残留基準パブコメ19/12/16〜20/01/14 募集


フロニカミド
受付番号 202001120000961739/961742/961744/961748
提出日時 2020年01月12日14時32分/14時44分/14時47分/14時53分
提出意見 ■フロニカミドの残留基準についての【意見】である。
文字数制限のため、4分割する。

その1
【意見1】下記の残留基準を2ppm以上にすることに反対する。代謝物を含め、もっと低値にすべきである。
(1)だいこん類(ラディッシュを含む。)の葉 20ppm
  [理由]1、アメリカでの残留試験5事例で、最大残留値9.336ppm(代謝物を含む)であるが、日本での残留試験2事例では、最大残留値2.22pppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準16ppmが。緩和され、残留データ不明の国際基準20ppmが援用されている。

(2)クレソン 15ppm
  [理由]現行基準4ppmが緩和され、残留データ不明の国際基準15ppmが援用されている。

(3)はくさい 15ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値0.74ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準2ppmが緩和され、残留データ不明の国際基準15ppmが援用されている。

(4)ケール 15ppm
  [理由]現行基準16ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準15ppmが援用されている。まだ、高すぎる

(5)こまつな 15ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値2.01ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準16ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準15ppmが援用されている。

(6)きょうな 15ppm
  [理由]1、みずなの残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値1.90ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準16ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(7)チンゲンサイ 15ppm
  [理由]現行基準16ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準15ppmが援用されている。まだ、高すぎる。

(8)ブロッコリー 3ppm
  [理由]1、残留試2事例で、散布1日後の最大残留値1.53ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準5ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準2ppmより高い。

(9)その他のあぶらな科野菜 15ppm
  [理由]現行基準16ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準15ppmが援用されている。まだ、高すぎる。

(10)エンダイブ 2ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布7日後の最大残留値1.08ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準4ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(11)しゅんぎく 10ppm
  [理由]1、残留試験3事例で、最大残留値3.71ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準4ppmがさらに緩和されている。

(12)その他のきく科野菜 2ppm
  [理由]1、食用ぎくの残留試験2事例で、最大残留値0.87ppm(代謝物を含む)であり、きくの2事例で、最大残留値0.80ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準4ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(13)ねぎ(リーキを含む。) 2ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、最大残留値1.04ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準3ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(14)パセリ 15ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値8.04ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準4ppmがさらに緩和されている。

(15)セロリ 3ppm
  [理由]1、日本での残留試験3事例で、散布1日後の最大残留値1.22ppm(代謝物を含む)であり、アメリカでの残留試験6事例で、散布1日後の最大残留値1.027ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準4ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準1.5ppmよりも高い。

(16)その他のせり科野菜 2ppm
  [理由]1、具体的な作物の残留データが不明なまま、現行基準4ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

その2 フロニカミドの【意見1】(17)につづく

 その2 受付番号 202001120000961739からの続き
フロニカミドの【意見1】
(17)ピーマン 2ppm
  [理由]1、日本での残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値1.18ppm(代謝物を含む)であり、アメリカでの6事例で、散布0日後の最大残留値0.261ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準3ppmが強化されたが、残留データ不明の国際基準0.4ppmより高い。

(18)ほうれんそう 20pm
  [理由]1、残留試験6事例で、散布1日後の最大残留値5.58ppm(代謝物含む)である。
   2、現行基準9ppmがさらに緩和され、残留データ不明の国際基準20ppmが援用されている。

(19)未成熟えんどう 2ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値0.85ppm(代謝物含む)である。
   2、残留データ不明の国際基準0.8ppmより高い。

(20)未成熟いんげん 2ppm
  [理由]1、残留試験4事例で。散布1日後の最大残留値1.61ppm(代謝物含む)である。
   2、残留データ不明の国際基準0.7ppmより高い。

(21)えだまめ 2ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布7日後の最大残留値1.91ppm(代謝物含む)である。
   2、現行基準5ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(22)その他の野菜 3ppm
  [理由]1おかひじきの残留試験2事例で、散布3日後の最大残留値1.40ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準4pmが強化されたが、残留データ不明の国際基準0.8ppmより高い。

(23)レモン 2ppm
  [理由]1、レモンの残留データは不明で、すだち(最大残留値1.12ppm)、かぼす(最大残留値1.06ppm)が参照されている。
   2、現行基準3ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(24)オレンジ(ネーブルオレンジを含む。) 2ppm
  [理由]1、オレンジの残留データは不明で、すだち(最大残留値1.12ppm)、かぼす(最大残留値1.06ppm)が参照されている。
   2、現行基準3ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(25)グレープフルーツ 2ppm
  [理由]1、グレープフルーツの残留データは不明で、すだち(最大残留値1.12ppm)、かぼす(最大残留値1.06ppm)が参照されている。
   2、現行基準3ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(26)ライム 2ppm
  [理由]1、ライムの残留データは不明で、すだち(最大残留値1.12ppm)、かぼす(最大残留値1.06ppm)が参照されている。
   2、現行基準3ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(27)その他のかんきつ類果実 2ppm
  [理由]1、すだちの残留試験1事例で、最大残留値1.12ppm(代謝物含む)である。
   2、かぼすの残留試験1事例で、最大残留値1.06ppm(代謝物を含む)である。
   3、現行基準3ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(28)クランベリー 2ppm
  [理由]残留データが不明な国際基準1.5ppmより高い。

(29)ぶどう 2ppm
  [理由]1、残留試験4事例で、最大残留値は1.07ppmであるが、最大残留値2.02ppm(代謝物を含む)である。
   2、現行基準5pmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(30)茶 30ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、荒茶の散布7日後の最大残留値25.5ppm(代謝物含む)、湯浸出の最大残留値21.1ppm(代謝物含む)である。
   2、現行基準40ppmが強化されたが、まだ、高すぎる。

(31)ホップ 20ppm
  [理由]1、アメイリカの残留試験4事例で、最大残留値1.12-11.46ppm(代謝物を含む)であり、ばらつきが大きい。。
   2、現行基準5ppmがさらに緩和されている。

(32)その他のスパイス 10ppm
  [理由]みかん果皮の残留試験6事例で、最大残留値4.48ppm(代謝物含む)である。

(33)スペアミント 6ppm
  [理由]残留データが不明な国際基準6ppmが援用されている。

(34)ペパーミント 6ppm
  [理由]残留データが不明な国際基準6ppmが援用されている。

(35)その他のハーブ 15ppm
  [理由]残留データが不明な国際基準15ppmが援用されている。

(36)トマトペースト 7ppm
  [理由]現行基準2ppmを緩和し、残留データが不明な国際基準7ppmが援用されている。
その3 フロニカミド【意見2】に続く

 その3 受付番号 202001120000961742   からの続き
フロニカミド
【意見2】 いままでのパブコメ意見で、最大残留値にくらべ基準値が高い/残留データが不明であるなどの理由で、下記食品の残留基準を、残留実態を調べて、もっと低値にするよう求めたが、改善されていない。再考を求める。
(1)キャベツ 2ppm
(2)芽キャベツ 2ppm
(3)カリフラワー 2ppm
(4)レタス 15ppm
(5)みつば 5ppm
(6)その他のなす科野菜 2ppm
(7)きゅうり 2ppm
(8)おうとう 2ppm
(9)いちご 2ppm


【意見3】下記の畜産品について、残留基準を0.1ppm以上に設定することに反対である。残留実態を調べ、もっと低値にすべきである。
(1)牛、豚、その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉 0.2ppm
  [理由]1、乳牛にフロニカミド及び代謝物混合飼料を2.5-23.69ppm給餌して得られたMDB、STMEからの推定残留値をもとにしているが、残留実態は調査されていない。
   2、現行基準0.08ppmを緩和し、国際基準0.15ppmより高い。

(2)牛、豚、その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓、腎臓、食用部分 0.2ppm
  [理由]1、乳牛にフロニカミド及び代謝物混合飼料を2.5-23.69ppm給餌して得られたMDB、STMEからの推定残留値をもとにしているが、残留実態は調査されていない。
   2、現行基準0.08ppmを緩和し、国際基準0.2ppmを援用している。

(3)乳 0.2ppm
  [理由]1、乳牛にフロニカミド及び代謝物混合飼料を2.5-23.69ppm給餌して得られたMDB、STMEからの推定残留値をもとにしているが、残留実態は調査されていない。
   2、現行基準0.03ppmを緩和し、国際基準0.15ppmより高い。

(4)鶏、その他の家禽の筋肉、肝臓、腎臓、食用部分 0.1ppm
  [理由]1、鶏にフロニカミド及び代謝物混合飼料を0.25-25.83ppm給餌して得られたMDB、STMEからの推定残留値をもとにしているが、残留実態は調査されていない。
   2、現行基準0.03ppmを緩和し、国際基準0.1ppmを援用している。

(5)鶏、その他の家禽の卵 0.2ppm
  [理由]1、鶏にフロニカミド及び代謝物混合飼料を0.25-25.83ppm給餌して得られたMDB、STMEからの推定残留値をもとにしているが、残留実態は調査されていない。
   2、現行基準0.04ppmを緩和し、国際基準0.15ppmを援用している。

その4 フロニカミドの【意見4】につづく

 その4 202001120000961744 からの続き からの続き

フロニカミド
【意見4】全体的に残留基準が高すぎる。残留実態を調べ、もっと低値にすべきである。

 [理由]1、食品安全委員会の健康影響評価で、設定されたADIは0.078mg/kg体重/日、一般にたいするARfD3mg/kg体重、妊婦に対するARfD1mg/kg体重には反対であるとして、次ぎの理由を挙げたが、当初案は是正されなかった。
 EUのADIが0.025mg/kg体重/日、ARfDは0.025mg/kg体重である/マウスを用いた発がん性試験において、肺腫瘍の発生頻度増加が認められている/ラットの発生毒性試験では、胎仔に頚肋骨の発現頻度増が認められている/発達神経毒性や発達免疫毒性についても、検討すべきである
 <参照>当グループの食品安全委員会へのパブコメ意見(2019/03)
    http://home.catv.ne.jp/kk/chemiweb/kiji2/flo190307.txt

  2.推定摂取量TMDIの対ADI比は各区分で下記のようで、2013年より、2019年のTMDIが、大幅にへったのは、わたしたちのパブコメ意見を受け容れ、こむぎの残留基準が5ppmから0.1ppmに、だいずが5ppm→0.7ppmに強化された影響が大きい。しかし、まだ、はくさい、レタス、ほうれんそう、茶などのTMDIへの寄与率が高いことが懸念される。

          国民全体  幼小児  妊婦   高齢者 
  2013年TMDI    2006.9   1185.7  1895.8  1976.1
  TMDI/対ADI%  51.6    102.8   44.5   49.9

  2019年TMDI    国民全体  幼小児  妊婦  高齢者  
     μg/人/日    1632.9 731.1 1559.0 2015.3
  TMDI/対ADI%   40.6 60.7 36.5 49.2

  3、2019年度は、いくつかの代謝物を含んだ残留試験結果が示されたものの、残留基準でなく、暴露値を作物残留試験成績の平均値であると仮定して、上記より低いTMDIが算出されている。
   暴露値が残留基準より高いが同じ食品は小麦等23食品、低い食品はほうれんそう等79食品である。たとえば、こむぎ残留基準0.1ppm→暴露値1.445ppm、ほうれんそう残留基準20ppm→暴露値6.358ppmなどである。全体的には、暴露値が低くいため、下表のように、TMDIは低値になり、対ADI比を低くみせかけている。

 2019年TMDI    国民全体  幼小児  妊婦  高齢者  
     μg/人/日    855.9   402.8 813.2 1029.2
  TMDI/対ADI%  21.3 33.4 19.0 25.1 


  4、短期摂取量ESTIの算出においては、残留基準よりひくい暴露値(作物残留試験における最高残留濃度又は中央値を用いた)用いた食品が国民全体区分で42(代謝物加算の場合は39)、幼小児区分で23(代謝物加算の場合は22)、妊婦区分で37(代謝物加算の場合は38)あり、算出されたESTIを低値にしている。
    ESTI/ARfD比が10%を超えるのは、妊婦区分のはくさいで、残留基準=暴露値=15ppmの場合、20%である。しかし、これは、ARfD1mg/kg体重とした場合であり。EUと同じ0.025mg/kg体重とすれば、(別紙4-3)のESTI/ARfD比は、例示された数値の40倍となる。

  5、上記のような数値遊びはやめ、残留実態にみあった基準を設定すればよい。国民の安心・安全につながる。
以上