残留基準パブコメ20/02/27〜03/27 募集


ジフェノコナゾール
受付番号 202003220000982277/982278
提出日時 2020年03月22日17時00分/17時04分
提出意見 ■ジフェノコナゾール残留基準についての【意見】である
文字数制限のため2分割して投稿する。

その1
【意見1】ばれいしょの現行残留基準0.2ppmを 日本で認められない収穫後使用による輸入を可能にするため、4ppmに緩和することに反対である。
  [理由]1、カナダの残留試験16事例で、種子処理後の最大残留値0.096ppmである。
   2、日本やEUでは、収穫前の作物に殺菌剤としての用途はあるが、収穫後の適用はない。また、ばれいしょへの適用登録もない。
   3.収穫後の作物への適用は、食品添加物・防黴剤として認可されなければ使用できない、わたしたちは、いままでも、アゾキシストロビン、ピリメタニル、フルジオキソニル、プロピコナゾールらの農薬が、日本で適用のない方法で、柑橘類や果実類での使用を可とするため、高い残留基準を設定することにに反対してきた。
   4.米国、カナダでは、収穫前の農薬として、小麦、とうもろこし、ばれいしょ等に使用され、収穫後の防かびを目的として、キャッサバ、さといも、ばれいしょ等に対し、塊茎にスプレー液として処理されるため、米国では4.0ppm、カナダでは4ppmの残留基準で使用が認められており、この基準が採用されている。。
   5、本成分は、マウスの18カ月発がん性試験で、肝細胞腺腫及び肝細胞癌が認められるが、非遺伝毒性メカニズムと考えられている。また、浸透性農薬であり、ポテトチップその他、ばれいしょ加工品にも残留してくる。このような農薬の摂取は出来る限り減らすべきで、収穫後にの食品添加物・防黴剤として使用することは、許可すべきでない。
   6、TMDIへの寄与率が国民全体区分で21%と食品中で一番たかい。


【意見2】いままでのパブコメ意見で下記食品の残留基準について、残留データが明白でないなどの理由で反対してきたが、そのまま据え置かれている。残留実態を調査し、見直すべきである。

(1)大豆 0.1ppm
(2)アボガド 0.6ppm
(3)なたね 0.2ppm
(4)キャベツ 2ppm
(5)芽キャベツ 2ppm
(6)カリフラワー 2ppm
(7)ブロッコリー 2ppm
(8)その他のあぶらな科野菜 2ppm
(9)アーティチョーク 2ppm
(10)レタス(サラダ菜及びちしゃを含む。) 2ppm
(11)ねぎ(リーキを含む。) 6ppm
(12)その他のゆり科野菜 9ppm
(13)パセリ 25ppm
(14)セロリ 10ppm
(15)ピーマン 2ppm
(16)うめ 3ppm
(17)おうとう(チェリーを含む。) 3ppm
(18)いちご 2ppm
(19)ブルーベリー 4ppm
(20)ぶどう 4ppm
(21)その他の果実 2ppm
(22)茶 15ppm
(23)その他のハーブ 35ppm
(24)牛、豚、その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓。腎臓、食用部分 2ppm
(25)とうがらし(乾燥させたもの) 5ppm

その2の 【意見3】につづく。

その2 受付番号 202003220000982277  からのつづき

【意見3】前年の案でも全般的に残留基準が高すぎ、もっと低値にすべきであるとしてきたが、今回、ばれいしょの収穫後の使用により、TMDIが大幅に増加した。
 見栄え悪化防止を目的に、銀か病 や乾腐病対策へのスプレー処理がばれいしょの塊茎に行われることも、看過できない。1回スプレー 処理を行った際の 最大残留値が3.58mg/kg であったことから。 残留基準は4ppmとなり、4ppm以上残留しないよう処理することが使用基準となっている。

  [理由]1、TMDIの対ADI比が2019年には、一般で106.7%、幼小児で187.0%、妊婦で87.2%、高齢者で125.1%と安全の目安の80%を超えており、2020年にはさらに増加した。特に、ばれいしょの基準緩和の影響がおおきく反映している。
 また、ほとんどの食品で、暴露残留量を残留基準より低くしたEDIを算出し、対ADI比を目安の80%以下に見せかけている。それでも、幼小児区分では、70.2%である。
 たとえば、こ米残留基準0.2ppm⇒暴露残留量0.366ppm、キャベツ2ppm⇒0.35ppm、ぶどう4ppm⇒0.73ppm、茶15ppm⇒0.7ppmなどである。

 2019年    ばれいしょの残留基準0.2ppm、暴露残留量0.04ppm
 区分   国民全体    幼小児     妊婦     高齢者
 推定摂取量   TMDI  EDI   TMDI  EDI   TMDI  EDI  TMDI  EDI
 μg/人/日   564.6 119.6 296.2 67.5 489.7 107.0 673.9 138.5
 対ADI比(%) 106.7 22.6 187.0 42.6 87.2 19.1 125.1 25.7
 
 2020年 ばれいしょの残留基準4ppm、暴露残留量1.2ppm
 区分   国民全体    幼小児     妊婦     高齢者
 推定摂取量   TMDI  EDI   TMDI  EDI   TMDI  EDI  TMDI  EDI
 μg/人/日    738.3 169.0 447.4 111.3 669.8 158.1 843.5 185.1
 対ADI比(%)  139.6 31.9 282.4 70.2 119.3 28.1 156.6 34.4

  2、短期推定摂取量ESTIの算出に際しても、暴露数値を残留基準よりも、低値(残留試験の中央値)にしている食品が、国民全体区分で64種、幼小児区分で36食品である。残留基準をもっと下げた方が、国民の安全・安心につながる。
   ESTIの対ARfD比は、一般区分で 20%がセロリ、幼小児区分で20%がばれいしょ*、ねぎ、もも、ぶどう* である(*は暴露残留量<残留基準)。

  3、マウスの18か月発がん性試験で、肝細胞腺腫及び肝細胞癌が認められたが、非遺伝毒性メカニズムと考えられた。しかし、放射線や他の発がん物質の相乗的影響、がん患者への影響が不明なことを考えると、このような農薬は、出来る限り、その摂取を減らすべきで、残留基準を低く設定することが、消費者の安全・安心につながる。

以上