用している。 2、その他のかんきつ類果の現行基準7ppmでも高いのに、さらに緩和している。 (15)ネクタリン 10ppm [理由]1、ネクタリンの残留データは不明で、アメリカのもも(最大残留値5.46ppm)、すもも(最大残留値2.11ppm)、おうとう(最大残留値6.74ppm)を参照している。 2、現行基準10ppm高すぎるのに、アメリカ基準と同じである。 3、日本のすももの残留基準は、現行10ppmから一律基準に強化されている。 4、日本のももの残留基準は、現行1.0ppmから一律基準に強化されている。 (16)おうとう (チェリーを含む。) 7ppm [理由]1、アメリカでの残留試験6事例で、散布3日後の最大残留値6.74ppmである。 2、現行基準10ppm=アメリカ基準を、強化したが、まだ、高すぎる。 (17)ラズベリー 12ppm [理由]1、アメリカの残留試験4事例で、散布日後の最大残留値11.57ppmである。 2、現行10ppmでも高いのに、アメリカの基準12ppmに緩和している。 (18)ブラックベリー 12ppm [理由]1、ブラックベリーの残留データは不明で、アメリカのラズベリー(最高残留値11.57ppm)が参照されている。 2、現行基準10ppmでも高いのに、アメリカ基準12ppmに緩和している。 (19)ブルーベリー 3ppm [理由]1、アメリカの残留試験4例で、最大残留値2.49ppmである。 2.現行基準7ppmで、アメリカの基準3ppmに強化されたが、まだ、高すぎる。 (20)クランベリー 5ppm [理由]現行基準7ppmは、残留データが不明な国際基準5ppmに強化されたが、まだ、高すぎる。 (21)ハックルベリー 3ppm [理由]1、ハックルベリー の残留データは不明で、アメリカのブルベリー(最高残留値2.49ppm)が参照されている。 2、現行基準7ppmで、アメリカの基準3ppmに強化されたが、まだ、高すぎる。 (22)その他のベリー類果実 12ppm [理由]1、具体的なベリー類の残留データは不明で、アメリカのラズベリー(最高残留値11.57ppm)が参照されている。 2、現行基準7ppmでも高いのに、アメリカ基準12ppmに緩和されている。 (23)その他の果実(いちじくを除く。)30ppm [理由]具体的な作物の残留データが不明な国際基準30ppmが採用されている。 (24)その他のスパイス 80ppm [理由]1、みかんの果皮の残留試験4事例で、最大残留値34.2ppmである。 2、現行基準30ppmでも、高いのに、国際基準15ppmよりも、大幅に高くなっている。 (25)その他のハーブ 75 ppm [理由]1、具体的な作物の残留データはなく、アメリカのかぶの葉(最大残留値59.12ppm)が参照されている。 2、現行基準10ppmでも高いのに、国際基準0.1ppmに比べ、桁違いに高いアメリカ基準75ppmに緩和されている。 3.日本のかぶ類の葉の残留基準は、 10ppmから一律基準に強化されている。。 その3 【意見2】の(26)につづく その3 受付番号 202006100000992228 のつづき 【意見2】の (26)牛・豚・その他の陸棲哺乳類に属する動物その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 3ppm [理由]乳牛と肉牛による、MDB 又は STMR dietary burden とカルバリルを含む3濃度のカプセル飼料を経口投与した試験で、腎臓中の最大推定濃度は1.903ppmである。 2、動物医薬品として、牛に粉剤を散布した場合の投与1日後の腎臓での濃度は0.265mg/kgである。 3、カルバリル本体濃度だけでなく、代謝物H、代謝物AAとの合算値を基準にすべきである。 4、現行基準3ppm=国際基準と同等なママになっている。 (27)牛・豚・その他の陸棲哺乳類に属する動物その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 3ppm [理由]現行0.2ppmが緩和され、牛、豚などの腎臓が参照されている。 (28)鶏の脂肪 3ppm [理由]1、肉用鶏への水和剤噴霧試験で、統計学的解析による残留濃度は、皮膚2.7ppm、脂肪0.180ppmである。 2、現行基準5ppmが、強化され3ppmとなっているが、まだ、高すぎる。 3.鶏の肝臓、腎臓、食用部分では、現行5ppmが強化され、それぞれ、0.01、0.01、1ppmとなっている。 (29)米ぬか 50 ppm [理由]1、残留データ不明な国際基準170ppmが強化され、50ppmとなっているが、まだ、高すぎる。。 2、玄米の現行基準1.0ppm、精米の国際基準は1ppmである。玄米、残留試験をしないとだめ。 【意見3】全体的に残留基準が高すぎる。残留基準の決め方をあらため、残留実態を調査し、もっと低値にすべきである。 [理由]1、日本では、一律基準に強化されているものを、アメリカでの残留基準を参照として高い残留基準にしているのはおかしいなど、カルバリルの基準の決め方はおかしい。 、 2、【意見1】の理由2、理由3にのべたような、神経毒性や発がん性の報告のあるカルバリルは、出来る限り、その摂取を減らすよう、基準をさげる方が国民の安全・安心につながる。 3.摂取推定量の対ADI比は以下のようで、安全の目安であるTMDIの対ADI比は、すべての区分で80%を大きくこえている。そのため、多くの食品で残留基準値より低値の暴露量を仮定して、EDIを算出し、対ADI比を低くみせかけている。 区分 国民全体 幼小児 妊婦 高齢者 摂取推定量 TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI μg/人/day)1001.5 100.7 709.7 58.3 644.7 75.8 1230.3 117.0 ADI比(%) 249.0 25.0 589.2 48.4 151.0 17.8 300.4 28.6 ちなみに、米;残留基準1ppm→暴露量0.168ppm、小麦;2ppm→0.245ppm、 みかん;15ppm→0.098ppm、なす;1ppm→0.18ppm 4、TMDIへの寄与率が高いのは、国民全体区分で、みかん、こめ、小麦である。 5、短期摂取量ESTIにおいても、残留基準より低値の暴露量を仮定している食品が国民全体区分で39種、幼小児区分で15種ある。 ESTI/ARfD が20%以上なのは、下記である。 ・国民全体区分の比率 *:暴露量は残留基準より低値である。 100% しろうり* にがうり* 80% おうとう* 70% かぶの根* 50% とうがらし生* パセリ乾燥* グレープフルーツ* 40% ししとう* なつみかん* ブルーベリー* 30% だいこんの根* だいこんの葉* キャベツ パセリ生*、なす* オレンジ* きんかん* 日本なし* 西洋なし* 20% みかん* レモン*、ゆず* すだち* ・幼小児区分の作物別比率 *:暴露量は残留基準より低値である 80% なす*、オレンジ、 60% みかん*、日本なし* 50% だいこんの根* キャベツ、 30% にんじん* 20% 米*、りんご ちなみに、大豆;残留基準0.2ppm→暴露量0.05ppm、しろうり;3ppm→1.19ppm、 みかん;15ppm→0.2ppm、おうとう;7ppm→3.37ppm |