残留基準パブコメ19/12/16〜20/01/14 募集


ビフェントリン
受付番号 202001120000961701/961702
提出日時 2020年01月12日10時15分/10時21分
提出意見 ■ビフェントリンの残留基準についての【意見】である。
文字数制限のため、2分割する。
その1
【意見1】ライ麦など13食品の基準の削除に賛成である。
  [理由]1、国内外で適用のない作物等に基準は不要である。
   2、マウスの発がん性試験で、雄の膀胱で平滑筋肉腫(粘膜下腫瘍)の発生率が有意に増加したが、ヒトに対して発がん性を有する可能性は極めて低いと考えられた。このような成分の摂取は出来るだけ、減らすべきである。

【意見2】下記の食品の残留基準を2ppm以上にすることに反対である。残留実態を調査し、もっと低値にすべきである。

(1)だいこん類(ラディッシュを含む。)の葉 4ppm
  [理由]1、残留試験2事例で、散布日後の最大残留値0.322ppmである。
   2、現行10ppmが残留データが不明な国際基準4ppmに強化されたが、まだ、高すぎる。

(2)みかん(外果皮を含む。) 2ppm
  [理由]1.残留試験6事例で、果実の最大残留値0.541ppmであり、果肉で0.02ppm、果皮で3.1ppmである。
   2、残留データが不明な国際基準0.05ppmより緩い。

(3)びわ(果梗こうを除き、果皮及び種子を含む。) 2ppm
  [理由]1.残留試験2事例で、果実の最大残留値0.727ppmであり、果皮で:22.0ppm、6事例で、果肉の最大残留値は0.005-0.43ppmである。
   2、現行基準0.1ppmが緩和されている。

(4)ブルーベリー 3ppm
  [理由]現行基準2ppmが緩和され、残留データ不明の国際基準3ppmが援用されている。

(5)ハックルベリー 3ppm
  [理由]残留データ不明の国際基準3ppmが援用されている。

(6)牛、豚、その他の陸棲せい哺乳類に属する動物の筋肉 3ppm
 [理由]1、現行基準0.5ppmを緩和して、牛等の脂肪を参照している。
   2、乳牛を用いた、5-50ppmのビフェントリン含有飼料の経口投与試験で得たMDBとSTMRと家畜残留試験結果から、畜産物中の推定残留濃度を算出しており、残留実態調査がなされていない。


【意見3】いままでのパブコメ意見で、当該作物の残留データが明らかでない/残留実態が反映されていないなどの理由で、下記について、残留基準を低値にするよう求めたが、いぜんとして、是正されていない。再考を求める。

(1)かぶ類の葉 4ppm
(2)ケール 4ppm
(3)こまつな 4ppm
(4)きょうな 4ppm
(5)チンゲンサイ 4ppm
(6)その他のあぶらな科野菜 4ppm
(7)レタス 3ppm
(8)パセリ 3ppm
(9)その他の野菜 2ppm
(10)なつみかんの果実全体 2ppm
(11)レモン 2ppm
(12)オレンジ 2ppm
(13)グレープフルーツ 2ppm
(14)ライム 2ppm
(15)その他のかんきつ類果実 2ppm
(16)おうとう 2ppm
(17)茶 30ppm
(18)ホップ 20ppm
(19)その他のスパイス 10ppm
(20)その他のハーブ 4ppm
(21)小麦ふすま 2ppm
(22)小麦 0.5ppm
(23)牛、豚、陸棲せい哺乳類に属する動物の脂肪 3ppm

その2 ビフェントリン【意見4】につづく

 その2 受付番号 202001120000961701 からのつづき

ビフェントリン
【意見4】全般的に残留基準が高すぎるため、残留実態を調べ、より低い値に設定すべきである。
  [理由]1、TMDIは、前回パブコメ時より、さらにふえ、下記のようにTMDI/ADI比は、いずれの区分でも100%を超え、食品からの摂取をADIの80%を超えないようにするという原則に反する。とくに、陸棲哺乳類の肉類、茶、ミカン、オレンジ、小麦、レタスなどのTMDIへの寄与率が高い。
 そのため、EDIの算出では、残留基準より低い曝露値(作物残留試験成績の平均値)が、約70食品で採用され、対ADI比を低くみせている。たとえば、茶の場合、残留基準30ppmのところ、暴露値は0.2ppmとして、算出されている。

  区分 国民平均  幼小児    妊婦     高齢者
  TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI TMDI EDI
  推定摂取量μg/kg/日 796.8 136.3 462.0 97.7 727.5 145.1 889.0 145.9
  ADI比  %    144.6 24.7 280.0 59.2 124.4 24.8 158.5 26.0

 2、意見1の理由2に述べたように、動物実験で発がん性がみとめられており、このような成分の摂取は出来るだけ減らすべきである。

 3、残留実態を調べ、残留試験結果よりも低ければ、それに見合うよう、低い残留基準を設定した方が、消費者の安全・安心につながる。

 4、短期摂取量の算出においては、残留基準よりも低い暴露値(作物残留試験における最高残留濃度又は中央値)を採用した食品は、国民全体区分で48、幼小児区分で24であった。わたしたちは、ESTI/ARfD比が個別食品ごとに10%を超えないことを求めており、
 以下に20%以上の食品を示す。

 ・国民全体区分のESTI/ARfD 下記のようである。
   70%:だいこんの葉
   30%:ケール*、チンゲンサイ*、たかな*
   20%:こまつな*、ぶどう、日本なし、
    *は低い暴露値で算出したもので、残留基準値を用いるともっと高くなる。
    たとえば、ケール、チンゲンサイ、たかななどは、約60%となる。
    また、暴露値では10%のきょうな、菜の花は、20%近くになる。

 ・幼小児区分のESTI/ARfD 下記のようである。
   40%:こまつな*/もも*/ぶどう、30%:すいか*/日本なし、
   20%:いちご/メロン/なす/レタス類*/はくさい
    *は低い暴露値で算出したもので、残留基準値を用いるともっと高くなる。
    たとえば、こまつなは約80%となる。
    また、トマトは暴露値0.188ppmで10%だが、残留基準0.5ppmでは25%を超える。
以上