残留基準パブコメ19/12/16〜20/01/14 募集


ダイアジノン
受付番号 202001120000961699/61700
提出日時 2020年01月12日10時09分/10時12分
提出意見  ■ダイアジノンの残留基準についての【意見】である
文字数制限のため2分割する。
その1
【意見1】コメなど63食品の残留基準の削除に賛成である。ただし、一律基準を0.01ppmよりひくくすべきである。
  [理由]1、 国内外で適用のない作物に残留基準を設定する必要はない。
   2、タイアジノンは、神経毒性を有する有機リン剤であり、ラットの 2 世代繁殖試験において、交尾率及び妊娠率の低下が認められている。このような成分はできるだけ、摂取を減らすべきで、そのため、基準値を低くすべきである。
   3、食品安全委員会は、ラットの無毒性量を0.02mg/kg体重/日、イヌの無毒性量が0.015mg/kg体重/日であるとしたにも拘らず、最小無毒性量0.1mg/kg体重/日と評価し、安全係数100で除してADIは0.001mg/kg体重/日としたため、わたしたちはもっと低値にすべきとしている。ちなみに、EUのADIは0.0002mg/kg体重/日、ARfDは0.025mg/kg体重である。
   4、暴露評価にもちいられた数値には、0.01ppmより低値なものが多数ある。


【意見2】下記の食品の残留基準に反対である。もっと低値にすべきである。

(1)キャベツ 0.5ppm
  [理由]1、残留試験12事例で、最大残留値0.018ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
    3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.5ppmを援用している。

(2)ブロッコリー 0.5ppm
  [理由]1、残留試験4事例で、最大残留値<0.005ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
   3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.5ppmを援用している。

(3)レタス 0.5ppm
  [理由]1、レタスの残留試験6事例で、最大残留値0.065ppmであり、サラダ菜の残留試験2事例で、最大残留値0.028ppm、リーフレタス6事例で、最大残留値0.02ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
    3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.5ppmを援用している。

(4)にんじん 0.5ppm
  [理由]1、残留試験6事例で、散布日後の最大残留値0.013ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
    3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.5ppmを援用している。

(5)トマト 0.5ppm
  [理由]1、残留試験10事例で、最大残留値0.139ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
    3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.5ppmを援用している。

(6)ほうれんそう 0.5ppm
  [理由]1、残留試験6事例で、最大残留値0.022ppmである。
   2、TMDIへの寄与率が高い。
    3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.5ppmを援用している。

(7)りんご 0.3ppm
  [理由]1、残留試験10事例で、最大残留値0.076ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
   3、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明の国際基準0.35ppmを援用している。

(8)もも(果皮及び種子を含む) 2ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布1日後の最大残留値1.24ppmであるが、果肉は6事例で、最大残留値0.020ppm、果皮は8.14ppmである。
    2、TMDIへの寄与率が高い。
    3.残留データ不明の国際基準は0.2ppmである。

(9)すもも 1ppm
 [理由]1、残留試験2事例で、最大残留値0.014ppmである。
   2、残留データが不明な国際基準1ppmを援用している。

(10)おうとう 1ppm
 [理由]1、残留試験3事例で、最大残留値0.014ppmである。
   2、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明な国際基準1ppmを援用している。

その2 ダイアジノンの【意見2】(11)につづく

 その2 受付番号 202001120000961699 からのつづき
ダイアジノン【意見2】
(11)かき 0.3ppm
  [理由]1、残留試験4事例で、最大残留値0.185ppmである。
   2、現行基準0.1ppmを緩和し、残留データが不明な国際基準0.3ppmを援用している。

(12)その他のスパイス 5ppm
  [理由]具体的な作物の残留データ不明な国際基準5ppmを援用している。

(13)すもも(乾燥させたもの) 2ppm
 [理由]1、すももの残留基準に対する、乾燥加工係数が不明である。
   2、残留データが不明な国際基準2ppmを援用している。

(14)魚介類 0.03ppm
  [理由] 魚には使用されないので、本来ゼロであるべきだい。PEC値とBCFssをベースにした推定値から得た推定残留値0.023ppmを参照している。水系での実測値をベースにすべきである。


【意見3】全般的に残留基準が高すぎるため、残留実態を調査し、より低い値に設定すべきである。
  [理由]1、TMDI/ADI比は、下記のようで、いずれの区分でも190-447%で安全の目安の80%を大きく超えている。とくに、キャベツ、トマト、にんじん、ほうれんそうホウ、りんご、ももの寄与率が高い。
 そのため、EDIの算出では、残留基準より低い曝露値(作物残留試験結果より求めたSTMR)が、約80食品で採用され、対TDI比を低くみせている。たとえば、キャベツの場合、残留基準0.5ppmのところ、暴露値は0.01ppm、トマトでは、基準0.5ppm→暴露0.12ppmとして、算出されている。

  区分 国民平均  幼小児    妊婦     高齢者
  TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI
  推定摂取量μg/kg/日 112.7 19.9 73.8 12.3 111.3 18.9 130.8 23.6
  ADI比  %    204.5 36.1 447.1 74.7 190.3 32.4 233.1 42.0

   2、意見1の理由2、3で述べたように、動物実験で繁殖への影響がみとめられているうえ、ADIはEUよりも高く設定されていることも懸念される。このような成分の摂取は出来るだけ減らすべきであリ、基準の設定においては、残留実態を反映させるがよい。

   3、短期摂取量ESTIの算出においても、評価に用いられた暴露値(作物残留試験における最高残留濃度HR又は中央値)を残留基準より低値とした食品が国民全般区分で45、幼小児区分26である
 わたしたちは、ESTI/ARfD比が個別食品ごとに10%を超えないことを求めており、
 以下に20%以上の食品を示す。
 ・国民全体区分のESTI/ARfD 下記のようである。
  30%:もも*
  20%:トマト*、プルーン*
 ・幼小児区分のESTI/ARfD 下記のようである。
  80%:もも*
  50%:トマト*
  30%:ほうれんそう*、りんご*
  20%:キャベツ*、にんじん*、メロン*。かき*

   *は低い暴露値で算出したもので、残留基準値を用いるともっと高くなる。
    たとえば、メロンは暴露値0.22ppmで国民全体区分で10%だが、残留基準0.6ppmでは27%を超える。
以上