残留基準パブコメ<案件番号> 495190220   <募集期間> 2019/10/07〜11/05 ******************************************************************************  食品衛生法施行規則の一部を改正する省令(案)」(プシコースエピメラーゼの添加物への指定)及び「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(案)」(食品中の農薬等(クロルピクリン等6品目)の残留基準設定及び食品添加物(プシコースエピメラーゼ)の規格基準の設定)に関する御意見の募集について  https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495190220&Mode=0 ■クロルピクリンについての【意見】です。 文字数制限のため、3分割して投稿します。 <受付番号> 201911050000912929/912930/912931 <投稿月日> 2019/11/05 その1 【意見1】わたしたちは、食品安全委員会が提案したADI0.001mg/kg体重/日。ARfD0.5mg/kg体重に対し、下記のような意見を述べて、反対したが。原案通り決定された。  同委員会の回答は。吸入暴露試験はあるが、経口投与量への換算ができないとし、評価の対象から、はずすとともに、食品以外からの評価は、厚労省らに伝えるとなっている。また、試験動物にみられる嘔吐は、刺激によるもので、ARfDに関するエンドポイントとはしないとも主張している。  今回のクロルピクリンの残留基準設定にあたって、厚労省へは、経気暴露について、どのように情報が伝えられたか、また、厚労省は食品以外からの摂取をどのように評価したかを教えてほしい。  参考のため、2018年10月に、同委員会が実施した「食品健康影響評価」についてのパブコメ意見として、下記<参考1>を投稿した。同委員会からの回答概要とともに、その一部を記す。   (1)クロルピクリンは、その使用によるヒトの健康被害が最も多い農薬の一つであり、ヒトの健康影響評価は、食品からの摂取を重視するのでなく、水や大気からの摂取の影響も評価すべきである。   (2)吸入毒性の評価が不十分のまま、ADIは 0.001 mg/kg 体重/日とすることに反対である    >参考文献として、環境省の「化学物質の環境リスク評価第 10 巻」にあるトリクロロニトロメタン をあげた。      http://www.env.go.jp/chemi/report/h24-01/pdf/chpt1/1-2-2-08.pdf    [両意見への回答]『食品安全委員会農薬専門調査会は、海外評価書にも記載のある、吸入暴露による急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性試験、発がん性試験、繁殖試験及び発生毒性試験について、経口投与量への換算ができないこと、また、経口投与によるGLP試験がリスク管理機関より提出されていることから、評価資料とはしませんでした。  食品以外からの摂取、環境への影響及び農薬使用による周辺への影響についてはリスク管理にも関するものと考えられることから、リスク管理機関である厚生労働省、農林水産省及び環境省に伝えます。』 』   (3)吸入毒性の評価が不十分のまま、ARfDを 0.5 mg/kg 体重とすることに反対である。  > [理由]として EU やカナダでは、ARfD は 0.001 mg/kg 体重とされている、をあげた。    [回答]EU及びカナダがARfDの設定根拠資料とするイヌを用いた1年間慢性毒性試験[評価書12.(1)]において、1.0 mg/kg体重/日以上投与群で嘔吐がみられましたが、食品安全委員会農薬専門調査会は、この所見は本剤の刺激性による影響と考え、ARfDのエンドポイントとしませんでした。   (4)クロピク使用地域での住民の疫学調査を実施して、公表すべきである。    [回答]いただいた御意見はリスク管理にも関係するものと考えられることから、リスク管理機関である厚生労働省、農林水産省及び環境省に伝えます。 <参考1>2018年の食品安全委員会への反農薬東京グループのパブコメ意見      http://home.catv.ne.jp/kk/chemiweb/kiji2/chlo181122.txt その2の 【意見2】につづく **** その2 受付番号 201911050000912929  からのつづき 【意見2】上述の食安委のパブコメで提案された農薬評価書においても、残留試験は 55 作物 67 品目で 193 件(うち社内試験 94 件)で、クロルピクリンはいずれも検出限界以下、多くは<0.005 ppm であった。 わたしたちは、『クロルピクリンの残留はないとされているが、同剤の組成の 64.7%は塩素であり、処理土壌で栽培した作物に塩素成分が、どのような化合物として、どの程度残留しているかを示されたい。』との意見を述べたが、同委員会の回答は、『リスク管理機関から提出された作物残留試験成績では、塩素を含む化合物が含まれる土壌で栽培した作物へのクロルピクリン以外の化合物に関する残留について、記載されていませんでした。  いただいた残留基準に係る御意見の内容については、リスク管理に関するものと考えられることから、厚生労働省に伝えます。』 で、あった。  厚労省は、どのような塩素系化合物の残留データを検討したか。また、どのように評価にしたかを、明らかにされたい。    [理由]EUのEFSAは、塩化物の摂取量を検討しており、『生後7-11ヶ月乳児に0.3mg/日』との記載がみられる、  <参考2> EFSA Journal(2019.09.03)、 Dietary reference values for chloride   https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5779   https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.2903/j.efsa.2019.5779 【意見3】今回提案された70食品すべての残留基準について、0.01ppmとすることに反対である。残留基準を設定せず、一律基準を0.005ppmよりも低い値にすべきである。さらに、処理によって生成する塩化物の基準を決めるべきである。   [理由]1.コメなど殆どの農作物の残留試験最大残留値<0.005ppmである。    2、きゅうり、ふきのとうの残留試験はそれぞれ2事例で、最大残留値<0.01ppmであり、ふきの葉柄は<0.05ppmである。    3、クロルピクリンは、マウスの発がん性試験で、雌雄に肺の細気管支肺胞腺腫及び癌並びにハーダー腺腺腫、雌で前胃の扁平上皮乳頭腫及び癌の発生頻度増加が認められたが、腫瘍発生は非遺伝毒性メカニズムと考えらているが、このような農薬はその摂取を出来るだけ減らすべきである。そのためには、残留基準を低値に設定することが肝要である。 その3の 【意見4】につづく **** その3 受付番号 201911050000912930  からのつづき 【意見4】貴省は、クロルピクリンの健康影響を評価するのに、大気汚染や水汚染をどの程度と評価しているか。  化学物質過敏症のヒトへの健康影響をどう考えるか。わたしたちは、処理地域周辺住民の疫学調査をもとめているが、どう考えるか。   [理由]1、水道水の監視項目として、クロルピクリンの目標値は決められていないが、要検討農薬のひとつである。    2、下記のように、水道水や井戸水に検出され、人が健康被害を受ける事例がある。     ・94年3月、宮崎県串間市簡易水道にクロルピクリンが混入し、人の被害が明らかになった。     ・03年3月、栃木県大田市で農薬クロルピクリンが井戸水を汚染し、人の被害が明らかになった。     ・08年1月、秋田県潟上市で農薬クロルピクリンが井戸水を汚染し、人の被害が明らかになった。     ・08年3月、新潟市で農薬クロルピクリンが井戸水を汚染し人の被害が明らかになった。    3.水源に含有される恐れのあるフミン酸の塩素処理でクロルピクリンが生成する。    4.意見5の [理由]とも関連するが、大気汚染による住民の健康被害があとをたたない。また、化学物質過敏症患者への影響や住民の慢性的な健康への影響についての調査も実施されていない。 【意見5】農薬を所管する農水省や環境省に対し、貴省は、クロルピクリンの使用をやめるよう働きかけるべきである。   [理由]1、クロルピクリンは、揮発性の刺激物質で、土壌処理後被覆しても、大気中に揮散したり、水系を汚染する。作業者は、防具をつけるよう求められているが、処理地域の住民や生活者は防具をつけるどころか、処理時期やガス抜き時期すら周知されないこともあり。2018年にも青森県で住民の受動被曝による中毒が発生し、広島県でも住民の被害の訴えがある。  2、農薬取締法、農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令、通知「住宅地等における農薬使用について」、「農薬危害防止運動実施要綱」などによる行政指導も遵守されず、クロルピクリン事故が絶えない。  3、EUでは登録が削除され、カナダやオーストラリアなどでは、使用者に免許制度が採用されている <参考3>反農薬東京グループの作成資料     毒ガス兵器そのものが農薬として使用されている。被害は周辺住民に多い。      http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/chlo180214.doc    以上(受付番号 201911050000912931)