Subject: JR九州線路除草剤散布による農作物被害の件 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp -------- 2018年10月5日 福岡県県民情報広報課     御中    食の安全・地産地消課  御中  農薬問題では、いつもお世話になっている反農薬東京グループです。  台風や異常気象の多い中、環境保全型農業の推進や農薬による危被害防止に  力を注いでおられることと存じます。  ところで、JR九州が、今夏、鹿児島本線沿線で散布した線路除草剤が周辺に飛散 して、大豆圃場や水稲栽培に影響がでたことが、報じられました  類似の線路除草剤による農作物の被害は、いままでにもおこっており、わたしたちも、 以下のURLに示したように、機関誌「てんとう虫情報」でとりあげてきました。  2004年:JR東日本、線路の除草剤散布で農作物に被害、    http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t15604.htm      JR東日本、こんどは水郡線沿線で線路除草剤による農作物被害    http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t15700.htm#t15707  2012年:#線路用地にまくのは、農薬取締法対象外〜滋賀県 近江鉄道沿線で、除草剤 による農作物被害    http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/kiji/t25401.htm  このような事故の防止のため、今回の農薬危被害の背景を明確にしておくことも重要 と考えます。以下のお尋ねと要望をしますので、10月19日までに、下記へご回答ください。     =================================================       ★★★反農薬東京グループ★★★  河村 宏       E-mail:npant@n09.itscom.net URL http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/      ================================================== **** お尋ねします 1、今回の鹿児島本線の沿線周辺での農作物等の被害について、  被害発生は、8月に入って発覚したと認識しています。下記について、教えてください。 (1-1)被害発生と思われるJR九州が除草剤散布した日時以後、被害報告、原因追求、 農薬分析、JR九州散布の除草剤が原因とわかるまでの経緯など、経過を日時を追って。 教えてください。 (1-2)農薬危被害事故を起こしたJR九州からは、本件について、いつ、どのような説明 が貴県にありましたか。また、事故判明後、貴県は同社に対して、どのような調査や指 導をされましたか。日時を追ってお示しください。 (1-3)JR九州が、貴県内で、今夏、除草剤を散布した路線はどこですか。   当該路線ごとに散布日時(散布時刻もお願いします)とその時の気象条件(降雨状 況や風速)、線路キロ数を教えてください。   そのうち、作物被害を受けた路線周辺の駅名や地名、線路キロ数、できれば、地図 で範囲をお示しください。また、被害範囲の長さは、線路でどのくらいのキロ数で、線 路からどのくらいの距離の間ですか。 (1-4)JR九州は、どのような線路除草剤を使用し、誰が、どのような方法で散布して いましたか。路線毎に教えてください。   除草剤については、登録農薬の場合は、成分と登録番号を、無登録農薬の場合は成 分と製剤名を教えてください。   製剤ごとの希釈倍率や総使用量はどのようでしたか。   周辺への飛散防止対策として、どのような手法がとられていましたか。   にも触れてください。 (1-5)貴県において被害を与えた除草剤、被害を受けた農作物の種類と被害状況(収穫 が減少した作物、販売できなかった作物別にお願いします)、被害面積はどのような規模 であったか、地域ごとに教えてください。  また、有機JAS規格のある農作物や無農薬栽培を行っている農家の今後の栽培に影響 はでていませんか。出た場合は、どう対処されますか。   被害場所/被害作物の種類/被害件数又は数量/被害面積を一覧もお示しくだされば幸 いです。 (1-6)JR九州の線路除草剤散布により、周辺住民の健康被害の報告や環境・生態系へ の影響の報告がありますか。 (1-7)JR九州は、上記散布に際し、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省 令」第二条(表示事項の遵守)及び第九条 (帳簿の記載)を遵守していましたか。 (1-8)各沿線の除草剤散布地域と線路周辺の土地使用状況(住宅、道路、水田、畑、   山林など)、及び被害を受けた地域を図で、お示しの上、農薬飛散の恐れのある周 辺農地及び住宅地域へ、散布周知がなされていたかを教えてください。   散布地域周辺の水田や畑、その他栽培植物に除草剤が浮遊・飛散し、薬害を生ずる ことは充分予測されます。   また、散布地域周辺の民家や道路へも、除草剤が浮遊・飛散し、人の健康に影響を 与える恐れがあり、農水省・環境省は通知「住宅地等における農薬散布について」で、 できるだけ、農薬を散布しないよう、万一散布する場合は、周辺に周知するよう指導さ れています。   JR九州は、除草剤散布にあたり、周辺農家や散布地域周辺の住民や通行人・通行 車輌にどのような周知をしていましたか。もし、配布文書があれば、お示しください。 (1-9)貴県は、今回除草剤被害を受けた農作物中の農薬の残留分析を実施されたり、散 布路線周辺の環境調査をされましたか。されておれば、  作物又は検体のの種類/採取月日/採取場所/検体数/分析対象農薬/検出数/検出範囲/検 出限界を一覧でお示しください。 (1-10)本件で、貴県は、事後に、JR九州になにかアクションをとられましたか。  また、再発防止のため、JR九州に対策を求められていますか。    具体的な内容を教えてください。 2、農薬危害防止運動との関連について  今回の農作物被害は、貴県の平成30年度農薬安全使用運動のさなかにおこりました。 同実施要領で『 散布時における近隣作物や住宅地等周辺への飛散防止の徹底』を掲げて 指導をされていることからも、貴県の指導責任も問われることと存知ます。 (2-1)当該運動の通知は、JR九州及び他の鉄道会社宛にいつ、とのような発信をされ ていますか。貴課以外の他部署からへの通知発信も含めて、教えてください。 (2-2)JR九州や他の鉄道会社が、線路除草剤を散布する場合について、飛散被害防止 のために、貴県は具体的にどのような指導をされていますか。文書があれば、お示しく ださい。 (2-3)貴県は、農薬指導士認定事業として、農薬使用者の研修及び試験を実施しておら れますが、JR九州や他の鉄道会社の関係者が研修や試験を受けたのは、いままでに、 何人くらいですか。 3、その他  (3-1)作物被害が発生した原因について   (3-1-1)前年までの除草剤散布で、今回のような大規模な被害報道はありませんでし  たが、今年の散布で、前年と異なる点をお調べのうえ、教えてください。   (3-1-2)今年発生した除草剤事故原因はどのようにお考えですか。    下のようなケースについて、教えてください。    また、その他に、原因として検討されている点がありましたら、お聞かせください。    (a)葉に付着することにより植物枯死した。    (b)散布後の降雨により、水田に成分が流入して、枯死にいたった。    (c)散布者が濃度等の調合や散布量を誤った。    (d)散布圧が高すぎたり、飛散防止用のノズルを使用しなかったため、遠方    にドリフトした。  (3-2)被害を受けた生産農家への補償についてどうお考えですか。  (3-3)再発防止のための対策等をお聞かせください。   (3-3-1)今回の事故で、貴県はJR九州や他の鉄道会社に対し、どのような調査や指 導をされましたか。   (3-3-2)今後の具体的対策をお示しください。   (3-3-3)鉄道除草で、出来る限り除草剤にたよらない方法をとられることを望みま すが、貴県はいかがお考えですか。 以上