農薬空中散布関連のパブコメ2019/02/10から19/03/11


ドローンの農業利用の拡大に向けた規制改革に係る関係通知の整備に関する意見・情報の募集について
受付番号 201903100000516786/516787/516788/516789/516790/516791
提出日時 2019年03月10日21時24分/21時27分/21時31分/21時35分/21時37分/21時44分
提出意見 その1

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無人航空機による農薬散布において、飛行に関しては、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」(以下、審査要領)があり、また、農薬を空中散布する際には、国土交通省・農水省の「空中散布等を目的とした無人航空機の飛行に関する許可・承認の取扱いについて」(以下、両局長通知)と農水省の「空中散布における無人航空機利用技術指導指針」(以下、指導指針という)に基づき運用されている。
 今回の提案は、現行指導指針を廃止し、両局長通知を改定し、新ガイドラインを制定することが目指されているが、具体的の文案が示されていないため、これらに記載される内容についての意見を述べることができない。そこで、現行通知等の問題点を踏まえ、新たな改定通知や新ガイドラインに取りいれるべき内容についての意見を述べる。
 その前に、わたしたちは、『ヒトの健康被害や環境汚染防止及び生態系や生物多様性の維持のために、必要なのは、農薬そのものの使用を出来るだけ、減らすことである。この視点を忘れず、通知「住宅地等における農薬使用について」(以下、住宅地通知という。農薬を使用しない耕種的、物理的防除などを実施し、万一、散布する場合の周辺への周知などを求めている)の遵守が重要である。』ことを常に主張してきたことを強調しておく。

【意見1】今回の提案は、昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画にもとづき、農水省の「農業分野における小型無人航空機の利活用拡大に向けた検討会」や、内閣府の規制改革推進会議における第四次答申の「ドローンの活用を阻む規制の見直し」を踏まえ、飛行に関する技術的な観点からの主張がもとになって、まとめられたものである。
 わたしたちが問題視するのは、有人・無人ヘリコプターや手動操縦・自動操縦ドローンに関係なく、農薬の空中散布は、地上散布より、高所から、高濃度、広範囲に、短時間で、生理活性のある毒物を、開放系である圃場や水田、林地などに投下することで、ヒトの健康や環境・生態系に影響を与えて危険である。にも拘わらず、無人航空機で散布された農薬の飛散・蒸散によるヒトや環境への影響防止が軽視されていることである。


【意見2】無人航空機による農薬空中散布は、機種の区別なく、機体認定・保守点検、操縦者の認定、散布計画や実績の提出、事故報告の提出等について、指導指針や両局長通知でなく、国が法律で管理・運用することを求める。
 たとえば、道路交通法下の自動車運転の国家資格に類似した「無人航空機による農薬使用に関する法律」(仮称、以下「新法」という)を制定すべきである。
 わたしたちは、すでに、農水省令「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」(以下、遵守省令という)、現行指導指針や両局長通知にある以下に例示する事項などを法令とし、国による機体認定、操縦の免許制度をつくり、規制をきびしくすること求めてきた。
 空中散布による散布地域外への農薬飛散・蒸散や受動被曝防止のためには、無人航空機関連の通知だけではなく、有人ヘリコプター関連の農林水産事務次官依命通知「農林水産航空事業の実施について」にある『危害防止対策』や「農林水産航空事業実施ガイドライン」にある『事業実施に当たっての留意事項』には無人にも共通する事項があり、「新法」制定においては、その内容を取り入れるべきである。
 下記には、罰則の適用をも求めた要望をいくつか列挙しておく。後述する【意見】とともに、法令で条文化して、規制強化をはかるべきである。

 (2-1)国が法律で、無人航空機の機体を認定し、オペレーターの免許制度を導入する。

 (2-2)国が法律で、無人航空機による農薬防除業者の認定制度をつくるべきである。
    ⇒【意見3】も参照
 (2-3)指導指針記載事項(たとえば、理由3に示した事項)を遵守しない又はしなかった申請者、実施団体、防除業者やオペレーター(以下申請者等)には、飛行の許可や承認を規制又は禁止する。

 (2-4)空中散布等の実施に関して、事前の周知を行わない申請者等には、飛行の許可や承認を規制又は禁止する。

 (2-5)無人航空機の制御が不能になったり、制御者がミスして、万一墜落させても、ヒトの被害が発生しない措置をとることを義務付け、墜落機体及び原因申請者には、その後、飛行の許可や承認を規制又は禁止する。

その2 【意見2】の(2-6)につづく

その2  受付番号 201903100000516786    からつづく

 (2-6)無人航空機の事故はすべて、関係機関への届け出を義務付け、報告を提出しない申請者等には、飛行の許可や承認を規制又は禁止する。
  ここでいう事故は、機体の墜落、制御不能、制御ミスによるヒトの被害、農作物被害、機体の不時着や地上での接触事故、機体破損、架線切断・その他の物損、火災事故のほか、域外への農薬飛散・蒸散による、ヒトの健康被害や、対象外作物の生育障害、残留基準違反、有機・無農薬・減農薬農作物等の認定取消しなどもいう。

 (2-7)事故を起こした機体(撒布装置を含む)について、その後、飛行の許可や承認を規制又は禁止する。

 (2-8)事故を起こした実施団体、防除業者やオペレーターには、その後、飛行の許可や承認を規制又は禁止する

 (2-9)住宅地近くや山林などの非農耕地では、登録農薬だけでなく、非登録除草剤などの無人航空機散布を禁止する、

  [理由]1.現行航空法では、飛行申請と国交大臣への飛行申請とその許可・承認のみを義務づけているが、無人ヘリコプターの農薬散布事故は、あとをたたず、通知等では、減らすことができない。

   2、農薬空中散布は有害であるが故に遵守省令第四条(航空機を用いた農薬の使用)で、農薬使用計画書の農水大臣への提出が義務づけられて、違反すれば、罰則を科せられることになっているのは、有人ヘリコプターによる空中散布だけである。また、努力項目で、『風速及び風向を観測し、対象区域外に農薬が飛散することを防止するために必要な措置を講じる』となっているのも有人ヘリについてである。

   3、現行の指導指針には、無人ヘリコプターとドローンの区別はなく、危害防止対策の留意点として、以下の記載がある。
     ・周辺住民、周辺の作業環境に留意した実施計画の策定
     ・学校・病院等の公共施設、周辺住民等に対する実施計画の事前周知の徹底
     ・風速・風向等を考慮した、適切な条件下での実施
     ・実施区域への立入防止対策、農薬飛散低減対策の徹底
     ・機体等の保管管理の徹底
   これらは努力規定であり、地域のヒトや環境が農薬の影響を受けないようにするには、最低限の、あたりまえのことであるが、遵守されているとはいいがたく、散布による事故・危被害もあとをたたない。

   4、無人航空機による農薬空中散布は、地散と同じ登録要件で使用しても、空散要件にある高濃度の散布しても、違法とはならないが、散布高度や散布速度など使用条件の制限がないため、散布者が面積あたりの散布量規制を守るとはかぎらない。さらに、高い高度からの樹木への目視外での散布も可能となれば、手動による無人航空機の制御は困難である。指導内容を遵守するためには、法令による規制・罰則が必要である。

   5、住宅地に近接する非農耕地や山林でも無人航空機が使用される恐れがある。現に、ゴルフでは、無人航空機空中散布は実施されており、プレイ中の隣接コースで無人ヘリコプター空中散布が実施され、プレイヤーが被害を受けた事例がある。

   6、道路や鉄道での地上からの除草剤散布でも、飛散による農作物に被害が発生しており、青森県の事例では、ラウンドアップの地上散布で、作物被害は、道路から50mの範囲が全体の約88%、50mを超える範囲は約12%となっており、うち最大は110mであった。また、鉄道除草剤の被害も、線路から30m地点でみられている。高濃度での空中散布では、より広範な飛散被害が懸念される。

   7、空き地や競技場、公園などの非植栽地には、農薬とおなじ成分の登録のない除草剤が汎用されているが、これは、農薬とはされず、農薬取締法の範疇外であるため、無人航空機による空中散布に関する指導でを規制できない。さらに、目視飛行ができない山林で無人航空機による除草剤散布が検討されているが、高濃度で広範囲の空中散布が実施されると、水源や環境汚染につながる。

その3 【意見3】につづく

その3  受付番号 201903100000516787  のつづき

【意見3】国は、無人航空機による農薬防除業者について認定制度を実施し、一般散布者よりも厳しく監督すべきである。

 [理由]1.無人ヘリコプターは一機一千万円を超え、自動操縦ドローンは数百万円で、とても農家が個人所有できないし、その操作技術を習得するには教習費用もかかるため、防除業者が増加すると思われる。
 農薬取締法では、防除業者は、一般の農薬散布者と同等で扱われており、防除業者に届出を求めているのは、兵庫県防除業者に関する指導要綱ぐらいである。
 無人航空機の空中散布は、地上散布よりも、高濃度の散布液を使用し、域外飛散で、ヒトや環境への影響が大きいので、高度の飛行技術だけでなく、農薬やその散布についての知識も必要である。無人ヘリコプター、手動操縦ドローン、自動操縦ドローンに関係なく、多くの圃場で空散する防除業者の責任は重く、個人の操縦認定者と区別すべきである。

 2.このことは、【意見2】で述べた国による、無人ヘリコプター、手動操縦ドローン、自動操縦ドローンをひっくるめた、無人航空機農薬散布免許制度の中で運用すればよい。


【意見4】現行指導指針で登録認定機関となっているは、平成29年7月1日登録の農林水産航空協会だけであるが、その認定は、通知に基づくだけで、法令条文による根拠がない。今後も通知により、登録認定機関の増加が懸念される。そもそも、法律の条文に基づかない登録認定に際して、国民の意見を聞かず、行政や業界の意向を代表するものによって決定するのは法に反する。


【意見5】法律条文に基づかずに認定された登録認定機関等による農薬空中散布の代行申請や一括申請も違法である。
 (5-1)代行者による一括申請は行わず、農薬散布地域別の散布計画ごとに、当事者が申請すべきである。
  [理由]1、無人ヘリコプター・ドローンに関係なく、無人航空機による農薬散布の場合、農協など様々な関係者が実施団体を形成している場合もあるが、中には、防除業者や個人で実施するケースもある。関係者の住所・氏名は、個々の散布計画ごとに、散布目的、場所、期日、機体名、使用農薬に関する計画などすべてを書き、誰が散布しているかを明確にすべきであり、地域住民等への散布周知にも役立つ。

  2、事故が起こった時の責任者がはっきりしない場合がある。代行者による申請では、責任がうやむやになる。

  3、指導指針では、個々の無人航空機実施計画の報告が求められているが、これば、実施が適正か否かの判断にも役立つ。自治体によっては、独自の要綱などで、実施主体等に、散布計画の提出を求めている。この際、代行者による一括申請は行われていない。

 (5-2)包括申請について、現行は「一定期間継続して飛行を行う場合はその期間及び時間帯を記載すること。その場合、期間は90日以内とし業務等のため継続的に無人航空機を飛行させる場合には、1年を限度とする」となっているが、農薬散布の場合、この項目は適用すべきでない。
  [理由]1、指導指針では、無人ヘリコプター・ドローンに関係なく、無人航空機の散布計画の提出は、「空中散布等を実施する月の前月末までに」実施主体が、都道府県協議会に提出することになっている。
 病害虫の発生状況をみて、様々な種類の農薬を散布するわけで、予防的な過剰散布につながる、年間予測はとても出来ない。すくなくとも、1ヶ月の期間を限って、計画の申請をすべきなのに、それを最初に許可を得れば、90日もしくは1年間、そのまま通用するというのは理解できない。

  2、いままでの、無人ヘリ空中散布では、周辺住民や通学途上のこどもか農薬を浴びたり、汚染された空気を吸って健康に悪影響をうける事例が絶えない。特に農薬弱者は無人ヘリ散布の時には避難せざるを得ない。 
 事前に計画がわかれば、まだしも、90日もしくは1年間有効の許可だとすると、避難の対応は不可能である。

その4 【意見6】につづく

その4  受付番号 201903100000516788  からのつづき


【意見6】都道府県協議会や地域別協議会に,農薬被害者や環境保護者をメンバーに加え、協議会の役割を明確にした上、「新法」制定まで、改定通知等や新ガイドラインで、存続さすべきである。
  [理由]、現行指導指針では、都道府県協議会は、実施主体が無人航空機の散布計画や実績報告を提出する窓口になっており、そこには、地元の状況をよく知る地区別協議会もメンバーにはいっている。また、都道府県協議会等を代表者として、代行申請もできる。さらに。無人航空機の事故報告書は、まず、都道府県協議会へ提出されることにもなっている。
 現行指導指針にある都道府県協議会や地区別協議会には、農薬の影響を受けやすかったり、環境保護を訴えるヒトや団体がメンバーに加わっておらず、その意見が実施計画等に反映できるよう改めるべきである。



【意見7】実施主体には、無人ヘリコプターかドローンかに関係なく、個々の空中散布計画の提出と散布の事前周知を義務付け、公表する。
 無人航空機に適用される審査要領では、飛行の許可・承認申請書には、様式2で、空中散布計予定の記載が求められますが、これは、散布ごとの申請でなく、1年間も有効で、いつどこで、どのような農薬を、どの程度散布するかは全くわからない。
 一方、現行指導指針では、無人ヘリコプターもドローンも空中散布実施主体は、散布計画書を策定し、実施の1ヶ月前までに、都道府県協議会に提出することになっている。
  今後、ドローン散布は地上散布の補完=地散同等ということで、計画書提出を免除してはならない。
  新ガイドラインに、散布計画及び散布実績について『オンライン報告(メール)を可能とするものとして規定』とあるが、無人航空機の空中散布については、無人ヘリもドローンもすべての散布計画を、地図入りで、インターネット上に、公表・周知するよう実施主体に義務付けるべきである。
  [理由]1.空中散布の農薬濃度は地上散布の10-100倍も高い上、個別圃場だけでなく、広範囲な地域で。短期間で、一斉に実施されるのが一般的であり、実施団体又は個人の無人ヘリやドローンが、複数機、同時又は短期日で同一地域に農薬を散布することになると周辺への農薬の影響が大となる。これらトータルの散布が安全・適正に行えるよう地域で調整することが必要であり、個々の申請の許可・承認だけでは、地域全体の農薬飛散による地域の汚染状況を把握できず、ヒトや環境への影響を規制できない。

   2、今回の改定案には、『無人ヘリの散布計画や実績の報告は両局長通知に追加する』とあるが、ドローンについては、記載がない。また、新ガイドラインでは 『都道府県・地区協議会に係る規定は廃止し、無人ヘリコプターの散布計画及び散布実績については報告事項を見直す』とあり、ここにも、ドローンについての記載がない。無人ヘリの散布計画もドローンの計画も協議会などに集約した上、合わせて散布の妥当性を検討することが不可欠である。

   3、空散実施主体には、無人ヘリコプターもドローンも実施計画を提出した上、地域住民や農業者、養蜂・養蚕・水産養殖者、水道事業者、学校等の公共施設に散布の事前周知を義務付ける必要がある。
なお、提出すべき現行の様式は、指導指針では、散布事業計画書と散布事業報告の様式には、現在でも無人航空機の機種が明記されておらず。認定番号だけでは、無人ヘリとドローンの区別もつかない。

その5  【意見8】につづく

その5  受付番号 201903100000516789  からのつづき

【意見8】無人航空機による農薬空中散布に際して、目視飛行・補助員ありを堅持し、散布地域と非散布地域の間に、広い緩衝地帯を設置すべきである。
  無人航空機の新たなに策定される新たなガイドラインでは、散布地域周辺に額縁状の散布高度に応じた狭い緩衝区域(10mの以下とされているの)を設置することが検討されているが、これは、農薬の域外飛散を配慮したものではない。
 無人ヘリコプターにしろ、ドローンにしろ、目視飛行(操縦者から150m以内)・補助者ありを免除し、目視外飛行を含め、補助者なしで、日中だけでなく、夜間散布も可能にすることには、反対する。
  [理由]1.わたしたちは、散布地域外にある、気体状農薬成分や大気中に浮遊する農薬微粒子の吸入による健康被害を防止したい。そのためには、目視飛行と補助員による監視が最低の条件である。10m以下の額縁状緩衝帯は、墜落による、ヒトや物の被害防止のためだけに設定されている。

   2、意見2の理由7で述べたように、地散でも数十m以上での飛散被害がみられる。特に、手動操作の無人ヘリやドローンでの高濃度散布では、緩衝地域の幅をもっと拡大すべきである。
 ちなみに、石川県では、無人ヘリ散布の自主規制として、30m以上離すよう求めている。また、長野県では、松枯れ対策での無人ヘリ殺虫剤散布に際し、家屋等のヒトの生活圏から、無人ヘリ散布実施区域を30m以上離すよう指導している。
 さらに、千葉県印西市では、農薬の影響を受けやすいヒトからの要望で、居住地周辺には非散布エリアを明示している。このような対策を法的に認める必要がある。


【意見9】無人航空機事故報告については、指導指針による農水省への報告と審査要領による国交省への報告との二本立てになっている。提出先を一元化して、事例漏れがないよう、厳密に行い、第三者機関により科学的に事故原因を解明し、結果をきちんと公表すべきである。
  [理由]1、指導指針では、報告書が都道府県協議会や農水省へ提出されても、公表されるのは、限られた内容で、発生場所や機体の種類さえも伏せられている。一方、国土交通省は、事故機の種類を公表している。

   2、農薬散布の無人航空機事故報告は、農水省への報告事例と国土交通省への報告事例は一致しない。2017年は、前者が65件、後者2件である。

   3.事故原因の調査には、第三者の専門家が関与することはない。

その6 【意見10】につづく

その6  受付番号 201903100000516790 のつづき


【意見10】農薬の空中散布で、散布域外への飛散防止に有効であるとされる装置(散布装置も含む。たとえば自動操縦ドローンに適用されている飛散防止システム)を手動操縦の機種にも搭載することを義務づけるべきである。
 [理由]1、ドローン推進派はいう。コンピューター制御の空中散布は。病害虫の発生所に ダウンウオッシュ(下降気流)効果も利用して、適確に農薬をかけ、過剰な予防散布をしないから、散布農薬量が減らせる。したがって、作物の残留農薬が減らせる。また、短時間で、広い面積に散布できるスマート農業だと。
 飛散防止のプログラムシステムをつかえば、樹高プラス3、4mの高度の樹木散布でも、一般的な地上散布並の高度2mからの散布でも、散布地域外への飛散を完璧に制御できることになるといいたげです。

  2.現行指導指針には、機体の高度をあげ方向転換する際に散布をやめる/風上からの散布を行うなどがかかれているが、プログラムで、散布速度や高度・風速に応じて農薬の噴出量=散布量が制御でき、周辺のヒトの居住地や有機圃場などに農薬を飛散させず、環境・生態系や生物多様性の保護に役立つならば、目視・補助員つきの従来型の無人ヘリコプターに、当該技術を導入すれば、不適切な操縦やミスを減らせる。


【意見11】無人航空機に利用できる農薬について、農水省は、わたしたちの反対にもかかわらず、昨年の通知改定で、地上散布と同じ条件ならば、無人航空機散布を残留性試験なしで認めるという措置をとった。しかし、それでは、散布効率が悪いということで、更なる改定を本年2月22日の通知(30消安第5541号)で実施した。
 すなはち、空中散布の登録要件をさらに緩和し作物残留試験のほ場試験についての項目 まる番号7『地上散布に用いるものとして登録されている農薬について、空中散布又は無人ヘリコプター散布にも用いるものとして使用方法を追加する場合における当該空中散布又は無人ヘリコプター散布の試験例数は、必要な例数の半数以上(必要な例数3例以下である場合は、2例以上)とする。』を廃止し、 『単位面積当たりの有効成分投下量が元の登録の範囲内であれば、当該申請時に無人航空機による圃場での作物残留試験の追加提出を要しない。』とし、試験なしでの高濃度散布を容認した。さらに、『 薬害試験は、薬害の有無を確認できるときは、ほ場での実施に限らない。』とし、ほ場試験を免除した。 このような変更を、無条件では、認められない。
 無人航空機の散布と地散と比較して、薬効、薬害、作物残留性試験での、当該作物における残留量が同等であることを証明する試験の実施を義務付ける必要がある。
 また、散布域外への農薬飛散量についての試験の実施を義務付け、地散と同等であることを証明すべきである。
 さらに、その結果を公表し、当該農薬の無人航空機散布の可否について、国民の意見を聞くべきである。
  [理由]1、無人航空機による散布は、単位面積あたりの農薬数量が同じでも、作物に付着するる量は地散と同じとは限らない。なぜなら、無人航空機を作物の上2mから散布しても、ロータの回転によるダウンウオッシュ(下降気流)効果で。作物残留量は、地散よりも大となりうるし、薬効、薬及を示す散布濃度が同じでも、その効果が同じであるとは限らない。とくに、作物残留性試験は、無人航空機を用いて圃場で実施すべきである。

 2.地散よりも、高濃度の散布で、域外への飛散がふえることが懸念されるが、無人ヘリコプターやドローンによる飛散試験や汚染調査もなされていない。
以上