その1 「ペルメトリンの食品健康影響評価」意見募集担当 御中  文字数制限のため、5分割して送付します。 【意見1】ADIを0.05mg/kg体重/日とすることに反対である。もっ低値にすべきである。  [理由1]イヌの1年間慢性毒性試験による雌雄の無毒性5mg/kg 体重/日を根拠に設定さ れているが、ラット2年間慢性毒性/発がん性併合試験(まる番号1)では、雄の無毒性量 は4.7、マウス2年間慢性毒性/発がん性併合試験(まる番号1)では、雄で1.9 mg/kg体重/ 日と、根拠値より低い。後者では、試験期間中に用量の変更が行われているとされてい るが、試験経過がしめされていない。  [理由2]神経毒性があるにも拘わらず、発達神経毒性試験がない  [理由3]マウスの2年間慢性毒性/発がん性併合試験(まる番号2)において、雌で肝臓 及び肺の良性腫瘍の発生頻度増加が認められたとされているが、肝臓及び肺における腫 瘍性病変の発生頻度が雌雄で異なる理由が不明である。また、非遺伝性性メカニズムと する理由の説明が明確でない。 その2 【意見1】 [理由4]につづく その2 【意見1】 [理由3]からのつづき  [理由4]ペルメトリンを含む蚊帳オリセットを製造販売している住友化学は『蚊帳に 触れた手で直接食物など食べることを避けて下さい。また、アレルギーや皮膚かぶれ等 おこしやすい特異体質の人、及び病気の人は使用しないて下さい。』と注意喚起してい る。食品残留以外の経口摂取や大気経由の摂取も評価すべきである。  [理由5]マウスの試験で、ペルメトリンを含む母乳を与えた仔の脳発達への影響が示 唆されている。  東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎「内分泌かく乱物質の脳神経系機能発達への 影響と毒性メカニズム」    https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/report/heisei11/pdf/d-3-12.pdf  その3 【意見1】の [理由6]につづく その3 【意見1】 [理由5]からのつづき  [理由6]ペルメトリンのようなピレスロイド系殺虫剤とADHDの増加に関する疫学 調査がある。  (1)Developmental pesticide exposure reproduces features of attention deficit hyperactivity disorder   https://www.fasebj.org/doi/pdf/10.1096/fj.14-260901  (2)Association of pyrethroid pesticide exposure with attention-deficit/ hyperactivity disorder in a nationally representative sample of U.S. children  https://ehjournal.biomedcentral.com/track/pdf/10.1186/s12940-015-0030-y その4 【意見1】の [理由7]につづく その4 【意見1】の [理由6]からのつづき  [理由7]環境省パンフ「日本人における化学物質のばく露量について2017」によ れば、ヒトの尿中に、PBA(フェノキシ安息香酸)及びDCCA(ジクロロビニル-ジメ チルシクロプロパンカルボン酸が検出されており、これらはペルメトリンらに由来の代 謝物・分解物であるが、その毒性が評価されていない。  [理由8]EUでは、ペルメトリンの農薬登録は廃止されている。 その5 【意見2】につづく その5 【意見1】からのつづき 【意見2】ARfDを0.5mg/kg体重とすることに反対である。もっ低値にすべきである。  [理由1]ラットを用いた急性神経毒性試験(まる番号1)及び発生毒性試験(まる番号 1)の無毒性量 50 mg/kg 体重/日を根拠としているが、ラット90 日間亜急性神経毒性試 験(まる番号2)では、無毒性量は 雄:15.5、雌:18.7 各mg/kg 体重/日であり、根拠 値より低い。  [理由2]EPAは、 ラットの単回急性神経毒性試験(まる番号3)で、無毒性量を25 mg/kg体重を根拠に、aRfD 0.25 mg/kg体重としている。 以上