パブコメ「水道水の水質管理目標設定項目の改正案」20/02/23〜20/03/08募集


水道水の水質管理目標設定項目
受付番号 202003080000973426/973427
提出日時 2020年03月08日12時56分/12時59分
提出意見  文字数制限のため、2分割して投稿する。
その1

【意見1】体重50kgの成人が一日に水を2Lを飲むと仮定した場合、ADIの10分の1を超えなければ可として、設定され下記の農薬の評価値に反対である。
 当グループは参照資料に示したいままでのパブコメ意見で、現行の「水質管理目標設定項目」の総農薬方式に反対し、EU=ヨーロッパ連合で行われている単一農薬濃度で0.0001mg/L=0.1μg/L、総農薬濃度で0.0005mg/L=0.5μg/Lのような管理方式をとるべきであると主張してきたが、受け容れられていない。
 (1)カルタップ:ADIを0.03mg/kg体重/日として、評価値0.08mg/L。
 (2)ジクワット:ADIを0.0058mg/kg体重/日として、評価値0.01mg/L。
 (3)プロチオホス」ADIを0.0027 mg/kg体重/日として、評価値0.007mg/L

  [理由]1、カルタップの代謝物のひとつであるネライストキシンは、チオシクラムやベンスルタップと共通である。また、ベンスルタップは、ラットの慢性毒性/発がん性併合試験で、雄に精巣間細胞腫の発生頻度増加が認められたが、非遺伝毒性メカニズムとされている。このような成分は出来る限りその摂取を減らす必要がある。
 各農薬のADIは、カルタップ0.03 mg/kg体重/日、チオシクラム0.021mg/kg体重/日、ベンスルタップ0.025mg/kg体重/日であり、総合評価として、ADIは0.016mg/kg体重/日となっている。カルタップ単独だけではなく、3農薬をあわせて評価すべきである。
   2、プロチオホスは、塩素処理で生成するオキソン体も合算して、評価されている。他の有機リン剤においても、同様のメカニズムで作用するだけでなく、代謝物としてオキソン体が生成することも共通である。全有機リン剤を合算した目標値の設定が必要である。
・参照資料1、2016年度パブコメ意見と募集結果
   反農薬東京グループの意見公表された募集結果

・参照資料2、 2017年度パブコメ意見と募集結果
   反農薬東京グループの意見公表された募集結果

・参照資料3、2018年度パブコメ意見と募集結果
   反農薬東京グループの意見公表された募集結果

・参考資料4 てんとう(ロゴ印)情報記事n01103
  n01103#水道水中の農薬検出状況と監視項目対象農薬と目標値変更#19-02
【意見2】上述の参照資料で、下記農薬の評価値の低値への見直しを求めたが、いまだ、実現していない。とくに、グリホサートは、農薬の中で、一番評価値の高い2mg/Lであり、2015年、IARCが発がん分類のランクを2A(ヒトに対して恐らく発がん性がある)に強化しており、人の尿や髪の毛に検出されている、農薬除草剤であるだけでなく、道路や空き地、競技場などでは、汎用の除草剤として、無登録で使用されているため、早急に是正を求める。。
。(1)オリサストロビン、(2)カルバリル、(3)グリホサート、(4)プロベナゾール、
 (5)メタラキシル、



その2の【意見3】につづく

その2  受付番号 202003080000973426 からのつづき。

【意見3】意見1の参考資料で、下記農薬について、評価値の設定を求めたが、いまだ実現していない。()は環境省の農薬データベースによる2017年の出荷量、*は新規追加

 (1)クロルピクリン(6526トン、フミン酸物質を含む水道原水の塩素処理で、生成する可能性あり)、
 (2)イミダクロプリド( 64.3トン。EUで18年12月開放系での使用禁止)、
 (3)ジノテフラン(156.8トン)
 (4)クロチアニジン(75.9トン、EUで開18年12月放系での使用禁止)
 (5)チフルザミド(26.8トン)
 (6)テブコナゾール(83.2トン)
 (7)ピリミノバックメチル(7.4トン)
 (8)フラメトピル(29.0トン)、
 (9)エチプロール(35.1トン)
 (10*)チアクロプリド(14.4トン、EUで20年4月失効、)
 (11*)チアメトキサム(48.4トン、EUで18年12月開放系での使用禁止)


【意見4】PFOS及びPFOAは、「水質管理目標設定項目」として、新たに追加され、目標値は、両者の和として、0.00005mg/L=0.05μg/L =50ng/L以下(暫定)」とされたが、規制は遅きすぎる。
 本来、環境中に検出されてはならない、このような有害かつ難分解性の化学物質は、使わなければ、環境汚染が減り、水道水にも混入してこない。
 水道原水や浄水の分析法を定め、検査数を増やして、汚染実態を詳細に調査して、「水質管理目標設定項目」の目標値を定めることが望まれる。
 
  [理由]1、水道水質に関しては、PFOS及びPFOAが要検討項目に位置付けたのは2009年4月であある。その後、2013-2018年に、年間88-165地点で、原水及び浄水の分析(定量限界値は0.07〜10ng/L)を行われた。
 年度ごとのNDを超えた地点の比率と最大検出値を下表にまとめたが、定量限界=NDに幅がある、採水時期が不明など、科学的に不正確なデータであり、絶対的な比率や検出値の比較はできないまま、目標値の設定がなされた。

        NDを超えた地点の比率   最大検出値(単位ng/L)
         原水     浄水     原水   浄水
  PFOS     22.1-30.7%  18.8-24.2%  15-340  11-140
  PFOA     31.3-52.0%  27.7-45.0% 35-65 24-71
  PFOS+PFOA  35.0-54.5% 31.3-46.8% 51-378 30-155

   2、国際的なPOPs条約では、PFOS及びその塩は2009年5月に、製造、使用、輸出入を制限すべき物質 として、追加掲載された。

   3.日本の化審法では、PFOS 又はその塩が第一種特定化学物質とされ、2010年4月から施行で、 製造・輸入が禁止された。
  PFOAもまもなく、同様の措置がとられることになっているが、まだ、施行されていない。 

   4.TDIは、カニクイ猿の甲状腺ホルモンレベルの低下を基に、NOAEL0.03mg/kg 体重/日としたが、不確実係数は、国によって異なり、アメリカのEPAで390、EUのEFSAで200であり、それぞれ、TDIは0.08、0.15μg/kg体重/日である。

   5、オランダでは、PFOS の魚介類の摂食を考慮した環境基準値は、0.00065μg/Lである。日本でも魚介類での生物濃縮を考慮した環境調査を行い、環境基準の設定が必要である。

   6、PFOAについては、2019年開催のPOPs条約の第9回締約国会議で。附属書 A(製造・使用、輸出入の原則禁止)への追加が決定され。日本でも、条約に従って、早急な化審法による規制が望まれている。
以上、