受付番号 | 201811120000490854/490855/490856/490858/490859 |
提出日時 | 2018年11月12日15時27分/15時29分/15時31分/15時34分/15時36分 |
提出意見 | その1 文字数制限のため、5分割して投稿します。 本提案の概要の内容について、記載の順に意見を述べる 【意見1】II-1-(1)について 農薬の登録申請に当たり提出しなければならない資料として、メーカーが提出した試験成績等は、農水省から農薬抄録として、また、審査報告書として一部が要約公開されているだけである。別に、食品安全委員会の農薬評価書があるが、これは、食品を通じての健康影響を評価する資料にすぎず、食品以外から農薬を受動被爆する場合−例えば、散布地住民が、農薬の気体や微小粒子を吸入することによる健康被害防止につながらない。 農薬の毒性・残留性等に関する試験成績は、メーカーの企業秘密保護を優先するのでなく、農薬使用者や家族、一般生活者の健康被害防止や環境・生態系への影響防止を第一に考え、すべての国民が利用できるよう公開すべきある。 [理由] たとえば、農薬評価書では、参照としている資料の多くは、未公開である。 【意見2】II-1-(2)について 農薬原体の成分及び毒性の強さが同等なもの(ジェネリック農薬)では、一部の資料について登録申請時に提出を省略することができるとされているが、提出省略された資料はすべて公開されるべきである。 また、農薬製剤は原体と補助成分からなっているが、当該成分を明らかにし、補助成分が異なった製剤を同等とする理由も明示すべきである。 [理由]1、ジェネリック製品は、他者が開発したものを、後発会社が利用することになるから、原体毒性試験等を秘密として保護する必要がない。 2、補助成分になにが使用されているかは、製剤を分析すれば、わかることで、企業秘密とはならない。 【意見3】II-1-(3)について 再評価を行う期間は、概ね 15 年ごととすることに反対である。新登録については、期限を短く限って(再登録制度下では、3年以内を求めた)、メーカーに使用者等の健康調査、流通食品での残留や一般環境汚染の実態の報告を義務付け、短い期間で再評価すればよい。 また、毎年、行政が調べたり、メーカーが入手した毒性等の新たな知見や報告を国民の前に明らかにし、その都度、評価についての意見を聞くべきである。 [理由]新たな農薬については、地域を限って、実験ではみられない広範な植栽地で仮使用し、環境汚染実態、生態系への影響、残留実態などの試験データとって、評価し直す、再評価制度をとることがより科学的である。 【意見4】II-1-(4)について 農薬の表示の方法として、文書添付だけでなく、容器にQRコードなどをつけ、インターネットやスマホで確認できるようにすればよい。 これを利用して、使用者には、使用上の注意事項等の確認と。使用履歴の帳簿への記載を義務付けるべきである。 また、情報を出荷の際に表示すれば、販売作物にどんな農薬が使用されたかも、消費者が知ることできるようになる。 [理由]現在でも、適用違反が絶えないし、散布者や散布地住民の健康被害もおこっている。 【意見5】II-1-(6)について 農薬販売は、登録された販売業者が、対面で行うの原則である。ネットで販売する場合は、ネット業者に販売届を提出していない販売者を排除することを義務つける。また、販売者には、ネット購入者に登録変更や失効などの農薬情報を伝達する義務を負わせるべきである。 不特定のヒトが匿名で利用しやすい、ネットオーションや携帯での個人譲渡は禁止すべきである。 [理由]届出ない販売、譲渡者がネット等で横行している。 【意見6】II-1-(7)について 製造者の帳簿の保存期間3年は反対である。もっと、長くすべきである。 また、後述するが、農薬使用者の使用履歴の帳簿記載を義務づけ、違反者には罰則を科すべきである。 [理由]3年というのは再登録制度をそのまま引継いでいる。再評価制度は15年を目安としている。 【意見7】II-1-(8)について 農薬製造者等が、毎年、農林水産大臣に報告しなければならない事項が追加されたが、人畜等への被害の発生に関する情報や研究報告、外国における登録の変更・取消しに関する情報等をだけでなく、農薬メーカーや販売者が入手した事故情報、残留基準違反、人畜被害、環境被害らの情報やその研究報告も速やかに報告させ、その内容の国民への開示を義務付けるべきである。 【意見8】II-1-(8)について 臭化メチルは検疫用とクリの倉庫・天幕での登録があり、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」(以下、遵守省令という)第8条の被覆を要する農薬からも除かれたが、出荷量は年間約300トンあり、違法転用のないよう監視されたい。 その2【意見9】につづく その2 受付番号 201811120000490854 からのつづき 【意見9】III-1について 遵守省令の第1条には、農薬使用者の責務6項目が記載されており。その遵守が求められる。 法改定に伴い、水産動植物を、生活環境動植物と改めるとされているが、具体的な生物種があげられていない。すでに、個体数の減少が問題となっているトンボ、両生類、野生のミツバチその他のポリネーターのほか、土壌微生物やミミズ、野鳥等への影響調査が必要である。生物種の選定においては、国民の意見を聞くべきである。 また、個別種だけでなく、食物連鎖を踏まえた生態系全体への影響防止をも責務とすべきである 農薬製剤中の原体と補助成分のヒトや一般環境汚染防止、揮発性の農薬や微細農薬粒子の大気汚染防止についての責務も強化すべきである。 【意見10】現行省令第2条(表示事項の遵守)では、『食用及び飼料の用に供される農作物等(以下「食用農作物等」という。)』となっているが、農作物等には、芝、樹木等の非食用作物が入ることを明確化すべきである。 容器表示事項を守らない使用者に罰則を科するのは当然であり、隣接の非対象作物がドリフト汚染しても、罰則が適用されないよう、対象作物と非対象作物の両方に適用がある成分の農薬製剤を使用をすすめる行政指導がなされている現状をやめるべきである。 [理由]省令第二条は、農薬容器に表示されている適用作物や適用方法(散布方法、希釈倍率、使用時期、使用回数など)を守らないと、改定農取法第24条、25条(2003年法では第11条、第12条)違反となる。作物が食用か非食用かに拘わらず、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金を科せられる。このことを明確にするのは当然である。 【意見11】III-1-(1)について 第二条2項の最終有効年月の遵守にについては、努力規定のままであり、義務化すべきである、 [理由]義務化しないと。再評価で、登録失効するまで、使えることになりかねない。 【意見12】III-1-(2)について 現行省令第4条で航空機による農薬使用計画書の農水大臣への届けを無人航空機にも適用することは賛成である。 [理由]1、無人航空機の農薬使用計画書の提出については、これまで、「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針(以下、指導指針という)で、届出るよう指導されていたが、、農水大臣への届けの義務付けにより、外郭団体農林水産航空協会だけでなく、農水省が直接情報をまとめ、公表することができる。 ちなみに、有人ヘリコプターでは、いつ、どこで、どんな農薬がどの程度散布されるかが、都道府県別にあきらかにされている。 2.指導指針では、散布の事前周知も指導だけでなく、ほかにも多くの指導事項が記載されている。これらの努力規定を義務化すれば、ヒトの健康被害や環境・生態系への影響防止に役立つ。 3.【意見19】も参照されたい。 【意見13】III-1-(3)について 現行省令第5条のゴルフ場関係については、農薬使用計画書を、農林水産大臣と環境大臣にも提出することに加え、ゴルフ場外の環境中農薬分析の実施および農薬の流出防止措置を義務づけるべきである。 [理由]環境省は、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」を定め、ゴルフ場からの排出水等の農薬調査を実施しているが、分析調査は努力規定となっている。 【意見14】III-1-(4)について 現行省令第6条(住宅地等における農薬の使用)で、住宅地等の定義において「住宅地の他、学校や保育所、病院、公園等が含まれること」を明確化にすることは当然である。 通知「住宅地等における農薬使用について」(以下、住宅地通知という)の記載内容にある多くの努力規定(たとえば、農薬使用の削減をめざすことや散布の事前周知、立入規制ほか)を義務化すべきである。 また、登録農薬と同じ成分を含む無登録の除草剤があるが、その使用に際しては、登録農薬と同等な指導がなされるべきである。 [理由]1、住宅地通知で、指導されていることを明確化したにすぎない。 2、無登録除草剤について、農耕地等で使用すると罰則が科せられるが、身近な空き地や駐車場などの非植栽地での使用は、農薬取締法では規制されず、その製造・販売は自由であり、事前通知がなくても、勝手に散布できる状況にある 3、農水省・環境省の住宅地通知に基づき、環境省作成の「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル〜農薬飛散によるリスク軽減に向けて〜」も実践すべきである。 その3 【意見15】につづく その3 受付番号 201811120000490855 からのつづき 【意見15】III-1-(5)について 現行省令第7条(水田における農薬の使用)では、水田で使用される67農薬にかぎられていたが、水産動植物だけでなく、生活環境動植物が遵守省令の対象となるから、全ての農薬について、水田における流出防止措置を講じることには、賛成である。 今後は、地上水、地下水二関係なく、水系の分析調査を実施し、公表すべきである。 また、農薬使用者は、飲料水源となる場合は、水道供給事業体への通知を怠ってはならない。 【意見16】III-1-(6)について 現行省令第8条の被覆を要する農薬から、有機臭素系の臭化メチルが除かれたが、これは、オゾン層保護に関するモントリオール議定書に基づいて、使用規制が強化され、圃場で使用されなくなったからである。 しかし、受動被曝による人体被害の多い有機塩素系のクロルピクリンはそのままである。使用者免許制度くらいでは、被害はやまない。使用禁止にすべきである。 さらに、土壌処理剤であるD−Dやメチルチオイソシアネート(MITC)を揮散する農薬の多用による環境汚染も懸念されるので、使用規制を検討すべきである。 [理由]1、クロルピクリンは住民の受動被曝による被害が最も多い有毒な農薬であり、EUではすでに、禁止されている。日本も見習うべきである。 2、D−Dはクロルピクリンについて、出荷量が多い殺虫剤であり、ダゾメット、メタムは、分解して メチルチオイソシアネートを発生する。 【意見17】現行第九条(帳簿の記載)は努力規定であり、これを義務化すべきである。 [理由]農水省は、高齢使用者は記載できないということを理由に努力規定に留めてきた。これでは、GAP認定もおぼつかず、いつまでたっても変わらない。【意見4】の農薬の容器表示でも、高齢者が、文字が小さく読めないということであるが、それでも、農薬取締法違反で罰則が適用されている。帳簿未記載の使用者も罰則の対象となれば、違法適用が減少する。 【意見18】わたしたちはいままで、2003年農取法に基づく遵守省令にある努力規定を義務化し、使用者罰則を強化することを求めてきた。 あいかわらず、農薬メーカーや使用者の経済的利益を優先させ、使用現場で、農薬を受動被曝する農村や一般生活者の健康への影響を軽視する貴省の姿勢があらためられていない。努力規定の更なる義務化を求める。 [理由] 今回の省令改定案は以下のようであり、努力規定が多い 【罰則のある義務規定】 1 食用作物,飼料作物、非食用作物に農薬を使用する場合は,農薬登録の時に定められた使用基準を遵守すること。 2 食用作物への適用がない農薬を,食用作物に使用してはならない。 3 施設くん蒸を行う者はその使用計画を農水大臣に報告すること。 4 航空機又は無人航空機を利用して農薬を使用する者はその使用計画を農水大臣に報告すること。 5 ゴルフ場において農薬を使用する者はその使用計画を農水大臣と環境大臣に報告すること。 【罰則のない努力規定】 1 有効期限を超えて農薬を使用しない。 2 航空防除の際には,区域外への飛散を防ぐ。 3 住宅混在地では,飛散を防ぐ。 4 農薬を使用した年月日,場所,農作物,農薬の種類や量を記帳する。 5 水田からの流出を抑える。 6 クロルピクリン被覆を必要とする農薬を使用するときは,揮散防止に努める その4 【意見19】につづく その4 受付番号 201811120000490856 からのつづき 【意見19】空中散布等について 有人ヘリコプターについての通知「農林水産航空事業の実施について」や「農林水産航空事業実施ガイドライン」に加え、遵守省令の改定では、無人航空機も有人航空機と同様、実施計画の提出が義務付けられた。 「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針(以下、指導指針という)」記載事項を含め、以下について、現行の努力規定を義務規定にかえ、取締りを強化すべきである。 (1)散布地周辺の住民の意見を聞き、化学物質への感受性の高いヒト、妊婦、乳幼児、高齢者が空中散布による農薬のドリフト・大気汚染の影響を受けないよう、非散布地区を設定する。 (2)航空法によるヒトや物への危害防止のため30m規制ではなく、飛行経路の外にある有機農作物や非対象作物圃場、住宅地域、公共施設、通学路などの生活圏へのドリフト・大気汚染防止のための緩衝地帯を設定する、 (3)「住宅地通知」を守り、散布計画の周辺地域への周知を義務付ける。 (4)事故報告は、軽微なものを含め、報告を義務付ける (5)ガイドラインや指導指針に反する散布を行ったり、農薬の適用違反や残留基準違反、人身・物損・事故や環境汚染を起こした実施主体、散布者は、当該機体やオペレーター等の認定を取消す その他、当グループの機関誌の記事や要望を参照されたい。 ・t31802#農薬散布の無人航空機事故防止は法律改定で#18-02 http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t31802.htm ・n00102#法規制の強化がないまま、5月より無人航空機の技術指導指針改訂#18-04 http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/n00102.htm ・農水省担当部署への無人航空機による農薬空中散布に関する緊急要望 http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/mh180301.txt 【意見20】IVについて (1)毒性試験は、動物試験をできるだけ減らし、参議院での付帯決議体にあるように、 『動物試験における3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減)の原則に鑑み、不合理な動物実験の重複を避けるなど3Rの有効な実施を促進すること。』を早急に検討すべきである。 [理由]そもそも、過酷・過剰な動物実験によらなければ、その安全性が評価できないような化学物質を農薬として環境中にばらまくこと自体をやめるべきである。 毒性試験を実施し、その結果を企業秘密とすることも理解できない、本来、毒性試験のような科学的評価は、人類共通の知見として開示するのが、動物を犠牲にするヒトのせめてもの贖罪である。 (2)試験成績は、【意見1】でも述べたが、すべて公開を原則とすべきである。 (3)評価に予防原則の視点を取り入れるべきである。 [理由]1、農薬メーカーや使用者は、病害虫の発生調査もせず、予防的に農薬を使用し、そのため、散布は過剰がちになりがちである。 一方、農薬の被害発生の防止は、予防的規制でなく被害発生が前提となっており、しかも、厳密な科学的因果関係の証明が求められている。 2、EUでは、神経毒性のある有機リン、ミツバチ被害の原因のネオニコチノイド類は登録失効したり、使用禁止や規制措置がとられているが、予防原則をとらない日本での対策は、ミツバチの死骸にネオニコチノイドが検出されても、適正に使用すればよいとの指導である。 3、除草剤グリホサートのように、IARCによる発がん性2Aランク(ヒトに対して恐らく発がん性がある)の指定について可否両主張のある場合は、安全サイドで、使用規制を行い、あらためて、すべてのデータを公表して、議論するのがよい。 (4)遺伝子組み換えやゲノム編集作物の栽培の拡大に歯止めをかけるべきである。 [理由]1、作物の遺伝子操作で、どのような被害がでるかの検証はない。 2、当該作物栽培は、特定の農薬に依存することになり、耐性作物を生むだけでなく、生物多様性の保持に影響をあたえる。 その5【意見21】につづく その5 受付番号 201811120000490858 からのつづき 【意見21】IV-2 について 特定試験成績について、農薬のドリフト・大気汚染によるヒトの健康への影響を防止するための試験を導入すべである。 なお、わたしたちは、すでに、下記の追加を求めている。 (1)生態系全体への影響評価が必要である。 (2)発達神経毒性試験、発達免疫毒性試験、環境ホルモン作用による人や生物への影響試験を実施すべきである。 (3)上記について、動物実験にかわって評価できるインビトロな試験方法を開発・実施すべきである [理由]1、大気中の揮発成分、浮遊する微粒子(土壌や水に存在する農薬成分が光、熱、酸素、水等の作用で分解生成した代謝物が大気に移行したものも含む)の気中での挙動や毒性評価に関する試験が足りない。これは、農薬使用者本人だけでなく、受動被曝を受ける散布地域の住民にとっても重要である。 2、農薬使用により、対象外の生物への影響が、検討されておらず、生物多様性保持がそこなわれている。 3、農薬に対する感受性の高いヒトに対する健康影響評価が不足している。 4、ヒトや昆虫に共通に作用する有機リン系、ネオニコチノイド系、ピレスロイド系などの農薬による神経系や免疫系への影響が懸念されており、環境ホルモン系は微量でも、世代を超えて生殖系に影響する恐れがある。 その他、当グループのHPある下記意見を参照されたい。 ・我が国における農薬登録制度上の課題と対応方針(案)についての意見(2009年7月) http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/jimu/pc090701c.txt ・農薬の登録申請時に提出する試験成績及び資料に係る関係通知の改正案に関する意見(2014/03) http://www5e.biglobe.ne.jp/~ladymine/kiji/pcno140303.txt 【意見22】IV-3 について 特定試験成績の信頼性を確保するための基準として、OECDのGLP、試験施設の基準への準拠、被験物質の管理、記録ほかの標準操作手順書の作成が求められているが、研究論文の中には、該当しないものもある。 このような論文の収集と評価もきちんと行うべきであり、その主張を無視してはならない。 [理由]東京都健康安全研究センターの田中豊人さんらのマウスの仔世代の行動へのクロチアニジンに関する研究論文について、食品安全委員会は『OECDのガイドライン等にも合致していないことから、発達神経毒性試験とは言えないと判断しました。』と主張している。 以上 |